できました‼︎
今回は『13562文字』まで頑張って書きましたが、
豆腐のようなクソナメクジメンタルの自分はきちんと
面白く書けているのかとても心配になります……(汗)
少なくて本当にすみません……(笑)
評価が好評だったので、『連載決定』しました‼︎
本当にありがとうございます‼︎
『とある超電磁砲四期』と『とある暗部の少女共棲』アニメ化決定と【御坂美琴生誕祭】を記念して更新をしました。
鎌池和馬さん。本当におめでとうございます‼︎
『原作』や『アニメ化』など頑張ってください‼︎
【お気に入り】や【しおり】、【投票】、【感想】
などいただければ、豆腐のような脆いメンタルの
自分も更に『創作意欲』が増していきます。
面白く出来ているかどうか心配でいっぱいですが
一生懸命にたくさん書きました。
最後まで読んでいただければありがたいです‼︎
「はじめが、クローン……ですか。
しかも、御坂の……」
「うん、上の理事会達はそんな彼女を使い勝手の良い
『道具』や『実験動物』などとして利用をするために
身勝手に生み出したんだよ」
絹旗はそう言うと、凪ははじめに視線を向けながら、
更に話を続ける。
「しかも、その実験はある人物を
させるため、
「
凪の説明を聞いた瞬間、絹旗の表情が一瞬にして
曇っていた。
学園都市が誇る世界最高のスーパーコンピュータ。
別名、
今後二五年は誰にも追い抜けないと判明している、
そんな超高性能な並列コンピュータで、正しいデータ
さえ入力すれば、
空気の分子ひとつひとつの動きまで正確に予測できる
ため、学園都市では天気予報などは「予報」ではなく
「予言」、確率ではない完全な確定事項としていつも
扱われる。
(そう、表向きは……)
表向きは完全な天気予報を行うために作られたそんな
代物なのだが、主目的は学園都市における様々な研究
の予測演算。なので天気予報は月に一度、一ヶ月分の
予測結果をまとめて出力し、残りの時間で予測演算を
行っている。そのため、実験をしないそんな研究者
すらもいるのだ。
「大丈夫? 顔色が悪いけど?」
「大丈夫です。超余裕ですよ……それで、その人物は
一体誰なんですか? 一応、私なりに予測は超付いて
いるのですが」
絹旗はそう言うが、過去の記憶を思い出したのか、
不愉快そうにしていた。研究者達が考えている実験
なんて、決してロクなものではない。
「
ための実験らしいんだよ」
「
その名前が出た瞬間、絹旗の表情は更に険しくなる。
絹旗にとって、彼の名前や存在はあまり良い印象など
は持っていないのだ。
「提唱者は木原幻生っていう科学者なんだけど、
研究者として高い地位にいる人物で、統括理事会など
肝入りの極秘実験を多く主導しているらしいみたい」
「その幻生という科学者ははじめに……あの子に
一体、何をさせるつもりなんですか……?」
どうやら不愉快だったのか、絹旗は唇を噛み締めて
知らないうちに、睨み付けるような冷え冷えとした
鋭い眼差しと低い声で凪に質問をしていた。
「最愛、落ち着いて」
「こんな事を聞かされて落ち着ける程、私に余裕は
超ないですよ」
そんな絹旗に落ち着くように言うが、はじめを大切に
している絹旗にとっては、あんまり気分の良い話では
なかった。はじめに一体、何をするつもりなのか。
「君がはじめを大事にしてくれてるのは分かるけど、
そんな状態だと、彼女が心配しちゃうよ?」
「ッ‼︎」
凪に言われて絹旗も落ち着いたのか、視線をはじめの
方へと向けると
「き、きぬちゃん……かお、こわいよ……」
「はじめ……」
はじめは不安そうな表情で、絹旗の着ている常盤台の
制服のブラウスの半袖を裾を掴んでいた。
それも当然であった。姉の様に慕っている絹旗の表情
が険しくなってたからだ。はじめからしたら、そんな
絹旗の表情は見たことがない表情だったので、とても
怖く映っていたのだろう。
「すみません……私とした事が柄になく、超熱くなり
過ぎてしまっていたみたいですね」
「きぬちゃん……」
絹旗はそう口にした後、微笑みながら、はじめの頭を
優しく撫でると、はじめも安心したのか、満面の笑顔
に戻っていた。絹旗の表情を見た凪も安心したのか、
ホッとしていた。
