MODマシマシTSドヴァーキン(雌堕ち済)四方世界にて小鬼殺しと邂逅す 作:最初の仲間
いつも感想、評価、誤字報告ありがとうございます……!
今回は下部に新たにアンケート設置しました。もしよければご回答ください。
ストーリーに関係するものではないで、直感的に選んでいただければ幸いです。
前回のアンケートもありがとうございました、多くの方に返答いただけて本当に励みになりました。R-18版の2話目もひっそりと投稿しています。
扉を抜けた先は螺旋階段となっていて、塔の上層へと続いていた。
「ゴブリンどもはあれを突破できるのか?」
「ふむん」
ゴブリンスレイヤーが疑問を零す。小鬼の知能であの図形を再現するとは思えないが……。恐らく彼が聞きたいことはこれではないだろう。孤電の術士は一瞬、思案に暮れたあと、問いに返事を返した。
「きみの質問の意図することはわかるが、字義通りに答えれば、それは否だ」
「不可能ではない。猿が無茶苦茶に字を書き、偶然傑作小説が完成する程度の確率だね」
「その例えってこっちにもあるんだ……」
確率はゼロではない、という事なのだろうが、彼女の言うそれは、以前地球で聞いたそれよりも低い確率を示しているように感じた。四方世界にはタイプライターなんてないし。
「では俺の意図通りの答えを聞かせろ」
「この先にゴブリンがいるかという意味であれば、それは是だよ」
「あれは影だからね。ふと気づけばそこに在る。発生源を考えるだけ無駄というものさ」
「そうか」
まぁ……。薄々感じていたがやはりそういう事か。ゴブリンが数匹、門番として蔓延っているなら彼はおろか、俺まで雇う必要はなかっただろう。その数に際限はないということなのだろう。貨幣はおろか、まともな装備も落とさないくせに敵兵ばかり多いタワーディフェンス。うーんクソゲー。
「私だって驚いたとも。やっと目的地への足がかりを掴んだと思ったら、ゴブリンの巣窟になっていたんだぜ?」
「そういう事は良くある。……とてもな」
「そーそー。気ィ落とすなって」
想定した事態がひっくり返されるなんて、日常茶飯事だ。気に入ったMOD入れよう思ったらバグって頭抱えたり、競合して反映されずに絶望したり、なんてな。公式のアップデートが一番辛い。アプデしないと最新のコンテンツを楽しめないが、更新すれば否応なく構築したMOD環境全ての更新を迫られる。
「宿命と考えるべきか偶然と考えるべきか……悩ましいね」
「興味がない」
「つれないねぇ……」
「こんのノンデリ……!」
それからの道中は実に順調なものであった。通路での戦闘は前衛が頭蓋を砕き喉を割く。門に至れば、俺が各種魔法で殺し間を作り嵌め殺す。大まかな流れはそう変わらない。
ゴブリンスレイヤーも器用なものだ。手を変え
とはいえ、彼の言葉も無視できないのも確かだった。
先に死んだゴブリンの死体を足場に、《炎の壁》を乗り越えようと向かってくる個体がいたのだ。彼がすぐに気づいて対処したが、確かに小鬼の学習速度は侮れないものというのが理解できた。とりあえず展開する壁を《雷の障壁》に替え、死体を灰へと原子分解させることでその場は切り抜けた。時に《氷の精霊》の巨体で物理的にせき止めたり、時に
一直線の空間で、的が無数に存在するというのもあるが、彼のアドバイスもあり以前よりは命中率も上がった気がする。無口だが教えるのは上手い。君、もしかしてトレーナーだったりする?
余談だが投擲に『暗殺者の刃』は乗らなかった。武器カテゴリが異なると判定されてしまうらしい。遠距離武器として三倍の不意打ちボーナスが乗ると分かっただけでも収穫か。どちらかといえば
…………非常に! 残念、だ!
