MODマシマシTSドヴァーキン(雌堕ち済)四方世界にて小鬼殺しと邂逅す 作:最初の仲間
いつも感想、評価、誤字報告ありがとうございます!前回はアンケートへのご回答もありがとうございました。
今のところはドラゴン文字表記で進めさせていただこうかと思います。順次過去の表記も修正していく予定です。改めてこの場を借りて作成者様にも感謝を。
「ウンブラ……
同意見だ。影の名を冠し、闇を纏う、漆黒の魔剣。世界のどこかから影が落ち、形を成すのがこの場所であるのならば、あの魔剣がここに流れ着いたのも納得できる。
彼女の言葉に頷き、再び口を開いた。
「あれに最早ゴブリンとしての意識はないとみていい。ウンブラに取り込まれた人形だ。デイドラロードの力が注がれ、古より名だたる剣豪に使われてきたあの剣には、それその物に意志と技術が宿っているんだ」
「ホブゴブリン以上の体格を誇る肉体も見張るものがあるが、あれはただの器だ。使い手をも取り込み、並外れた剣技と達人級の魔法で目の前の魂を奪う。……初手で撃たれたのが《麻痺の嵐》でなかったのは幸運だったかもな」
チャンピオンズ・レストで遭遇した前任者でさえ、餓死寸前のトレジャーハンターだったはずだ。そんな半死人を一流の魔騎士に変えてしまう。
達人級魔法のみならず、数多くの戦士系スキルに加え、全てのダメージを増加させるエクストラダメージ1.5まで持つようになる。まともに戦う事さえ準備なしでは面倒な相手だ。
「【
「じきに五体まで増える。かといって分身を倒せば、奴はまた影を纏い、霊体化して無敵と化す」
今のところ抑え込めては、いる。だが奴らが氷の従徒と遊ぶのをやめ、あの鈍重な巨体を潜り抜けてくればすぐにこちらまで辿り着くだろう。
……はっきり言って倒すだけなら容易だ。確か霊体化しても幻惑は通ったはず。戦闘をやめた隙に破壊魔法の連打、幻惑で戦闘状態解除、破壊魔法……のコンボで倒せるだろう。
だが、間違いなく時間がかかるはずだ。後方で計算を進めるため無防備にならざるを得ない
不安事項もある。俺はスカイリムで出会ったウンブラの戦闘スタイルしか知らないことだ。モロウウィンドやオブリビオンといった過去作での性能や戦闘力までは分からない。俺が知らないだけでESOにも出現していたかもしれない。何より、この四方世界で現実となり現れたこと。何が起きてもおかしくないとみるべきだ。
「……なるほど、君があれほどまでに焦るのも頷ける。真に恐るべき魔剣の担い手は、ひたすらに死を求める無我の域に至るというが……まさかこの目で見ることになるとはね」
「死を呼ぶもの。死を招くもの。死を運ぶもの。さしずめ
「小鬼一匹には過ぎた名だ。それより門はどうだ、開きそうか。」
「…………正直に言おう。分からない。解ける、導き出せる、出して見せる」
「だけど、だけど…………時間が足りないんだ!!」
「そうか」
「私の
「違う。俺が邪魔をしたせいだ」
二人を守るためとはいえ、乱暴な手段であったことは変わりない。床に目を向ければ、
守るべき親友の邪魔をした。倒すべき敵を増やし、あまつさえ武器を与えてしまった。今も、
「…………提案がある、ゴブリンスレイヤー。」
けじめを、つけなければならない。
「なんだ」
「【
「君、何を言って―――」
「時間は俺が稼ぐから、とにかく塔から出るんだ。あいつは俺が何とかするから、また次の機会に再挑戦してくれ」
どこに出るよう頼んだのかまでは知らんが、この閉鎖空間でジッとしているよかマシだろ。鍵の計算も、道中のマッピングも済んでいるんだ。最後の鍵だけ、あのあばら家に戻ってからゆっくりと計算を済ませて、また来ればいい。
「囮役はもちろん俺が行く。あいつの知識があって、物理的に死に難く、戦力を増やせる俺が一番、時間稼ぎには向いている」
「……冗談がすぎるぜ。私に君を置いて逃げろと? 君を巻き込んでおいてそんなこと―――」
「巻き込んだのは俺だ。俺が、いなければ。あいつはこんなところに現れず、お前は辿り着けていたんだ」
俺がここで残るのは確定事項だ。俺には奴を殺すことしかできない。俺では、二人を……守れない。
「ふざけ――!?」
「無理だ」
ゴブリンスレイヤーの手が、孤電の術士の行く手を遮り、はっきりと否を唱えた。
「……聞き間違いか、ゴブリンスレイヤー。今、無理と聞こえたんだが」
「そうだ。
「……目の前のゴブリンなら俺が必ず殺す。我が師、グレイビアードの面々、並びにその長パーサーナックスに懸けて、君に約束する。だからここはここは俺に任せてくれないか。君にしか彼女を頼めないんだ」
「ゴブリンは殺す。それを違えるつもりはない」
「…………そうかよ」
身勝手な事を言っているのが自分だと分かってはいるはずなのに、どこか裏切られた感覚が身を包む。的外れな失望感に苛まれながら、既に
目の前の人物から気付かれずにスリ取ることなど、もはや呼吸よりも容易い。あとは彼女たちが効果範囲に入るように巻物を広げればそれで―――
「俺達を殺したいのであれば、そうすればいい」
「……何だと?」
巻物の紐を緩める手を止め、彼を見る。
「無理だ、と言ったはずだ。それの行先は街ではない」
「は……?」
彼の言葉が理解できなかった。
彼の瞳は、あの洞窟で出会ったときと変わらずに赤く、紅く殺意の炎が揺らめいていた。
逃げる気など、さらさらないかのように。
「貸せ」
「あっ」
と、盗られた……! ナイチンゲールになんたる不敬を……なんて言っている場合じゃない。
「何か、策があるとみていいんだね。ゴブリンスレイヤーくん」
「ああ。時は、俺達が稼ぐ。お前は門に専念しろ」
「ゴブリン退治の
「時……!そうか、そうだね。きみの言う通りだ! わかった、ここは任せたよ!」
「あっ。お、おい……!」
「やるぞ
そういって彼女は踵を返し、靄に向き直った。誰一人として話を聞いてくれない……! 彼女は一人、納得した様子で行ってしまった。頭目は碌に説明もないまま巻物を手に取り、小鬼魔剣豪に向かっていく。誰か説明してくれよォ!