「別に構わないよ。ボクもこのクソみたいな話は
あんまり、好きではないから」
一瞬であるが、本当に不愉快そうな表情をしながら
そう言った後、すぐに笑顔に戻っていた。
「それにしても、最愛の常盤台の制服の姿を改めて
見ると似合っているね」
「うん! きぬちゃん、とってもにあってる!」
「ふふん。そこらの派手にしている常盤台の箱入り
お嬢様達とは超違うんですよ!」
凪は話題を変えようと言うと、はじめも同意をする
ように言う。すると、絹旗はとても嬉しかったのか、
上機嫌に常盤台の制服のブラウスやスカートの裾を
持ち上げたりして、凪とはじめに自慢をするように
見せびらかしていた。
「けれど、制服の姿だと超面倒なんですよね……」
「え? どうして?」
凪が絹旗の言葉に疑問を持ったので、質問をすると
「制服を着てると、ナンパなどをしてくる変態野郎達
が超増えているんですよ。特に
多いですよね」
武装無能力集団。通称・スキルアウトは
武装集団であり、いわゆる不良グループが集まってる
物騒な集団である。
武装集団とはいっても、銃器や殺傷兵器など所持して
いるのは一割程度である。が、その一割辺りが非常に
おっかないのである。
「ちなみに、ナンパしてきた奴らは?」
「あまりにもしつこかったので、軽く一発殴って
おきました」
「それって、やり過ぎじゃない……?」
「舐め回すような超いやらしい目で見られたので、
正当防衛です」
「過剰防衛の間違えなのでは? そのバカな変態達は
ちゃんと生きてる? 殺してないよね?」
「手加減したので、超大丈夫です」
「そ、そっか……」
絹旗は手加減をしたと笑顔で軽くそう言っているが、
手加減をしているとはいえ、
彼女相手に、
一方的な蹂躙劇になってしまうので、確実にトラウマ
に残ってしまう程に恐ろしかっただろう。
「今度またそんな事があったら、ボクに相談してね。
保護者としてはとても心配だし、最愛も
捕まって、面倒ごとに巻き込まれるのは嫌でしょ?」
「保護者ってのは超引っかかっているのですが……
でも、そうですね。色々とお世話になっているのは
事実ですから、迷惑をかけるのは超良くないですね」
凪が絹旗にそう説明すると、絹旗は凪の言葉に納得
したのか、素直に首肯した。
「お待たせしました。ご注文通りの期間限定定食と
ダブルハンバーグプレートと超濃厚カルボナーラに
なります。そして、こちらが期間限定のレインボー
ゲコ太ストラップになります」
店員がやって来て、熱々の料理をそれぞれ目の前に
置いて、笑顔でゲコ太ストラップをはじめに渡して
その場を去る。
「やったー! ゲコタだ!」
「無事に手に入って、超よかったですね」
「はじめ、お目当てのゲコ太が手に入って嬉しいのは
分かるけど、少しは落ち着いて……」
お目当のレインボーゲコ太ストラップを手に入れて
嬉しかったのか、嬉しさのあまり大きな声を出して
うっとりと眺めているそんなはじめの姿を凪と絹旗
の二人はそう言いながらも、笑顔で眺めていた。
「白井さん達も見つけたんですかー」
「
『
はある人物と会話していた。
「ここ数日、第七学区のあっちこっちでマネーカード
を拾ってきたという報告があるんです。今四八件……
あ、五六件に増えてる」
そう言って、先程美琴達が拾ったそのマネーカードを
眺めながら、視線をパソコンの画面の方へと向けて
カタカタと手慣れた手つきでタイピングを始める。
彼女の名前は
『
であり、黒髪のショートヘアで、黒子のバックアップ
担当で頭には造花の飾りの付いた特徴的カチューシャ
を付けている
「ネコババしてる人の分を考えると、報告の数倍の
数ばらまかれていると思います」
「そんな話。わたくし、聞いてませんわよ?」
初春がマネーカードについての報告内容を言うと、
黒子はそれを知らなかったのか、初春に質問する。
「貨幣などを故意に遺棄・破棄する事は禁止されて
いますが、今回のマネーカードは対象外ですので、
特に通達はしてません」
初春が黒子の疑問に答えると、更に説明を続ける。
「カードの金額はまちまちで、下は千円くらいから、
上は五万円を超えるものまで、決まって人通りなどの
少ない道に置かれてます。ちなみに、カード・封筒共