既に殺したゴブリンは百に届かんとしている。こうも数が多いとは……。まかり間違って彼女が一人でここに来ていたらと思うと、うなじに冷や汗が流れ落ちる。
その孤電の術士もこなれたもので。門を経るごとに複雑化していく鍵への計算も、そう時間をかけずに靄を払っていく。第四層ともなれば思考するそぶりも見せずに門の封印を解いていき、今となっては殺し間を作成する方が手間だ。
さて、次はどうしたものか。先は
「……気に入らん」
「何がだい?」
「このゴブリンどもが外に出たらコトだ」
無尽蔵に湧くゴブリン、ともなれば確かに世の脅威だ。一匹一匹は大した存在ではないが、数に限りがないとくれば一匹の
「ははははは、私はてっきり帰り道を心配しているのかと思ったよ」
彼女は
「上から飛び降りるなり、俺のダチ呼ぶなり色々手段はあるし平気だろ。それでなくとも、お前がそこんとこ考慮せずにここまで連れてくるとは思えないしな」
「嬉しいことをいってくれるじゃあないか。ま、安心したまえよ。彼らは塔の影の中にいるようなものさ」
「塔からは離れられないと?」
「そして日が沈めば影は消える。塔がある間だけだ」
「おそらく……私が到ればそれで終いだよ」
「…………」
―――つまり、それは。その時が彼女との……。
「そうか」
「―――プッ、きみは本当に変なやつだなぁ! 気にならないのかい!? 何があるのかとか何をする気なのかとか!」
「興味がない、いや……」
「……先生が言うには、物事は『やる』か『やらない』かなのだそうだ」
「やるか、やらないか……」
彼の言う、
「成功も失敗も、やったから起こることだ。やらなければ起きん」
「―――他人がやると決めたことを、俺はどうこう言わん」
「……ゴブリン退治の邪魔にならない限り、かい?」
「そうだ」
「ああ、そこはやっぱり譲れないんだ……」
ホントブレねぇなコイツ。普段と何ら変わらない返答に、孤電の術士と揃って笑みを零す。
……とはいえ、そんな頑固な彼が、これほどまでに固執する小鬼退治に同行を許したのだ。その信頼に報いなければ、
「まぁいいさ。如何様にでも使ってくれよ、頭目」
君が『やる』というのであれば、従者として支えるまでだ。思えば、従者やペットを従え冒険することは数あれど。誰かの従者として戦うのは彼が初めてだ。
「きみに……きみたちに依頼を出して正解だったと思うよ」
「そうか」
とはいえもうちょっとこう、情とかないんか? これがサバサバ系男子って奴?
「これまでに塔に落ちた影は五、八、十六、二十四、そして百二十。これで打ち止めだと思っていた」
「……認めたくないが計算違いだ」
眉を顰め、目の前に現れた六つ目の扉をにらみながら彼女は毒づいた。
「だがまぁ、基本は同じだ。なんとでもなろうさ」
「俺達もやることは変わらない、か」
後方から囁きと唸りが聞こえてくる。孤電の術士を背に、スケルトン・チャンピオンを最奥へと召喚。あいつが有象無象の雑魚を散らしているあいだに、壁魔法や《戦場への誘い》を放ち、陣を形成させる。
彼女に多少の計算ミスがあってにせよ、全くの見当違いということはあるまい。あともう少し。
ゴブリンスレイヤーも、這い出てくる小鬼の首をも貫く槍投げで止めを刺していく。ゴブリンに万が一など、賽を振らせない。
「……数がわからなくなった。一つだ」
「それに百五と十二を足したまえ」
「二人ともまだ数えてたのか? 律儀というかなんというか……」
眼窩を抉り、臓腑を潰し、胴を断つ。
脳髄を焼き、肺臓を凍らせ、背骨に稲妻を走らせる。
影だからなのか、ゴブリンとしての性質故か。その数と勢いは一向に衰える気配を見せない。
回復は適宜飛ばしているが、最前線へのスケルトン・チャンピオンへの援護が追い付かなくなってきた。前方から骨が軋み、罅が入る音が耳に届く。二体目を呼び出し、カバーに当たらせるが……呼び出した途端に、最初の個体が崩れ落ちるのが見えた。舌打ちとともに三体目を向かわせる。
