マジすか学園inオメガ   作:ヒメール

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2・オメガ

 腕に備える刃が閃けば、トンボ怪人の胸から真っ黒な血飛沫が噴き上がり変形した顔面に降り掛かり、本能的な何かを加速させる。

健二「うぁぁぁあ!!」

 咆哮を張り上げながら倒れたトンボ怪人に馬乗りになって、何度も何度も拳を振り下ろし顔面や体に血飛沫を大量に浴び、気づけばごしゃ!と粉砕音が鳴り響き、トンボ怪人の顔は跡形もなく潰されて原型を留めずに液状化していった。

 脅威が消え、一瞬だけ理性が戻ると手からの生ぬるい感触が気持ち悪く感じてしょうがない。

 だが一年の廊下からトンボ怪人と同じ気配を感じ取り、理性がかき消され本能に身を任せ廊下を駆け出て行くと生徒の数人が蜘蛛糸に包まれ、身動きを取れずにいて周りのいる生徒達は怖気づいている。

イカノメ「うらぁ!!!」

 中でチームお好みリーダーイカノメ、チームもんじゃリーダーウーチンが協力して巨大な蜘蛛怪人を必死に殴り続ける。

 だが、相手は人ではなく怪人でダメージが通ってはいない。その証拠に鋭い爪で二人は引き裂かれ、吹き飛ばされて行く。

「大丈夫かよ!!」

 チームもんじゃのテキサスが近づき、腕に傷を負ったウーチンに近づき介護しようとするが蜘蛛怪人の口から蜘蛛糸が射出され、ウーチンの足に巻きつきそのまま引きずられる。

CG「テキサス!!!」

健二「ぁぁぁぁァァア!!!」

 人の声に奇怪な声が混じった咆哮を上げながら、健二が背後から蜘蛛怪人に飛びかかり、蜘蛛糸を引きちぎり痛烈な拳撃を炸裂させた。

 蜘蛛怪人の体は硬く、そこまでのダメージを与えることができない。けれども、健二はお構いなしに人離れした腕力で持ち上げ、床に強かに打ち付ける。

 身動きが一瞬体を封じたのを感じ取ると、左手のグリップを握り捻った。

《バイオレントパニッシュ!》

 手刀で蜘蛛怪人の胸を抉り、中で鼓動する心臓を握り潰す。

 蜘蛛怪人もトンボ怪人と同様に跡形もなく液状化していった。

 脅威が過ぎ去り、健二の理性が徐々に戻って行くと変身を解除したが、自分自身への恐怖に押し潰されそうになり、割れた窓から外へと飛び出して行く。

 

 

健二「どう……なってるんだ…僕の身体は……」

 健二は体を人間でありながら超人的な超脚力で、人気の無いトンネルの中に入ると足を取られ、転んでしまう。

「どうだい、人間じゃなくなった気持ちは?」

 突然、目の前から男の声が響き、健二は首を上げた。

 目の前には前髪をたらりと流し、黒の長袖パーカーとカーゴパンツとスタイリッシュ服装に身を包んだ男が、ハンバーガーをほうばりながら立っていた。

健二「あ……貴方は……」

「俺はよろしく。君をアマゾンに覚醒させた科学者で、君は僕の最高傑作だよ」

 名前を言い終え。仁は楽しそうに馬路須加女学園を襲った怪人達について話を始めた。

仁「さっき、君の学校を襲った怪人は『アマゾン』っていうのは僕が作った人工生命の集合体、変身したドライバーは『アマゾンズドライバー』って言ってね君の中に眠るアマゾン細胞を活性化させ兵器化するためのものだ。そして完成体で、ついに覚醒した君の名は『オメガ』というアマゾンだ」

 満足げに言い、チーズバーガーを差し出す。健二は差し出されたバーガーを弾き飛ばし、怒りの表情を浮かべ上げ、仁に掴み掛かった。

健二「どういう事ですか!!僕がアマゾンって!!!」

仁「そう焦る事は無いよ。本来のアマゾン細胞は人間のタンパク質を好む習性にあるんだが、君はアマゾン細胞と人間の細胞が掛け合わさった『双源生細胞』の成功体なんだから安心してくれ」

 つらつらと並べられる衝撃的な言葉に健二の思考は止まり、世界から音がなくなったように感じた。これまで育ってきた記憶は全て、偽りのものだったのかと思うと体に力が入らなくなり、肩を落とした。

仁「気に病む事は無い。君はこれから、たっぷり僕の失敗作を倒して貰うんだから」

 意味深な言葉だけを残し、仁は暗いトンネルの中へと姿を消していった。

 

 

 

 数日後

 健二は来なくてもいいのになぜか足取り重く、馬路須加学園へ通じる道を歩いていた。

「あれ!!君、転校生だよね!!」

 後ろからテンションの高い女子の声が聞こえ。身体を一瞬身震いさせ振り向こうとするが人を襲うアマゾンの姿が過り、正面に体を向き直し早歩きで歩き出す。

オジュケン「ねぇ、無視しないでよ!!私はオジュケン宜しく!!!」

 いきなり少女が飛び出して立ちはだかると、甲高い声が耳に響き渡り、体が硬直してしまう。

オジュケン「昨日、助けてくれてありがとう!!」

 言われたのは元気いっぱいの感謝だった。本来は怖くて声をかけられないはずなのにと、健二は戸惑いを隠さずオジュケンを見る。

 その顔は笑っていた。あんな怖い経験をしているのに、なんで笑っていられるのか分からない。

健二「僕は怪物なんですよ……なのに……笑顔で接してくれるんですか?」

オジュケン「う〜ん。私、馬鹿だからさ怪人だとか関係なく転校生君とお友達になりたい!!」

 

 

 アマゾンの襲撃を受けてから一年のクラスは静寂に支配され、誰もが暗い表情を浮かべ椅子に座っていているとイカノメが重々しく口を開いた。

イカノメ「なぁ、前のあれでよく死者が出なかったな」

ペリカン「あの緑のバケモンっていうか、転校生が俺達を救ってくれたからな」

カンドレ「俺達のいるとこにあんなバケモンがいるなら、転校した方がいいんじゃねえのかな」

イカノメ「転校するたって、俺達のマジ女は誰が守んだよ」

 そこで会話は終わり、再び静寂が訪れるとクラス内にオジュケンの声が響き渡る

オジュケン「皆んな、おっはよう!!転校生、連れてきたよ!!!」

 が、クラス内の空気はとても健二をで迎えられるようなのではなく、恐怖心が混じった視線を向けられる。

イカノメ「お前、大丈夫なのか!転校生になんか、されたりしなかったか?」

オジュケン「なんにも、されてないよ!!!転校生君は私達を救ってくれたじゃん、もしいなかったら食べられちゃったかもしれないし」

イカノメ「それは、そうだけどよ……」

  た。蜘蛛のアマゾンにはウーチンと一緒に立ち向かったが全くは立たず、腕に怪我を負ってしまい、健二が来てくれなければチームもんじゃの仲間が襲われていた。

 けれども、理解の範疇を越える存在がいるのはどうしても受け入れがたい。

イカノメ「やっぱり、無理だよ。どうしても姉ちゃん達のことがどうしても、頭に過っちまうんだよ」

 いつもは気丈に振る舞っているイカノメが、今回ばかりは弱々しい表情で言うのを壁越しに聞き健二は、耐えられないほどの孤独感に苛まされ薄暗い廊下を早足に歩き始めた。

 

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