魔法少女アギア・ケルベロス~俺は地獄の番犬ではない   作:dwwyakata@2024

32 / 110



もっとも燐火の側で暗躍している悪神。

その邪悪な行いが明らかになります。

より鮮明に。





1、悪神暗躍

ダイモーンだ。

 

学校の帰りに、直行する。既に春だから、虫たちもたくさんいるが、しかしダイモーンに近づくと虫の声はほとんど聞こえなくなる。

 

走り抜ける燐火を見て、白仮面だという人もいるが。

 

スマホで撮影されるようなぬるい動きはしていないし。

 

監視カメラがある場所は通ることもない。

 

このため、仕事中の燐火の姿を捉えた写真は一つか二つくらいしかネットに出回っていないようだ。

 

それもブレブレ。

 

一応都市伝説としてそれなりに知られ始めているらしいが。

 

それでもこの写真では、誰も信じないだろうと燐火は思ったし。

 

実際SNSなどでは、懐疑的な声が強いようだった。

 

ともかく走る。

 

森の中を一気に駆け抜ける。

 

この街はもう燐火の庭だ。ほとんど隅から隅までわかる。ケルベロスが位置を教えてくれれば。

 

そこへ最適解を自分で選択していけるようになった。

 

ただ、靴の消耗が激しい。

 

足のサイズも大きくなってきているし。しかも履き替えるまで靴がもたない事もよくあるのだ。

 

勿論おとうさんはかなり稼いでいるし、貯蓄もしっかりしているので、それは心配していないが。

 

その投資に見合うだけの事はしたい。

 

それが燐火の本音である。

 

走る。

 

そして現地に到着。

 

今回もまたちょっと強めの奴だ。隠れて様子を見る。あれは、いわゆる珍走団……いやそれほど気取ったものではないか。

 

昔はあの手のバイクを乗り回して格好良いと思い込む連中を神格化する漫画とかがあって、それに影響を受けた多くのカスが迷惑行為をしていたらしいが。

 

それも最近では誰もやらなくなり。

 

どんどん高齢化して行っているらしい。

 

それでも一部、まだ警察に目をつけられているような集団もいるそうだが。

 

いずれにしても一時期は暴走族とか呼んでいたらしいが。

 

今ではすっかり人もいなくなったので、珍走団と呼ぶらしい。

 

それくらい恥ずかしい呼ばれ方をしたほうが、だれもやらなくなるだろう。実際問題、それで正解だと思う。

 

いずれにしても、バイクをふかしていきり散らかしているそいつには。

 

結構大きめのダイモーンがへばりついていた。

 

三人程度で走り回っているが、辺りに爆音で迷惑を掛けている。確か移動していれば爆音を垂れ流していても逮捕されないのだっけ。

 

それのせいで、過激派団体が訳のわからない車で大音量で走り回っているらしいけれども。

 

カスの考えることは、どれも同じなんだなと思い。

 

燐火はなんだか情けなくなった。

 

ともかく、片付ける。

 

聖印を切る。

 

立て続けに三回。

 

それで、ダイモーンが爆ぜた。

 

同時に、ゲラゲラ笑っていた珍走団……というには小規模だが。迷惑バイク乗り達が、何かの拍子で転び。

 

多重追突していた。

 

一人がそれで足を思いっきり挟んだらしい。

 

しかもバイクがそのまま横転して、激しくクラッシュ。

 

あの手の連中には、バイクは命の次に大事なんだったか。

 

ご愁傷様である。

 

いずれにしても、わざわざ警察を呼ばなくても大丈夫だろう。実際、すぐに近所の人が通報したらしく、警察と救急が来ていた。

 

足が足があと喚いている一人が、泣きながら救急車にて運ばれている。

 

さらには爆音で垂れ流されている音はそのままで、警察が止めろと命令して。それで残りの二人が、必死に止めようとしていたが、うまくいかないようだった。

 

いずれにしても改造車両、大音量のばらまき。

 

それにあの三人、結構いい年だ。

 

きちんと警察の世話になるだろう。

 

ふっと燐火は笑って、その場を離れる。問題は、ここからだ。

 

「この間の汚職政治家の時も感じたけれど、今のダイモーン何か混じっていたような気がする」

 

