真人との戦いを終えた羂索は、両腕を失い呪力量も半分を下回っていた。
満身創痍──とまではいかないが、普段の羂索ならば迷うことなく逃走を始めているそんな状況。だが、それを許さない存在が高専生達と《一級術師》日下部篤也、冥冥。《準一級術師》歌姫を引き連れて現れた。
だが、いくら《一級術師》を含めた術師達が現れようとも《呪霊操術》と《再編領域》を扱う羂索にとっては何ら障害になり得ない。
仮に
「──そう言えば。氷川裕子。その名前が出てくるということは、私の正体について察しはついているのかな?」
「これだ! って断言は出来ないが、確信はしている。でも君の正体については取り敢えず放置で。優先度は低いし、重要かと言われるとそうでもないからね」
「……あ、そう。まぁ私の事は好きに呼びなよ。氷川裕子、夏油傑。いずれの名前も私にとっては幾つもある内のどれかにしか過ぎないからね」
「そういえば
《特級術師》九十九由基。羂索が長き時の中で築き上げた情報網や総監部の持つ情報を洗っても術式含めた詳しい能力が分からなかった、万全の状態で戦ったとしてもどうなるか分からない未知数の敵。彼女が現れたからこそ、羂索はこの場に留まっている。
無論《再編領域》や《呪霊操術》を無制限に使えば逃げることは可能であり、殺すまでは行かずとも戦闘不能にすることは容易のはず──なのだが、両腕を使えない自身の状況と九十九という未知の力を持った存在、そして今もこの状況を見つめているであろう
「子供を産んだことがない、求める男性の理想値が高そうな未通女には分からないかもしれないけどね。今の橘はデリケートな時期なんだ。彼女に会いたいなら同じ立場に──子供を孕んでから出直して来てくれ。そう、私みたいにね」
「誰がめんどくさいおぼこ女じゃい! ……って、お前は産んだ事があるのかよ!?」
両腕がないため掌印を結ぶことが出来ず領域を展開出来ないだろう──という、領域を展開する上での常識を利用した《再編領域》による奇襲も、真人との戦闘を見ていた彼女には通じない。
《再編領域》を使ったとしてもすぐに領域を展開され、拮抗して押し合いをしている間に、防御不可能な一撃必殺の攻撃を喰らうかもしれない。特級の高専資格条件から考えても、この可能性は充分にあり得る。
「そうだ。実は北海道に1人面白い男が居るんだけど、よければ紹介してあげようか? 研究熱心で、呪霊にも詳しくてね。彼の探究心には私も驚かされたものさ。もしかしたら君とも気が合うかもよ?」
「悪いがノーセンキューだ。理想の男は自分の目で見つけてこそだろ?」
ならば真人に使った初見殺しの《再編領域》を使えば簡単に完封出来るのでは? となるが、クールタイムを挟まなければ使えないため現状は使用不可能。他にも初見殺しの《再編領域》は準備しているものの、これらの切り札を晒すほど追い詰められているわけではないので、いつでも発動できるよう準備をするまでに留めている。
また、《呪霊操術》を使い特級やそれに準ずるクラスの呪霊は
「それは残念。──あぁ、そう言えば呪力を無くし呪霊を発生させない方法は見つかったかな? 前に聞いた時の内容は、面白味のない失笑モノのプランだったからね。少しはマシになったか採点してあげるよ(さて、
九十九は五条悟に力及ばずとも高専資格基準で特級を冠する術師。奇襲をしてこなかったという事実から、何かしらの勝算と対策を持ってこの場に現れた……と想定して然るべきだろう。
初見の未知数の力を持つ敵に対し、相手の出方を伺うことしか出来ない状況だが、この膠着した状況は《再編領域》や特級呪霊などの手札を
なりふり構わず攻められるか奇襲を仕掛けられた場合、羂索も幾つかの手札を使い対処する必要があった。しかし、九十九達は何か狙っているのか中々攻めてこない。
そこで羂索は真人との戦闘を行う前の備えとして連絡していた
