ただしきついダイエットで一気に痩せようとしても多分すぐに我慢が聞かなくなるので、少しずつ減っていく方向にしたほうがいいと思っており考え中。新陳代謝高めたり歩く距離伸ばしたり蕎麦の比率を上げたりといった方法で頑張っていきたいです!
では本編!
《富久山蒼一Side》
何とか辛くも敵の襲撃を人的被害ゼロで切り抜けることはできた。
怪我人は最小限。奪われた属性力も取り戻した。まぁ防衛は成功だろう。
付け加えるのならば、第五世代機であるサザーランドでアルティロイドの群れ程度ならどうにかできると印象付けることもできた。これでエレメリアンについて知識が足りない層にも、ある程度の対応ができると思わせれただろう。
さて、それはともかく。
「……頭が痛い展開になってきているけど、その前に確認したいことがあります」
俺は戻って早々、二つ話を進めることがある。
「コーネリア司令。貴方方の世界の現在の情勢……そして、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアを許容できている理由についてです」
そこは絶対に必須だろう。
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの存在は、事情を正確に把握しなければならない。
というか、だ。
世界全土レベルで悪名が轟く最新最悪最強の暴君だぞ。事情を知っておかないと到底味方として置ききれない。
「えっと、そこってやっぱり重要なんですか?」
赤龍帝が困惑しているけど、これはとっても重要だ。
「重要も重要も重要ですよ赤龍帝。あんたオーフィスがいきなりここに現れて「味方になります」なんて言われて速攻で頷けますか?」
呪術的に安全が保障されている曹操達とは違うからな。能力的にも立ち位置的にも近い。
ただ、赤龍帝はぽかんとしていた。
「イッセー君。とりあえずは彼の懸念を解決する方が先だろう。コーネリア司令、どうだろうか?」
と、サーゼクス様がとりなした。
と、そこでコーネリア司令は椅子に座り直すと息を吐いた。
「完全に許容しているわけではない。母が違えど弟ではあるが、私にとっては最愛のユフィと腹心のダールトンの仇でもあるからな」
………ちょっと待とうか。
類似性はあると思っていた。共に精神干渉系統の異能を持っているのではとは思っていた。ゼロとルルーシュはその点で類似点があると。
だがちょっと待て。ちょっと待て。
「その説明だとルルーシュとゼロが同一人物な気がするんですがぁ!?」
思わず絶叫するんですけどぉ!?
と、そこで藤堂殿が眉間にしわを寄せながら頷いた。
「少なくとも、第二次ブラックリベリオンまでのゼロはルルーシュだ。そして今のゼロは彼に遺志を託された二代目……ということになる」
マジかぁ。
「思った以上にあっさりばらすんですね?」
赤龍帝が困惑しているけど、藤堂殿は首を横に振る。
「ギアスに類似する異能の類をいくつも持っているのなら、読心に近い異能もあると考えたまでだ。既にルルーシュがここにいる以上、ある程度の事情は伝えて黙ってもらう他あるまい」
「最も、私も藤堂もゼロに直接問い質したわけではないがな。あのパレードでゼロがルルーシュを殺害したその時、漸くルルーシュ達の真意に勘づいたといったところだ」
コーネリア司令もそう言うが、どういうことだ?
「……なるほど。そういうことか」
真面目なトーンでヅラザベスがうんうん頷いているが何が分かった?
「つまるところ、悪逆皇帝とか呼ばれるようなやらかしの類は全て、その後自分を討ち取ったゼロに繋げることを前提とした演出も兼ねていたのだな?」
「……今の会話でそこまで悟るか。その恰好は油断を誘う為のデコイということか」
ルルーシュが目を見開いてヅラザベスを見るが、そういうことか!?
