とある暗躍の幻視者   作:灰ノ愚者

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みなさん新年明けましておめでとうございます‼︎


今回は一月に入ってからなんとかすぐに投稿をする
ことができました‼︎


今回は【第十弾】『とある魔術と禁書目録』です。
初めてだったので少し難しくて良い作品になって
いれば良いと思います。


今回は『10069文字』までの膨大な量を頑張って
書きましたが、豆腐のようなクソナメクジメンタルの
自分はきちんと面白く書けているのかととても心配に
なります……(汗)


【お気に入り】や【しおり】、【投票】そして
【感想】などいただければ豆腐のようなメンタルで
脆い自分も更に『創作意欲』が増していきます‼︎


面白く出来ているかどうか心配でいっぱいですが
一生懸命にたくさん書きました。


最後まで読んでいただいてもらえたら嬉しいです‼︎



【注意】

『評価次第』となりますが、もしも『評価』があまり
良くなかった場合、打ち切り(削除) をすることになる
かもしれないですし、良かったらこのまま『連載』
という形で『この作品』を続けるかもしれませんので
どうかこれからも暖かい目でよろしくお願いします‼︎


妹達(シスターズ)
超電磁砲(レールガン)


風が強い。

 

 

宵闇。ビルの屋上寝そべるように身を潜める少女は

わずかに目を細める。

 

 

その両手にあるのは少女には不釣り合いなライフル。

いや、不釣り合いどころではないだろう。

 

 

何せライフルの全長は一八四センチ。少女の身体を

軽く凌駕する。

 

 

メタルイーターMX。

 

 

湾岸戦争では二〇〇〇メートル先の戦車を爆破した

伝説を持つその対戦車ライフル『バレットM82AI』。

 

 

チャチなヘルメットならばその反動だけで粉々に砕く

ほど凶暴なメタルイーターだが、しかし何故か少女の

華奢な身体にはしっくりと馴染んでいる。衝撃という

のは押さえつけるものではなく受け流すものである。

少女は学習装置(テスタメント)を用いて一四日に及ぶ情報入力(くんれん)の末、

メタルイーターの放つ衝撃を演算し、最も効率良く

受け流す計算式を導く事に成功した。

 

 

呼吸を殺す少女は冷たいスコープ越しに六〇〇

メートル先の『標的』を眺める。

 

 

 

夏の夜の羽虫を集めるように光を放つコンビニから

出てきたのは一五、六歳くらいの少年だ。まるで

針金の細い身体、少女のような繊細な肌に白い髪。

掴めば折れそうな……というその表現に偽りはない

だろう。

 

 

その少年は、見る者に鋭いナイフの切っ先をなどを

イメージさせる。無理もない、書庫に残された少年の

公式戦の戦果は全然全勝どころか、ただ一度も掠り傷

も負った事がなく、たった一度の防御や回避を取った

事すらないのだから。

 

 

少年の在り方は、相手の刃を受け止める可能性などを

考えず、ただ敵の肉を斬る事のみを目的とした細身に

して薄刃の、極限まで刀身を研ぎ澄ました『鋭さ』

そのものだ。

 

 

 

標的の本名を少女は知らない。

コードは一方通行(アクセラレーター)』。

 

 

 

一大能力開発機関『学園都市』において七人しか

いない超能力者(レベル5)、その中でも『頂点』に立つ少年

の名前だった。

 

 

(横風が強い、……照準を三クリック左に修正)

 

 

スコープの側面についたネジを回しながら少女は

口の中呟く。

 

 

つまらなそうにコンビニ袋を揺らして帰路に就く

少年───それが少女の標的だった。

 

 

少女が正面から立ち向かった所で一方通行(アクセラレーター)には絶対に

勝てない。いや、この学園都市、下手をすれば地球上

にすら一方通行(アクセラレーター)に真正面から立ち向かって勝てる相手

などいないかもしれない。

 

 

