氷の天才のヴィクトリーロード   作:アキ1113

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 今回はいよいよ、零とハルの直接対決となります。

 それでは、どうぞご覧ください。



第13話 復活のモンスター

 

 『さぁ、まさかの展開となった準決勝第2試合!ここでサッカーモンスター、円堂ハルがピッチに出ます!』

 

 選手交代により、後半からは円堂君が試合に出ることになった。その目はこれまでの彼とは違い、熱が籠っているように見えた。すると……

 

 「初めまして、氷月さん」

 

 「!」

 

 後半が始まる前に、円堂君が僕のところに来たのだ。円堂君は、ただ単に僕へ挨拶をしに来たわけではなく……

 

 「この勝負、俺たちが勝ちますから」

 

 笑みを浮かべ、宣戦布告ともとれることを口にしてきたのだ………それほどこの短期間でレベルアップした、という自信があるのだろう。なら―――

 

 「それはこっちのセリフだよ、円堂君―――それに僕の夢のためにも、ここで負けるわけにはいかない。悪いけど、この機会を利用させてもらう」

 

 「!雑誌も読んだけど、やっぱ凄いな………あと俺のことはハルでいいですよ」

 

 円堂君―――本人がいいと言ったので、今後はハル君と呼ばせてもらおう―――はそう言うと雷門のチームメイトのところに戻って行き、僕もハル君と同じく自陣へと戻り、ポジションについた。

 

 「零、円堂と何話してたんだ?」

 

 「ハル君と?………互いに宣戦布告?的なことかな」

 

 「そうか、なら―――って、いつの間に名前で……?」

 

 僕がハルのことを名前で呼んでいたことを疑問に思った冬真を余所に、僕は敵陣を見据えて集中し始めていた。そして……

 

 『さぁ後半戦!雷門ボールから再開です!』

 

 運命の後半戦が始まった。

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 後半戦が始まった直後、ボールは円堂へと渡り……

 

 「っ!」

 

 一気にこちらへと駆け出してきたのだ。それを予測していたのか……

 

 「通さないよ」

 

 「やっぱりそう来ますよね……!」

 

 零が円堂の前に立ちはだかった。円堂は1人で突破するのは不可能と判断したのか……

 

 「ふっ!」

 

 近くに来ていた赤袖へバックパスを出した。

 

 「それも予測済だ!」

 

 そこに雨竜がボールを奪おうと走り込むが……

 

 「ザ・ミスト!」

 

 「っ!?」

 

 ザ・ミストにより霧を起こして雨竜の視界を奪い、その隙に月影蓮へとパスを通した。

 

 「ハル!」

 

 「行かせないよ」

 

 「いえ、推し通ります……!」

 

 「!」

 

 月影の声を聞いた円堂は、無理矢理フィジカルで零のマークを外したのだ。零も通すまいとすぐについていくも……

 

 「「「パーフェクト・タワー!!」」」

 

 「っ……!」

 

 その前に雷門の選手3人のディフェンス技により、行く手を阻まれてしまった。その一瞬の隙に………

 

 「行くぞ!これが俺たちの必殺技シュートだ!」

 

 すると円堂は、ボールを上に打ち上げると青色の雲を生み出し、稲妻を纏わせた。そして、月影蓮と星村ナオを加えた3人が息を合わせ……

 

 「「「イナズマブレイク!!」」」

 

 強力な雷の必殺シュートを放ったのだ。それに対し……

 

 「今度こそ―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦姫の盾!!

 

 一心はもう一度あの必殺技を発動させた。

 

 「はぁっ!!」 

 

 すると今度は成功したのか、盾に止められたボールは凍りついていき……

 

 「っ!」

 

 見事にボールがその手に収まったのだ。

 

 「やりましたね~!」

 

 「あぁ……これで完成だ!」

 

 新必殺技の完成を喜ぶのも束の間……

 

 「よし、上がれ!」

 

 一心の言葉と共に、FWとMFは敵陣へと上がっていく。それから一心はボールを蹴り……

 

 「そこですね!」

 

 ほろかへと渡ろうとした……が、

 

 「ふっ!」

 

 「うぇ!?」

 

 それを円堂が予測していたように、空中でパスカットしたのだ。

 

 「2人とも、もう一度だ!」

 

 「あぁ!」

 

 「うん!」

 

 そして、そのままドリブルで駆け上がっていくと……

 

 「「「イナズマブレイクV2!!」」」

 

 今度は進化させたイナズマブレイクを撃ってきたのだ。

 

 「戦姫の盾!!」

 

 一心も負けじと、先ほど完成させた必殺技で止めようとしたが……

 

 「ぐっ!?」

 

 『ゴーーール!!雷門があのイナズマブレイクを進化させ、得点を決めた!!』

 

 『またあの技が見られるとは……小生、感動であります!!』

 

 そのまま押し切られ、得点を許してしまった……。

 

 「うおおおおおおお!!」

 

 円堂は雄叫びを上げ、ゴールの喜びをスタジアム全体に表していた。必殺技を即進化、か……これだからサッカーは面白い……!

