魔法少女アギア・ケルベロス~俺は地獄の番犬ではない 作:dwwyakata@2024
最終決戦。
もはや互いに言うことはありません。
ただ己の蓄積の全てをぶつけるのみです。
日女は少し下がると、燐火と星神の死闘を見やる。
残念ながら昨日星神にたたき伏せられて、余力がほとんど残っていない。それもあって、今参戦しても、足手まといだ。
今はともかく。
祝詞をたたき込むタイミングを計るしかない。
何より全身の筋肉痛が酷い。
本当に立っているだけでやっとだ。
燐火は強くなった。
初めて出会った時は、けったいな格好をしている小学生だと思った。今でも戦闘時は時々あの白仮面の格好をしているが。
大丈夫かこの子供と、結構心配になった。
それから悲惨極まりない境遇を知って。
信頼できる戦友になった。
側で見ていると分かる。燐火の成長はあまりにも凄まじい。
今では、日女と肩を並べて戦える魔祓いだ。呪いで封じられた力を取り戻したら、恐らくは数年以内に一線級の魔祓いになれる。
ただ、ギリシャ系だとニッチすぎる。
やはり仏教系か日本神道系に勧誘したいところである。
距離を取って戦闘を見る。
凄まじい戦闘だ。
押し気味に獣化星神が戦っているが、燐火は確実に猛攻を防いでいる。獣化しても爪や牙を使う様子はない。
恐らくだが、身体能力強化のためだけに獣化していると見ていい。
あの星神もまた。
正々堂々にこだわる、古い奴なんだな。
そう日女は悟って、少し悲しくなった。
そういう奴が、世界の全てをひっくり返そうと思うほどまでに、この世界は腐りきってしまった。
分かっている。
日女だって、この年で散々ろくでもない人間の業を見てきた。
世界でもトップクラスの国が、犯罪国家そのものの行動をしている時代だ。それはモラルなんて死に果てる。
差別だと叫べば、愛国だとほざけば、どんな事でも許されると思っているような輩もたくさん取り押さえた。
警察も、そういう言葉を話すだけの獣相手には、対応が難しいと何度も嘆いていた。
確かに星神が、全てをひっくり返したくなる気持ちも理解は出来る。
だが、それを許してはいけないのだ。
無線が入った。
公安の秘匿部署だった。
「平坂君はうまくやれているかね」
「問題ありません。 今の時点では押されていますが、即座に決着がつくことはないでしょう」
「君のコンディションは理解している。 加勢しろとはいわない。 だが平坂君が負けないようにもしてほしい」
「分かっています」
通話を切る。
公安もパニックだろう。
国の方からどうにかしろと言われていても。
そもそも星神をどうにかしなければ、恐らくグレムリン制御下にある仮想サーバはどうにも出来ない。
グレムリン達は世界各国の政府の醜聞を徹底的に垂れ流しているが。
それの中には、マスコミ各社が受け取っていた膨大な賄賂も存在していた。
マスコミは既に誰も信用しない代物と化しているが。
この情報……特に飼い主から渡されていた金のために、マスコミ各社が媚態を尽くしていた証拠は。
文字通りマスコミに対する致命傷になった。
既に右肩下がりになっていた信頼度が、これでゴミと化し果てた。
今後マスコミはなくなるだろう。
そういったところからの悲鳴も聞こえてきているようだが。
日女の知ったことか。
少しでも体を動かせるようにしておく。
最後の最後で祝詞を使えなければ意味がない。
だがそれはそれとして。
燐火が倒されてもまた、意味がない。
最悪の場合は、最後の力を振り絞って加勢する。腕の一本くらいは覚悟しなければならないだろうな。
それは分かっていても、流石に冷や汗が流れる。
ガンと、激しい音がする。
燐火が押し込まれている。