羂索は連絡用の呪霊を介し、合図を送ったら攻撃するよう美不二に伝達した後、術式発動のための時間を少し稼ぐために過去のやり取りを掘り返した。
「……ご期待に添えず申し訳ないが、まだプランは再構築中だ。君と先程まで戦っていた真人を上手いこと使えれば──とか考えていたんだが、先に捕獲されてしまってはどうしようもない。もっとも、アレは私の手に余りそうだ(相変わらずムカつく事を言ってくれる。……だが、真人との戦いを見るに術師としてのレベル・結界術の腕は間違いなく私より上。そう、
そんな羂索の考えを知らない九十九は真人との戦闘を直接見て、両腕を失っている状態の羂索といえど、確実に仕留められると思えるほど自身の力を過信してはいなかった。
故に前線まで連れてきた術師達と連携して叩く必要があると判断し、事前に伝えた
「それは残念。けど、どんな答えを聞いてもきっと私はつまらないと答えたはずだろうね。前にも言ったが、呪力や呪霊を無くすなんてことは世界のシステムを変えるに等しい。呪霊や呪力が存在するのは太陽が東から昇って西へ沈むぐらい当たり前の事だ。そんな当たり前の常識を覆すには、君じゃ手段も力も経験も発想も、何もかもが足りていない(先生に呪霊を使って連絡はしたけど、一応《再編領域》はいつでも展開できる準備は出来ている。まぁ気にする程でもないとは思うけど九十九由基の
しかし解せないのが、九十九が足手纏いである高専の術師達を連れて現れたこと。ただの肉壁か、何かしらの術式で支援をさせるためか。冥冥などの実力者は居るが、九十九と肩を並べて戦える程ではない。
羂索の中に姿を見せぬ伏兵の可能性など幾つもの択が浮かぶも、その全てが九十九という自分の命に手を掛ける可能性を持つ《特級術師》より警戒すべきものではないと断定し、如何様にも対処できると余裕を滲ませた笑みを浮かべる。
「はっ、視野が狭いって言われたことはないか? 人類はいつだって未到の領域を既知の領域へと変えていった。君の常識の物差しがいつも正しく新しいとは限らないだろ?」
術師と言っても高専生が多く、日下部や九十九が個人的に依頼をした冥冥等が居るものの、
そんな術師達へ、九十九は事前に戦闘が始まっても
では何故、足手纏いの彼らはここにいるのか?
「……何もしてこないなら、そろそろ私は帰らせてもらうけど」
「そう焦るなよ。せっかちな男は嫌われるぜ?(初手であの結界や捕獲した真人などの特級呪霊達を出してこない時点で、こっちは《賭け》に一つ勝っている。……流石にまだ伏兵がいる事には気付かれたか? けど気付いたところで
九十九が時間のない中でシミュレートした羂索を殺す作戦。
敢えて高専生達や冥冥、歌姫などのサポート型の術式を持つ術師達を前線に連れて来たのは、羂索に伏兵が居ないと思わせるためなど理由はいくつかあるが──伏兵に関してはバレても仕方がないと九十九達は最初から割り切っている。
作戦の流れは九十九が渡した簡易式神によって合図を送り、禪院真衣の遠隔狙撃による意識外からの攻撃から始まり、間髪入れずに加茂憲紀の《穿血》と冥冥の《神風》による攻撃をして対処させ、元夏油一派のラルゥを憂憂の術式により瞬間移動させて術式で拘束しヘイトを向けさせる。海外に逃亡しようとしていた冥冥への依頼料は決して安くはなかったが、羂索と敵対させるなら安い出費(即金2000万)。
この作戦の肝は、ラルゥにヘイトを向けさせてから九十九の最大火力をぶち込むコンボを決めること。ラルゥの《こっちを向いて》は、特級クラスの相手でも効果があり、《心身掌握》で触れた対象の視線をラルゥ本人に向けさせることができる。
その一瞬の隙を作れれば、九十九の術式《星の怒り》の最大出力で羂索を殺せるはずだ──と、九十九本人は考えているが、この作戦が仮に全て上手くいったとしても未だ底が見えない羂索相手に本当に通用するのだろうか?
