MODマシマシTSドヴァーキン(雌堕ち済)四方世界にて小鬼殺しと邂逅す   作:最初の仲間

8 / 16

 お気に入り登録者1000人突破本当にありがとうございます……! 1話を投稿した時には、こんなにも多くの方に見て頂けるなんて夢にも思っていませんでした。偏に皆様からの高評価、感想、誤字報告のおかげです。

 それはそれとして感想欄での主人公のあだ名が変態の二文字で統一されてるの面白すぎて笑う。

 ククク……ひどい言われようだな、まぁ事実だからしょうがないけど



いい飲み仲間だ、蜂蜜酒を飲もう

 

 ゴブリンスレイヤーを頭目とした一党(パーティ)を臨時結成し、小鬼退治に陵墓を攻略したあの日から早数日が経過した。

 

 孤電の術士(アークメイジ)が研究と執筆に励む中、俺たちは時に組み、時に分担してゴブリンの巣を周り、潰し、殺していった。大規模な巣の攻略ともなれば俺も手を貸すし、逆に手の数が足りなければ西に東にとそれぞれ分かれ、孤電の術士に成果を提出する日々を送っている。今日も、依頼された物品の納品に彼女を訪れた。

 

 戸を叩き、来訪を彼女に告げる。

 

「ああ、上がってくれたまえ」

 

「入るぞー、孤電の術士」

 

 部屋に入ってみれば、こちらには一瞥もせず、彼女は卓上に並べた札の山(デッキ)へと向き合っていた。机に広げた札(カード)を規則正しく並べ、時に向きを変え、裏返し……一通り終われば積み重ねた束へと戻し、また並べる。その繰り返し。

 

 一人遊び(ソリティア)にも似た動きは、彼女にとっての思考整理の一環なのだろう。彼女に聞くところによれば……世界の理をも改変する真言は、その代償として発動とともに術者の脳内から消え失せてしまうらしい。故に、この世界の呪文遣い(スペルスリンガー)は呪文や魔術書、時には宝石といった形で脳や精神への負担を軽減するという。彼女の場合、札が一番性にあっているのだとか。

 

 術の発動回数というのは、どれだけ自身がその負担に抗えるか、ということを示す一種の目安といえる。彼女ほどの賢者にとってもそれは例外ではないというのだから、この世界における真言、奇跡というものがいかに強力で、人の身に余る業なのだと感じる。ニルンが存在する次元とは、根本的に摂理(システム)が異なるのだ。

 

「すまないね。ちょっと今手が放せなくて……。ゴブリンスレイヤーにも悪い事をした」

 

「うん? あー……なるほど。ちょうど入れ違いになったみたいだな」

 

 部屋に目をやれば、空の酒瓶の山の前に一つ、封の開いていない林檎酒(シードル)が置かれていた。……悪臭漂わせる、小汚い小袋もその傍に。中身は想像に容易い、ゴブリンスレイヤーが持ち込んだものだろう。近寄りがたいが、傍に置いておいた方が彼女も分かりやすいだろう。背嚢(バックパック)から、彼女に頼まれていた品々を取り出した。

 

「ゴブリンの巣近辺で見られた錬金素材と……その植生をメモにまとめてある。腹持ち良ければ毒の有無関係なしに食ってるぽいな、多少なりとも毒耐性持ってると思うぜ」

 

「ああ、助かるよ」

 

「んで、こっちはオマケ」

 

「……オマケ?」

 

 巻物(スクロール)の山が崩れないよう少しどかしてから、机の上に籠をごとり、と載せた。

 

 紙を捲る音をピタリと止め、彼女は振り返った。

 

「君、まさか本当に持ってきたのかい?」

 

「え、うん。依頼のついでだし。サンプル、見たがってたろ?」

 

「……馬鹿だ馬鹿だとは思っていたが、本当に持ってくるとは思っていなかったよ」

 

「酷くない?」

 

 彼女は籠を包んでいた布を捲り、その中身を確認すると……大きなため息をついて頭を抱える。

 

 捲れた隙間からは、生まれたばかりのように小さい……緑色の肌を持った腕が、顔をのぞかせていた。

 

「まさかとは思うが、攫われた娘たちから……なんてことはないだろうね」

 

「それこそまさかだろ。正真正銘、母胎は俺さ」

 

 小柄な背丈に見合わぬほど発達した胸を張って答えた。少し胸を反らすだけで大きく揺れる一対の脹らみは、以前にも増して張りを見せている。

 

 妊娠に伴って乳腺が活性化しているのだろう。吸水性の良い麻布(リネン・ラップ)を下着に仕込んでこなければ、いつもの装備が汚れていたことだろう。こういう時、谷間や脇といった隙間が多いローブだと容易に下着の交換ができて楽で良い。

 

 彼女は呆れたように首を振って、言葉を続けた。

 

「好きな時に食べ、寝て、身を清め、まぐわう。三大欲求は全て娯楽とすべき、とは私の持論ではあるが……君は聊か倒錯的に過ぎると思うね」

 

「四方世界ってお堅いのね。向こう(日本)じゃ全然ありよ」

 