に指紋など出てません」
初春はそう言って、美琴達が拾ってきたマネーカード
に視線を向けて
「ただ、もう結構噂が広がっているらしいですので、
宝探し感覚で裏道をうろつく人も多いみたいですね」
「ああ、それであんなに……」
黒子達に説明をすると、その手のウワサに疎い黒子と
美琴は先程の裏道に集まってうろつていた人達の姿を
思い出して、なんとも言えない表情を浮かべていた。
どうりで、多くの人が裏道を通るわけだと納得した。
「ですが、今度はマネーカード巡って奪い合ったり、
するせいで、学生が絡まれてしまったりして……」
「放っておく訳にもいかなくなってきたきた……と」
黒子は眉をひそめながらそう言うと、ハッとした表情
をして視線を初春から美琴に向ける。
「お姉様。残念ですが、デートはまた今度……」
「ううん。私一人で行ってくるから、気にしなくて
いいわよ」
申し訳なさそうな表情しながら、美琴にそう言うが、
美琴本人はそんな黒子の言葉を気にしていないのか、
笑顔でそう言ながら、軽く手を振って支部から出て
いった。
「それは、それで寂しい……」
「じゃあとりあえず、最初はこの辺りなどを回って
きてください」
黒子は支部を去っていく美琴のその背中を眺める中、
大量の涙を流して、自身の愛用してるそのハンカチを
嚙みながら美琴の名前を呼んでいるのに対し、初春は
目の前で取り乱している状態の黒子には気にもせず、
事前に今回の事件について調べてた書類の束をいつも
みたいに軽いノリで黒子に差し出してる姿であった。
「しっかし、誰が何のためにこんな事してんのかね。
お金が余ってるなら、寄付とかでもすればいいのに。
ん?」
黒子と初春の二人と別れた後、美琴は一人で住宅街を
歩きながら今回の事件について呟いていると、
くん、くんくん。
黒髪ロングのスレンダーである美少女が、まるで犬の
ように四つん這いになって地面の匂いを嗅いでいた。
しかも、公衆の面前で。
「あ、あれって……」
美琴には見覚えのある人物であった。彼女は好奇心の
ままに後先考えずに行動することが多く、それが災い
して要らぬトラブルなどを引き起こしてばかりだった
からだ。
そんなことを思っていると、四つん這いになっている
黒髪ロングの彼女は四つん這いまま、もの凄い速いで
移動をしながら、更に匂い嗅いでいた。
「うーん、この辺りにはもう無いかな」
「あの……佐天さん? なにやってんの?」
「あ、御坂さん‼︎ 御坂さんも例のカード探している
んですか?」
「あ……いや」
彼女、
柵川中学に通う、中学一年生の
流行などには敏感で、都市伝説には目を輝かせて、
美琴達の中では一番中学生らしい少女であった。
いつものように、騒がしいと言われるほどの明るくて
活発的で、普段は悩みも表に出さない程に天真爛漫な
笑顔を美琴に向けてる中、美琴は佐天のいつもよりも
高いテンションに気圧されてしまっていた。
「じゃーん‼︎ 私はもう四枚もゲットしましたよー!」
「わ。スゴイわね」
佐天は満面の笑みを浮かべて、ズボンのポケット辺り
から、封筒に入った四枚のマネーカードを取り出して
美琴に自慢するように見せると、マネーカードの量を
見た美琴は目を見開き、驚いていた。
「何かあたし、金目のものにたいして、鼻が利く
みたいで……」
「鼻が利くみたいって……」
佐天は美琴にそう言って、封筒に入っているお四枚の
マネーカードを見せた後、更にキョロキョロと周囲を
見渡して匂いを嗅いでいた。美琴は佐天のそんな言葉
を聞いて苦笑いを浮かべていた。
正直言って、美琴としてはこんな平然と四つん這いに
なって、珍獣のような奇行なヤバイ行動などしてまで
マネーカードを探してるそんな今の親友の姿なんて、
本当に見たくなかったし、知りたくもなかった。
なにより同じ学校であり、クラスメイトである初春に
話すには酷な内容であった。美琴が佐天のヤバイ行動
に戸惑いながらも、返答をしていると
ガシッ。
「え?」
気が付けば、美琴の手首を握られていた。
「よっし‼︎ 次はあっちへ行ってみましょー!」
「ええっ⁉︎ 私は別に……ちょ、佐天さん‼︎」
佐天がそう言って、美琴の手首を引っ張ってズンズン