だが、逆に言えばそれだけだ。

 

 

真正面から勝てないなら、真正面から戦わなければ

良い。

 

 

結局の所、能力者なんてものは手足とかを動かすのと

変わらない。よほど防御に不慣れな無能力者(レベル0)でもない

限り、カケラの発動はおおよそ二つに分類できる。

 

 

 

一、能力者本人が『チカラを使う』と命じた時。

 

 

 

一、能力者本人が身の危険を感じた時。

 

 

 

ならば話は簡単、相手が『自分の命が狙われている』

事すら気づかない内に、一撃の不意打ちで命を奪って

しまえばどんな能力者にも勝利できる。

 

 

遠距離狙撃は元々は学園都市の風紀委員(ジャッジメント)が暴走した

能力者を捕縛するための方法だが、あちらはゴム弾

で意識を刈り取るのに対して少女は鉄鋼弾で心臓を

刈り取る。

 

 

(ビル風……三方向からの渦、標準を右に一クリック

ほどに修正)

 

 

少女は口の中で呟きながら、さらにスコープを

微調整する。

 

 

鉛弾というのは、意外と風に流されるものだ。

しかもビルが乱立する場所では風は一方から吹くとは

限らない。様々な方向から流れてくるそんなビルの風

はぶつかり合い、渦を巻き、あらゆる方向へと散って

いく。

 

 

外す事は許されない。相手は最強の超能力者(レベル5)、初撃を

外して勘付かれれば、その時点で少女の敗北は決した

と言って良い。どれだけ距離が離れていたとしても、

どこまで逃げたとしても。

 

 

少女は引き金に指をかける。

 

 

そこにためらいはない。スコープの先の人間が生きた

人間である事も、この銃の引き金を引けば五〇口径の

対戦車砲が時速一二〇〇キロで空を裂き、音よりも

速く少年の上半身を肉片に変えてしまう事も……

それらの事実を正しく理解していても、少女の顔には

微塵の迷いもない。

 

 

その華奢な肩に課せられた指示は一つ。

 

 

 

最強の超能力者(レベル5)一方通行(アクセラレーター)』を遠距離狙撃で容赦なく破壊するのみ。

 

 

 

(………)

 

 

少女の耳は風の音を聞いていた。ぶつかり合い渦を

巻く風の流れが、刹那、一定の方へと流れていく。

 

 

時間にしてわずか二秒弱。けれど確かに複雑なビル風

が安定したその瞬間。

 

 

少女は引き金を引いた。

 

 

花火工場が爆発するようなその轟音と共にいくつもの

砲弾が空を裂く。遠距離狙撃では考えられない事に、

少女はフルオート射撃を行なっていた。大の大人すら

ひっくり返るほどのその反動を無理矢理に受け流し、

秒間一二発もの砲弾を、針の穴を通す正確さで射出

していく。

 

 

ものの一秒で空となったそんな弾倉を無視して少女は

スコープを通して少年の末路を迫っていた。風の流れ

は一定しているため弾が外れる事はない。放たれた

一二発の弾丸は残らず少年のその背中に吸い込まれ、

その針金のように細くて華奢なそんな体が粉微塵に

弾け飛ぶはずだ。

 

 

そう、()()()()()()()()()()()()

 

 

 

刹那、少女の手にあるメタルイーターが爆発した。

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()。まるでビデオの

巻き戻しのように、綺麗な弾道を逆戻りした砲弾は、

剣玉みたいにお行儀良く対戦車ライフルの銃口の中

へと飛び込み、そしてメタルイーターを内側から粉々

に破壊したのだ。

 

 

だが、少女には飛来する弾丸を目で見て確かめる

ほどの身体能力はない。

 

 

彼女に分かるのは対戦車ライフルがなんらかの力で

破壊された事、その無数と呼べる鋭い破片が全身に

突き刺さった事、メタルイーターのストック辺りに

押し当てていたそんな右肩が『何か』に貫かれて、

嚙み砕かれるように切断された事。

 