「えぇ……? 界渡り(プレインズウォーカー)ってのは君みたいなのばかりなのかい……?」

 

 ―――界渡り(プレインズウォーカー)。

 

 曰く、四方の『角』に至りし者。世界の枠外へと飛び出した証人。古代より魔術師が志す頂点。

 

 次(・)元(・)を(・)渡(・)る(・)も(・)の(・)。

 

 ……らしい。

 

 角なるものが一体何なのか、俺にはとんと理解できないが、彼女が目指す先であるという。異界より訪れたという点においては、間違いなく俺は界渡りにあたると彼女は話す。

 

 外から内に来たという点において、彼女の望む者ではなかったと思うのだが……それでもこうして懇意にしてくれているというのだから、出来るだけ力になりたいと思ってしまう。ついついこう軽口も飛ぶというものだ。

 

「おおっと、言葉には気を付けた方が良い。今は多様性の時代だぜ、趣味嗜好なんて人それぞれさ。相手が両性具有(ふたなり)だろうが虹色の仔馬だろうが、好きならそれでいいじゃあないか」

 

「性的嗜好はともかく、奔放的な振る舞いの方について言いたかったんだが……まあいいさ。君の趣味についてとやかく言うつもりはないよ」

 

「言いたいことは色々あるが……感謝している。実際、ゴブリンの幼体を生きたまま回収、なんて彼に依頼するのは酷というものだからね」

 

 人の心とかないんか?

 

 いやあるから多分、誰にも依頼せず放置していたのだろうが。攫われた娘に「おっ、君孕み袋だね? ちょっとその中(・)身(・)分けてくれない?」なんていう奴が居たらそれはちょっと品性を疑う。小鬼殺しを命題とする彼にゴブリンの生け捕りを頼むのも同じだ。

 

「こういう時こそ雌堕ち済みのTS転生者たる俺の出番というものってやつさ。必要ならいつでも呼んでくれよな」

 

「もっと身体を労わってほしいものだねぇ……それより君」

 

 そういって彼女は幾らかの報酬と布きれと白い固形石鹸を手渡してくる。

 

 ……石鹸? 不思議に思い彼女を見れば、彼女は俺から目を逸らし、ぐいぐいと手に持ったものを押し付けてくる。ちょっと胸が苦しい。

 

「向かって右が洗面所だから使うといい。この後ギルドにも行くんだろう?」

 

「その……なんというか。あまり面と向かって言いたくはないが……匂うよ」

 

 彼女の金髪の隙間から見える耳が赤く染まっている。

 

 目線を下せば、ローブの胸元から見える下着にじんわりと、シミができはじめていた。

 

 ……仕込んだ麻布が滴り、生暖かい、乳臭い香りが漂う。

 

「お、お言葉に甘えて……!」

 

 彼女から手渡されたものをひったくり、洗面所へと駆け込む。

 

「~~~~~~~ッッッッ!!!!」

 

 吸血鬼たるを示す雪のように白い肌ゆえか、姿見に映る自分の顔は酷く赤面して見えた。おそらく、この痴態を目にした彼女も同様に……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……失敗したなぁ。もう少し枚数増やすべきだったか」

 

 あまり多いと先(・)が擦れるし、下着が型崩れするから嫌なんだが……。こうも短時間で染み出てくる以上、そうも言ってられない。滲んで汚れた下着の代わりに、新しい麻布をぐるぐると胸にさらしのように巻く。ノルド遺跡で埋葬されているドラウグルが脳裏に過る、……窮屈だ。

 

 装備もMOD産の際どいやつではなく、露出の少ない、健全なローブに着替えて孤電の術士の家を後にする。

 

 お互いに顔を見合わせる事が出来ず、自然と言葉少なになっていた。あざっすあざっす、ほなまた……みたいな曖昧なやり取りしかできなかった。まだ頬が熱持ち火照っている。また次彼女と顔を合わせる時が心配だ。

 

 足早に街道を駆け抜け、ギルドに向かった。依頼達成の報告をしなければ。報酬は彼女から直接受け取ったが、ギルドを経由した職務である以上、必須の業務だ。

 

 ……一通り報告を済ませ、窓口から離れてみれば冒険者の多い事多い事。

 

 酒場が併設しているとはいえ、昼間から酒飲みとは……。いや終わったし俺も飲むか。お腹いっぱいの蜂蜜酒でしっぽり、と―――

 

「あ、ゴブリンスレイヤー。君も来てたのか」

 

 見覚えのある兜だと思ったが案の定だな。ここらで堅牢なスチールプレートの兜を被った冒険者といえば彼、といった印象すらある。それに彼と話している彼女にも見覚えがある。以前孤電の術士の住居を教えてくれた魔女(ハグ)だ。

 

「や、後輩ちゃん。この前は世話になったね」

 

「いい、え」

 

 おっとりとした雰囲気に、独特の間延びした喋り方。腰まで伸ばした長髪も相まって、いかにも余裕のあるお姉さんといった出で立ち……なのだが、彼女はゴブリンスレイヤーと同期だ。明らかに少女と言っても過言ではない年齢の、はず。多分……?

