MODマシマシTSドヴァーキン(雌堕ち済)四方世界にて小鬼殺しと邂逅す 作:最初の仲間
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評価者も気付けば百人の大台を越えておりまして、感謝の念に堪えません……!
やばいこれ! 毒かも! 間に合え間に合え!
―――どうして、こんなことに。
私たちが請けたのは何の変哲もない、ゴブリン退治のはず。
はず、だったのに。
この最弱の怪物の群れを一掃し、攫われた女の子を救い、新人冒険者を卒業、また次の冒険へ……。
そう、思ってた。
入口からの一本道をまっすぐ進んできたにも拘らず、いつの間にか背後に回りこんできていた小鬼の群れにこうして襲われている。
前衛の剣士と武闘家とは逸れて、まだこの状況に気付いてない。背後の神官の子には、小鬼どもをどうにかする術はない。
私が。私が、どうにかしなければ。ここで全滅……。
「ひっ、い……!サ、サジ……!」
「《
《
仕留めた、と喜ぶ事が出来たのはその一瞬だけ。
焼け焦げた小鬼の死体、その背後からも二体、三体と押し寄せてくる。けれども、やれる、やれるんだ。学院での日々は無駄じゃなかった!
この暗い洞窟で、炎の明かりと突然の爆発音は酷く目立つはずだ。前衛の二人も気付くに違いない。
「《《
そ―――そう、そうよ。私がここで死ぬはずないんだから!
『賢者の学院』を卒業し、この杖を賜ったこの私が、ゴブリンなんかに負けるわけが―――!
「ラディ……、アぁッ!うゥぅ!」
群がるゴブリンに引き倒され、身体を地面に打ちつける。着けていた眼鏡も弾き飛ばされ、口の中には土の味が広がる。朧気な視界の中、小鬼の手の中に紅玉の煌きが見えた。
「返せ!それはお前たちが触っていいものじゃ―――」
学院の卒業生、その中でも優秀者にのみ授けられる、
君は大成すると、間違いないと私を認めてくれた、一人前の証。
―――それが、今。小鬼の手の中でベキリ、音を立てて手折られていく。
ニタニタと醜く笑うゴブリンの下卑た笑みに、心までへし折られたかのような感覚。冒険者になると公言したあの日、影で嘲笑っていた学院の連中の表情に重なって見えた。お前などこの棒切れも同じ、とばかりに、杖の残骸を目の前で見せつけられる。
「うっ……ああ、あああ!!」
「この、このぉぉ!」
一心不乱に、手足を振り回す。無我夢中で、声を張る。
さく、と腹部に冷たい何かが当たったかと思えば、すぐ燃えるよう熱さが襲う。
熱は痛みへと変わり、流れ出る真っ赤な血がローブを染める。そこで初めて、私はゴブリンに刺されたのだと気付いた。
「あ゛っ!!……っ!! あ゛、う゛…………」
ごぽり、赤黒い肉片を吐き出す。血が喉が詰まって上手く息が出来ない。
―――どこかで、カラコロと骰子が転がる音がした。
「うおおおおっ!!」
洞窟内に轟く爆音を耳に駆けだした俺の目に入ったのは、仲間が無残にも倒れる正にその瞬間だった。
怒りで視界が真っ赤に染まった。遮二無二剣を振るい、ゴブリンを斬りつける。
「おのれ、ゴブリンどもめ……!よくも!」
縦に、横に。小鬼目掛けて力いっぱい剣を振り下ろす。刃が鈍く光を反射する度に、ブンブンと風を切って、ゴブリンを薙ぎ払う。
「ちょ、ちょっと! 剣を振り回さないで!一緒に戦えない!」
「お前は二人を守ってくれ!」
「こいつらは、みんな俺が倒してやる!」
幼馴染の声を背後に、声を張り上げ小鬼へと向かっていく。怒声とともに浴びせた一太刀は小鬼の手首を刎ね飛ばし、突き立てた刃が臓腑を抉る。仕留めたという高揚感もつかの間、すぐに苦渋の笑みへと変わる。
「っくぅ……! これ、ぐら、いでぇ……!」
小鬼が死に際に小刀を太腿に突き刺した。鋭い痛みで叫びだしたくなる。涙で視界が歪む。
だが、それが何だというのだ。魔女のあの娘は、こんな痛みじゃあなかったはずだ。苦しかったはずだ。このままじゃ神官の子まで危ない。それに、何よりも。
一番大事なあいつに、こんな目に合わせるわけにはいかない―――!
