MODマシマシTSドヴァーキン(雌堕ち済)四方世界にて小鬼殺しと邂逅す 作:最初の仲間
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誤字報告に関してはもう本当に頭が上がらないです……重ね重ねありがとうございます!!
「よっ。待ってたぜ」
…………そういやあいつ。飲みかけしか持ってなかったけど
まあ、今となっては後の祭りだ。いつの日にか持っていく土産が増えたと思えばいいか。
依頼の報酬が彼女の持っていた全て、と言っていたのは彼女だ。気前がいいというかなんというか……体のいい後始末、なんて口さがない考えもよぎったがきちんと依頼料が前払いされている以上、文句は口に出すまい。事実として、彼女の残した知識は値千金だ。
「もう来ていたのか」
「ま、簡単に仕分けたり、軽く片付けてただけさ。気にすんな」
嘘である。
街に帰ってきてからはずっとここに通い詰めていた。
冒険後の休息、という理由で二、三日は休んで、片付けはその後に……と、彼に伝えていたのは名目の一つでしかない。あれだけの連戦の後だ、彼に必要な休みであることは確かだが……。
俺には一つの確信を持っていたのだ。これだけ雑多なものが積まれたこの部屋。あの面倒臭がりがいちいち身辺整理をしてから向かうはずもない。まぁ。その、なんと言うべきか……。
……ようするに、彼女。
箪笥に下着とか入れたまんまだったんだよね……。
彼女、向こうで頭抱えてそうだ。せめてもの情けとして、ゴブリンスレイヤーの目に留まる前に処分しておいたから……。結構際どいのを履いてたことは俺の胸の中に。春画に官能小説、丁度良い太さ長さ硬さの“ホーカーの牙”は俺の懐の中にしまっておくから……。
……おっと、いけない。牧場の娘も来ていたのか。まぁ、それもそうか、この数の物資、一人で持ち帰るには厳しいだろう。荷車の影、桃色の髪の少女に声をかける。
「おはよう、今日はありがとうね」
「ご、ご無沙汰してます」
大まかに仕分けてあるとはいえ、荷車に載せていくには人手がいることには変わりはない。彼女が来てくれたのは本当にありがたい。これなら日が高くなる前には終わることだろう。
……いやマジでファインプレーだったんじゃないか? アレはこの娘の前で出していいものじゃあない、目に毒だ。この埃臭い空間で痴話喧嘩はごめんだぞ。
「じゃ、運び出そう。欲しいのあったらそれぞれ持ち帰る感じで」
「お前はいいのか。あいつの本、読みたがっていただろう」
「そこについては抜かりない。
ゲーム上の仕様が引き継がれているのか、本を開いて読み終わっても時間の経過を感じないんだよな。時間が止まっていると錯覚するほどの速読。恐らく、スキル書読んでスキルレベル上がるのも、学習速度が優れていることを示す一端なのだろう。
「ここから、ここの物を貰っていこう」
「おう、好きなの選びな。俺も好きなの持っていくから」
「あの、いいんですか……? こんなにたくさんの本……」
「いいのいいの。俺と
「……そうだな。あいつはそういう人間だ」
村を飛び出し話も聞かず字も読めず、小鬼退治で死ぬ輩へ無償で教えてやる義理はない……とはいつだかの彼女の言葉だったか。
求めるものにこそ知識は与えられるべき、という彼女の思想は、知識神の信徒達から見れば異端なのかもしれない。しかし、『求めよ、さらば与えられん』という言葉にもある通り、与えられるのを待つばかりではなく、自力での努力をこそ重視する思想もまた、否定されるべきではないと思う。自分を異端学徒、などと嘯いてはいたが、彼女は彼女なりに真摯に教えを残してくれている。
実際、ドラゴンボーンとしての
恐らくは彼女なりの試練、ということなのだろう、あるいは次に『角』へ至るものへの道標。……しっかりと管理させてもらおう。今は読めなくとも解読を進めるなり、知識神の信徒に委託するなり取れる手段は色々あるだろう。
そのほかの本についても……一応、複製済みだ。必要になりそうな内容は要約してメモに残してある。ファルメル語が刻まれた石板でさえ、紙とペンだけで、それも解読に問題ないレベルの精巧さで写し取れるんだ。これくらいお茶の子さいさいだ。読書同様、アイテム作成にも時間はかかることはない。
―――二人が訪れてから三刻ほどが経過した。ゴブリンスレイヤーが、求める物資を荷車への搬入をほとんど終えたころ。こちらを呼ぶ声に耳を傾けてみれば、彼は作業の手を止め、一つの小さな円卓の前で俺を待っていた。
近づいてみてみれば、円卓には小鉢といくつかの小袋が乗っており、袋の中には乳鉢と乳棒が入っていた。何よりも特徴的なのは、