 

「それ、で? ……先輩、は?」

 

「依頼報告の帰り。依頼主はゴブリンスレイヤーと同じで孤電の術士なんだが、どうもそこの彼とは入れ違いになっちゃったみたいでね」

 

 煙管を携え、紫煙をくゆらせる姿はいかにも大人の余裕を感じさせる。そんな彼女から先輩呼びされるのはどうもこそばゆいものがある。冒険者歴という意味では何も間違っていないのだが……。

 

 煙管の一本持ち歩くだけでも変わるだろうか。……生憎、あるのは蜂蜜酒にアルトワイン、スクゥーマ、ムーンシュガーに眠りの木の樹液。

 

 ……後半はここで出したらやばいな!?

 

 衛兵に取っ捕まること請け合いだ。ミルウォッチに置いてくるのを忘れていた。ゲーム内では視界がぐにゃぐにゃになる程度で済んでいたが、中身は俺だ。娼館通いしたうえで小鬼の巣にも赴くような色狂いが、麻薬の齎す快楽と中毒性に正気を保てるとは思えん。吸血鬼の毒耐性があるとはいえ性欲よりも恐怖が勝る。いい機会だ、帰ったら処分しておこう。クスリ、ダメ、ゼッタイ。

 

「あの、人、ね」

 

 ほう、と煙を吐き、視線を卓上に向ける。古びた羊皮紙を紐で括った……魔法の巻物(スクロール)。

 

「鑑定してもらっていたのか」

 

 俺以外の奴と……! いや冗談だが。灯(スパーク)の指輪だってたまたま傍にいたのが俺だっただけで、この世界に詳しい正規の魔術師頼るのはむしろ正しいといえる。

 

「ああ。《転移》の巻物だそうだ」

 

 へぇ転移ねぇ。……転移(ファストトラベル)!?

 

 ぎょっとして巻物を二度見する。べ、便利すぎるだろ……!

 

 スカイリムでも別の地と繋げる門(ポータル)は存在していた。なんなら拠点のミルウォッチ、その一室は門の先にあるという贅沢仕様だ。だが、好きな場所にノータイムで移動できる魔法なんて存在しない。召喚魔法はあくまでオブリビオンから現世に魔法生物を呼び出す、あるいは送り返す呪文であって、自分自身をどうにかすることはできない。う。羨ましい……!

 

「それ、で。ど……するの? 行き、先、書かないと……使えない、わよ?」

 

「行き先………」

 

「ここではないいつか。今ではないどこか。窮極の一。到るための扉……の、まがい物」

 

「窮極の、一。まがい物の、巻物……」

 

 迂遠な彼女の言葉に、一つの言葉が浮かぶ。輝く魔法陣が刻まれた全知全能の書。世界を揺るがす予言を数多く残した巻物。物質の姿をした神の破片にして、創造の欠片。

 

 ―――星霜の書(エルダー・スクロールズ)。

 

 あるというのだろうか。この四方世界にも。

 

 俺がこの世界に来た理由も、もしかすればそれに……

 

「おい」

 

「ひゃいッ!」

 

 声をかけられ、沈んでいた思考が一気に引き戻される。……流石に妄想がすぎるか。

 

「す、すまん。ちょっと考えこんじゃって」

 

「行き先の件だ。依頼すれば書き込めるか?」

 

「俺? 彼女に頼んだんじゃあ―――」

 

「これから、冒険(デート)、なの」

 

 ……か、彼氏持ち、だと。いやそれもそうか。これだけの美人にいないわけないよな。いないわけないのだ。うん。

 

 よし、脳破壊は最低限で済んだぜ。

 

「あーすまん。俺まだここらの地理もまだ把握してる最中なんだ。それに俺は真言魔法に関しては専門外。悪いが後輩ちゃんに頼んでくれ」

 

「そ……いえば。不思議な、術を、使うと……言ってた、わね」

 

 俺の言葉に理解を示すと、巻物を受け取り、豊満な胸元へと収納していく。

 

 クソ……やっぱり誰かは知らんが羨ましいな!!!!

 

 挟ませる棒も磨かせる槍もないなったけれど!!!!

 

「また、教えて下さい……ね。先、輩」

 

「お、おう……冒険、頑張れよー」

 

 何が先輩じゃ。俺が君に教わりたいくらいだよ。

 

「……君も飲んでく? ゴブリンスレイヤー」

 

 カウンターに座り、蜂蜜酒をグラスに注ぐ。こうなれば自棄だ。別に何が羨ましいというわけではないが、あのプロポーションを好きにできる男がいると思うと無性に酒が飲みたくなる。

 

 繰り返すが嫉妬ではない。

 

「帰る。待たせている人がいる」

 

「お前もか、ブルータス……!」

 






 今回はアークメイジ=サンのエミュに時間かけてしまいました。

 本編でも再登場してくれ……! 

 

 というかイヤーワン編のキャラ、全員ヒロイン力高すぎる。

 皆再登場してくれ……!!

 

シャウトの表記方法について

  • アルファベット表記
  • ドラゴン文字
  • どちらでも良い
  • その他
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。