魔法少女アギア・ケルベロス~俺は地獄の番犬ではない 作:dwwyakata@2024
とりあえず合宿先は峻険な山岳地帯である吉野ですね。
南朝の本拠地というと、つい先日終了したあの作品で分かるかもしれません。あの作品ではどちらかというと鎌倉を巡る戦いが主軸ではありましたが。
ここはとにかく霊地と言うことで、魔祓いには格好の修行場なわけですね。
案内されたのは、山深い森の中。
辺りには鹿だけではなく熊も出るらしい。流石にそれは危ないので、事前に熊に関しては駆除をしてあるそうだが。
今来ている二十人くらいのまだ若い魔祓いは、あくまで魔祓いである。
猛獣の相手は兵器で武装した専門のハンターが行えば良い。
燐火達とは専門分野が違う。
ただそれだけの話である。
周囲を見回す。
これは、たくさんいる。
ここも結界で覆われている。そして林西さん達が訓練のために捕まえてきた、色々な魔が放されている。
漫画とかだと、こういう訓練で人がたくさん死んだりするのだが。
流石にそれがないようにするため、腕利きの魔祓いが何人か内部で監督するということだった。
今の時代。
人材は宝だ。
まだ人材は幾らでも湧いてくるとか考えている馬鹿な人事がいる。
それについては、おとうさんにもおかあさんにも実例を聞いている。コストカットを言い訳に人材育成を怠る企業が増え、人材育成をしないのに人材がいないとかほざく阿呆が増える一方だそうだ。
おとうさんのいるVtuberの企業は人材育成に力を入れていて、社員もVtuberも大事に扱ってくれるらしいが。
それでもおとうさんの負担が大きいのは燐火も間近で見て知っている。
大変だろうなと思う。
魔祓いの世界は、人材育成は厳しいながらもしっかりやっているようだ。今回も、死者が出ないように、しっかり見張っている。
それはそれとして、魔祓いを悪用しそうな輩については、早々に合宿から追い出したりはしていたが。
魔祓いを悪用するような輩は、下手な反社よりも害を為すから、というのも理由としてあるのかもしれない。
ちなみに昨日寝る前に日女さんに聞いたのだけれど。
追い出された連中は、これから別コースの合宿でみっちりしごかれて。
それでも性根が変わらないようだったら、魔祓いの力も記憶も封印されてしまうらしい。
色々と徹底している。
ともかく、森の様子を観察する。
分かる範囲でも三十体くらいは魔がいる。
ケルベロスがうらやましいと言った。
「ギリシャの魔祓いは、既に人材が枯渇して等しい。 このような訓練をする余裕もなければ、そもそも訓練のために魔を集めてくるような使い手もいない。 燐火は俺が帰った後も、ギリシャ系の魔祓いとしていっそギリシャに来てほしいほどだ」
「そんなに人材が枯渇しているんだね」
「ああ。 林西の実力を見ていると、ああいう人材が後進育成に時間を割けるだけ、この国の魔祓いは充実していることが分かる。 とても羨ましくあり、同時に俺にとっては悲しい話だ」
ただ、ダイモーンが溢れている今の日本が異常なだけであり。
ギリシャにも、今はほとんどダイモーンはいないのだとか。
まあいい。
今回引率しているのは、修験道の人らしいが。
かなりの使い手だ。
山岳信仰の、独自の神格を身に下ろしているようで。首から数珠をぶら下げている。
天狗みたいだなと思ったし。
実際天狗は、修験道をしている修験者がモデルの一つになっているとも聞く。
ややこしいことに。
元の天狗は中華由来の妖怪で、空を駆けて時に月を食らうことすらある強大な妖怪であるそうだが。
日本の天狗は完全に別物で、名前だけ同じ違う妖怪であるそうだ。
まあその辺りはいい。
説明を聞いたあと、さっと散る。
連携して行動しろとは言われたけれども。基本的に色々な魔がいるので、対応できる相手だけ相手にするようにとも言われている。