「しかし燐火は対応できた。 だとすると、一神教の悪魔などの強力な存在ではあるまい」

 

「……そうだね。 だとすると、一体何だろう」

 

「俺には感じ取ることが出来なかった。 燐火は既に魔祓いとしては、ギリシャ系としては一人前の実力がある。 だからその直感は侮れない。 もう少し、色々調べてみないといけないな」

 

そうか。

 

頷くと、燐火はそのまま家に戻る。

 

途中で、白仮面を見たとか話している子供を見かけた。

 

さっき燐火を一瞬だけ見た人だろうか。

 

まあ、どうでもいい。

 

家に戻ると、すぐに鍛錬を始める。

 

素振りをしていると、日女さんから連絡。

 

連絡にしても、急ぎの時と、そうでない時で連絡方法を変えている。今のは、急ぎではない。

 

だから気にせず、素振りを終える。

 

その後、正拳百回まで終わらせて。

 

柔道と合気の訓練を一通りやってから、連絡を受ける。

 

メールでの連絡だ。

 

内容としては、ドルイドの手配について、だった。

 

「涼子って子は無事か?」

 

「まだ時々体調を崩していますが、そこまで深刻な様子には見えないですね」

 

「そうか、それはよかった。 魔祓いについてだが、来月頭にはきてくれるそうだ。 やっと交渉がまとまったらしくてな」

 

「それはよかった、ですが……」

 

ドルイドの魔祓いはあまり多くはない。

 

そもそも北欧にしてもケルトにしても、ドルイドは一神教に弾圧されて、今ではほとんど生き残りがいないのだ。

 

文化的にも、人員的にもである。

 

ドルイドがやっていた儀式には失伝しているものも多く。

 

魔祓いなどについては、更に弾圧がされて秘技が失われてしまっているものも珍しくない。

 

今ではドルイドの魔祓いとしてやっていける人も出てきているが。

 

それでもそれほど数は多くない。

 

だから、信頼性が高いかは、話が別だ。

 

あのおじいさんだって、昔は俊英としてならしていたという話だったのだから。

 

ともかく、続きを話す。

 

「昨日のダイモーンの現場、例のじいさんを連れて行ったが、おびえるばかりでどうにもな。 この街からさっさと離れたいとかずっとぼやいていてな。 これ以上はあのじいさんでは無理だろう」

 

「色々年齢的にも厳しいのだと思います」

 

「ああ、そうだな。 俺の方から、ばあちゃんに頼んでみる」

 

稲荷神が憑いているあの人か。

 

日本でもっとも信仰された稲荷については燐火も勉強したが、色々と混じり合った神格であるそうだ。

 

起源はインド神話のダキニ天とも言われているが。

 

元々日本に存在した豊穣神がベースとなり、それにダキニ天が混ざったという話もあるらしい。

 

いずれにしても、それらの話をまとめる限り、かなりの古代神格であり。

 

別文化圏の神に対してある程度探知は出来るかもしれない。

 

林西さんも動き始めているという。

 

林西さんは不動明王が憑いているらしいが。

 

不動明王は元々異神と戦う役割も持つ仏教神格の一つ、明王である。

 

それを思うと、確かにそれは出来るのかもしれないが。

 

やはり文化圏が違いすぎると、色々と厳しいだろう。

 

ともかく、皆で動いてはくれている。

 

それにスレイプニルがまたいつ動き出してもおかしくはない。それを考えると、あまりもたついてもいられないか。

 

勉強を進めながら、軽く打ち合わせをしておく。

 

ちなみに日女さんは勉強の方はそこそこ程度であるそうだ。恐らくは涼子の方が出来ると言うことで。

 

それを聞いて、燐火は苦笑いしていた。

 

まあ、誰にでも苦手分野はある。

 

日女さんには随分世話になっているし。

 

勉強出来る出来ないで、日女さんの事をどうこう判断するつもりはない。

 

とりあえず、宿題などは片付けた。

 

集中してやるとあっという間だ。

 

予習もある程度やっておく。

 

どうしても苦手な英語だが、涼子の調子が悪いので、カトリイヌさんに聞いてみることにする。

 