確かに、あそこまで悪逆な政治を強いたルルーシュに対する世界的な憎悪は大きい。討ち取ったゼロを象徴として一大宗教ができてもおかしくないレベルでだ。
そしてあそこまでの悪逆な政治の被害者であるブリタニア貴族達だが、それによって多少の同情心は買えるし生活水準も徹底的に低くなっているだろう。
そうなれば、ブリタニアを超合衆国の一員にしてもトラブルは発生しづらい。同情の空気によりあまりに大きすぎる報復は控えられるし、全てルルーシュに押し付ける形である程度の穏便な形にする交渉はできるし、下がり切った水準と比較すれば、超合衆国での生活が帝国最盛期時代より低くても感覚がマヒして受け入れる奴は多いだろう。
おいおいマジか。それが理由か!?
「デコイではないヅラザベスだ。だが一つの手ではある。急激な変革や辣腕の連発は反感を生む。だがその後に自分を討つ相手が政権を握る前提ならば、やり得という物だ。……やり切ってから討たれれば、後の者が辣腕をする必要も減るので治世も安定するだろう」
納得顔のヅラザベスだが、中々に怖いことをしてくるものだな。
とはいえ、それを知って納得できる者達ばかりでもないだろう。
「……上から目線にもほどがあるな。その為に幾多もの犠牲者が出ても仕方ないとでも?」
諸星が鋭い視線を敵意も向けて告げるが、ルルーシュは動じることなく首を横に振った。
「まさか。どれだけその後の世界に益があろうと、俺が成したことは多くの犠牲を生んできたことに違いはない。それまでも、更に以前もな」
真っ直ぐに視線を受け止め、ルルーシュは静かにそう言い切った。
「撃たれたのだから許せなどというつもりはない。撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけで、俺はゼロレクイエムに至るまでにも幾多もの犠牲を強きすぎた。意図せぬ形ではあるが、第一次ブラックリベリオンの始まりも第二次ブラックリベリオンの結末もだ」
真っ直ぐに受け止めた上ではっきりと告げる。
「俺のギアスは俺の罪。幾多もの間違いの果てに知ったのは、世界が明日を望んでいるということ。俺は己のギアスという願いで人を捻じ曲げ続けてきた責任を取ったに過ぎない。……今の状況は不本意であり、またそれを理由に許しを請う気など一切ないとも」
その静かな宣言に、諸星は険こそ取れてないが何も言わない。
文字通り世界全ての命運を動かし、その業の報いを自ら受けた男の言葉だ。その重みを無視するわけにもいかないだろう。
そして、だ。
「そういうことならその点については剣を納める。……その点について問答無用で攻めるような神経があるなら、俺は
そこははっきり言っておこう。
本当に、それはもう責められない。
「思った以上にすんなり納めるのだな」
「世界の秩序や未来の為に、少数に犠牲になってもらうのは社会の背負う業でしょう? というより、
コーネリア司令に対して、俺はそう言うほかない。
そして、サーゼクス様がそれに頷いた。
「神器については簡単には伝えていただろう? 神器を宿した人の中には、適合できずに体に悪影響が出るならまだマシでね。中には制御ができず暴走によって甚大な被害が生まれることや、道を踏み外して凶行に及ぶ者がいる。……神の子を見張る者はそういった者達を未然に排除することを行っており、和平前より大半の勢力が堕天使の責務として容認している」
「ちなみに、国家含めた人間側の大半も含まれますので。……正直和平前から縄張りの責任を代わってやってるんだから、堕天使を和平のヒエラルキー頂点にしてくれてもいいんじゃないだろうか……五大宗家にマウントとりてぇ……っ!!!」
補足説明したら溜まってた鬱憤がちょっと口から出てしまった。
