氷の天才のヴィクトリーロード   作:アキ1113

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 読者の皆様、お久しぶりです……前回から時間が経ってしまいましたが、今回で白恋対雷門は決着させます。果たしてその結末は……?

 それでは、どうぞご覧ください。



第14話 賭け

 

 進化させたホワイトダブルインパクトで逆転し、スコアは3-2で俺たちがリードする形になった。

 

 「やりましたね!」

 

 「いつの間に2人で練習してたんだ?」

 

 逆転したことに、みんな喜んでそう声を掛けてくれた。この技はある技の練習をするついでに習得したものだが、もう一段階進化したものを完成させることができた。すると……

 

 『おっと、ここで雷門選手交代です。キーパー、暖冬屋選手に代わり、木下選手が入ります』

 

 「女神シグリアの名の下に!!」

 

 雷門が選手交代で、ある選手を投入してきた。それは初めてみる選手で、全く情報のないキーパーだった……。

 

 「零、あのキーパーって……?」

 

 「情報にはなかった選手だね………けど、やることは変わらない。何があっても、雷門を倒すだけだ」

 

 「!あぁ……そうだな」

 

 この状況になっても零は冷静で、雷門側を見据えてそう言ったのだ。それから試合が再開され、雷門は円堂を中心とした戦術で攻め込んでくる………が、

 

 「そこでしょ?」

 

 「「っ!?」」

 

 パスしようとしたところで、零が完璧なタイミングでカットして攻守を反転させた。それからどんどん攻め上がる零に、雷門キャプテンの月影がスライディングでボールを奪おうと迫るが………

 

 「!」

 

 「くっ……!?」

 

 零は月影の方を見ることなく、この動きを予測していたようにヒールリフトで回避したのだ。さらに零はその直後、俺の方を見ずに強烈なカーブを掛けたパスをしてきた。

 

 「っ!」

 

 俺はそれをトラップすると………

 

 「行くぞ………パンサーブリザードV2ッ!!」

 

 特訓で強化したパンサーブリザードを放ち、点を獲りに行く………が、 

 

 「女神大陸!!」

 

 雷門のキーパー木下は、背後にギリシャ神話に出てくるような女神が出現させると、その手のひらでシュートを止めてしまった……。 

 

 「っ!?」

 

 「ウソだろ……!」

 

 まさかこれを止められるとはな………まだこんな選手がいるとは、さすが雷門と言うべきか………。

 

 「やぁっ!!」

 

 シュートを止めた木下は、すぐにボールを円堂に向かって投げた。そして、そのボールをトラップした円堂は………

 

 「行くぞ………はぁあああああああ!!」

 

 『こ、ここで化身!円堂ハルが化身を生み出しました!!』

 

 『あの化身には、見覚えが……?』

 

 叫び声を上げると、何と炎の魔神のような化身を生み出したのだ………まったく、サッカーモンスターっていうのは、何でもありなのかよ……!

 

 『円堂ハル!そのまま白恋のゴールへと迫っていく!!』

 

 そして……  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「メテオッド・ファイヤートルネードV(ヴィクトリー)!!」

 

 化身によって強化された必殺技を放った。

 

 「!マジン・ザ―――うわああああああ!!」

 

 一心も必殺技で止めようとしたが、それよりも速くシュートがゴールへと突き刺さった……そのゴールが決まった瞬間、スタジアムは割れんばかりの歓声に包まれた……。 

 

 『さぁ、一進一退の攻防!同点のまま、残り時間は1分となりました!』

 

 『まさか準決勝でこんな熱い試合が見られるとは、どちらが勝ってもおかしくはありませんね!』 

 

 残り時間はあと僅か……どうす――― 

 

 「冬真、あれを使う」

 

 「!?」

 

 俺がここから逆転するための作戦を考えようとしたところで、零がそう言ってきたのだ。あれって………!まさか―――

 

 「零、でもあれは―――」

 

 まだ未完成―――そう言おうとしたが……

 

 「今は同点、それに残り時間は僅か………この技に賭けて、一気に勝負を決める」

 

 零は間髪入れずにそう返した。零の言う技こそ、俺と2人だけで特訓していた技なのだが、今まで納得のいく形で成功させたことはない………でもやるしかない、か……。

 

 「……分かった。その技に賭ける」

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 『さぁ、残り1分となった準決勝第2試合!果たして勝利の女神が微笑むのは、王者雷門か!それとも氷帝と韋駄天を擁する白恋か!』

 

 帝国学園に勝利した僕たち南雲原中は、続いて行われる雷門中対白恋中の試合を観戦していた。その試合の前半は、『戦術の氷帝』氷月零と『白恋の韋駄天』吹雪冬真の圧倒的な実力と連携により、雷門を完全に圧倒していた………が、後半から出場したハルを加えた雷門もその実力を示し、新技や化身によって後半で一気に3点を獲ったのだ。それだけではなく、氷月零があんな動きができることにも驚いたが……。

 

 「これ、どっちが勝つんだろ……」

 

 「どっちが勝ったとしても、決勝の相手が今までにない強敵になるのは変わりないけどな」

 

 「でも、それはそれで楽しみですね」

 