「う、おおおおおおお!!」
―――かぁん、と甲高い音が耳に届く。
「ぅ、え?」
勢い良く振りかぶった剣が、壁面に弾かれる。衝撃で手が痺れぷるぷると震えている。だが、それだけだ。またすぐに剣を握り直せばいい。今度はもっと小さく、突き殺すように振ればいい。
次があれば、の話だが。
「え、あ」
仲間から一人離れ、無数のゴブリンに囲まれたこの状況で、生まれた数秒の隙を見逃すはずもなく。
四方から小鬼が取りつき、引き倒され、殴られ……
―――どこかで、カラン、カラン……と骰子が転がる音がした。
「
骰子を、運命を吹き飛ばすような、
今日も今日とてゴブリンなかよしのつもりだったんだが……。被害者おるわ冒険者来るわでそんな状況でもなくなってしまった。この中途半端なムラつき、どうしてくれようか。
《揺るぎ無き力》を受け、体勢を崩したゴブリンの群れに向けて杖を一振り、《チェインライトニング》を放つ。ひーふーみーの…………六連鎖。一当てしただけでこの数とは、群れ全体も結構な大所帯と見える。
既に定着初期、第二段階かなぁ……。ここまでの群れとなると白磁じゃ厳しいな。攫った女で数を増やす頃合い、上位種が群れを率いていてもおかしくない規模だ。
そう考えると気分よく、効率よくゴブ姦を愉しめる条件、というのは結構難しいのかもしれない。人間を攫うほどの数もなく、それでいて冒険者に未だ見つかるほど派手な振る舞いをしていない、いわゆる第一段階から第二段階初期の群れがベスト。異種交尾をするときはね、誰にも邪魔されず、自由で、なんていうか救われてなきゃあダメなんだ。独りで静かで豊かで……。
……面倒なことこの上ないな。グロムの道で見つけたゴグでもいたら種馬として使えたんだが、あいつの帰還場所は拠点じゃない。恐らく来てないはず……。
「ま、今はいいや。ほれ少年、《大治癒》だ。これで動けるかな」
「あ、え……? え、誰……!?」
隠形を解き、物陰から姿を現す。近くの武闘家風の娘からはギョッとした目つきで見られたが、今はそれどころではないと判断したのか、何か言いたげな口を噤んだ。
左手をかざし、掌の光を血の海に沈んだ戦士風の少年に注ぎこむ。もう少しで挽肉一歩手前だった全身の傷がみるみる塞がっていく。
これでよし。次。
「ど、どなたか存じませんが、この方を診ていただけませんか! 先程【
「おう、代わるよ」
さて、どれどれ……。寝かされた魔法使いの少女に目を向ければ、夥しい血液で汚れた衣服に、口元から吐き出され続ける鮮血。視界に浮かぶ
「毒だね、これ。解毒の奇跡は使って……ないか」
こういう時、ゲームのエフェクトがそのまま目に映るから診察には便利だよな。症状も寿命も大まかに判別できる。
「毒―――!?」
「そんな、ゴブリンはそんなのまで使うの!?」
「帰ったらギルドで
この様子じゃ解毒の
基本俺に毒は効かないし、わざわざ使わずとも体力回復ゴリ押して効果時間過ぎ去るのを待てばそれで済むが、それをこの子たちに強制すれば、体力は残っていても苦痛でショック死しそうだ。
「……俺の分の薬を使ってくれ」
「馬鹿言わないで! アンタも重傷なのよ!」
「いいんだ。俺が二人から逸れなきゃ、この娘はこんな大怪我せずに済んだんだ」
「曲がりなりにも一党のリーダーとして、責任はとる」
そう言うが、少年の顔も青白い。体力が回復し、血行が良くなってきたことで毒が再び回り始めてきたのだろう。それでも言葉を取り消さず、目に光が灯る。まだ若いが、見上げた根性だ。
「……死ぬほど痛いぞ?」
「やってく―――後ろだ!」
戦士の言葉に振り向けば、物陰から、ぬっと大きな影が姿を現すのが見えた。先の小鬼の群れとは一線を画す巨体―――
粗雑な手斧を振りかぶる。その矛先は、一番近くにいた武闘家の娘へと向けられていた。咄嗟に杖を取り出し……やめた。
「―――っ!!」
少女の名前を叫び、駆けだした戦士が武闘家を押し倒す。女武闘家に襲い来る痛みから庇うように、渡りに背を向ける。……無謀というかなんというか、
「…………?」
すぐにまた、あの時の痛みが来ると思っていたのだろう。いつまで経っても振り下ろされぬ凶器に恐る恐る目を開き、少年が振り向いてみれば、そこには、首から噴水のように血を流すホブの姿がそこにはあった。
ダガーだ。喉元に深々と突き刺さる小刀が、一投のうちにゴブリンの命を奪っている。……おお、ホブ相手も投擲で一発とは、腕を上げたみたいだね。それこそ毒や薬でバフ盛ったか。
「彼も来てたようだね。なんというか、君たちはつくづく運がいい。」
「彼、ですか……?」
がしゃり、がしゃりと暗がりから足音が響く。ぼうと松明の炎に照らされ、薄汚れた革鎧と、角の折れた鉄兜を身に纏った
「や、
「……お前か、
「当たらずとも遠からず……。それより、解毒薬持ってない? ちょっと手持ち足らなくて、さ」
「構わん。使え」
「サンキュ」
無事、水薬も駆け出し連中に行きわたり、
やっぱやべーわあいつらの毒。
「ぎ、銀等級……!? それも二人も、なんて……」
そうそう、この五年でゴブリンスレイヤーも昇級重ねて第三等級まで駆け上がったんだよね。うーん、いつの間にか追いつかれてしまったな。
これ以上昇級すると政治問題絡んでくるから、あまり上げたくないというのもあるが……。単純に依頼遂行までに寄り道しまくるから、時たま報告遅くなって
「在野の冒険者における最上位……! な、なんで小鬼退治になんか……」
「そりゃあ、こいつのあだ名通りさ。辺境最優、ゴブリン退治世界チャンピオン。四方世界小鬼撲滅RTA冒険者チャートの第一走者」
「世にも名高き小鬼殺したぁ、こいつのことよ」
「なぜお前が胸を張る」
「あ、あなたは……?」
「趣味」
「ええ……?」
小鬼殺しはわしが育てた。これわしの弟子じゃないか? わしのじゃ……!