星神が、凄まじい勢いで刃を振るっていた。何度も火花が散り、あの鉄パイプで防ぎながら、燐火が下がる。
ずり下がる燐火に対して、下がった分、星神が押し込んでいた。
「流石にこの形態では私の方が上だな! それが分かっただけで充分! 確実に勝ちにいかせてもらう!」
「……」
燐火が飛び退く。
ケルベロスの声が聞こえた。
「日女、決定的な隙を作る。 ただし、隙は一瞬だけだ。 祝詞をたたき込むタイミングを誤るでないぞ」
「どうするつもりだ」
「簡単なことだ!」
歩法を開始しようとした星神。
相手を自滅に追い込む燐火の奥義。
亜眼が使ったと聞いている。
当然星神も出来るだろう。
だが、燐火はその瞬間、全身の力が膨れ上がる。星神が、何っと叫んで、飛び退いていた。
青い光が、燐火の全身を覆う。
膨れ上がる力は、文字通り……冥界の権化とも言えるほどのもの。
燐火が、変わった。
いや、これは。
「ケルベロス……」
思わず呻いてしまう。
そうか、ケルベロスが、燐火と一体化したんだ。
今までは側にいて、ずっと燐火を助けていた。ただそれだけの関係だった。
実体化は恐らく出来ない状態だった。
だから、それが一番燐火を助けられるやり方だったのだ。
今度は違う。
恐らく、最後の力を振り絞り、燐火と一体化することを選択したのだ。そうして、全ての力を燐火と融合させた。
ギリシャ神話の、心優しい冥界の番犬、ケルベロス。
その力が今。
燐火とともに、圧倒的な一瞬の輝きを見せていた。
燐火は、鉄パイプを構える。
ケルベロスの声が聞こえない。分かっている。コレが最後。これで勝たなければならない。
呪いをケルベロスが、この世界にいる時間を全て費やす代わりに消し飛ばした。
今の燐火は、ケルベロスの力そのものも受け取っている。
それだけじゃない。
鉄パイプに、今まで倒してきた魔の圧倒的な力が宿っている。文字通り、魔殺しの最強の武器。
それを手に、燐火は星神の前に立ちはだかる。
「ここに来て神おろしだと……!」
「やることは今までと変わりません。 聖印で魔を祓う事そのものは、聖印を切るだけです」
「ふ、ふふふ、ふ……っ!」
星神の計画が崩れた。
完全に技量で上回ったところで、燐火の奥義を利用して完封するつもりだったのだろう。
残念だったな。
燐火と一体化したケルベロスの戦闘経験が、一時的に燐火の戦闘技量を跳ね上げている。歩法を使えば、自滅するのは星神の方だ。
つまり星神は。
武芸で勝負するのではなく、魔として勝負するしかなくなったのだ。
だが、星神は。
狼の姿も混ざった体で、高笑いする。
「面白い! 戦はこうでなくてはいかん! そしてその姿、長続きはしないな! 今、勝負をつけさせて貰う!」
「いきます」
「来い! 平坂燐火! 今のおまえほどの武人と戦えること、誇りに思うのは亜眼威眼だけではない! この私もだ!」
間合いが詰まる。
早いなこれは。
自分の速度に驚きながら、燐火は上を取る。冷や汗を掻きながら、星神は刃で鉄パイプを受け止める。
踏み込みながら、立て続けに十合渡り合うが。
明らかに下がりながら、必死に打撃を殺すのが星神はやっとだ。
その全身から蛇が生えると、四方八方から飽和攻撃が飛んでくる。その全てをはじき返す。
これは恐らくだが、フリッグの一部だな。
全部で戦場に出た訳ではない。
蛇の系統の神としての力の一部を、星神に託していたんだ。
「私も負けるわけにはいかないのでな、手札全てを使わせて貰う!」
「こちらもです」
すっと弧を描くと。
全ての蛇に痛撃を入れる。
そして、立て続けに星神の右手が膨れ上がると。熊の巨大な腕となって、たたきつけてくる。
これは北海道のアイヌ神話の神としての熊か。
凄まじい速度とパワー。