主要言語七つをしゃべれるという話だったが。

 

聞いてみると、英語についてはなんというか、ものすごく独特なことを言われた。

 

なんでも英語といっても、アメリカ英語とイギリス英語でかなり違うらしく。しかもそれぞれに訛りが色々あるらしい。

 

日本で教えている英語のテストを、アメリカの学生がやってみたら、ほとんど解けなかったなんて話もあるらしいし。

 

日本の英検一級を、日本語と英語が出来る人がやってみたら、意味すら理解できない文章が出てきて困惑したなんて話もあるらしい。

 

だから、しゃべることについては教えられるが。

 

テストなどについては教えられないと、論理的に言われてしまった。

 

なるほど、正論だ。

 

確かに日本の英語テストに関しては、出来ない人は一切出来ないという話を燐火は聞いている。

 

それもあって、燐火がこれは色々地力で解かなければならないのだろう。

 

ケルベロスが、教科書と悪戦苦闘する燐火を見て、ため息をついていた。

 

「言語というのはどれも欠陥があるものだな」

 

「ギリシャ語も欠陥があったの?」

 

「欠陥だらけだ。 それなのに、ギリシャ人は自分たち以外の民をバルバロイなどと呼んでいてな。 有り体に言えば蛮族くらいの意味だ」

 

「それはちょっと不愉快だね」

 

英語は元々、フランスの宮廷言語に、英国の言葉が混ざって出来たものらしい。それもあって、あちこちが極めて不完全な代物であるそうだ。

 

日本語に至っては、漢字、かたかな、ひらがなが混ざり合っている上に。

 

漢字の読み方は、一つが数十にも達することがある。

 

世界でも屈指の難読言語と言われる所以であり。

 

日本語をしゃべれる人が、漢字で書かれた文章を読めるかというと、かなり難しいらしい。

 

日本人だって、勉強をうまく出来なかったような人は、まともに漢字の文章を読めなかったりするらしいが。

 

海外では、なおさらだそうだ。

 

漢字を作り出した中華でも、日本語の文章はまるで読めないケースがあるらしく。

 

ややこしいことに、日本と中華で意味が違う漢字まであるそうだ。

 

そういう話を聞くと、ケルベロスは頭が痛くなるとぼやく。

 

いずれにしても、燐火としても、英語についてはもっと勉強がいる。

 

四苦八苦して、今日の勉強は終わり。

 

それからは、風呂に入って、汗をしっかり流しておく。

 

おかあさんはそろそろ完全に警察を退職する頃合いだ。

 

それもあって、家にいる事が多くなってきている。

 

時々一緒に料理をするが。

 

おかあさんの料理はお世辞にもあまり上手ではないので。

 

おとうさんがその時は、心配しながら側で指導するのだった。

 

 

 

翌日。

 

また涼子が来ていない。

 

連絡を入れてみる。少し遅れて、連絡が来ていた。

 

「心療内科に今日は行ってくるね。 父と一緒に」

 

「とにかくしっかり診てもらってください」

 

「うん。 出られるようだったら、午後から出るよ」

 

「頑張ってください」

 

メールくらいは、敬語でなくてしゃべれば良いだろうとケルベロスに言われたが。ともかくまだハードルが高いのだ。

 

おとうさんやおかあさんとしゃべるのに、敬語を減らそうとしているが、それもまだまだ片言になる。

 

どうしても頭の中でブレーキがかかっているのだ。

 

それはわかっているから、燐火としても色々歯がゆいのである。

 

転校生が入ってきたが、割とおとなしそうな男子だ。

 

転校があると色々と騒ぎになったりするが、燐火としてはどうでもいい。

 

悪漢でなければそれで構わない。

 

授業を受ける。

 

黙々と授業をしていると、先生が咳払いして、不意に話し始めた。

 

しっかり授業をして、いじめを防いでくれる立派な先生だ。

 

「今やっている歴史もそうだが、覚えるのには結びつけて覚えていくのがいいだろう。 例えば、この人には、こういうエピソードがある」

 

それで、今問題になっている歴史上の人物について、色々説明してくれる。

 

具体的にどんな人間だったのか。

 

どんな風に世界に影響を与えたか、ではなく。

 