 「それもそうだな」

  

 みんなも決勝戦の相手が決まる試合ということで、注目して見ていた。

 

 「行くぞ……!」

 

 ホイッスルが鳴り、白恋ボールで試合が再開した。試合が再開して吹雪冬真にボールが渡ると、吹雪冬真はトップスピードで敵陣に突っ込んでいく。

 

 「いきなり!?」

 

 「来るぞ!」

 

 雷門はすぐさまそれを止めに走る………が、

 

 「っ!」

 

 『!?』

 

 吹雪冬真は背後にいる氷月零にバックパスを出したのだ。その行動に驚いたのか、雷門の選手たちは一瞬ボールを目で追った。その隙に……

 

 「っ!」

 

 「!しまっ―――」

 

 吹雪冬真は雷門の選手たちを躱し、深く攻め込むことに成功したのだ。そして……

 

 「はぁあああああああ!!」

 

 ボールを受け取った氷月零は、雄叫びのように声を上げながら、今までにない強烈なブリザードを伴ったシュートを放った。

 

 『なんと!ここで氷月選手の新必殺シュートが雷門ゴールに迫る!』

 

 そのシュートは、そのままゴールに向かっていくかと思われたが……

 

 『いや!これは!?』

 

 そこに吹雪冬真が、脚に赤黒いオーラを纏いながら猛スピードでそのシュートに追い付いてきたのだ。そして……

 

 「これで決める!!」

 

 吹雪冬真は氷月零のシュートに向け、今まで見たどのシュートよりも速く脚を振り抜き……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「氷結のグングニルッ!!」」

 

 威力をさらに上乗せさせた、巨大な氷の槍の必殺技を放ったのだ。

 

 「「「パーフェクト・タワー!!」」」

 

 それに対し、雷門のDFたちは必殺技でシュートを止めようとしてくるが……

 

 「「「っ!?」」」

 

 「い、威力が……!」

 

 「落ちない……!?」

 

 放たれたシュートは、その威力を落とすことなく雷門のゴールに迫っていく。

 

 「止めろ!!」

 

 「女神大陸!!」

 

 雷門のキーパー木下まつのも、さっきの必殺技でそのシュートを止めようとした。

 

 「ぐぅっ!?」

 

 それは一瞬受け止められたものの………

 

 「なっ!?」

 

 シュートの威力が勝っていたのか、そのままゴールに―――

 

 「はぁあああああああ!!」

 

 入ろうとしていたが、そこにギリギリのところでハルがシュートを何とかキックで跳ね返そうとしていた。

 

 『行っけぇえええええええ!!』

 

 『止まれぇえええええええ!!』

 

 そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ゴーーーーーーール!!』

 

 シュートはゴールへと突き刺さり……

 

 『ここで試合終了!!準決勝第2試合、番狂わせが起きました!!』

 

 『スコア3-4で、白恋中が王者雷門を打ち倒し、決勝進出を決めました!!』

 

 白恋中が決勝進出を決めたのだった……。

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 「か、勝ったの……?」

 

 「リベンジ、できたってこと……?」

 

 試合が終わった直後、俺たちは呆然としていたが……

 

 『や………や………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やったぁあああああああああ!!』

 

 雷門にリベンジを果たしたという事実を理解し、喜びの声を上げた。

 

 「ふぅ―――っ!?」

 

 「やったな!零!」

 

 俺も零のところに行って肩を組み、喜びを分かち合った。

 

 「っ……うん、そうだね。あとは―――」

 

 零はそう言うと、観客席のある場所に目を向けた。そこにはこの試合を見ていた南雲原中がおり、零は特に笹波雲明のことを見ていた。

 

 「あぁ、次は決勝………絶対に勝つ。そして、その先に行く―――だろ?」

 

 「もちろん」

 

 すると……

 

 「零さん」

 

 「「!」」

 

 円堂ハルが零に声を掛けてきたのだ。その顔は負けたというのに、どこか清々しい表情をしていた。

 

 「久し振りに負けましたよ……流石、氷の天才と呼ばれただけのことはありますね」

 

 「!」

 

 「氷の天才……?」

 

 その言葉に、俺は思わず首を傾げた。

 

 「もしかして零さん……教えてないんですか?」

 

 「昔のことだからね……それにその名前にはあまりいい思い出はないから」

 

 「!それって――――いや、分かりました。ならこれ以上は訊きません」

 

 氷の天才……かつての零の二つ名のようだが、零がそう言っているから俺もこの話題には触れないようにしよう。

 

 「正直気にはなるけど……零が嫌がるなら、俺も訊かないでおくよ」

 

 「……ありがとう、冬真。それにハル君も」

 

 そして……

 

 「2人とも……次の決勝、雲明に勝ってくださいよ?応援してますから」

 

 「分かってるよ」

 

 「言われなくても」

 

 俺たちはそう言い、それぞれがハルと握手するのだった。

 

 

 

 

 




 読んで下さり、ありがとうございます。

 この小説の世界線では、白恋が雷門に勝ってリベンジを果たして決勝に駒を進めました。決勝は白恋VS南雲原となりましたが、ここからどうなるのか……。

 それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。
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