「
「おそらくウツセミ事件のことだろう。日本政府とも繋がっている異能組織の五大宗家で、冷遇されている者達が神の子を見張る者から脱走した者の技術提供を受けて色々と騒ぎを起こしていてね。その脱走者が最高幹部で、特権で囲っていた本来排除される神器保有者まで連れて行ったことが原因だろう」
不思議に思っている明石にサーゼクス様が説明するけど、あれは本当に酷かった。
「豪華客船沈没させたのも修学旅行生拉致って実験体にしたのも制御の為に肉親まで攫ったのもあいつらのはぐれものだろうに。……しかもはぐれものの暴走は完璧に
思い出したらマジむかついてきた。
赤龍帝もうんうんと頷いてるし。
「五大宗家も大王派張りに老害が多いみたいっすからね……。ま、俺も堕天使の活動には思うところありますけど……アザゼル先生達は悪い人達じゃないですから」
赤龍帝がちょっとすすけていた。
「……意外と落ち着いてるな。気になったりしないのか、兄ちゃん?」
と、坂田がちょっと突っついてきた。
ま、こういうのは必要悪の暗部で大手を振って肯定されるものではないしな。
ただ、赤龍帝は苦笑いだった。
「気になるどころか、俺殺された側だし」
沈黙が響いた。
「殺されたの!? 生きてるよねアンタ!?」
「ど、どういうことだよ!? え、お前も不死身なのか!?」
志村とか進次郎が全力で驚くけど、まぁなんとなく分かる。
「転生悪魔は
実例を見たことはなかったけど、聞いたことはあったので聞いてみる。
と、赤龍帝はうんうん頷いてた。
「そうそう。俺とかアーシアとか木場とかギャスパーとかそれな」
「多いなグレモリー眷属。狙ってるのかってレベルなんだが」
「はっはっは。リアスはそういうタイミングに何故か居合わせることが多くてね」
俺が驚いているとサーゼクス様がそう補足する。
「もちろん、そういった堕天使の活動はあくまで必要悪であり、アザゼル達も積極的に好んで行っている訳ではない。和平がなされてからは各勢力も技術・人材・資金を提供して協力体制で改善を図っているし、和平前において発生している諸問題はどの勢力も似たようなものだ」
「……ブリタニアの差別的侵略政策に積極的に携わっている私が言えることではないな。少なくとも、当時の帝国よりは余程人道的な立ち回りをしているようだ」
コーネリア司令はそう納得するが、まぁよかったよかった。
「……どこもかしこも大変だということか。それにしても兵藤とかいったか……お前はそれで納得しているのか?」
「え? そりゃレイナーレとかコカビエルとかろくでもない堕天使はいるけど、それは悪魔だって同じだし。サーゼクス様やアザゼル先生達良い人もいっぱいいますし」
諸星に聞かれて、赤龍帝はあっさりと即答する。
この男、人間力強いな。
「綺麗ごとだけでは動きたくても動けないことが多いってことだな。その辺りのすり合わせも後でした方がいいだろうけど、そろそろ話を次に進めよう」
と、タイミングを見計らっていたのかホライゾンが立ち上がる。
「現状においては、どの世界からも懸念点があることは間違いない。だからこそ気を付けるべきは……ルルーシュ達の世界における懸念点。そこについては?」
「正直、黒の騎士団と敵対中の勢力……という点なら一つ大きいのがある。最も現状ではシャーデンフロイデと手を組んでいるかなどは探りようがない」
そう返す藤堂殿は、モニターを操作する。
そしてそこに映し出されるは、色が塗り分けられた世界地図。
……大半が黒く塗られている陸地の、十数%が白に染まっている。俺達の地球で言う北アメリカ大陸辺りが比率としては大きいが、北海道も白くなっている。
真面目にツッコミたいけどどういうことだ?