ズンズンと更に先へと進んでいった。
「どう? 美味しい?」
「うん! とっても、おいしいよ!」
凪がはじめに聞くと、はじめは美味しかったのか、
笑顔で答える。
「どうやら超気に入ったみたいですね……」
絹旗ははじめを見て肩をすくめながら、注文をした
ケーキを切り分けてフォークで口の中へ運んでいた。
「しかし、本当に大丈夫なんですか? 私としては
超心配なんですけど……」
絹旗が心配になるのも無理はない。なぜならば、
期間限定定食を食べた後、食後のデザートとして
カスタードプリンとバニラアイスや色とりどりの
フルーツを盛りつけたプリンアラモードを頼んだ
のだか、
「きぬちゃん大丈夫だよ!」
「はじめ、口元に生クリームが付いているよ」
「ん……ありがとう!」
はじめは笑顔でそう言うが、凪はそう言ってはじめ
の口元にべったりと付いてる生クリームをナプキン
で丁寧に拭う。
そんな中、絹旗は視線をある場所をちらりと見ると
そこには、プリンアラモードの器が二杯並んでいた
のである。
最初は興味津々に眺めていたが、いったん口の中に
入れると美味しかったのか、はじめは瞳をキラキラ
とさせて一心不乱にプリンアラモードを食べ始め、
一つ目をあっという間に完食。それ以降、元気良く
おかわりを要求しているのである。
「それにしても……」
絹旗は頬杖しながら、視線をはじめに向ける。
はじめは相変わらず、夢中でプリンアラモードを
幸せそうに頬張っている。
(超無邪気ですよね……)
自分を姉のように慕ってくれる彼女の真実を知った
瞬間、学園都市の研究者達や理事会達の存在自体を
嫌悪して不愉快に感じた。
だからこそ、無邪気にプリンアラモードを食べている
はじめの姿を見て
(この笑顔を守らないといけませんね……)
絹旗がそう決意していると、
「きぬちゃん……欲しいの?」
と、その時、絹旗の視線に気付いたはじめが顔を
上げていた。
「……あ、別にそういうわけじゃ……」
「欲しいなら分けてあげるね!」
そう言って、はじめは自分の食べていた
プリンアラモードを割ろうとして……
「……………」
「はじめ?」
不意にその手を止め、硬直した。プリンアラモード
を見つめるその瞳はどこか難しげに揺れ、心なしか
眉が八の字に寄っている。
そんなわかりやすい反応に、絹旗は苦笑いしながら
言った。
「あー、ほら、無理なんてしなくていいですから。
全部食べたいでしょ?」
「……いいの?」
「構いませんよ。欲しくなったら、自分でちゃんと
買いますから」
そんな絹旗の言葉を聞いて安心したのか、はじめは
再びプリンアラモードを頬張り始める。
そんなはじめの姿を見て微笑んでいると、
「ふふっ、可愛いよね。最愛の気持ちは分かるよ」
凪は絹旗のそんな顔を見て、面白そうにニヤニヤと
面白そうに笑っていた。
「それにしても、最愛の笑顔を見れてラッキーだね。
いつもそんな感じに笑っていれば、魅力的で可愛いと
ボクは思うんだけれどね」
最愛の笑顔は貴重だから、凪もご満悦である。
その瞬間、ブチッと絹旗の何かがキレる音が聞こえた
気がした。
「一発殴っていいですか、いいですよね、
寧ろ超殴ります‼︎」
「え、ちょっと、待って……」
絹旗のガチの表情を見て、絹旗を弄り過ぎて
しまったとその時、凪は後悔をした。
「歯を食いしばってください。大丈夫です、手加減は
超しますので……」
絹旗は静かにそう言って、窒素の力を拳に纏わせて、
狙いを凪へと定めている。
「ちょ、ちょっと待って、落ち着いて⁉︎ 今殴られて
しまったら、食べたのが一気に出てきちゃうって‼︎」
「問答無用です‼︎」
ドゴッと、絹旗の窒素の力が乗った拳が凪の鳩尾に
見事にクリーンヒットする。
「ぐはっ……」
「ふん、少しは反省してください」
「は、はい……すみません」
「なぎおねーちゃん、だいじょうぶ?」
「だ、大丈夫、だよ……うっぷ」
絹旗がそう言うのに対して、はじめは心配そうな表情
をしながら、倒れてる凪の心配をしていた。凪は鳩尾
を押さえながらも、なんとかはじめに返事をした。
「いやー、すっかり陽が暮れちゃいましたねー」
外は陽が暮れている中、佐天と美琴の二人は薄暗くて
狭い裏道に立っていた。