 

そして、メタルイーターの正確的な狙撃を受けて、

なお一方通行(アクセラレーター)は無傷でいたいられた事。

 

 

最後に、この遠距離狙撃は失敗し、標的対象である

一方通行(アクセラレーター)に勘付かれた事。

 

 

それだけ分かれば十分だった。十分すぎた。

頭からは熱湯を被ったような激痛が襲いかかるが少女

は気にしない。そんな暇はない。ボロボロの体でビル

の非常階段へ向かう。

 

 

狙撃に失敗した時点で彼女には万に一つの勝ち目も

なくなった。故にこの敗走は形勢を立て直すそんな

類のものではない。単純に、一秒でも一瞬でも余命

を引き伸ばそうという、単なる延命処置でしかない。

 

 

宵闇に足音が響かない。狩人は音もなく確実に瀕死の

少女との距離を詰めていく。

 

 

狩る側と狩られる側。一瞬にして立場の逆転した

殺人劇が幕を開ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の視界の先には同じぐらいの幼い患者の男の子が

リハビリ用の手摺りを掴んで、必死に歩いていた。

 

 

「あのコ、足をケガしてるの?」

 

 

私は同じぐらいの男の子が気になって、視線を私の

隣にいる白衣を着た男性の科学者さんへと向けて

質問した。

 

 

「いや、彼は筋ジストロフィーという病気なんだ」

 

 

「きん……じす……?」

 

 

科学者さんは私に説明してくれるが、幼い私には話

の内容などがとても難しくて、理解が出来ずに首を

傾げていると、

 

 

 

ドタッ。

 

 

「あっ!」

 

 

大きな音が聞こえてきたので、視線を男の子の方に

向けると、必死に歩いていた男の子が激しい息切れ

しながら倒れていた。

 

 

「筋肉が徐々に低下していく病気だよ。彼はそんな

理不尽な病を背負って生を受けた」

 

 

「ぐ、ぐぐ……」

 

 

科学者さんが私にそう説明する中、私は急いで視線を

小さな声を出して手の汗を握り締めて唸りながらも、

その場に倒れて這いつくばっている患者の男の子を

必死になって応援する。

 

 

「執念で彼は病気と戦っている。毎日、ああして努力

を欠かさない」

 

 

そして、リハビリ用の手摺りにしがみつきながらも、

なんとかして立ち上がる姿を見た瞬間、両手を力強く

握りながらも安心したのか、ホッと胸を撫で下ろして

いた。

 

 

しかしそんな私の思いとは裏腹に科学者さんは

 

 

「しかし、たとえどんなに努力しても筋力の低下は

止まらない」

 

 

残酷な現実を口にする。

 

 

「現在の医学に根本的な治療法は無く、やがて自分

の足で立ち上がる事もできなくなり最後は自力での

呼吸も、心臓活動さえ困難に……」

 

 

そんな科学者さんの言葉を聞いた瞬間、私は視線を

急いで科学者さんへと向ける。

 

 

「だが、あくまで今現在の話だ。君の力を使えば

彼らを助けることができるかもしれない」

 

 

科学者さんのその言葉を聞いた瞬間、私はすぐに

反応していた。

 

 

「脳の命令は電気信号によって筋肉に伝えられる。

もし仮に、生体電気を操る方法があれば、通常の

神経ルートを使わずにその筋肉を動かせるはず。

君の電撃使い(エレクトロマスター)としての力を解明し「植え付ける」

事ができれば、筋ジストロフィーを克服できる

かもしれないんだ」

 

 

科学者さんは笑顔で、幼い私にでもわかりやすい

ように優しく丁寧に説明をしてくれた。

 

 

そして、

 

 

 

「君のDNAマップを我々に提供してはもらえない

だろうか?」

 

 

 

そんな科学者さんの言葉に私は、

 

 

「……うんっ、いいよ!」

 

 