彼も説明は聞いていたはずだ、自身の
「バッ……馬鹿! 何考えてんだ! 死ぬぞ!」
「守ってくれ。無敵になるなら分身の方は殺さずに放置しろ」
「それと、可能ならば一カ所に集めろ」
「無茶言うなぁ!?」
「お前ならできるだろう。やれ」
「はい……」
とんでもない男についてきてしまった。臆面もなく守れと指示したばかりか、殺すなと来たものだ。
彼へ剣で襲い来る魂の幻には、二連の唱えで放った《魅了》で動きを止め、飛来する弓矢を《魔力の砦》でガードしていく。盾を持ってきていれば楽だったのだが……!ああもう、そうこうしているうちに、いつのまにか数も増えている。
ゴブリンスレイヤーは剣を抜くそぶりも見せない。掴んでいるのは件の巻物だけだ。
信頼向けてくれる意味が分からん……! こちとら何かを殺すしか能がないというのに無茶させてくれる。
時に《氷の従徒召喚》で彼の前に肉壁として出し、《魅了》をガンガン飛ばしていく。
おかしい。さっきから明らかに非戦闘状態でいる時間が短すぎる。幻惑は効いているはずなのに。しかし先のように
幻惑魔法を受けた前後で、一瞬動きは止まるが、少ししたら剣を握り直すやつばかりだ。しかしどういうわけか明らかに戦闘力の減少が著しい……。どいつも股関節が黒檀の鎧に締め付けられるのか、
……えっ、勃たせてないかこいつら。
《魅了》、そういうことか。効いてないんじゃあない。
いや、おかしいだろ!!!! 魔剣を打ち破る性欲ってなんだよ!!!!
デイドラアーティファクトやぞ!!!!
《鎮静》と同じ種別の魔法なのに、現実として現れた際にこんな違いが生まれているとは。字面からして《鎮静》か《調和》に切り替えればあるいは……?
彼を守りつつ、六体全てに幻惑ブチ込んで……? なおかつ背後の孤電の術士にも気を配りつつ、おまけに殺すな……?
やることが……!! やることが多い……!!
ああ、クソったれ!!
兎にも角にも!! 時間がない!!
「時を、稼ぐ……だって?」
界渡り君……彼女への無謀な策に血が昇っていたが、どうして単純なことに気付かなかったのだろう。二人は、散々ヒントを残してくれていたというのに。
二人に背を預け、靄へと手を伸ばす。彼が『やる』といって、彼女が支えに走ったのだ。私は二人のことを信じる、それだけでいい。
「私は……馬鹿だ!」
どうしてもっと早くその事実に思い至らなかったのだろう。友に、あんな悲壮な決意をさせることなど、なかったというのに。
時がないなら―――稼げばいい!
一人の異邦人は、深く息を吸い、竜の血脈が宿すスゥームを解き放つ。
一人の賢者は、腰の
「
「稲妻よ! 私の後についてこい!」
「―――
「【
一方は《時間減速》。術者を除いた時間の流れを停滞させることで、通常の時空、通常の物理法則を遥かに超え、相対的な高速移動を可能とするシャウト。
一方は【
驚くべきことに。全く同じタイミングで二人の術師は、奇しくも同じ系統の術を選んだ。
本来ではありえない術の共存。異なる原理、異なる術式、異なる摂理によって基づく、加速能力の同時行使。
暗黒の塔という、四方世界と盤の外、その境界たる不安定な空間だからこそ実現した奇跡。
今、この場にいる二人だけが、この世界で同じ時間を共有していた。
「―――決めろ! ゴブリンスレイヤー!」
「ああ」
全個体、《魅了》を上書きする形で《鎮静》を掛け直した。面倒だったが、後方離れた射手の影も連れてきて本体付近にまとめたんだ。
これだけ手間暇かけて失敗しました、なんて言ったらマジで犯すからなこの野郎……!だから死ぬんじゃねぇぞ……!