あの後、美琴は佐天に強引に連れて行かれた後、
マネーカードを探すために一日中、様々な裏道に
連れ回されてしまったのである。
「今度は、初春達も交えてやりましょーねー」
美琴が疲れている中、佐天は大量のマネーカードを
拾ったおかげなのか、とても嬉しそうな明るい笑顔で
「んじゃ、ウチこっちなんで」と言いながら、右手を
上げて美琴に手を振って去って行った。
「どうしよう、コレ……」
美琴はそう呟きながら、佐天に渡されてた無数にある
マネーカードの封筒の束を見つめる。正直に言って、
美琴にとっては、この程度のマネーカードの金額は
はした金でしかなかったのだ。
困ったような表情で、使い道のないマネーカードの束
を眺めながら考えていると
「ホントだって」
美琴の背景から、男の声が聞こえてきた。
「ションベンしようと路地入ったら、女が例の封筒を
置いてんのが見えてさ、後を尾けたんだよ」
美琴は気付かれないように身を潜めながら、声がする
方向へと覗くと
の男達が話していた。
「雑居ビルみてーなトコに入っていったから、そこが
アジトだろうぜ。外から見た感じ、居んのは女一人
だけっぽいから楽勝だろ」
スキンヘッドの男性が、他の
メンバー達に自慢げに話していた。彼等の話してる
内容からして、ロクでもない内容だと推察出来る。
「………」
そんな
美琴は気になってしまったのか、彼等に気付かれない
ようにこっそりと後をつけて行った。
硝子など散らばった空き家のビルの中で、白衣を着た
ウェーブのかかった髪とジト目が特徴的なそんな彼女
がいた。
彼女は持っていた鞄を机に置きながら、開けようと
していると
「ハーイ、お邪魔しますよー」
「大人しくしてくれりゃ、乱暴はしねーからよォ。
ウチのリーダーは女子供に手を出すのは禁止しって
からな」
先ほどのスキンヘッドの
彼女が逃げてしまわないように周囲を囲んだ。
「何の用かしら?」
「オマエがバラまいている例のカード、オレ達が
もらってやろうと思ってさ。どうせ捨てんだろ?」
「………」
近づいてくるに気付いて、鞄の中に手を入れようと
した瞬間、
「おっと、防犯ベルでも出されたら面倒だからな。
こっちで調べさせてもらおうか」
スキンヘッドの男がそう言って、彼女の鞄を容赦なく
奪われてしまう。そして、彼女から奪った鞄を乱暴に
開けて、中身を確認する。
「何だ? 二枚しかねーじゃんか」
「制服にも入ってねえぞ」
スキンヘッドの男がそう言って、マネーカードが
入っている二枚の封筒を手にしながら、愚痴などを
口にしている。近くにいたバンダナの男とニット帽
の二人の男達も彼女の白衣と制服を確認していた。
「わざわざ来て、これだけじゃ話になんねーよ。
他は?」
「ここには無いわ、equal。手持ちはそれだけよ」
スキンヘッドの男が納得などがいかなかったのか、
彼女に他にマネーカードがないのか、質問をする。
彼女は慌てるどころか、冷静にスキンヘッドの男の
質問に答える。
「この状況で随分落ち着いてるじゃねーか、あ?」
しかし、そんな彼女の澄ました表情や態度などが
気に入らなかったのか、スキンヘッドの男の額に
青筋を立てながら、彼女に舐められないように
容赦なく圧を掛けてガンを飛ばす。
「まさか、能力者か?」
「え?」
ニット帽の男が彼女を見てそう言うと、バンダナの男
は「能力者」という言葉を聞いた瞬間、動揺した表情
をして目の前にいる彼女に後退りしていた。
「フン。この人数相手にできるヤツなんざ、そうは
いねえよ。乱暴されないと分かっていて強気になって
いるだけだ」
髭の濃い男が呆れた表情をしながら、視線を彼女から
他の
「どこかに隠しているかもしれねえ。探すぞ」
他にマネーカードが隠されてないかを確認するため、
他の
探すように指示を出す。
「オマエはその女を見張ってろ」
「オ……オウ」
「何ビビってんだよ」
「ビ……ビビってねーよ‼︎」
バンダナの男はビクッとさせながら返事をすると、
そんな姿を見たスキンヘッドの男が面白そうな表情で
バンダナの男をイジるようにそう言うと、自身の図星
を突かれてしまったせいか、すぐに強がりの言葉を口
にしていた。
(クソッ。何かしらねえが、この女、不気味な………
ん?)