最近の研究では、その人となりはどうだったのか。

 

それらをとても丁寧に話してくれる。

 

なるほど。

 

今、神話の勉強をしている燐火としては、理にかなうと思う内容だ。

 

神話も関係性を覚えていくと、一気に覚えやすくなる。

 

クラスの何人かは話を聞いていないが。

 

それでも、この話には意味があると燐火は思った。

 

人間くさいエピソードは。

 

その人物を、歴史の一パーツではなく。

 

過去に生きた人間として理解させてくれる。

 

どういう人だったのかわかってくると、その理解度も上がる。

 

テストの内容なんて、翌日には忘れてしまうような子供もいるが、それでは勉強をした意味がない。

 

その場しのぎのテストで点数なんかとって。

 

それで何の意味があるのか。

 

一夜漬けが如何に意味がないかは、燐火もわかっている。

 

先生は、それを教えてくれている。

 

「そういうわけだ。 今後も覚えにくい人がいたら、先生がその人のエピソードを教える。 遠慮せずに言ってくるように」

 

有意義だ。

 

それから、淡々と授業をする。

 

涼子は、予告通り午後から来た。

 

体調がよくなった、というよりも、診察が終わったからだが。

 

一応話を聞いてみると。

 

あまりよくない応えが帰ってきた。

 

「次にちょっと大きめの検査をするって」

 

「検査ですか?」

 

「一種の精神疾患の可能性があるらしいんだ。 ええと、ニンフォマニアっていったかな」

 

ニンフォマニア。

 

女性の性的欲求が異常に高い症状であるらしい。

 

涼子の場合はもしもそうであればかなり厄介な状態らしく。

 

もしもの場合は、投薬治療などをするそうだ。

 

ただ、である。

 

やはり涼子から何かの気配を感じる。これは魔なのか。いずれにしても、良い物だとは思えないが。

 

ニンフォマニアという病気なのか、それとも何かの魔が悪さをしているのか。どっちにしても、面倒な話だ。

 

ドルイドの魔祓いが来るのはもう少し先になる。

 

それまで、涼子は悶々とした状態に耐えてもらわないといけない。色々と大変だろう。同情してしまう。

 

「いずれにしても、先生のところに行ってきたのはよかったと思います。 やはり本職に聞くべきでしたね」

 

「うん。 燐火ちゃんも、笑えるようにちょっとそういうのやってみる?」

 

「……考えておきます」

 

そういえば。

 

涼子に心療内科を進めたが、考えてみれば燐火のもトラウマ起因だったりする可能性があるのか。

 

目が怖いというのは、ずっと言われている。

 

それもあって、確かに何かしらの治療は受けた方が良いのかもしれない。

 

だが、地力で出来ることはやっておきたい、というのも事実だ。

 

本当にどうしようもなくなった時。

 

病院に通うのが、選択肢になるだろう。

 

それでいい。

 

授業を終えて、一緒に帰る。

 

涼子は多少は気が楽になったらしくて、ある程度話をしたが、しかしだ。

 

やはり、その体にいる気配が気になる。

 

何かいる。

 

どうしても、その警戒が晴れない。

 

「燐火よ。 やはりいるんだな」

 

「うん。 間違いない。 でも、ドルイドの魔祓いの人が言っていたルーン云々が原因でわからないのかな」

 

「さあな。 ルーンについては本来の意味が失われて、今では断片的なものが伝わっているだけだからな。 ルーン占いなどもあるが、それも正確な形で伝わっているとは言いがたい」

 

ルーンは元々神の文字として神聖視されたもので。碑文などはほとんどなく、あったとしても欠損が目だつのだそうだ。

 

それに弾圧されて迫害され、消えていったという事もある。

 

文化というのは意外に簡単に消えてしまうのだ。

 

燐火もおかあさんの若かった頃の文化とか聞くと、そんなものがあったのかといつも驚かされる。

 

そういうものである。

 

ましてや、一神教によって弾圧されたとなればなおさらだ。

 

「涼子の件は、北欧の神が何かしら関わっているとしたら、鍵になる可能性はある。 それはそれとして」

 

「うん?」

 

「涼子が言っていた通り、燐火も心療内科とやらに行ってみたらどうだ」

 