今までの階層とは数が違う。
やはりここが正念場か。
ノルド遺跡ならば襲い来るドラウグルもスケルトンも、棺の数でおおよその残数は把握できる。だがこの暗黒の塔に、それはない。闇から際限なく現れ、無数に這い寄る小鬼の影。終わりの見えぬ攻防に、汗が玉を成して垂れていく。
殺し間を抜けてくる個体が増えた。死体が増え、床が埋め尽くされ始めているのもあるが、壁魔法の有効時間が尽きつつあるのだ。再展開と援護の隙をついて到達してきている。今はまだゴブリンスレイヤーの手で片付けられているが……。
チラ、と背後の孤電の術士に目を向ける。先ほどまでは聞こえなかった、手持ち黒板に
「何……だこれは!」
「……時間が、かかりすぎる!」
「さっきの百二十どころじゃあない。これは……」
「これは六百だ!」
俺にあの図形の意味も構造も出来ない。彼女の言う数字も同様に。
だが先に見たあの複雑な図形、その五倍の数字。それまで暗算でここを乗り越えてきた彼女が、わざわざ筆記用具まで取り出したこと。何より普段飄々とした孤電の術士の、あの悲痛な声。
「まだ、時間が足りないのか……!」
想定外の事態だ、ということぐらいは理解できる。
まぁだが、悪い知らせというばかりでもない。彼女はあくまで『時間がかかる』といっただけだ。
「ゴブリンスレイヤー」
「何だ」
彼女は出来ないとは一言も言っていない。ただ待ち時間が伸びただけのこと。
「魔法での援護をこれから切る。俺はこの場から動けなくなる、固定砲台ってやつだ」
「砲とはなんだ」
「ああそっか。まだ存在しない技術か……じゃあいい、端的に言うわ」
「今から小鬼を殺す。それまで任せていいか」
「愚問だ」
「それでこそ、だぜ
杖をローブにしまいこみ、両手に
プレイ時間で三秒、
手の動きに合わせて雷が迸り、周囲からバチバチと弾ける音がする。
視界の端では頭目が棍棒を振るい、ゴブリンの頭をカチ割っている。二体のスケルトン・チャンピオンはどうしたか、流石に押しつぶされたか。
両手を合わせ、腰だめに構える。一カ所に重ね合わされた魔力が手の中で轟き、指の隙間から閃きが漏れ出ていた。
……頃合いだろう。ゴブリンスレイヤーに目配せする。手元を見ると、すぐに彼はこちらの意図に気付き俺の背後に転がり込んできた。一分、良く持ちこたえてくれた。
達人級破壊魔法、その破壊力、とくと御覧じろ。
腰に構えた両手を前に突き出し、最高潮にまで高まった雷の嵐を、俺は解き放つ。
―――《ライトニングテンペスト》
無明の闇を裂き、一条の光が塔を貫く。
青白い稲妻が俺の手の中から放たれ、一直線に大気を引き裂いていく。
雷光に包まれた小鬼どもは、一瞬目を眩ませたかと思えば次の瞬間には塵へと還っていく。
『原子分解』によるものもあるが、そも《ライトニングテンペスト》は多段ヒットなので死にます。
ましてやこうも極狭い空間ともなれば格好の餌食、細かくターゲッティングしなくても自然と当たるわぬはは。
「……もういいか?」
敵意を示す反応が消えたのを見るに、向こうもしばらくは打ち止めか。魔法を放つ手を止め、ゴブリンスレイヤーに向き直る。
ブッパしている間は動けず他の魔法打てないから、今のうちに俺を庇ってくれていた頭目の回復をしなければ。
達人級ともなれば消費も馬鹿でかく、すぐにマジカ切れ起こしてしまう。数秒程度しか放射できないハイリスクハイリターン、それが達人級破壊魔法。
だが……今は違う!(ギュッ)
破壊消費百パーセント軽減の付呪を揃えた今となってはマジカ切れとは無縁の存在よ。君が死ぬまで撃つのをやめない。
なによりモーションが気持ちいい。最高の魔法だ。一度はみんなやるだろかめはめ波……!