そのため、魔を探し出して、声を掛ける。
まずは散開して、魔を探すところからだ。
開始。
声が掛かると同時に、皆が散る。
燐火も。
山の中は走り慣れている。
カトリイヌさんがもたもたと斜面を降りていた。あれは苦労しそうだ。
エヴァンジェリンさんも同じように山の斜面で四苦八苦している。
ドルイド系の魔祓いが必要な相手に遭遇したら、これは苦労しそうだなと思った。
一方で一神教系の魔祓いは他にもいるらしいので。
カトリイヌさんだけでなくても、どうにか出来る可能性が高い。
走る。
見つけた。
これは、仏教系の魔だな。
確か餓鬼だったか。
「魔を発見! 仏教系、お願いします!」
「仏教系、向かう!」
誰かが返してくる。菖蒲さんではないか。
燐火は腹だけ膨れた痩せこけた恐ろしい姿をしたそれから、飛び離れる。
餓鬼道と言われる場所に落ちた亡者。
たまに餓鬼道から這い出して人間世界で暴れることがあり。しかも餓鬼は極めて危険な妖怪で、祓うのも相応に苦労するのだそうだ。
だが、読経を受けて、餓鬼が苦しむ。
燐火がその腕から逃れると、餓鬼は程なくして、地面に吸い込まれるようにして消えていった。
恐らくは餓鬼道に引き戻されたのだろう。
上。
今、読経をしていた人の上から、何かの妖怪が襲いかかる。
燐火は無言で跳躍すると、横殴りに魔法のステッキ(鉄パイプ)をたたき込む。
ムササビみたいな姿をしていたそれは、思わぬ攻撃にひるみ。
更に慌てて飛び退いた頭を丸めている若い魔祓いのいた地点に落ちたところを、燐火は正拳をたたき込む。
手応えが薄いな。
流石に怪異相手に肉弾戦はあまり通用しないか。
「魔を発見! 日本系!」
「おう!」
誰かが答える。
そしておそらく式神だろう。以前式神を使う陰陽師の親子との連携魔祓いの時に、見たことがある。
式神が妖怪にまとわりつき、爆発四散させる。
ひゅうと、ケルベロスが口笛を吹く。
犬なのに器用である。
「やりおるな」
「次だね」
仏教系の魔祓いの人に手を貸して起こすと、燐火はそのまま走る。
ギリシャ系。
声が掛かったので、そっちに。
ダイモーンだ。
躊躇なく聖印を切る。ダイモーンとしてはそれほどたいした相手でもなかったので、連続して聖印をたたき込んで、即座に爆発四散させた。
これでいい。
後ろ。
回し蹴りをたたき込んで、つかみかかってきたそれを吹き飛ばす。
あれはなんだ。
黒い人影がたくさんいる。
日本系ではないのか。
「ワイルドハントだ! ドルイド系!」
別の魔祓いが叫んだ。
もたもたとこっちに来たエヴァンジェリンさんが、ルーンを展開。
たくさんいる黒い影を、まとめて拘束。爆発四散させていた。
まだまだ。
バテている魔祓いもいるなか、燐火は走る。
同じように走り回っている日女さんが視界の隅に入った。凄い身体能力だなと、舌を巻く。
本当に鍛え方が違う。
燐火はどちらかと言えば持っている側だとケルベロスには何回か言われた。
だが、燐火が体系的な訓練を受け始めたのは実質小四である。
日女さんは持っている側の人間が、それこそ物心つく頃から訓練を受けている方であり、地金が違う。
それでも、とにかく努力を重ねて、いずれは並び立ちたい。
菖蒲さんは別次元で、担当ではない魔を愛染明王がちぎっては投げちぎっては投げて。次々に追いついてきた魔祓いに任せている。
むしろ追いついてきた魔祓い達が、ヘトヘトになっているほどだ。
燐火は繰り出された何かの鈍器を、紙一重で買わす。
子供みたいなのが、スプーン……いやあれは違う。石炭みたいなのを乗せたスプーンみたいなのを繰り出してきた。
目がぎょろりと大きくて半裸だ。
ケタケタと笑うそれは、魔が次々にやられているのを悟って、やけくそになっているのだろう。
気配で察する。
「一神教系! 魔祓いをお願いします!」