「よし、行くぞ────えぇ!?」
九十九の考案した作戦が禪院真衣の狙撃の音と共に始まる──筈だったが、ここでイレギュラーが乱入し、九十九の作戦が一瞬にしてパァになった。
「かぁぁぁぁもぉ、のりとしぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!」
「おや、脹相か。──その様子だと、どうやら気付いたようだね(ちょうどいい。実は脹相には聞いてみたいことがあったんだよね)」
怒れるみんなのお兄ちゃん──《呪胎九相図》の長男・脹相のエントリーである。
「きっさまぁぁぁ!! 虎杖を、弟を殺させようとしたのみならず! 俺の……俺の兄妹たちを! 一体何人殺したぁぁぁ!!!!!! 答えろぉ!!!!!!」
《赤血操術》・《赤燐躍動》を限界まで行使しているせいか、抑えきれないほどの怒りに呼応しているのか。顔に幾つもの血管が浮かばせ、生まれたての赤児のように脹相の皮膚は真っ赤に染まっていた。
「兄妹? あぁ、真人に殺された奴等は何代目だったかな。6等親は優に超えているから、厳密には兄弟でもなんでもない赤の他人だよ? それに私の血も混じってはいない。それでも兄妹と言えるのかい?」
「関係あるかぁ! 俺はお兄ちゃんだぞ!!!」
脹相は血の繋がった兄妹達の危機を感応することができる。
真人との戦闘で呪霊が死に、その反応が一斉に消えた時の脹相の錯乱ぶりは言葉では到底表せないような悲痛なものだった。
羂索は兄妹というには世代が離れているし自分の血が入っていないと言うが、危機を感応した時点で兄妹の繋がりは証明されている──と脹相は思っている。
故にお兄ちゃんとして、全ての元凶である羂索を殺し、未だ囚われているであろう兄妹達を解放しようとするのはお兄ちゃんにとっては当たり前のことなのだ。
「あぁ、良かったら母親にも会ってみるかい? 呪霊となって、今も君たちの兄妹を生産してくれてるんだ。ほら、瞬きする度に兄妹が増えているよ。兄妹思いの君にとってこれほど嬉しいことはないだろ、脹相?」
「──────!!!?!!!??!!?!!??!?!?」
「ははっ、怒っちゃった?」
「《百斂》・《穿血》」
言葉にならない叫び声をあげた後、脹相の感情は何周も周回して唐突にピタリと止まり、殺意と怒りが《穿血》という形で出力され羂索へと向かった。
「初速だけ速い《穿血》じゃあ、私を殺す事はできないよ」
「そうか、死ね」
脹相の《穿血》を見た加茂憲紀は凄まじい圧力と威力に驚いていたが、羂索に通じず、軽く体を逸らすだけで躱してみせた。
半呪霊として獲得した呪力を使い血を生成する特異体質と、お兄ちゃんパワーにより苛烈に攻める脹相。
羂索は低級の呪霊を繰り出し、涼しい顔をしながらそれらに対処しているが、完全に出鼻を挫かれた九十九と待機していた高専生達は2人の戦いをひとまず見守ることしか出来なかった。
「……はぁ、作戦が全部パァだ(正直、さっきまでのプランは希望的観測しか詰め込まれていない不出来なモノだが、現状1番勝率が高かった。作戦の何処かのタイミングで
「由基さん。そういえば、あの夏油君は一体何者なんだい? 今戦っている呪霊?っぽい子は、
九十九はガシガシと頭を掻いて、思い描いていた作戦を頭の中で急遽再構築する。
そんな中、冥冥を含めた術師達が近くに集まって来ていた。
「いつまであの戦闘が続くか分からないから簡潔に言うよ。夏油君の肉体を乗っ取っているのは最悪の呪詛師・加茂憲倫。そこの加茂君と漢字は違うけど同姓同名の、明治時代に実在していた術師──のはずだ」
「え、あの加茂家の汚点!? じゃあ、夏油の中に居る奴は150年以上生きてるってこと!?」
「……まぁ、妥当っちゃ妥当か」
九十九の発言に歌姫は驚き、日下部・冥冥の2人は納得した。
あの異常な進化をした真人と異次元の戦いを繰り広げていたのが最悪の呪詛師として名を残す加茂憲倫ならばと理解できなくはなかったからだ。
「それで九十九特級術師殿。これからどうするんで? 俺達が居ても足手纏いにしかならねぇでしょうし。俺と冥冥、庵以外は学生。作戦が御破算になった今、出来るなら早めに退散したいところなんですけど……」
「──五条君が封印されたのは知ってるだろう? 氷川裕子……加茂憲倫には、何かの目的があって五条君を封印したはずだ。それに、君たちも見ていた通り魂を操る術式を持つ真人を《呪霊操術》で取り込んでいる。……これだけでもう嫌な予感しかしないだろ? だから、君達の力はまだ必要だ。もう少し付き合ってくれ」
「今の両腕が欠損している状態は、ヤバい事を企てている奴を倒す絶好の機会……って理屈は分かるんですがね。信頼してないわけじゃないんですけど、作戦が御破算になった今、確実に仕留められるんですか? 俺達がここに居る意味は本当にあるんですか?」
術師達を代表して日下部は九十九と今後の動きについて話を進める。
日下部は初対面の特級術師に生意気言っちまった〜と、自身の発言を頭の中で後悔するも、恩人である夜蛾正道の息子同然の存在であるパンダや同じシン陰流の門下生である三輪を含めた学生達を見殺しにする選択肢はない。