「助かった」
「そりゃあこっちのセリフだぜ。火力は最高だが準備に時間かかるのがな……」
好きな魔法の一つではあるんだが……小さい相手一体一体に当てる場合の難しさや、直線状にしか放てないという明確な欠点も存在する。使いどころの難しい魔法だが……今回みたいな狭い空間で密集してればこれほどまでに有用なものはない。向こうから当たりにやってくる。
「向こうは?」
「まだっぽい。いつまた次が来るかわからんから今のうちに補給しておこ……言ってる傍から来やがった……」
闇の向こうから、また赤い敵意を感じる。今は一体だが……。
《チェインライトニング》を飛ばしゴブリンを貫く。頭目がまだ回復してる途中でしょうがっ……!
攻撃が効いていない。
「…………は?」
二発、三発と雷撃を続けざまに放つ。《ファイアボール》、《アイスジャベリン》、投げナイフ。属性を変え武器を変え、向かってくる黒い影に攻撃を続ける。その全てに対し、どう効果を及ぼしたのか。それは脳内で文字となって示された。
攻撃が効いていない。攻撃が効いていない。攻撃が効いていない。
…………攻撃が、効いていない。
黒い影が近づいてくる。いや、正確に表すのであれば。
黒く染まっているのはあいつの全身を包む鎧だ。真夜中に光る銀のように光を反射する……黒檀の鎧。
往々にしてスカイリムの名だたる強者が身に纏うそれを、全身に身に纏った、大柄で筋肉質なゴブリン。
それだけならまだいい。問題なのは背負った黒檀製の長剣。刀身は白銀のように輝き、柄の中心には魂石が嵌めてある。美術品のように美しい外見とは裏腹に、確かにその剣は、邪悪な影を宿していた。
そして、目に映るゴブリンの
……拙い!
咄嗟に頭目を、孤電の術士の居る門の前へと
「―――何を」
「ちょ、ちょっと―――」
「すまん二人とも!
二人の身体を《氷晶》で包む。両手で回復呪文を唱え、氷結ダメージと相殺しながら……背後に迫る
先のゴブリンが
魔力が炎となり、ゴブリンを中心に爆炎となってこのフロアを包み込む。
「ガッ―――!?」
腕の中で見える、二つの氷像、それぞれに浮かぶ体力バーに陰りは見えない。……良かった。
凍結中はほとんどダメージは通らない仕様が功を奏した。シャウトも一言目で抑えたんだ、氷結ダメージも最小限のはず。すぐに効果も切れるだろう。
「―――ぬぅ、何を。いや、お前……?」
「冷ったぁ! 一体何のつもりで……!? ちょ、ちょっと君大丈夫かい!?」
「いやマジでゴメン。黒板蹴っ飛ばしちゃった」
「そんな事より!せ、背中が……」
「なぁに、これくらいじゃ死なない死なない」
最大限まで育て上げた魔法耐性、魔法吸収。そして体力回復速度上昇の付呪。例え弱点たる炎属性でも即死さえしなければこの通り、すぐに全快だ。
……痛いものは、痛いが。しばらくは仰向けで寝るのは厳しいかな。
迫るゴブリンの狙いを反らすべく、高耐久かつ大柄な氷の精霊二体で時間を稼ぐ。
今はあいつについて話しておかなければ。こういうギミックボスは仕組みを理解していないと、分からん殺しで全滅だ。
「……あの詠唱、今の動作、先のお前に似ていたが」
「まさか、それは―――」
流石二人とも、頭の回転が早いぜ。こくり、と頷いて見せる。
達人級魔法は詠唱が長いくて隙だらけって言った傍から、霊体化して妨害防いでくるんだもんな。全く嫌んなるぜ……俺も良くやる手だけど。
「あいつは―――あの剣はウンブラ」
「持ち主を闇の道に誘い、その肉体と魂を奪う魔剣」
「俺がこの世界に持ち込んじまった、デイドラアーティファクト。その一振りなんだ」
ハーメルンで使用可能なドラゴン語のフォントがあることに気付きまして、今回導入してみました。作成者様、本当にありがとうございます。
今後、シャウトを使う際、アルファベット表記とドラゴン文字表記どちらの方が良いか参考にしたく思います。言葉の意味をルビ振るのは今後も続けていこうかと思っています。
例:揺るぎ無き力
「
「
こんな感じです。感想等々も変わらずお待ちしています。他の手法の提案や質問等もあれば是非。
シャウトの表記方法について
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アルファベット表記
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ドラゴン文字
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どちらでも良い
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その他