「待っていましたわ! Amen!」
カトリイヌさんか。
ふらふらになりながらも、ドミニオンに指示して、祈りの言葉をたたき込む。
それで子供みたいなのが悲鳴を上げるが、倒しきれない。
燐火は子供みたいなのの背後に回り込むと、腕を取って地面にたたきつけた。巨大なスプーンみたいなのが離れる。
「お、俺は堕天使ウコバク様だぞ! 人間ごときが俺に肉弾戦を挑むというつもりか!」
「ウコバクと言うんですね。 ではさようなら」
そのまま、合気をたたき込んで、内臓を破壊する。
人間じゃないから、内臓を破壊しても死なない。
だが、弱る。
もう一度カトリイヌさんがAmenと叫び。
ウコバクは、悲鳴を上げながら消し飛んでいた。
呼吸を整えているカトリイヌさん。
燐火はありがとうございますと言うと、即座に魔法のステッキを構え直し、再び山の中を走る。
どおんと激しい音。
強いのがいるな。
躊躇なくそちらに行く。
悲鳴を上げながら吹っ飛ばされる魔祓いが見える。
大丈夫だろうか、あれ。
まあ下が柔らかい腐葉土だし、監督もいるわけだから。余程のことがない限り事故にはならないとは思うが。
ともかく全力で向かう。
見えてきたのは、なんだあれ。
全身が毛だらけで、あちこちに目がついている。体がとにかくちぐはぐで、生物として色々おかしい。
全体的には猿に似ているが。
とても巨大で、ゴリラよりも大きかった。
それが長大な腕を振り回して、暴れ狂っている。
他の魔祓いは、近づけないでいるようだ。
「なんだこいつ! どこの魔だ!」
「野生の類人猿は日本くらいが北限生息地だ! だから日本より南の地域の魔だと思う!」
「一体何だよ!」
パニックを起こしている魔祓いの間を駆け抜けつつ、魔法のステッキを交錯の瞬間躊躇なくたたき込む。
がっと音がした。
鉄でも殴ったような手応えだ。
それでも、打撃を浸透させた。
うるさそうに向き直る猿が、跳躍。真上から強襲を仕掛けてくる。素早い動きである。
「猿の妖怪は結構いる! 日本系!」
「いや、試してみたが違う!」
「みかけからしておそらくアジア系だ! 道教は!」
「今向かってる!」
良い感じでパニックだ。
燐火は襲いかかってきた巨大猿の魔の一撃を回避すると、つかんでいた石を投擲。顔面に直撃させた。
顔を真っ赤にして、凄まじい叫びを上げる猿の怪異。
口の中には鋭い犬歯が見える。
人間はすっかり弱体化しているが、類人猿の中には犬歯が発達した種族も多い。これは市原さんに聞いて知っている。
マントヒヒがサバンナで捕らえたインパラの子供を、そのまま食いちぎって食べ始める映像も見たことがある。
その映像ではマントヒヒが悲鳴を上げる子インパラを生きたまま食いちぎっていたが。
それくらい顎が強いと言うことだ。
人間の身体能力は、一回り小さいヒヒくらいしかない。
それも市原さんに聞いている。
だから、此奴が如何に危険な怪異かもよく分かる
鋭い攻撃をいなしながら、腐葉土に足を取られないように立ち回る。
腕を振るって何度もたたきつけてくるが、まともに食らったら一発で動けなくなるだろう。
ゴリラの握力は500㎏に達するが。
こいつは怪異で、ゴリラより大きい。
もっと握力が強くても不思議じゃない。
腕力や脚力だって人間とは次元違い。
そんな相手に立ち向かうには、時間稼ぎをして、とにかく生存に全神経を傾けるしかない。
飛びかかってきた猿が、壁に阻まれて、悲鳴を上げる。
カトリイヌさんがドミニオンに指示して張った壁だ。
更にルーンが炸裂して、猿の足を拘束。猿がそれを引きちぎろうとするが、凄まじい火力の蹴りが、猿の頭を直撃。
地面にたたきつけていた。
着地したのは日女さんだ。
「おまえで終わりだ」
「助かりました」
「いや、良く持ちこたえてくれた。 おい、道教系、急げ!」