人間の格闘家なんかが対抗できる力じゃない。
だが、今の燐火は、それを鉄パイプで受け流しつつ、腹に痛烈な合気を入れていた。
星神が飛び下がる。
そう、とんだ。
背中に翼が生えている。
あれはフルーレティの、悪魔の力か。
ばっと翼を広げると、星神が上空から、多数の蛇を放ってきた。恐らくアペプだ。秋雨のように降り注いでくるアペプの全てが見える。全てを鉄パイプで打ち砕き、吹き飛ばす。力が湧き上がってくる。
だが、ケルベロスの声は、もう聞こえない。
それだけケルベロスが、総力を挙げていて。
それも長くは続かないと言うことだ。
着地した星神。
翼を使い、加速して飛んでくる。燐火も加速して前に。
交錯。
火花と轟音が散り、衝撃波が辺りの小石を吹っ飛ばした。日女さんはちゃんと逃れている。
あの人が、まあそんなドジは踏まないか。
再びの交錯。
そう、六度、交錯して刃を交える。
雄叫びを上げた星神が、剣を地面に突き刺すと。両腕の鋭い爪で引き裂きに掛かってくるが。
低い態勢から、顎を抉り上げて。
更に回し蹴りで蹴り飛ばした。
地面でバウンドした星神が、翼を広げて空中で態勢を整えようとするが。
その瞬間には追いついた燐火が、大上段から一撃をたたき込む。
地面にたたき込まれた星神が、悲鳴を上げる。
だが、追撃の鉄パイプを転がってよけつつ、飛び起きる。
即座に剣を引き抜くと、胴への一撃を防いでくる。
押されていても、本当に嬉しそうだ。
燐火は冷静だ。
残り時間がどんどん減っているが、それでも。
蛇。
星神の背中から伸びてきた大蛇が、丸呑みにしようと襲いかかってくる。だが、その時だった。
蛇の動きが止まる。
「むっ……!」
「無理をしているのはそちらも同じようですね」
回避から反転、痛打を三回、連続して入れる。
蛇が砕けて、消えていく。
星神は下がろうとするが、既に燐火が背後に。翼をつかむと、引きちぎっていた。
そのまま、もつれ込みながら地面に落下。
地面で転がった星神に、追撃の震脚をたたき込もうとするが、跳ね起きて逃れる。
ふうと深呼吸すると、星神は蛇と翼を消した。
「強欲に墜ちたフリッグ、乾いていたフルーレティ。 ご苦労だった。 次もまた、ともに戦おう」
「まだこの程度ではありませんね」
「いや、私の力は既に全力で振るっているさ。 だが、無理をして引っ張り出すしかあるまいな」
星神が、胸に手をやると、何かを引っ張り出す。
それは、今までとはまったくちがうもの。
恐らくは、神体だ。
石……いや違う。
星神の神体だとすれば、隕石だろう。
その隕石を、手の中で握りつぶす星神。勿論実体のある隕石ではなく、己の力の象徴そのもの。
それを砕くと言うことは、残りの全リミッターを解除するということだ。
燐火は待つ。
最高の状態の星神を叩き潰して、星神が悔いの残らないようにするために。
星神は、なんだかんだで狡猾で悪辣だったが。
それでもフェアな戦士だ。
それについては、戦っていて分かった。
残り時間は燐火も一分も残っていないだろう。
だが待つのは。
星神を止めなければ、ネットの爆発が収まる可能性が絶無だからである。
「恐らく残り時間はほぼ同等! 今まで交戦した魔祓いの中で、貴様が一番面白いぞ平坂燐火ぁっ!」
「ありがとうございます。 悔いがないように終わらせます」
「おうっ!」
「いきます!」
突貫。
星神は、狼と牛が混じった人型で、全力で迎え撃ってくる。
速い!しかもとてつもない重さだ。心技体全てがそろった武技のぶつかり合いは、これほどまでのものなのか。
凄まじい剣撃を交わす。
五秒の間に百二十合を超える。
火花が散り、辺りが吹っ飛ぶ。