そのため、特級術師に多少生意気なことを言ってでも自分達がここに居る意味をハッキリとさせておかなければならなかった。
規格外の特級同士の戦いに乱入できるほど、実力が足りていないことはこの場の全員が自覚していることだろう。
歌姫と冥冥の術式ならば最低限のサポートは出来るだろうが、シン陰流しか取り柄のない自分は戦力外だろうと日下部は思っているため、あわよくば足手纏いの自分が学生達を連れてスタコラとこの死地から逃げ出したい──という本音は隠し、九十九の返事をドキドキとしながら待った。
「──不確定要素が多すぎるから断言できない。だが、当初の予定通り憂憂の術式で瞬間移動したラルゥの術式で拘束さえできれば、私の術式で致命傷を与えられる自信はある。君達には、もしもの時の後詰めと……一瞬でも構わない。《呪霊操術》の呪霊の足止めを頼みたい。呪霊ごとぶち抜く自信はあるけど万が一がある。それに最悪、加茂憲倫にダメージを与えられなくても五条君の封印を解ければ私達の勝ちだ。封印されているらしい呪具は服かどこかに忍ばせて肌身離さず持っているだろうし、私も近づけたら積極的に狙っていくが──君たちは足止めと牽制に専念してもらって大丈夫。アレもコレもやろうとするのは失敗の元だからね」
「…………やるしかねぇっちゅーワケか。──庵、京都校の奴らは遠距離から攻撃できる手段持ってるよな。前衛は俺と冥冥でやる。援護しろ」
何で自分がこんな目にと日下部は内心思いながらも、九十九の言葉には納得できる要素しかなかった。
五条というパワーバランスを崩す存在が封印された後、総監部がどんな対応をするのか日下部の頭には嫌な予想しか浮かんでこない。
なら、五条の封印を実行し何かとんでもないことを企んでいる相手が両腕を欠損して疲弊している今、特級術師の力を借りて殺しに行ける状況は千載一遇の好機。
かなりの無茶をしてでも作戦に付き合う価値はあると、日下部の中の天秤は傾いた。
「え、日下部さん私は?」
「日下部、オレもまだ戦えるぞ?」
「三輪、パンダ。ハッキリ言うが、お前らは足手纏い。京都校や庵の護衛してろ。まだそっちの方が、生き残る確率も高いだろうしな」
「私も前衛かい? 由基さん、これは追加報酬を期待しても?」
「もちろん追加で支払うよ。何はともあれ、タイミングが重要だ。ラルゥ達への合図は引き続き私がやるから──」
「……ん? あれ、なんですかね?」
九十九達が役割を決め、羂索と脹相達の戦闘の隙を狙う中、意識外の攻撃が遥か上空からやって来た。
京都校の三輪は目を細め上空を見た。それに釣られる形で九十九も上空を見上げるが、何か黒い点のようなものがコチラに近づいていることだけは分かった。
だが、その黒い点が何かと断言することはできないが、九十九の生存本能のアラートが生涯最大レベルで鳴り響き警告する。
アレは自分を殺せるぞと。
「──っ! 全員、今すぐ私の近くに来い!!!!!!」
多少の付き合いはある冥冥でも初めて見る九十九の焦った表情と声に、何かとんでもないことが起こると察し、近くにいる高専生達の首根っこを掴み九十九の近くに移動する。
そして撤退時の緊急合図を送り、憂憂の術式により瞬間移動してきたラルゥと禪院真衣を確認した九十九は掌印を組み、上空より迫る死から全員の身を守るために領域を展開する。
「領域展開──(取り敢えず領域の範囲はみんなが収まる最小範囲に設定して外郭の強度を上げる! 必中必殺は無しにして、このリソースも外郭の強度に全振り! どれこれもアドリブまみれの設定だけど、コレで失敗したら死ぬしか無い!)」
徐々に上空から迫る黒い点はその姿を露わにした。
まるで鉛筆みたいに洗練されたフォルムからは想像がつかない、超遠距離攻撃を可能とする核弾頭が搭載された現代最強兵器の一つ。
ICBMである。
その後の顛末について。
まず九十九達の安否だが、九十九の外郭強度に特化しほぼ全ての呪力を注ぎ込んだ領域によって、死者は1人も出なかった。
だが、九十九の疲労は尋常ではなく、意識を失う直前であった。
これ以上の戦いは不可能だと判断した日下部・冥冥の両名の判断によって一同は憂憂の術式を使い離脱。羂索の殺害及び五条悟の封印を解くことを一時諦め、高専に撤退していった。
一方、羂索と脹相だが……
「どぉぉこぇいったぁぁぁぁぁ!!!! 加茂憲倫ぃぃぃぃ!!!!」
何故かICBMの爆心地に居たにも関わらずピンピンしている脹相のみを残し、羂索はどこかへ消えていた。
「……くそっ! 一先ず、奴を見つけるのは後だ。まずは虎杖──悠仁を、弟を探させねばならない。幸にして繋がりを感じるから生きてはいるんだろうが……首を洗って待っていろよ。加茂憲倫ぃぃ!!!!」
更地となった渋谷を見渡しても羂索の姿が見当たらず、一先ず虎杖の捜索を行うことを決め、必ず羂索を殺すことを誓いICBMの爆心地から走り去っていった。
では、羂索はどこへ消えたのか?