「黒で塗られているのが超合衆国に批准している国家だが、白く塗られているところは明確に敵意を示している勢力。……合衆国日本ホッカイドウブロックを征服したネオ・ブリタニア帝国を頂点として活動する軍事同盟―シュネーヴァイス軍事同盟だ」
《Other side》
「お、誰かと思えばカーミラギルティじゃねえか! どうよ、例の連中は?」
「ファブニル・ダインスレイブか。音に聞こえしテイルレッドは勿論だが、肩を並べるにたる猛者が多いようだ。特に志村新八……素晴らしい」
「ほぅ? 俺が見た時はよく見てなかったが……。お前さんが言うならアイドルが絡めば本気になりそうだな」
「へぇ~。それは一度見てみたかったね。カーミラギルティ君レベルなら、きっと狂気レベルの本気で動けるだろうし」
「……ドグラ・マグラ殿。そういえばスカウトは失敗したと聞きましたが?」
「そうなんだよねぇ。おっぱいドラゴン君とは共に歩きたかったから残念だよ。禍の団の人達にいっぱい頭を下げて、チャンスをゲットしたのに残念だ……っ」
「泣く時も本気だよなぁ、ドグラの旦那。っと、そういえば宣戦布告はそろそろか?」
「そういえばそうだな。
「もちろんです。
「お、シャムナ皇妃じゃん。夫は落ち着いてるかい?」
「もちろんよ、ドグラ・マグラ。カリスも最近は笑顔になることが増えて何よりです」
「傀儡のお子様はメンタル大変だろうねー。ノーランドはノーランドで、僕とは別の意味で容赦ないしね。君は酷使しないの?」
「ブリタニア帝国貴族をなだめるのには十分すぎるほど働いているもの。それに幼い頃のシャリオを思い出すから、そう酷いことをする気にはならないわ。貴方達にも余計な手出しはさせないわよ」
「怖い怖い。流石は世界最強の傭兵国家の王族だ。同じ傭兵としちゃぁ、国政に口出しする止まりの俺よりやばいんじゃねえか?」
「手法が異なるからそこまでは語れませんよ、ファブニル・ダインスレイブ。最も、正面から戦えば
「ふふ。貴族達を宥めて、開拓活動も進んでいると聞きます。あの抜け殻達は有効に扱えますか?」
「カーミラギルティですか。ええ、軌道には載せれてますからそこは感謝します。資源と物資については豊富であればあるほど便利ですからね」
「うんうん。君の強い想いには、僕も期待してるんだよ。文字通り死んでも願いを成し遂げたいという、その狂気レベルの意思には感服してるとも」
「そこは素直に褒められておきましょう。私としても、貴方達にはぜひ混沌を広げ……戦争を消さないでいてほしいですからね」
「シャムナ様。各エリアの代表が待っておりますので、そろそろ……」
「……分かりました。では三人とも、伺いたいことはありますが後にさせてもらいますよ」
「「「ナム・ジャラ・ラタック」」」
「……敬意を向けられていると考えておきましょうか」
「……シャムナ皇妃も精力的に活動しているようで何より。流石は我らシャーデンフロイデの最高幹部が一角だ」
「
「そうだよねー。彼女が僕達の力を上手く使えば、凄い未来がたくさん絞り出てきそうで……最高だよ」
「……漸くここまで来た。無限新生を代価にした奇跡……これを逃せばもう後はない」
「今度は好きにはさせませんよ、悪逆皇帝ルルーシュ。貴方が門から戻ってきた事実こそ、Cの世界に干渉できることの証明。……今度こそ、私達は負けません……っ!!」
《富久山蒼一Side》
簡潔に、さっきまで聞いた話を脳内でまとめる。
1:超合衆国加盟国が増える中、旧ブリタニア帝国が色々と揉める。
2:旧ブリタニア帝国の所業に対するヘイトがその揉めもあって表面化。ブリタニア・バッシングとして幼子までターゲットにされる事態が社会問題に。
3:合衆国非加盟国家で加盟国側の要人が誘拐。それに伴い黒の騎士団が派遣され併合される。
4:それに伴い、同盟を結んでいたリューネベルク公国と傭兵契約を交わしていたジルクスタン王国が共同声明で黒の騎士団に宣戦布告。
5:リューネベルク公国は制圧するが、ジルクスタン王国はそれに呼応した近辺の軍事部隊による挟撃を受ける形で黒の騎士団が敗走。