―――ゴブリンスレイヤーは巻物の紐を解き、小鬼に向けて広げた。
「
俺が彼の背後に回った途端、視界全体に広がるのは蒼。むせ返るような潮の臭いが鼻に届き、水が凄まじい勢いで押し出される音が聴覚を麻痺させる。
羊皮紙の上に展開された門の一点に圧縮された鉄砲水が、実体、幻を問わず、射線上の全てを押し流していく。
ま、まさかこいつ……!
「海、か!?」
「そうだ。以前『海の底に繋げた奴が溺れた』と聞いていたのでな」
「水攻めに使えるのではないか、と思った」
「ッスー……」
あ、危ねェ……!
マジで戦犯になるところだった。誰が移動手段使い潰してまで殺しにかかるやつがいると思うんだよ。
お前ポケモンで言うなら、あなぬけのヒモで絞めてくるトレーナーみたいなもんだぞ。
【転移】の効果が切れ、巻物がその役割を全うしてみれば……。頑丈な黒檀さえ水圧によりベコベコに凹み、もはや鎧としての形を成していない。その
「
これ一発限りとはいえ達人級はあるぞ。それもパーク揃えてフル強化したレベルの。真言魔法を文字として刻む都合上、詠唱も要らんのやばくない?
「ああ、まったく……」
「これはまったく、面白い」
「こわいて」
純粋な戦闘ならともかく、君の場合何してくるか予想つかない。相手にしたとき、何をしてくるかわからん怖さがある。怒らせたくはないものだ。
「……ん? おい。あれは……」
「うん? おお、まさかあれだけの水圧の中、原型を留めているとはね」
部屋の隅、鈍く光を反射するそれは確かにウンブラであった。肉片と泥に塗れ、美しかったかつての姿は今や見る影もない。
「流されていったかと思っていたから、回収半ば諦めていたんだよね」
ちゃぷ、ちゃぷと進むにつれ波紋が広がる。ヒールを進める度に泥混じりの飛沫がローブの裾を汚していく。帰ったら洗うの面倒そうだ。
「おい待―――」
ひょい、とウンブラを拾う。うん、間違いない。性能もスカイリムで見たものと同じだ。
〈チ……、……シ……カ……?〉
しかしよく見れば汚れだけでなく、刃こぼれも酷い。いや、あの水流の中受けた影響がこの程度で済んでいることを考えれば、流石はアーティファクトと呼ぶべきか。
〈チカ……ガ、……シイカ……?〉
「無事、か? 意識はあるのか」
「うん? 勿論あるぞ。ああでもお前は真似はすんなよ」
ゴブリンスレイヤーには見えても聞こえてもいないようだが……明らかに影が形を作り、目の前で俺に手を伸ばしている。
「まだ魔剣としては生きてるっぽいから」
〈チカラガ、ホシイカ?〉
さて、見たことのない挙動だ。果たして中身が
はたまた全く異なるナニカによるものか……。悪しき囁きが、耳に届く。
まあ、運が悪かったな、と。
四方世界のどこかの誰かに渡ったのならいざ知らず、ドラゴンボーンたる俺が握った時点でお前はここで終わりだ。
手に持った剣に、目の前の影に、シャウトを放った。
「オラッ! 催眠! じゃなかった《服従》!」
「
〈グ、ガ―――!?〉
ソルスセイムでの聖なる岩の解放、ミラークによる服従でさえ打ち破った強力なシャウトだ。催眠、洗脳はこいつだけの専売特許じゃあない。
幻惑魔法で即堕ちしていたのを見るにウンブラに耐性はないと思っていたが……! やはり効果は抜群のようだな!!
精神ゴンゴンされる気分はどうだ? 感想を述べよッ!動くなッ……! まんじりともせず《服従》を受け入れろ……! こんな催眠耐性で俺を乗っ取ろうなんて各方面に失礼だよね。
〈……ッ!?~~~~ッッ!!~~~~~~ッッ!??!〉
うぉ……めっちゃ暴れる……。戦士を篭絡する名剣だね♡頭来たぶっ殺してやる。
「……
〈……………………〉
念入りに二発目のシャウトを当てるとともに、影は四散した。これで名実ともにただ強力なだけのグレートソードだ。絶景かな。
「対処できた……のか?」
「ああ、これで問題ない。これは俺が預かっておこう。さっきは助かったよ、頭目、ありがとう」
にしても、力が欲しいか、ねぇ……。
お前それ超錬金相手でも同じこと言えんの?
個人的なイメージですが《時間減速》は
なぜウンブラがここに、については、また次回になります。戦闘の合間に話してる余裕なさそうだったんで……。
シャウトの表記方法について
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アルファベット表記
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ドラゴン文字
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どちらでも良い
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その他