星神が、満面の笑みを浮かべている。互いの体を、強風が抉る。だが、ケルベロスが守ってくれている。
星神も、ダメージを受けていることを気にもしていない。
「おおおおおっ!」
「面っ!」
踏み込むと同時に、面をたたき込む。
恐らくだが、師範が見ている世界は、こういうものだ。
空気ではなく。
空を切った。
面を直撃されても、それでも下がらない星神。双方、完璧なタイミングで歩法に入る。今までにない速度どうしでの歩法のぶつかり合い。
完全に互角だ。
双方同時に、倒れる。
激痛が全身に走るが、飛び起きる。
また歩法をぶつけ合う。
攻撃予測が秒間100を超えている。それぞれに激しくぶつかり合う攻撃予測だが、また二人同時に地面に体をたたきつける。
立ち上がる。
流石にケルベロスも守り切れないか。
だが、それでもやる。
歩法を辞めた瞬間。終わりだ。
呼吸を整える。全身が千切れそうなくらい痛い。当たり前だ。この歩法、今まで倒せなかった敵はいない。それを自分で食らっているのだ。しかも下は地面である。
星神が、少しだけ揺らぐ。
だが、星神はその瞬間、全身をパージしていた。
人型を捨てた星神が、空から舞い降りてくる。
歩法での勝負で、負けを悟ったのか。中空から、全てを滅ぼす星の権化として、降り立ってくる。
その姿はもはや、虫か何かのようだった。
これなら歩法は使えないだろう。そう言っているかのように見えた。
「逃げましたね」
「違うな。 おまえの消耗が限界近いのを見て取った。 歩法に付き合って自滅する理由はない。 ここで戦闘スタイルを変えて、決定的に勝ちに行かせて貰う。 おまえさえ倒せば、ダイモーンを祓える存在はいなくなる。 その時は、私も倒されることはなくなる! 私の勝ちだ!」
「少し見損ないました」
「今はあらゆる手を使って勝たねばならん! どれだけ誇りを捨てようとも、この先に好機はない! おまえも分かっているのだろう、平坂燐火! 数百年先など、人間にはないのだ!」
それについては同感だ。
日根見ちゃんも時々ぼやいていた。
このままいくと人間は滅びると。それは既に、誰もが共通して抱く認識となっている。
1999年7月に世界が滅びるという噂話が、昔はやったことがあったらしい。もう燐火のだいぶ前の世代のことだから、おとうさんから聞かされて、そういうものかと思っただけだが。
小学校時代にも、富士山が噴火するだのそういう噂が時々流れて。
それで怖がっている生徒がいたようだ。
日本は火山列島であり、いつどこで致命的な噴火が起きてもおかしくない。地震だって、どれだけ危険な震度のものがいつどこで発生しても不思議ではないだろう。
破局的と言われるレベルの火山噴火が起きれば、人間なんか簡単に滅ぶ。
だが、それはそれとしても。
このままいけば、星神が言うように人間が自滅するのは確かなのだ。
オーディンも、それを悟って焦っていたのかもしれない。
星神と狼王とオーディン一派がやりあったのは。
あるいはだけれども、誰が今後の舵取りをするかの、そういう主導権争いだったのかもしれなかった。
無言で燐火が鉄パイプを構える。
そうそう長い時間はない。
急激に残り時間が削られていく中、全身の足を伸ばして、それぞれを刃物にした星神が、全てを振るってくる。
だが、それはあくまで時間稼ぎだ。
所詮人が想像したものが神であり魔だ。
凄まじい勢いで繰り出される武器の数々を、鉄パイプではじき返す。時にはへし折り、時には吹き飛ばす。
しかし星神は、それを理解している様子で、更に次々に武器を繰り出してくる。
雄叫びを上げながら、一斉に振り下ろしてくる武器を、まとめて粉砕するが。
まずい。
残り時間が、完全に切れた。
ふっと、力が抜ける。