私は笑顔で科学者さんに返事をする。

 

 

「本当かい?」

 

 

「うん」

 

 

私はそう言って、視線をリハビリしてる患者さん達に

向けながら、科学者さんと話す私。

 

 

「ありがとう、必ず治すよ」

 

 

科学者さんは嬉しそうな笑顔でそう言って、

私に手を差し伸べてきたので、私は──

 

 

 

 

 

 

 

(ん……)

 

 

朝の日差しと鳥の鳴き声で目が覚める。

 

 

(ゆ……め……? 何であんな昔の……)

 

 

なぜあの時のことを今になって、思い出したのかは

まったくわからなかったけど、とにかく起きようと

ベッドから起き上がろうとしていると、

 

 

「あれ……?」

 

 

いつもより身体が重く感じたから、視線を背後に

向けて見ると、

 

 

「う〜ん……えへへ、お姉様……」

 

 

私の身体を抱きしめながら、だらしない表情をして

寝言で私の名前を口にしながらもベッドに侵入して

きていたのだ。

 

 

「この……」

 

 

私は拳を握りしめながらも、そんな寝言を呟いている

いかにも幸せそうな表情をしているこの目の前の変態(同居人)

に目掛けて、容赦など一切なく振り翳した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待ちくださいですの──」

 

 

「黙れ、変態!」

 

 

中学生ぐらいの女の子達がそんなやり取りしながら、

歩いていた。

 

 

私、常盤台中学に在籍している『学園都市』において

七人しかいない超能力者(レベル5)の一人で、最大出力にしては

10億ボルトを誇り、学園都市内の電撃使い(エレクトロマスター)系の頂点

に立って超電磁砲(レールガン)と呼ばれている御坂美琴(みさかみこと)は背後

から、私を呼び止めるそんな同居人(変態)の声が聞こえて

きたが、そんな声を無視してカツカツと早歩きをする

革靴(ローファ)の音が響く。

 

 

「人の温もりを感じたかっただけですの〜〜〜〜」

 

 

同居人、大能力者(レベル4)空間移動(テレポート)の能力を持つ風紀委員(ジャッジメント)

白井黒子(しらいくろこ)は両手で頭を押さえながら、尊敬する美琴に

今回の朝の行いについて必死に弁明をする。

 

 

「そ、それはそうとお姉様、一体どちらへ向かって

ますの?」

 

 

「ん──」

 

 

黒子の質問に対して、美琴は両手を腰に当てながら、

考えていた。

 

 

「九月の頭に「広域社見学」ってのがあるじゃない。

あれに備えて旅行用の小物を備えとこうかなって、

思って。まだどこに行くか、わかんないけど」

 

 

「またビミョーなお子様用品を買い漁りますのね。

すでに、変なハミガキセットや入浴セットなどが

いっぱい……」

 

 

美琴が笑顔で買い物を提案すると、それを見た黒子は

地面に膝を突いて、左手で額を触りながら、軽い溜息

を吐いて呆れていた。

 

 

「ん? 何か言った?」

 

 

「あ、いえいえ。では今日はお姉様と一緒にお買い物

デートですのね──」

 

 

「別についてこなくていいわよ」

 

 

「え……ええと、他に何かお買いになりませんの?」

 

 

黒子は美琴のその一言を聞いた瞬間、ピシリと動きを

止めて恐る恐ると質問した。

 

 

「……ベッドに侵入してくる痴漢を迎撃するグッズ

とかないかしらね──?」

 

 

「うっ……」

 

 

美琴のその言葉を聞いて、黒子は自分の欲望に任せて

やってしまったその行いを改めて後悔した。

 

 

「あれ? そこにいるのは、御坂じゃないですか?」

 

 

美琴と黒子は声がする方へと視線を向けると

 

 

「あ、アンタは……」

 

 

「あら、絹旗さんではありませんの」

 

 

美琴や黒子と同じ名門である常盤台中学の制服を

着ている絹旗がいたのである。

 