バンダナの男は内心、舌打ちをしながらも、視線を
彼女へと恐る恐る向ける。
(さっきは、白衣に隠れて見えなかったが。あの校章、
どっかで)
バンダナの男は彼女が着ているその制服に見覚えが
あったのか、思い出そうと考えていると
「⁉︎
思い出したのか、無意識に声を出してしまっていた。
とはいえ、驚くのも無理はなかった。
長点上機学園は学園都市の中でも五本の指に入る程の
名門校で、特に能力開発においてナンバーワンを誇る
超エリート校で、同じ名門でも「礼儀作法等を含めた総合的な教育」を目指す常盤台中学とは違い、徹底と
した能力至上主義が敷かれているのである。
(去年の
五本指の一角、超エリート校の生徒様じゃねえか。
て事はやっぱりコイツは高位能力者なのか?
いやしかしあそこは常盤台と違って、能力以外でも
一芸突き出してればやってけると聞いたことがある)
それを理解した瞬間、バンダナの男の額から
冷や汗が流れ落ちる。
(それにココで下手に騒ぐとまた図体がでかいだけの
チキン野郎なんて呼ばわりされるし冗談じゃねえぜ。
だいたいオレは別に
なかったのに勧誘で妙に持ち上げられちまったから
であって)
軽いノリで、
なかったと、今更になって後悔をする。
そんな事を考えていると、
「うおっ‼︎」
バンダナの男は驚きを隠せなかった。なぜならば、
見張っていたはずの彼女がいつの間にか、自分の顔
を至近距離で覗き込んでいたからだ。
「なっ、何だ⁉︎」
「顔色が悪いわね。大丈夫かしら」
「ほっとけ!」
「息も荒いし、冷や汗も凄いわ」
彼女はバンダナの男を心配するよう話しかけてくる
のだが、心配しているようには見えないし、正直に
言って、迷惑なだけである。
「───」
「‼︎ッ何でそれを……」
彼女はバンダナの男とすれ違った瞬間、バンダナの
男に聞こえるようにボソッと何かを口にしていた。
バンダナの男は驚愕の表情を浮かべ、いつの間にか、
声を出していた。
そんな困惑してるバンダナの男を無視してそっと、
耳元へと近づいていき
「because」
聞こえるように、耳打ちの言葉を口にしていた。
「あったか?」
「ねーなぁ」
スキンヘッドの男とニット帽の男は棚や机などが乱雑
に置いてある家具などを漁りながら、マネーカードを
探していると
「ぎゅにああああぁぁぁぁぁ……ッ‼︎」
部屋一帯に響く程のそんな叫び声が背後から、
聞こえてきたので、二人は急いで声がする方へ
振り返ってみると
「な……っ⁉︎」
スキンヘッドの男が驚きの声を上げていた。
なぜなら、見張っていたはずのバンダナの男が近くの
机に背を預けるようにして目を見開きながら、その場
に倒れていたからだ。
「テメエ……何しやがった!」
「まさか、死んで……」
そんな目の前の光景を目の当たりにした二人は、
目の前にいる彼女に警戒を強くする。
「やっぱり、能力者か?」
「だったら、さっさとオレらを攻撃して終わり
だろーがっ」
「で、でもよ。アイツ武器らしいものは何も持って
いないぜ」
ニット帽の男は彼女が「能力者」だと思ったのか、
ビビっていると、スキンヘッドの男は舌打ちなどを
しながら反論をするが、それでも不安だったのか、
ニット帽の男は震えた声でそう言っていると
「発動条件があるの」
彼女はそう言って、そんな二人の会話の間に
割り込んでくる。
「『
のみしか、対象にはできないわ」
彼女は両腕を広げながら、顔色一つ変えずにその場に
残っている
のネタバラシをする。
「however。一度触れてしまえば、対象者がどこへ
逃げようと、必ずその命を絶つ事ができるの」
「……何だそりゃ? そんな妙な能力、聞いた事は
ねーぞ」
「信じる信じないは勝手だけど、AIM拡散力場を
記録した相手を捕捉・干渉する能力には、色々な
バリエーションがあるのよ」