「……」

 

確かに、それもそうか。

 

一応努力はしているが。それでもなかなか難しい事はある。

 

アニメなんかだと抱えたトラウマを色々なきっかけで克服するシーンがあるが。本職が頑張っても十年単位で回復しない心の傷はざらにあると聞く。

 

燐火の場合はまだ子供だ。

 

悔しいが、それは色々な場面で思い知らされる。

 

だから、医者に行くのは一つの手ではあるだろう。

 

しかしながら、おかあさんの養子になった後、実は何回か医師の診断は受けているのである。

 

体に受けた傷だけではなく、色々とカウンセリングというものも受けたのだ。

 

それで出た結論は、今も覚えている。

 

とにかく時間を掛けて解決するしかない、だった。

 

燐火としても、時間を掛けていくしかないだろう。

 

小四の時にあの事件にあったから、今から二年前弱か。

 

いずれしてもまだ二年である。

 

「そうだね、中二くらいになって回復の見込みもなかったら医者に行くよ」

 

「そうか。 それにしても……」

 

「うん?」

 

「西洋では悪魔は人間の心の弱さにつけ込むとされている。 だがこの弱さにつけ込むというのは、人間の得意技だ。 魔は人間が生み出した事がよくわかる」

 

それは、その通りである。

 

ともかく、授業を終えて、一緒に帰る。

 

涼子は特に問題を抱えているようにも見えず、燐火と違って普通に笑いながら話している。

 

これだけ見ると、問題などなさそうなのだが。

 

実際には色々抱えているのだ。

 

よく他人に「悩みがなさそう」などという暴言を吐く人間がいるが。そういう連中は、他人を見下しマウントをとっているつもりなのだろう。

 

とにかく病み上がりということもあるので、涼子を家まで送ってから、自身は淡々と帰る。

 

今日は、ダイモーンは出なかった。

 

 

 

翌朝。

 

また涼子が休みだった。

 

やはり体調が悪いらしい。テストなどの成績は問題ない。欠席日数も、一応問題がない範囲だそうだ。

 

まあ、小学校は基本的に何も出来ずに卒業は出来る。

 

中学校までは普通はそうだ。

 

だから中卒なんて言葉が蔑称として使われるわけではある。

 

休み時間中涼子のためにもメモをとっていると、ひそひと声が聞こえた。

 

「あの子風邪って嘘じゃないの?」

 

「嘘だよ絶対。 昨日だって、全然元気そうだったもんね」

 

「どうせ学校の勉強なんてぬるくてやってられないとか、そういう理由でしょ。 毎回テストでほとんど100点とってるし。 それで体育も出来るんだから反則だよね」

 

「あの子達、勉強なんていらないよね」

 

そうか、燐火もそれに含むのか。

 

ちょっとイラッときたが、大きな咳払い。

 

体育の先生だった。

 

ちらっと見たが、ひそひそ話していた二人が連れて行かれる。そして、泣いて戻ってきた。

 

病気の人間は、ぱっと見ではわからないことも多い。

 

自分から見て健康そうに見えるなんてのは、医療知識がない人間が言って良いことではない。

 

ましてや知りもしない病気を理由にレッテルを貼るなんて、人としての最低な行為だ。

 

それらを、徹底的に怒られたらしかった。

 

どうも他でも陰口を叩いていたらしく、先生が流石に頭にきたらしい。

 

最近では生徒を叱ることが出来ない先生もいるらしいが。

 

しっかりやってくれて助かった。

 

燐火がぶん殴らないでもいい。

 

大人がちゃんとこういうことをしてくれれば。誰も泣かなくて良いのだ。

 

この学校では、それが今は為された。

 

燐火がカスを何人かわざわざ締めなくてもよくなったという事だ。

 

とりあえず、この学校は良い学校だ。

 

ただ、中学になる日は、それほど遠くはないのかもしれない。少なくとも、この一年がこの学校の最後。

 

それまでに、涼子に憑いている魔は。

 

どうにかしておきたかった。







文字通り子供を快楽のためにもてあそぶ外道……!

大地の神である豊穣神系統の存在としては、最悪の堕落です。

このような存在、叩き潰す以外に対処はないでしょう。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。