 

 

絹旗最愛(きぬはたさいあい)、常盤台中学一年生。大能力者(レベル4)で能力は

窒素装甲(オフェンスアーマー)」。

 

 

 

窒素を自在に操ることができる能力で、窒素越しに

自動車を持ち上げたり、弾丸などを受け止めたりなど

できる。ただし射程距離は短く、物を動かす際はある

程度まで手を近付けて同時に動かす必要があるため、

傍目には怪力であるように見えるのである。

 

 

「今更だけど、先輩に対してその苗字呼び捨てって

どうなのよ……」

 

 

美琴がそう口するのも無理はなかった。なぜならば、

絹旗は先輩である御坂に対して、いつもこのような

感じなので、美琴としては扱いづらい後輩の一人で

ある。

 

 

「そんなことより、御坂達はこんなところで一体、

何しているんですか?」

 

 

「そんなことよりって……」

 

 

「お、お姉様! 落ち着いてくださいまし!」

 

 

絹旗の対応に対して美琴の表情は笑顔ではあったが、

眉間には青筋が出ている。それにすぐさまに気付いた

黒子はそんな美琴に言葉を掛けて落ち着かせる。

 

 

「……そうね。絹旗とのやり取りはいつもの事

だから、気にしてもしょうがないわね」

 

 

「あの、こちらとしては、そろそろ説明などを

超してほしいところなんですが?」

 

 

美琴は黒子の言葉などで落ち着いたのか、冷静さを

取り戻している中、絹旗はそんな事などは気にせず

質問をする。

 

 

「実は、わたくしたちはお買い物デートしようと

思っていたのですが……」

 

 

「こっちを見ても、何も変わらないわよ」

 

 

「で、ですわよね……」

 

 

黒子は今までの事情を絹旗に軽い説明をしながらも、

チラッと御坂に視線を向けるが、美琴のそんな一言を

聞いた瞬間、黒子はがっくりと両肩を落としていた。

 

 

「御坂も御坂なりに、超苦労しているんですね……」

 

 

「ちょ、そんな憐れむような目でこっちを見ないで

ちょうだい‼︎」

 

 

事情を察したのか、絹旗は美琴に同情するような

そんな視線を御坂に向けると美琴はそんな視線を

感じたのか大きな声で反論する。

 

 

「そんなアンタこそ、こんなところで何をしてる

のかしら?」

 

 

「私は人と会う予定があって、今超全速力で急いで

いるところです」

 

 

どうやら、絹旗も人と会う予定があったらしく、

その途中で美琴達と絹旗がその場で鉢合わせして

しまったらしい。

 

 

「お、お姉様……」

 

 

そんな美琴と絹旗の会話をしてる中、美琴の背後から

地の底から響いてくるような低い声で彼女の名前を

呼ぶ声を掛ける。

 

 

「ど、どうやら、私は超お邪魔みたいですから、

これにて失礼します!」

 

 

「ちょ、ちょっと、待ちなさいよ!」

 

 

 

「お姉様ァァあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああんンンウ‼︎ ⁉︎ ⁇」

 

 

 

背後から、絹旗を呼び止める美琴の声と美琴の名前を

大声で呼ぶ黒子の奇声な声が聞こえたが、その語尾が

跳ね上がる声が聞こえた。恐らく、美琴高圧電流で体

を貫かれたのだろう。

 

 

絹旗はそんな二人のやり取りの声を聞かないように

出来るだけ振り向かないように急いで、目的地へと

全力疾走で走り去っていく。

 

 

 

 

 

 

 

「容体はどうですか?」

 

 

「ああ。彼女なら心配ないよ」

 

 

とある病院で二人の人物が話し合っていた。

 

 

顔がカエルによく似ている『冥土帰し(ヘヴンキャンセラー)』と呼ばれて、白衣を着た中年の小太りの男と藍色のパーカーを着て

いる灰色の髪の少女が話していた。

 