「あ、あの……!」
「んー?」
白い法衣に身を包んだ、神官らしい少女がおずおずと声をかけてくる。このローブの作りと手に持った錫杖の形状から見るに地母神の信徒か。深々と頭を下げて言葉を続ける。
「本当にありがとうございました……! 私だけでは、お二人を―――」
「ああ、いいっていいってそういうの。俺だって薬の持ち合わせ足りなかったんだし」
解毒薬はなぁ……自作するには材料手に入りにくいんだよな。クリエイションクラブの追加された材料でしか作れないし。店売りで買った方が早いのもあって、そう多くは持ち込んでいなかった。失敗だったな。
「それに、見たところ多分回復まほ……じゃなかった。奇跡を施していたのは君だろう? 君が居なかったら彼女、俺が来るまで保たなかったよ。もっと自信持ちな」
ぽんぽんと背中を叩いて彼女を励ます。……大丈夫かこれ。
つい娼館での癖でボディタッチしちゃったけどセクハラで訴えられたりしない?
「は、はい……!」
先の青ざめた表情は鳴りを潜め、どこか安心したように見える。
…………セーフ!
「ここよりも手前に横穴があった。奴らはそこから出てきているはずだ」
「横穴……ですって? そんなの私達が通った時には……!?」
「駆け出しが良く陥る
小鬼殺しに連れられ、トーテムの向かいに隠されていた横穴を見て、女武闘家は愕然とする。
「あ、そうだ。さっき確認してきたんだが、奥の広間に七、上位種に
隠密して下見した際に得た情報をゴブリンスレイヤーに伝える。ホブは既に死んだが、まだ呪術師がいる。……奇しくも、彼と初めて出会ったときと同じ構成の群れだ。
「そうか、わかった。駆け出しは任せていいな?」
「おう、診ておくよ。そっちこそ、無茶すんなよ」
「ちょ―――ちょっと待ってくれよ! 俺達はまだ戦え―――」
青年はそういきり立ち、立ち上がるも……すぐに膝から崩れ落ちてしまう。まあ、無理だろ。治ったとはいえ、死にかけたんだ。身体はともかく、精神の方が追いついていない。
「それ見たことか。回復したからって本調子なわけないだろ」
「それに。あの魔女の娘はどうすんのさ」
「ぐ、ぐぅ……」
「で、でしたら……! 私、まだ動けます……っ! 回数もまだ二回残っています!」
「……既にこの規模の巣ともなれば白磁級、それも今日が初めての君達には荷が重い。ここで退いても誰も責めはしないんだよ?」
「それでも、です」
「私はお二人に助けられました。少しでもお役に立ちたいです」
俺たちの会話を聞き、神官の娘が前に出る。死にそうな目にあってなお、勇敢というかなんというか……。人が良すぎて今後が心配になるよ。
……あと二回? 既に一回、あの魔女の娘に使い、まだ二回も余裕を残しているのか……。将来有望だな。
「何が使える」
「【
「わかった」
「……いいのかい?」
「俺が見ておく」
あの危なかっかしい少年がもう先輩か……。成長を感じて胸が熱くなるよ。
五年前だから……もう彼も二十歳か。未成年どころか中学生くらいの少年に手ぇ出すところだったと後から知ったときには青ざめたね。こっちでは十五で成年扱いとはいえ流石に犯罪だろ……。
「おい、行くぞ」
「は―――はいっ!」
「おーし、駆け出し組は洞窟前まで俺と退くぞ」
「この娘は俺抱えていくから武闘家の……いいや武闘家ちゃんは戦士クン支えてくれな」
肩を抱え、少女を運ぶ。うーん、軽いな。ちゃんと飯食べてるのか? ……いや考えてみれば丸太二本まとめて抱えられるドヴァーキンの腕力鑑みれば誤差みたいなものか。
「じゃ、頼んだぜ。ゴブリンスレイヤー」
「ああ。―――ゴブリンは皆殺しだ」
今回の描写書いてて思ったんですけど、喋るだけで大気を震わせるスカイリムの竜ないしはドラゴンボーンとテーブルトークRPGの相性悪すぎる……。
何かする度、骰子と駒吹っ飛んでそう(適当)
シャウトの表記方法について
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アルファベット表記
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ドラゴン文字
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どちらでも良い
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その他