 

 その後、俺たちのボールで試合が再開されたが、雷門の動きは円堂を中心とした戦術でデータよりも格段に上がっており……

 

 「蓮さん!」

 

 「あぁ!」

 

 その連携によって雷門はどんどんゴールに迫っていく。さらには指令塔の零が徹底的にマークされており、タクティクスの効果があまり出せずにいたのだ。そして……

 

 「これが、暗闇の中でもがいてもがいて習得した新必殺シュート……食らえ!!」

 

 ゴール前まで来た円堂は飛び上がると、空中を蹴ってゴールの方に落ちていくように飛び―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「メテオッド・ファイヤートルネードッ!!」

 

 右足に炎を纏わせ、回転しながらシュートを撃ったのだ。それは隕石を伴って、ゴールへと迫っていく。

 

 「追い付かれてたまるか―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦姫の盾G2!!」 

 

 一心は先ほど完成させた必殺技をさらに進化させ、シュートを止めようとしたが……

 

 「ぐっ!?」

 

 『ご、ゴーーール!!なな何と!円堂ハルが進化させたファイヤートルネードを引っ提げて、爆裂降臨したぞーーー!!』

 

 『こ、こんな技が見られるとは……小生、感激のあまり涙が……!!』

 

 完全に覚醒した円堂の技を止められず、同点ゴールを許してしまった。零が抑えられているとはいえ、まさか2点も連続で獲られるとは―――

 

 「……冬真」

 

 「?何だ、零」

 

 「ここからは、僕も前に出る」

 

 零が急にそんなことを言い出したのだ………そう言う零の眼は、どこかギラついているように見えた―――ってことは、あの作戦で行くってわけか……!

 

 「あぁ、分かった―――みんな、後ろは任せた!」

 

 「了解です!」

 

 「!なるほどな……任せとけ!」

 

 さぁ、ここから反撃だ……!!

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 「これも特訓の成果か、ハル?」

 

 「蓮さん……そんなところです。ファイヤートルネードに落ちる力を加えた新必殺技『メテオッド・ファイヤートルネード』」

 

 「凄いよハル君!このままいけば、勝利は確実だね!」

 

 俺が同点ゴールを決めた後、星村さんは笑顔でそう言ったが……

 

 「いや、油断はしない方がいいと思う」

 

 「はい、このまま零さんが終わるとは思えません。まだ何か作戦を隠しているのかも……」

 

 相手は戦術の氷帝……元々強豪の白恋をあそこまでレベルアップさせた張本人。楽観視はよくないだろう………それだけではなく、俺自身がもっと零さんたちの本気を見たいと言うのもあるが。

 

 『同点となったこの試合!どちらが勝ってもおかしくありません!』

 

 『それに盛り上がりも準決勝とは思えないほどです!』

 

 『さぁ、白恋ボールで試合再開です!』

 

 ホイッスルが鳴り、吹雪さんが零さんにパスをして試合が再開した………その直後、

 

 「えぇ!?」

 

 「なっ!?」

 

 零さんが急加速して俺の方へと迫ってきたのだ。零さんって、指令塔タイプのはずじゃ―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「レベルを上げる」

 

 「!」

 

 「ついてこられるものなら……ついてきてみなよ?」

 

 「っ……!?」

 

 零さんはそう言うと、スピードを落とすことなくヒールリフトで、ボールを俺の脳天ぎりぎりで通したのだ………マジかこの人、こんな動きもできるのか……!

 

 「人数かけて止めるぞ!」

 

 蓮さんの指示で、零さんのところに3人がかりでプレスをかけに行くが……

 

 「氷神の舞」

 

 零さんは3人を囲むように氷の竜巻を起こすと、中を縦横無尽に駆け回ることでこちらの動きを止め、包囲を突破したのだ。プレスをかけに行った3人も、すぐに追いかけようとしたが……

 

 「!?何だ、これ……!」

 

 「足が凍ってる!?」

 

 「くそっ……!」

 

 足を凍らせられ、動きを封じられてしまっていた。その隙にも……

 

 「ザ・ミス―――」

 

 「遅い」

 

 「っ!?」

 

 高いドリブル技術で次々とこちらのディフェンダーたちを1人で突破していた。さらに、零さんへ人数を掛け過ぎたせいか、吹雪さんも既に前へと上がってきていた―――まさか、最初からこれが狙いだったのか……!

 

 「ふっ!」

 

 「はぁっ!」

 

 「「ホワイトダブルインパクト・改ッ!!」」

 

 零さんの狙いにまんまと嵌った俺たちは2人を止めることができず、そのまま必殺技シュートを撃たせてしまった。

 

 「正義の鉄拳G2!!」

 

 暖冬屋さんも進化させた正義の鉄拳でそのシュートを弾こうとしたが………

 

 「ぐおっ!?」

 

 『ゴーーール!!ここで白恋中が逆転!!』

 

 『これまでパサーに徹していた氷月選手、攻撃でも氷帝としての強さを見せました!!』

 

 その圧倒的な威力に押し負け、逆転を許してしまったのだ……。

 

 

 

 

 




 読んで下さり、ありがとうございます。

 次回で白恋対雷門の試合を決着させる予定です。

 それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。
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