6:リューネベルク公国で使用されたフレイヤ及び、ジルクスタン王国の新型KMF部隊、呼応した多数の軍事部隊の牽制として精鋭が派遣されたタイミングでホッカイドウブロックが襲撃される。
7:ダモクレス予備機を引き連れたノーランド・フォン・リューネベルク達によってホッカイドウブロック制圧及び、シュテンペバリア起動。ネオ・ブリタニア帝国を名乗りホッカイドウブロックを根城にする。
8:同時放棄する形で旧ブリタニア植民地で武装部隊が放棄し、複数地域がエリアとして制圧。また一部の合衆国非加盟国も同盟を宣言。
9:最終的に「シュネーヴァイス軍事同盟」として、黒の騎士団に改めて宣戦布告。同時にネオ・ブリタニア帝国皇帝カリス・アル・ブリタニアと、ジルクスタン聖神官シャムナの婚約も発表される。
……なんというレベルの事態が発生しているのか。
いやまぁ、ブリタニア・バッシングは分かるけどな。
「……酷いな。ブリタニア帝国ってのが色々やってたのは分かったけど、子供達を狙うなんて滅茶苦茶だろ。シャルバかよ……っ」
赤龍帝はブリタニア・バッシング案件に強く憤っているが、そういうのは美徳だろうな。
「坊主にくけりゃ袈裟まで憎いっていう奴ですよ。ま、赤龍帝は実感湧かないタイプでしょうけど……でなけりゃ普通、アザゼル前総督とかと仲良くなれませんぜ」
「え~? そりゃレイナーレとかコカビエルとか、堕天使にやばい奴も色々いますけど。アザゼル先生やバラキエルさん達は良い人達じゃないですか。一緒にしたら駄目でしょ?」
これを素で言えるのは間違いなく美徳だな。
だが、美徳を持っている者ばかりってわけでもない。
「俺達の世界で異星人に対して敵意を見せている人が多くなっているけど、似たような物なのかもな」
「分からなくはない。人ってのはどうしても肩書やブランドを判断基準にすることが多いからな。……それだけじゃないって分かっても、分けきれる人ばかりじゃないのが厳しい所だ」
進次郎が苦虫を噛み潰したような顔になるが、ホライゾンが彼らに理解を示す。
「話を聞くと、君達の世界における異星人に対する知識は「地球人達に危害を加える怪獣などの敵」と「人類を守ってくれたウルトラマン」という二極化なんだろう? そんな状況だと異星人をイコールで危険な敵とみなしてしまうのは無理もない。別のリスクはあるだろうけど、星団評議会に加盟した時点で限定的に情報を広めてなかったことが大きいだろう」
その上で、ホライゾンは話を戻すように視線を世界地図に向ける。
「ブリタニアバッシングにしてもそうだ。帝国時代のブリタニアの侵略活動と差別政策を考えれば、世代交代でも進まなければ消えないほどの偏見と遺恨を各エリアの人達に植え付けてしまっているのは間違いない。バッシングそのものを肯定する気はないけれど、するなと言って抑えられる程度の遺恨ではないだろうさ」
シビアな物の見方だが、正論ではあるだろう。
坊主にくけりゃ袈裟まで憎くなるのが人情という物だ。まして積極的に害を与えられているというのなら、潜在的な恨みつらみは多い。積極的に外征してまで危害を加えろというのは論外。だが距離感を上手く用意する必要があるレベルの遺恨は出てしまうだろう。
「こういう事態を可能な限り避けることも考え、徹底的にブリタニアを破壊したのだがな。……三年足らずで社会問題レベルになるとは、見積もりが甘すぎたか」
「むしろ三年程度で漸く社会問題レベルに活発化したというのは、相当レベルで効果があったんと思うけどな」
ルルーシュが自分の手抜かりに落ち込んでいるようだが、むしろ十分もった方だろう。
だが、それが遠因になって結成したのもシュネーヴァイス軍事同盟なわけだが。
「とはいえそれでも地球全土の十数%止まりだ。かつてのブリタニアの侵略政策に比べれば雲泥の差。普通はこんな状況で宣戦布告などありえない……が」
藤堂殿はそこで言葉を切り、視線を俺達に向ける。