髭の濃い男は彼女の言葉が信じられなかったのか、
額には一筋の汗を流しながら首を傾げていると、
彼女は更に説明をする。
「まあ、
しれないわね」
ピキッ。
彼女のその言葉を聞いた瞬間、かつてない程の屈辱を
感じたのか、
目の前にいる彼女を睨み付けていた。
「くだらねえ、ハッタリだな。女子供に乱暴にするな
っつー決まりは、こっちに害がなければの話だ」
髭の濃い男は冷たい声でそう言いながら、目の前に
転がっている鉄パイプを手に取る。
そして、
「「ブッ潰す‼︎」」
そう言って、鉄パイプを目の前にいる彼女に向けて、
今にも殺さんとばかりの鋭い瞳で睨み付けていると、
背後にいたスキンヘッドの男も地面に転がっていた
鉄パイプを拾い上げて、握りしめていた。
こちらも舐められたままでは、気が済まない。
「な、なあ……」
「あ?」
「オ……オレはさっき、コイツに触れちまった。
コイツの言った事が本当なら、オレはコイツに
殺されちまう」
ニット帽の男はスキンヘッドの男の左腕を握って、
肩を震わせながら、彼女へ恐怖を抱いている。
「ンなもん、ハッタリだよ。ビビってんじゃねえ」
「じゃあ何でサトシは殺られたんだよっ!」
スキンヘッドの男はニット帽の男を落ち着くように
そう言うのだが、ニット帽の男は納得がいかなくて
声を荒げてしまう。そして必死になって縋り付く。
「だいたいハッタリだと思ってんなら、丸腰の女に
そんなモン使う必要ねえだろっ!」
「くっ……」
そんなニット帽の男の言葉に反論が出来ずに顔を
歪めていると
「仲間割れはよくないわね。well、こうしましょう」
彼女はそう言って、スキンヘッドの男の右腕を
躊躇いなく、両手でペタリと触り始める。
「⁉︎」
「これであなたも条件は同じね」
「ッ……」
触られてしまったその現実を目の当たりにして、
スキンヘッドの男とニット帽の男達は後退りを
してしまっていると
ガァン‼︎
「どけ、オレがやる」
音がする方へ視線を向けると、髭の濃い男が近くに
あった机に向かって、鉄パイプを叩きつけていた。
「ヒコイチ、テツが邪魔しねえように押さえてろ」
「あ……ああ」
髭の濃い男がヒコイチと呼ばれた、スキンヘッドの男
にテツと呼ばれたニット帽の男を押さえているように
指示を出して、視線を彼女に向けて歩みを進める。
しかし、彼女は部屋の入り口へと移動していた。
そして。
「!」
一瞬にして、部屋一帯が真っ暗になった。
(電気を消した?)
髭の濃い男が持っていた鉄パイプを肩に担いで、
警戒をしながら、真っ暗になった部屋の周囲を
見渡す。
「お、おい、し、視界が……ッ‼︎」
「ど、どこだ⁉︎ どこにいるんだ‼︎」
「落ち着けっ、ヘタに動いたりしたら、同士討ちに
なるぞっ!」
そんな中、騒いでいるそんな二人の声を聞いて、
急いで指示を出すが、聞こえていないようだった。
(クソっ、何が起こってやがる)
悪態を吐きながらも、なんとか手探りで周囲を探る。
一秒でも早く、この不安を拭いたかった。
(もう暫くすれば、目が慣れる。それまで……)
それまで、この状況をどうにかして対処しなければ、
取り返しがつかなくなってしまう。
髭の濃い男が必死に思考を巡らせていると
「うッ!」
真っ暗だった視界が一瞬にして明るくなったので、
目を細めながら、周囲を見渡してみる。
すると、ヒコイチとテツと呼ばれてた二人が、
その場に倒れていて、その間に彼女が立って
いたのである。
「残りは、あなた一人ね」
「……………マジかよ」
彼女の言葉を聞いた瞬間、額からは大量の冷や汗が
滝のように流れて、背筋から寒気を感じた。
そんな事を考えている中、彼女は躊躇いなく部屋の
スイッチに手を掛けて、電気を消して暗闇に溶け込む。
(クソッ、目が慣れかけてたのにまた……)
再び、視界が真っ暗になって、見えなくなる。
(くそっ、やってやる!)