「……何のために使うものだ?」
「うん、やっぱり。これは錬金器具の一種だね。薬や毒の調合には必須の機材が揃ってる。少し俺が持ってるのとは形式が違うが……うん、問題なく使えるよ」
「薬や、毒……」
恐らく彼女が研究で使っていたものだろう。混合、燃焼、蒸留、ろ過……これ一つあれば錬金術を始めるにはもってこいだ。デザインが手持ちの器材とは異なっていたのもあって、気付かなかった。四方世界だとこういう形なのか……。でも大まかな内容と機能は同じだ。スカイリム式錬金術も機能する。
「貰ってもいいか? 試してみたいことがある」
「お、興味ある? いいよ、運び出そう。蒸留器割らないように気をつけてな」
「すまん、助かる」
「いいっていいって、俺は自前のあるから」
「ああそうだ。間違っても適当な素材口に入れるなよ」
「お前が言うな」
それはっ……そうかもしれんが……! 今回の指摘に関しては全うなものだろ……!
なんだかんだ言っても、錬金術スキルは早めに育てておくに越したことはない。スキルレベル上げるのに苦労するが、これ一つ極めておくだけで最強に至るからな……。
思わぬ掘り出し物を見つけ、整理も終わったところで日も高くなってきた。
ゴブリンスレイヤーの準備は終わったようだ。あとは俺が必要な分を適当に
「な、何……? 今までそこにあった本の山は……?」
「諦めろ。こいつはそういう奴だ」
「そういう奴って……? あっ、魔法か! 凄い……私、目の前で見るの初めてだよ……!」
報酬の分配としては、俺が四割、頭目が四割、余りが二割となった。残った分はギルド経由で知識神の寺院あたりに寄付してもらおう。雑貨屋に売り飛ばすことも出来たが、彼女の残したものを雑に金銭に換えるような真似はしたくなかった。寄付分は俺が用意してきた方の荷車に載せて、あとで持っていけばいいだろう。
「じゃあ、皆お疲れ! やっぱり人手が足りてると違うね、想定よりも早く終わったよ」
「君も、手伝いに来てくれてありがとね。これ、少ないかもだけどお駄賃」
「う、受け取れませんよ!私は、ただ、彼の手伝いしただけだし……」
「いやいや、受け取ってもらわなきゃこっちとしても困るのさ」
これは一応、俺とゴブリンスレイヤーへの報酬であるとともに、孤電の術士から冒険者ギルドを通した清掃の依頼でもある。冒険者だけで対処しないばかりか、知り合いを無償で働かせた……なんて知られたら俺と頭目双方に悪評が飛びかねない。
賃金を負担して雇用したという名目が必要なのだ、と彼女に伝えると渋々受け取ってくれた。
嘘である。
ぶっちゃけ俺が牛飼娘にあげるために言いくるめただけである。
朝から急に呼び出されて文句言わず良く知らん人と重労働。無給で働かせておいて、はいサヨナラは俺の良心が許さなかった。いくら俺が《麻痺》からのスリ確定成功コンボ使ってトレーナーから指導料ガメる外道とはいえ、この娘にまでそんなブラック労働を強いるようなところにまで堕ちたつもりはない。
ファエンダルからは普通にむしり取るが。便利な従者だけど偽ラブレターで人の風評貶めるカスやし……序盤に手に入るトレーナーとして優秀すぎるので毎回協力するけど……。
「じゃあ、俺は街に報告行ってくるから、今日のところはここで解散ってことで」
「わかった」
そろそろ正午。昼飯を食べるには丁度いい頃合いだろう。なにか美味しいものでも食べてくるといい。
「駄目だよ! 女の人一人にこんな重いの引かせるなんて! 私も……」
うーん、良い子。ここまで人格できた女性がスカイリムにいただろうか。そんなに言われても、これ以上俺から出せるのは金貨とこの身体と装備その他諸々しかないぞ。
「気持ちだけ受け取っておくよ。君は彼を手伝ってあげるといい」
「でも……」
「そいつは魔法で馬を呼ぶ事が出来る。俺達が家に着くよりも早く街まで行けるだろう」
「あっそっか、魔法……! 魔法使いさんってそんなことまで出来るんですね」
「……まぁ、馬と言えば馬、だが……」
多分彼女が思っているのとは違うと思うが……。
どうも、見ていくまで帰りそうにない。ええい南無三。
「―――お呼びですか、奥様」
「えっ」
虚空を割き、黒い肌の男性が現れる。頭部からは角が生え、赤い瞳は明らかに人間では見られないものだ。
そうだね、ドレモラ執事だね。
「馬……馬……?」
「あの荷車引いて、街まで運んで。……嬉しいだろォ?」
「おお、おお! 喜んで運ばせていただきます。ずっと荷馬になるのが夢でございました……!」
ドレモラの姿か……? これが……?