「いやはや、先生の術式はやはり規格外だね。まさか、本当にICBMを再現してみせるなんてさ」
「いえ、
東京郊外にある葛飾美不二のアトリエへと転移しICBMの爆発範囲から逃れていた。
「やはり私の関心は、
「それだけ張り切って貰えるならコチラとしては助かるよ。けど……」
「えぇ、それは承知しています。私が描きたいのは
それから2人はこれからの予定について少しだけ話し合った後、《死滅回遊》を始めるための準備に取り掛かった。
「さて先生。
「それは勿論。私の絵の中に閉じ込めているので、
「いや〜、流石に両腕がないのは厳しいからね。両腕が戻るかは少し賭けにはなるけど、
これにて《渋谷事変》は閉幕となるが、その2日後に
《死滅回遊》の情報に関しては総監部により通達され、解決の為に高専所属の術師達にも指令が下されるが──《渋谷事変》が閉幕してから通達された五条悟の呪術界からの永久追放と封印解除の禁止や虎杖悠仁の死刑執行猶予の取り消しなどに反抗する九十九等一部の術師達は独自に《死滅回遊》解決の為に動く事を決め、総監部の指令を無視した。
そして《死滅回遊》が始まって数日後、主犯である羂索や五条悟の封印を解く為に必要な情報などを得る為に、全国に結界を張り事のあらましを把握しているであろう天元の元へ、九十九由基・虎杖悠仁・伏黒恵・乙骨憂太・禪院真希・脹相は向かった。
「……天元。お前は進化して至る所に存在しているんだろ? ならば、加茂憲倫──羂索の目的も知っているはずだ」
「あの子の事やそれらの情報を教える前に、君達には
人物表
・橘秋麗
出番なし。渋谷事変終了後、体調を崩し始める。
・羂索(夏油の姿)
少し早めの九十九との戦闘(?)。脹相にブチギレられながら襲われるも軽くいなしながら煽っていた。見ているであろう天元を気にしてか、手札は温存。美不二と色々話して、両腕をどうにかした。
・九十九由基
作戦がパァになった性癖お姉さん。ちなみに作戦が成功しても《再編領域》でひっくり返されるので、脹相の乱入に助けられた。ラルゥとは繋がっており、冥冥とも関係がありそうなので作戦に組み込んだ。その後は原作通り、天元から情報を得る為に薨星宮へ向かった。
・日下部篤也
みなさんご存知一級最強。解説、戦闘、何でもこなせる便利屋。今回はその真価は発揮されず。流石に九十九には敬語使うだろうけど口調が合ってるかは分からない。
・葛飾美不二
久しぶりに登場した690721代目鉄棒ぬらぬら。縛りと領域展開によるメガテン恒例ICBM攻撃で宿儺以上の被害を渋谷にもたらした才能の原石。ICBMは羂索がパクってきたものを参考に描いたらしい。パクられた国は管理責任者や親族などの首を飛ばしまくって責任を取らせた。出会った当初より術式が洗練され、いくつかの拡張術式を習得。羂索が逃走に使ったのもその拡張術式である。
・脹相
みんなのお兄ちゃん。「家族が増えたよ、やったね脹相!」などと羂索に煽られまくり終始ブチギレながら戦っていた。ICBMの爆破をどうやって耐え切ったのか? と九十九に聞かれた際「お兄ちゃんパワーだ」と答えたらしい。
・天元
色々知ってるおばあちゃん。彼女の存在がどうなるかによってルート分岐するが……
・北海道にいるらしい羂索の知り合い
呪霊とウコチャヌプコロしてた人。