髭の濃い男は持っていた鉄パイプを、両手で更に
握りしめて構える。
(能力者はオレ達、
じゃねーか!)
オレ達を見下してる
能力者に負けたら、
名折れである。
コッ。
「そこかっ‼︎」
髭の濃い男は視線を足音がする方へとすぐに視線を
向けて、鉄パイプを全力で振り翳すのだが
ガアァン‼︎
(ぎっ……壁……? 手が……)
鉄パイプは壁にぶつかり、手が痺れてしまったのか、
手から手放してしまった。
(パイプ……鉄パイプはどこに……)
暗闇の部屋の中、必死になって探すが、慣れていない
せいか、何も見えない。
早く見つけなければと、頭の中で必死に巡らせてると
周囲から、足音が聞こえてくる。
「ウォらぁッ‼︎」
精神的に限界だったのか、必死に拳を振り翳す。
「ヒャハハハ、くるならきやがれ! 要は触れられた
としても、能力使われる前に殺っちまえばいいんだろ
ぉがぁッ‼︎」
『
警戒しながら、更に連続で拳を振り翳す。
「オラッ、オラァァ‼︎」
暗闇の中、必死に大声で叫びながら、左右の拳を
振り翳し続けていると
「ぐはッ‼︎」
焦ってしまったせいか、勢いが余ってその場に
転んでしまう。
(ぐっ……また壁……いや、床……?)
這いつくばりながらも、なんとか立ち上がろうと
足に力を入れるが、力が入らず立てなかった。
その絶望的な現実が、髭の濃い男のそんな視界と
精神をグニャリと、歪めて飲み込んでいく。
(もうどっちが上で、どっちが下かも分からねえ……)
髭の濃い男の目の焦点は合っておらず、奥歯などは
ガチガチと音を鳴らして、身体を震わせていた。
すると、その背後から、自分の顔を触ってくる人の手
の感触が感じられた。
「これであなたも能力対象ね。大丈夫、あなたの
お友達一緒で、痛みを感じる間もなく全て終わるわ」
背後から、彼女の声が聞こえてくる。髭の濃い男から
したら、その声はかつてない程に悍ましく感じている
だろう。
「ま……待ってくれ。オレが悪かった、今回の件から
手を引く。だから……」
「後はこの手を振りおろすだけ……」
振り絞った声で、必死になって命乞いをするが、
彼女はその言葉を無視して目の前に現れる。
「や……やめろ……! やめてくれえええッ‼︎」
喉が枯れてしまう程のかつてない大声で叫んだ。
そして、その瞳に映った彼女の姿とパァン、と
大きな音が部屋中に響き渡った。
パチ、パチッ。
真っ暗で静かな部屋に小さな音が鳴った瞬間、
一瞬にして明かりを取り戻す。
そこには、交戦的だった髭の濃い
男は両目とも白目を剥いて、みっともなく口を
大きく開き、大量の泡を吹きながら膝を地面に
突いていた。
「まあ、ただの紙鉄砲なんだけどね」
彼女がそう言って、握っていた紙鉄砲を眺めて口に
した瞬間、髭の濃い男は仰向けに倒れた。
彼女は手に持っていた紙鉄砲から視線を離して、
移動をしようとした瞬間、
「いやー、オモシロイもの見させてもらったわ。
ヤバくなったら、割り込もうと思ってたんだけど。
カードの件もあるし」
彼女は声がする方へ視線を向けると、そこには
美琴が立っていた。
パンパンパンと両手で拍手をして、笑顔で彼女の人の
精神や神経など利用して、無力化するそのやり取りや
手腕などを見て素直に賞賛する。恐らくだが、彼女が
言っていた『
なのだろう。
「話術と演出だけで心を折って、不良を鎮圧しちゃう
なんてねー」
「……………」
「ん? なに?」
美琴が喋っている中、彼女は無言で美琴をじーっと
見てくる視線が気になって、美琴は質問をした。
「あなた、オリジナルね」
美琴に質問された彼女は、表情を一切変えず、美琴に
向けて、開口一番にそんな言葉を口にしていた。
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