高笑いとともに、星神が飛び退く。
「これにてダイモーンを祓える存在、潰えた! ヘラクレスもあの数の私の部下相手では、弱体化しきった今無事では済むまい! 私の勝利だ!」
重い。
体が。
片膝を突き。
そして、鉄パイプを杖に、必死に体を支える。目がかすむ。二度の全力での奥義の打撃が、体中の機能不全を痛みとして訴えていた。
呼吸が荒い。口の中に血の味がする。
ケルベロスが、静かに言う。
その声が、消えかかっているのが分かった。
「燐火」
「ごめんケルベロス。 あいつに結局勝てなかった」
「いや、最後の手がある。 出来れば俺がペルセポネ様を連れて冥界に帰りたかったが、悪いがヘラクレスに引き継いでくれるか」
「何をするつもり」
ケルベロスは、静かに言う。
それを聞いて、燐火はそう、とだけ静かに答えていた。
なんとなく分かっていた。
これほどの狡猾な相手。日女さんも祝詞以外打つ手がない状態。
燐火もボロボロ。
それに対して、奴は……星神は逃げ回るだけで、完全に勝ち確定だ。ここから勝利するのは、もう不可能。
手があるとしたら、摂理をひっくり返すしかないのだ。
「おまえは問題が多かったが、それでも真面目だったし、サボったりもしなかった。 立派だったぞ、燐火」
「ありがとう。 燐火にとって、あなたは三人目の親だったよ、ケルベロス」
「そうか。 俺がいなくても、やっていけるな」
「どうにかしてみる」
さらばだ。
その声とともに、ケルベロスが消える。
同時に、全身から凄まじい力が吹き上がってくる。それが全てのリミッターを外すのが、燐火には分かった。
ケルベロスの手で、燐火は命を取り戻した。
だが、今までケルベロスは、燐火の性格を熟知していたから。その体にリミッターを掛けていた。
そうしないと本気で人間を殺す可能性があったからだ。
それは分かる。
ケルベロスの懸念は、実際問題。燐火が不良や反社どもをぶちのめしていた時に、懸念ではなくなったのだ。
だが、今はもうそれはいい。
ケルベロスが離れると同時に、その全てのリミッターを解除する。燐火は全身から力が溢れ。
そして、星神も悟っていた。
とんでもない化け物が解放されたと言うことに。
冥界の番犬が封じ込んでいたのは、まさに地獄から戻ってきた魔物。燐火が顔を上げると、それでも星神はぐっと踏みとどまる。
「その年で……! 私が知っている魔祓いの中で最強の一人となるか……!」
「燐火は……私はこれで大事な存在を失いました。 二度と会うことはないでしょうね。 その腹いせを、あなたでさせて貰います。 星神」
「く、くくくくくっ! 良いだろう! 私も最強の魔祓いとの一騎打ち、本気でやってみたくなった! 出し惜しみなしでいく……! 簡単に壊れてくれるなよ!」
星神の体が、更に膨れ上がる。
フリッグとフルーレティ、それに狼王。その全ての姿を取り込み、蛇の尾、コウモリの翼、それに狼の頭を持ち、全身から多数の触手と足が生えた、巨大な異形と化す。まるでギリシャ神話のキマイラだ。キマイラとは既に戦ったが、あれ以上の威圧感かもしれない。
これは、星神もあまり長くは持たないな。
燐火を倒すために、本当に最後の力まで振り絞るつもりなんだ。
だったら、燐火も。
ケルベロスが後を任せてくれたのだ。
負けるわけにはいかない。
鉄パイプを向ける。
全身から、煌々と凄まじい力が吹き上がっている。傷は内側から修復され、既に痛みもない。
星神の力も、先までとは比較にならないほどにまで膨れ上がっている。
だがどちらも長くはもたない。
どちらがいうでもなく。
燐火と星神は、即座に仕掛け合っていた。
ケルベロスを燐火は失いました。
星神はそれでもまだ倒れません。
死闘は更に加速します。