「わ、分かってる!」
もたもた来たのは、おそらく最年長らしい青年だ。
それが何か知らない言葉を唱えて、カラフルな服を着た神様を具現化させる。
猿の怪異が、慌てて逃げようとするが。日女さんの一撃が相当に効いているらしく、満足に動けないようだ。
更にすっと燐火の側に降り立った菖蒲さんが、悪あがきするなといわんばかりに、愛染明王で押さえ込むと。
哀れっぽく猿の怪異は悲鳴を上げ。
そして、カラフルな服の神様の剣に貫かれ、倒れていた。
「そこまで。 午前はこれで終わりとする」
樹上から声。
飛び降りてきたのは、さっきの修験道の人だ。
やはりこの人、相当に強いな。
見ていて分かる。身体能力でも、神おろしをした日女さんをしのいでいるのかもしれないほどだ。
「堂に戻れ。 そこで採点をそれぞれに配る。 午後からは得点に応じて鍛錬の内容を変える」
「しんど……」
「とりあえず助かった。 ちょっとハード過ぎんかこれ」
「これからもっとやばい魔と出くわすかもしれないだろ。 こういうのを経験しておくと、後で助かるかもしれないぞ」
わいわいと話している魔祓い。
燐火は警戒しながら、堂に戻る。
安全になったと見せかけて、まだ何かあるかもしれない。そう思った瞬間、反射的に体が動いていた。
蛇が、凄まじい勢いで食いついてきたのだ。それもかなり大きい。
日本に生息する蛇で最大なのは、サキシマスジオだ。本土だったらアオダイショウなのだが。サキシマスジオには4mの記録があるが、アオダイショウは精々2m。どちらにしてもその程度のサイズでは人間に毒をもっていない限りは害をなせない。サキシマスジオはそれなりに気性が荒いが、そもそも希少種なので、遭遇することはまずない。しかも無毒。これについては、市原さんに聞いた。
襲いかかってきた蛇は、もっと大きい。
だが、更に更にでかいフリッグの荒神形態と交戦した事もある。
即座に回避しつつ、魔法のステッキではじき返す。
飛び離れたのは、明らかにギリシャ系の魔ではないからだ。
「オン!」
一喝とともに、日女さんが祓いに掛かる。
ということは、日本系か。
苦しみもだえる蛇を、愛染明王が踏み潰した。それでも死なないので、日本妖怪とみて良いだろう。
慌てて駆け寄ってきた何人かの日本系魔祓いが、一斉に魔祓いをして、それでどうにか祓う。
かなり疲弊している様子からして。
これは結構強力な奴だったとみていい。
「トウビョウだ」
「トウビョウ?」
「基本的には福の神なんだが、飼い主の指示に応じて相手を襲って不幸にしたりする事もある。 これはその厄神として放たれたトウビョウだな。 扱い方を間違えなければ、必ずしも邪悪ではない」
「見事」
さっきの監督役の人が声を掛けてくる。
この人が直に放ったわけではないが、いるのを分かった上で配置し。
今回活躍していた燐火に仕掛けるのを、ギリギリまで傍観していたという。
これも鍛錬の一つ。
そういうことらしい。
日女さんがいらついた様子だが、監督役の人は危険時の対応能力を見るのにちょうど良いからと、トウビョウは残していたらしい。
そう言われると、怒るには怒れないか。
「トウビョウを退治できないにしても、即応したのは見事だ。 更に加点する」
「ありがとうございます」
だが、周囲が同情するような目で見ている。
そうなると、加点には何かしら問題があるのか。
一度引き上げて、休憩を取る。
食事をしながら話をすると、日女さんが教えてくれた。
「ここでの研修は高得点の人間には更に難しくなる。 これから燐火はさっき活躍できなかった魔祓い達より更に危険な研修をすることになるな」
「ああ、それでさっきの視線が同情に満ちていたんですね」
「そうなるな。 かくいう俺も去年来たときは、散々加点されて散々絞られてな。 俺はシード選手みたいな形で、午後からは別枠だ。 菖蒲姉もそれは同じ。 燐火は多分……あの連中と同じだな」