 

「彼女に細胞核を調整する治療などを早めにした

おかげなのか、無事に回復したよ」

 

 

「そうですか。彼女は無事に良くなったんですね」

 

 

「当たり前だね、誰が担当したと思ってるんだい?」

 

 

彼女がそう言うと、医者は決して苦労を見せずに、

飄々と言う。

 

 

「それにしても……キミはほんと、どうしていつも

こう厄介な患者ばかり連れてくるのかね?」

 

 

「それは、本当に申し訳ない」

 

 

医者は溜息を吐きながら、彼女にそう言うと彼女は

謝罪の言葉を口にする。

 

 

「僕からすれば、君は今まで担当してきたその中で

よっぽど厄介な案件ばかりだけどね」

 

 

「助かっているよ」

 

 

彼女は医者にそう言って、話し合っていると、

 

 

「なぎおねーちゃん‼︎」

 

 

「の……のわッ⁉︎」

 

 

凪と呼ばれた彼女は自分を呼ぶ声がする方へ視線を

向けていると、一人の少女は躊躇うことなく全速力

の速さで迷いなく、こちらへ近づいてきて、力強く

しがみついてきた。

 

 

「どうしたの?」

 

 

凪がしがみついてきた少女の顔を覗き込みながら、

質問をすると

 

 

「おやおや、薬の時間だったと思うのだがね」

 

 

「やだー。おくすりにがい。きらいー‼︎」

 

 

どうやら、薬を服用する時間だったらしいのだが、

とても嫌だったのか、こちらへと全力で逃げ出して

きたのだ。

 

 

「ちゃんとお薬を飲まないとお外でのご飯などは、

ナシになっちゃうよ?」

 

 

「うっ! で、でも……」

 

 

「それに、今日は彼女も来るから、久しぶりに

会えるよ?」

 

 

「うぅ……おねーちゃんのいじわるー……」

 

 

「はいはい。行きたいなら、ちゃんと出された

お薬を飲んでね。わかった?」

 

 

「……はあい」

 

 

凪が少女にそう言うと、不満そうな表情で返事を

しながら、用意された粉薬を飲む。

 

 

「っんっ、うえーっ、にがいー」

 

 

「はい良く出来ました」

 

 

少女は表情を歪めながら、そう言うと凪は少女に

微笑んで優しく頭を撫でる。

 

 

「なぎおねーちゃん、おみずー」

 

 

「はいはい、どうぞ」

 

 

少女はそう言うと、凪は少女のそんな要望通りに

水が入った紙コップを手渡す。

 

 

「ちゃんとお薬を飲めて、偉いよ」

 

 

「えへへ……ちゃんとおくすのめるもん!」

 

 

凪が少女を褒めると、少女は嬉しそうに自慢げに

言う。

 

 

彼女も成長しているのだと、思ってしまう。

 

 

「君に来る前は本当に大変だったよ。薬を渡したら、

薬は絶対に飲まないってそう言って、彼女は病院内を

騒いでいたからね」

 

 

前言撤回。少女はまだまだ成長していないようだ。

 

 

「……本当にすみません」

 

 

「構わないよ。患者のためならば、僕はなんでも

用意するよ」

 

 

医者は彼女にそう言うと、凪の表情は本当に申し訳

なさそうにしながら、頭を下げる。

 

 

「それに、彼女もどうやら、待ちくたびれている

みたいだしね」

 

 

「そのようですね」

 

 

二人はそう言って、視線を向けると少女は両手を

腰に当ててむくれた表情をしていた。

 

 

「はやくいこう!」

 

 

「わ、わかったから、落ち着いて……」

 

 

少女はそう言って、凪の右手を強く引っ張っり

部屋の出口へと向かっていく。

 

 

「ちなみにだけど……彼女に無理をさせないように

注意をしたまえよ」

 

 

「はい、そのつもりです」

 

 