「現状ではそうも言ってられん。現在情報が届いている範囲では、シュネーヴァイス軍事同盟の土地は全て確認されている。ここから立てられる仮説が一つある」
「シュネーヴァイス軍事同盟がシャーデンフロイデと手を組んでいる可能性だな。とはいえ、只の軍事同盟に態々禍の団クラスの勢力がそこまでするほど手を貸すだろうか」
サーゼクス様が仮説を当てながらも疑念を唱えるが、そこでルルーシュは首を横に振った。
「そこに関してだが、そうでない可能性がいくつかある」
そういうと、ルルーシュはモニターに映像を映し出して遺跡と思われるものを映し出す。
「俺達の世界に存在する異能、ギアス及びコード。これらは大昔に遺跡などが存在し、ギアス嚮団といえるものがある。……シャルル・ジ・ブリタニアの兄であるヴィクトル・ジ・ブリタニアが教主V.V.として活動していた主流派は俺が滅ぼした……が、ジルクスタン王国は分派であるファルラフを中枢とする国でもある」
なるほど。異能関係があるということか。
となると問題は、ギアスという異能の性質だな。
「ギアスとコードに関して、概要だけでも説明してほしい」
「……ギアスとはコードを保有している者から与えられる形で会得する異能だ。天変地異を起こすような力はない細やかなものだが、俺のように資質次第で対ブリタニアの戦略を数年飛ばしで始められる程度には使いようがある。基本的には精神に働きかける形の異能を、本人の肉体的適性と精神的願望に基づく形で会得するものだ」
そういうと、ルルーシュは更に機器を操作していくつかの人の姿を見せる。
「俺の場合は、いかなる命令も一回だけ聞かせられる絶対遵守で、シャルル・ジ・ブリタニアは他者の記憶を回数無制限で書き換えることができる記憶操作と、どうも皇族はギアスと縁が深いことからくる影響なのか、強力なギアスを会得しやすい。反面資質がないと効果が低いがデメリットを背負う場合もあり、広範囲の他者の体感時間を停止する代わりに、停止中は己の心臓が止まるといったケースがある」
色々と情報が多いな。
というか、それってつまり多種多様すぎて手の内が分かりづらいな。
「ただし欠点も多い。まず手に入れたギアスがどういったものなのかは与えたコード保有者もギアスを得た者も狙って得られるわけではなく、手探りで探っていかねば詳細が把握できない為運の要素と自己研鑽が必須だ。また資質が低ければさっきの説明のように弊害が発生しかねないが、資質が高くても問題でな。大体三段階に分けられるが、二段階目に到達すると、三段階目に到達するまでギアスが常時発動してしまう。心を読む二段階目のギアス保有者と会ったことはあるが、常に錯乱しているような精神状態だったよ」
また面倒な。
そしてルルーシュは遺跡について操作する。
「そしてギアスが暴走状態に陥った者に押し付ける……もしくはその先に至った者が奪い取る形で会得できるのがコード。その根幹は人々の意識が繋がるCの世界という物に繋がっていることに由来しており、コードの不死はそこからの修正。遺跡と併用することで空間転移や一種の時間からの隔離などが起こりえる」
「……そういう意味だと、
ホライゾンがそう言うと、ルルーシュは頷いた。
「時間軸すら焼失したはずの極晃星……おそらく、それを形にできた存在こそがシャーデンフロイデにおける根幹だろう。そしてCの世界にも知見があるからこその我々の世界に対する干渉と考えるべきだろうな」
「そして、お前はコードを受け継いでいたらしいな」
と、コーネリア司令が若干釘を刺すようなことを言う。
まぁ、今の流れだとコードを受け継いでいたことが原因だと考えるべきだ。
ただ、ルルーシュはどうやら不満げだったが。
「これに関しては誰にとっても想定外の事故だ。全人類をCの世界に繋げようとしたコード保有者と対峙した際、Cの世界そのものから拒絶されて奴は消え去る結末を迎えた。……その時に一瞬首元を掴まれたのが原因だろう」
そう言いながらルルーシュが見せる胸元には、UとYの字を足して割ったような形状の紅い刻印があった。
あれがコードやギアスに関わる異能に繋がる証……と見るべきか?