あの連中と言われたのは、おそらく高校生くらいの魔祓い達である。
そういえば、以前一緒に戦った陰陽師の親子の娘さん。来ていないな。
恐らくはまだ力量不足で、ここには来られないという判断か。
まあ、確かに。
ここは最低でも自衛力のある魔祓いでないと、話にもならないだろう。
食後、振り分けが行われる。
それで燐火は日女さんの言ったとおり、高校生達に混じることになった。
魔祓いと言っても単独での自衛力も求められる。
それもあってか、入念に筋肉をほぐすようにと言われた。
言われたとおり、いつものストレッチで体を柔らかくしておく。周りの人たちには、手際が悪い人もいる。
一人、ものすごく華やかな見かけの人がいた。
「ね、目つきの悪い君」
「燐火のことですか」
「わ、目つきが悪いと言うよりも冷凍イカみたいな目だね。 怖がられない?」
「よく言われるのでなれています」
いきなりぐいぐい来るな。
華やかな見かけの人は、ジャージを着ているが、それこそ普通にアイドルグループに混じれそうなくらいルックスが優れている。
ていうか、この声聞いたことがあるな。
どこでだったか。
それで名乗られて、ちょっと驚く。
確か涼子に言われて動画を見た。確か今、生歌配信とかでかなりの人気を出している人だ。
「ええと、一応芸名で名乗るかな。 神楽坂輝だよ。 よろしくね」
「よろしくお願いします。 平坂燐火です」
「さっきの活躍見てたよ。 武道やってるね」
「まあそれなりに」
ストレッチを一緒にやるが。
確か踊ってみた動画とかもやっていて、明らかにダンスをやっている動きをしていただけあって。
かなり体は柔らかい。
この人、本職だ。
ただ、どうしてそれが魔祓いなんてやっているのか。
これは日陰も日陰の仕事なんだが。
それについて、聞かせてくれる。
なんでも魔祓いとしての輝の能力は、声による浄化であるらしいのだ。そこで国でお膳立てして、動画を多数流すことによって、弱めの魔はそれで祓ってしまおう。そういう考えであるらしい。
なるほどと、かなり感心した。
確かにこの人の動画は、日本中で見られている。
それだとあちこちで無作為に聞かれている訳で、そこら中で魔祓いが自動で行われる訳だ。
昔は似たような感じで、テレビアイドルでも同じような魔祓いが混じっていて。
政府が裏から手を回して、テレビ局に仕事をねじ込んで。魔祓いの効果がある歌を広域でばらまいていたらしい。
それで一定の成果は上がっていたのだが。
似たような歌で魔祓いをする人はあまり数が多くないらしく。
更には前に同じようなことをしていた人が、年齢で能力が衰えるタイプの魔祓いだった事もあり。
今回の輝さんは期待されているのだとか。
そしてテレビは既に終わりつつあるメディアであり。
だから動画配信に切り替えていると。
納得がいった。
確かにオートで魔祓いを出来るのであれば、対費用効果としても大きい。
それで倒せないような強めの魔祓いは、本職が現地に出向けば良いだけの話であるので。育成して損はない、というわけだ。
「んー、見たところ自衛力は燐火ちゃんの方が上かな。 午後は厳しそうだし、守ってね」
「はあ、まあ努力はします」
「よろしく」
ストレッチを終えて、それで別れる。他の高校生らしい魔祓いは、燐火をうさんくさそうに見たり、忌々しそうに見ていて。近寄ってくることはなかった。これは連携は期待できないな。
そうケルベロスがぼやいていた。
一日目はふるいですね。
ただこれは、魔祓いとして色々まずい人間をふるい落とす作業であって、力不足の人間は相応の合宿を受けるだけです。
そしてそのふるいで比較的高評価を受けた燐火は、更に厳しい合宿コースに進むことになります。