カエル顔の医者が凪にそう忠告すると、凪は笑顔で

答えて少女と一緒に病院を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぎおねーちゃん! アイスクリームがあるよ!」

 

 

「いらっしゃい!」

 

 

少女はアイスクリーム屋の屋台を眺めながらも、

元気いっぱいに大きな声で叫んで、凪に向かって、

大きく手を振り返っていた。

 

 

「ねえ、なぎおねーちゃん、このアイスクリーム。

ちょっとだけでいいから、ね?」

 

 

と、おねだりをするそんな少女に、凪は困った

表情をする。

 

 

「ダメだよ。これからレストランに行くんだから。

それに、彼女を待たせているんだよ?」

 

 

「え〜……」

 

 

「ダメだからね」

 

 

「……はあい」

 

 

凪がそう言うと、少女はしょんぼりした表情を

しながら、小さな声で返事した。

 

 

そんな悲しそうな表情しないでよ。こっちまで

罪悪感が……。

 

 

「はぁ、レストランでデザートなどを注文をしても

いいから、そんな顔をしないでよ」

 

 

凪達が向かってるレストランは学園都市の中で一番

美味しくて、常盤台の女子生徒達が通う程に有名で

人気があるそんな御用達の名店へと目指していた。

 

 

「やったー‼︎ なぎおねーちゃん! だいすき‼︎」

 

 

「まったく、現金なんだから……」

 

 

「えへへ……」

 

 

凪が少女にそう提案すると、少女は瞳キラキラと

輝かせさせながら、凪を抱きしめる。

 

 

「と、とにかく、急いでレストランに向かうよ」

 

 

「はあい」

 

 

そう言って、凪の手を引っ張っていく中、少女は

いろんなお店に目を向けてキラキラと輝かせてたが、

凪はそんな少女のそんな姿に呆れながらも更に強く

引っ張って、目的地であるお嬢様御用達にしている

レストランへと急いで向かっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅くなってごめん」

 

 

「本当ですよ。なかなか来ないから、こっちは

何かあったんじゃないかと思って、超心配した

んですよ?」

 

 

「色々と手間取っちゃってしまってね」

 

 

凪と絹旗がそんな話し合いをしていると、

 

 

「あ! きぬちゃんだ!」

 

 

少女は絹旗を見た瞬間、久しぶりに会えてとても

嬉しかったのか、目の前にいる絹旗に向かって

強く抱きしめる。

 

 

「おっと、私も久しぶり会えて超嬉しいですよ」

 

 

絹旗も少女と会えて嬉しかったのか、笑顔で少女の

頭をゆっくりと丁寧に撫でる。

 

 

「とりあえず、レストランの中に入ろうか?」

 

 

「そうですね。私もお腹が超減っています」

 

 

「わたしもぺこぺこ‼︎」

 

 

凪がそう言うと絹旗と少女も同じだったのか、

二人はそう言って、元気良く声を上げると三人

一緒にレストランの中に入っていく。

 

 

 

「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」

 

 

「三名で」

 

 

凪がレストランの店員にそう言うと、店員は笑顔で

「三名様ですね‼︎ それではお客様、こちらの席へ

どうぞ‼︎」と言われて、彼女達は促されるままに

席に座った。

 

 

 

「注文は決まった?」

 

 

「はい。私はこの超濃厚カルボナーラを注文します。

”はじめ”は決まりましたか?」

 

 

「う〜ん………」

 

 

絹旗がはじめと呼ばれた少女に聞くが、はじめは

メニューをマジマジと真剣に見つめていた。

 

 

「はじめ? どうしたの? そんなメニューを

マジマジと見て」

 

 

凪もはじめに質問すると、

 

 

「どうしよう……」

 

 

「何か問題あったのですか?」

 

 

はじめの表情を見た絹旗は心配そうな表情しながら、

質問をすると

 

 

「このダブルハンバーグプレートっていうおりょうり

にするか、このキカンゲンテイテイショクっていう

おりょうりにするかなやんじゃって……」

 