とはいえ、こんな変態では期待してくれた彼女に悪いと思って、アルヴァクとデイドラの馬を見せてあげたら腰抜かしてた。
「私の知ってる馬と違う……!?」
ごめんね、知らなきゃ結構厳つい見た目してるよね……。
「……はい、確認しました。依頼終了と判断します、お疲れ様でした」
「いつもどうもー」
報告も、寄付への手続きも恙なく終了した。……さて、仕事を終え、時刻は正午過ぎ。何か食べるにはいい頃合いだ。二人のお陰で早く終わったのはいい事だが、予定に空きが出来たな。
「あの……今、お時間よろしいですか?」
「うん?」
カウンターから立ち去ろうとしたその時、受付で対応してくれた担当の方に呼び止められる。
知らない顔ではない。過去にも手続きを済ませた際に見かけた女性だ。なんだろう、書類に不備はなかったと思うのだが。
「……問題でも?」
「あっ、いえ、そういうわけじゃないんです」
「……ちょっと質問してみたいことがあって」
「質問? 別に急いでないし、答えられることなら答えるよ。何かあった?」
「その……、どうして彼と、いえいえいえいえそうじゃなくて」
「どうして
……なるほど。訝しむのもむべなるかな。在野では最上位のランクの冒険者と、まだ所属して日が浅い下位から二番目のランクの冒険者。それも請ける依頼はゴブリン退治……不思議に思うのも当然だろう。
「ある時から縁があって知り合ってね。俺の友人の依頼を請けていると聞いたから、ちょっと手伝っていたのさ」
「な、なるほど……ご友人の依頼を……」
「ああ。それに俺も俺の用事が出来ちゃったからね。困ったことに、これからは毎回組むわけにはいかなそうなんだ」
「そ、そうだったんですね―――」
……この職についてまだ日が浅いのかな。彼女、話術スキルもそこまで高くはなさそうだ。現に、口角の緩みを隠しきれていない。バレバレだ。
これで何人目だ? 彼、まだ冒険者になって三か月かそこらだろ?
まあ……別に邪魔する気はない。誰を選ぶかは彼の自由だ。てか俺もしばらくはそんな余裕もなさそうだしな。
「だから……彼のこと、そんなに
「なっ!? なななななんのことででですかね!?」
「じゃ、また~」
「あっちょっと! まだ話は―――」
後ろからなにか聞こえた気がするが気のせいだろう。冒険者ギルドを後にする。
うーん、昼飯なににするか……。鳥の胸肉のグリル、それとも鮭のステーキ?
……チーズもいいな。チーズのためなら死んでもいい。
―――夜も更け、草木も眠る星月夜。
一人の少女は、一冊の本を開いた。
その本に記されていた文字は数えるほどしか読めなかったが、ページをめくる前に彼女の視界が真っ黒に染まり、続きを読むことは叶わなかった。
そして、髪の毛一つも残さず……この四方世界から、姿を消した。
残されていたのは彼女が手に持っていた、たった一冊の分厚い本、それだけだった。
暗い夜闇の中、黒く装丁された表紙に刻まれた紋様だけが、妖しく光を纏っていた。
シャウトの表記方法について
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アルファベット表記
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ドラゴン文字
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どちらでも良い
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その他