そう思っていると、それを若干疎んじる様子で、ルルーシュはため息をつく。
「本来、コード保有者となったものはギアスそのものを失ってしまう。だが俺の場合は半端な継承だからこそギアスが併用でき、だからこそいつ消えるかもしれない仮初めの不死だ。正直生き恥を晒しているとしか言いようがない。……世界の行く末に関わるべきではない虚ろな存在だよ」
「だが、そうも言ってられない状況だろう。……見ろ」
と、コーネリア司令はモニターを操作すると、そこに映し出されるのはコードの紋章だった。
「シュネーヴァイス軍事同盟が行ったものと思われる、超合衆国に対する工作活動。その現場に残された紋様だ。……更にシュネーヴァイス軍事同盟はこちらの交渉において、お前の存在を示唆する発言をしたという報告がある。……お前を敵としているのは間違いないぞ」
「同感です。そもそも、ファブニルが彼のギアスについて言及していますしね」
そこでホライゾンも同意見を示す。
「だからこそ危険で、相手が何を考えているのかも分からない。せめて最高幹部クラスの思惑が分かれば、まだ対応はできるだろうけど……」
「探偵小説になぞらえるのなら、
ルルーシュがそう言うと、そこで手を挙げる人がいた。
「……そのことなんだけど、もしかしたら分かるかもしれない」
その言葉に、注目が集まる。
赤龍帝は少し言いづらそうにしながらも、意を決したようだ。
「サーゼクス様達に相談するつもりだったけど、この感じだと多分情報提供した方がいいと思うんだ。……ドライグ、映像出せるか?」
『ああ。色々あったから仕込んでいるが……いいのか?』
籠手の中の赤き龍が、もの凄く言いづらそうにしている。
だが、赤龍帝は躊躇わなかった。
「いっそのこと、ここにいる人達にも協力してもらおう。それぐらいの苦行が待ってるんだからな」
何か重いことを言っているようだが、一体何があったというんだ?
『……まぁ、そういうなら』
そして赤き龍はもの凄く微妙なトーンなのが何でだ?
そう思った時、赤龍帝が籠手を具現化すると映像が―
『『『『『『『『『『ぽちっとぽちっと、ずむずむいや~ん!!』』』』』』』』』
「『あ、間違えた』」
―いい笑顔でタキシードを着ている男女が映った
「なんだこの変人集団はぁあああああ!!」
『おケツもいいものだよ、赤―』
「ごめんごめん間違えた。俺を助けて消滅した、歴代の赤龍帝の残留思念の最後の映像なんだよ。……頭痛くなるよなぁ」
志村のツッコミが響く中、赤龍帝が慌てて映像を消す。
いきなり話の腰が折れたが、続いて映し出される映像に俺達は警戒心を増す。
『……ふぅ。とりあえず一旦話を聞いてくれよ、ISSEI!』
そう、額をぬぐいながら赤龍帝を宥める男が映し出された。
ある意味ギアスと星辰光は、この作品において対を成す要素かもしれない。そんなこと思ったり思わなかったり。
そしてギアス方面において、シャーデンフロイデ側の筆頭はジルクスタン王国。ある意味で功績がありすぎることもあり、シャーデンフロイデ全体で見ても最高位の幹部やってます。
そしてシャーデンフロイデの支援なども踏まえ、ネオ・ブリタニア帝国や平和な世界になじめない者たちを抱きかかえての連合組織結成。名前からして黒の騎士団にケンカ売っている上、この事態を生かして圧倒的な優位性を得ております。
そしてそれは置いておき、やってついに明かせます……本作におけるイッセー最初の試練が……っ!!