 

「それのどこに問題あるんですか?」

 

 

はじめのその答えに絹旗は疑問に思いながらも、

質問すると

 

 

「だって、このキカンゲンテイテイショクっていう

おりょうりをちゅうもんしないと、このとくてんの

『レインボーゲコタストラップ』がてにはいらなく

なっちゃうもん!」

 

 

「げ、ゲコ太、ストラップですか……?」

 

 

「うん! ゲコタだいじ!」

 

 

そんなはじめのそんな言葉に戸惑ってしまった。

 

 

ちなみにこのゲコ太というのはカエルのマスコット

シリーズのその一体。「ケロヨンの隣に住んでいる

おじさんで乗り物に弱くゲコゲコとしてしまうから

ゲコ太と呼ばれている」というピョン子と同系統の

そんなマスコットがある。

 

 

しかも、ゲコ太のマスコットの熱狂的なファンなどの

大勢がいて、そんなはじめもゲコ太をこよなく愛する

屈指のゲコ太ファン(ゲコラー)であり、関連グッズ

など多数収集する愛好家でもある。

 

 

「ゲコ太ストラップが欲しいの?」

 

 

「うん! ゲコタはかわいいから!」

 

 

「じゃあ、ボクがハンバーグプレート注文するから、

それを分けてあげるよ」

 

 

「え? ほんとに⁉︎」

 

 

「うん。そしたら、問題ないでしょ?」

 

 

「ありがとう!」

 

 

凪がそう言うとはじめは目をキラキラさせながら、

嬉しそうにはしゃいでいた。

 

 

「随分とはじめを甘やかしますね」

 

 

「はじめは今日の外食を楽しみにしてたから、

このぐらいはしてあげないとね」

 

 

「まあ、それには私も超同意します」

 

 

絹旗はため息を吐きながら凪にそう言うと、凪が

はじめを見ながら優しい顔でそう事を言ったので、

絹旗は一瞬、驚いていたが、絹旗も納得した表情を

していた。

 

 

「じゃあ、呼ぶよ?」

 

 

「うん!」

 

 

「はい。お願いします」

 

 

彼女ははじめと絹旗にそう言って、呼び出しボタンを

押すとピンポーン‼︎ と鳴った瞬間、店員がこちらに

やってくる。

 

 

「ご注文はお決まりでしょうか?」

 

 

「はい。期間限定定食とダブルハンバーグプレートと

超濃厚カルボナーラをお願いします」

 

 

「かしこまりました。では、注文の確認をします。

期間限定定食とダブルハンバーグプレートと超濃厚

カルボナーラですね」

 

 

「特典はお料理と一緒に持ってきますね」と店員は

笑顔でそう言った後、調理する音が聞こえる厨房の

中へと戻っていた。

 

 

「レインボーゲコ太ストラップ、たのしみだな‼︎」

 

 

はじめはお目当てであった特定のゲコ太ストラップ

とハンバーグプレートを食べられると満足をした

表情をしていた。

 

 

「それにしても、はじめは性格や髪型は違うのに、

外見などは御坂に超似てますよね……」

 

 

「き、きぬちゃん……」

 

 

絹旗はそう言って、はじめの顔をマジマジと見て

そう言うと、はじめは恥ずかしいのか、顔をトマトの

ように真っ赤をしながら、両手で顔を隠していた。

 

 

「うん。だって、はじめはあの御坂美琴のDNAマップで生み出されたクローンだからね

 

 

凪はそんなあまりにも、衝撃的過ぎる内容を絹旗に

告げていた。




最後まで読んでいただきありがとうございます‼︎


これからも皆さんが『応援』をしていただければ
『更新』の頻度が更に上がるそんな可能性がある
かもしれません‼︎


『他の投稿作品』もあるので是非ともそちらも
楽しんで見ていただければ本当にありがたいです‼︎
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