やっぱ一つだけだとダメですよね。いろいろ組み合わせながら頑張るほうが最適な気がします。
とりあえず自分は蕎麦ダイエットをメインにしつつ、歩く距離を増やし、新陳代謝をカイロで活性化させつつ、スクワットといった筋トレで基礎代謝を上げていこうと思っております。
では本編!
《富久山蒼一Side》
『うっせえよ! いきなり辺り一帯おかしなことになってこっちはびっくりしてんだ……お前、禍の団か!!』
そう赤龍帝の怒鳴り声が聞こえるが、男は宥める様に両手を前に出す。
『同盟者ってところだね。禍の団を今統率してる彼とは、割と話が合うからそういう意味じゃあぁあってるけど……自己紹介をまずしよう』
何故か顔が見えない男は、そう言いながら宥めてくる。
「隠蔽用のライトか。となると、ドグラ・マグラの一員と見るべきだね」
「中々の技術力ですね。
アララギ殿とトゥアールが感心しているが、相当の技術力なのは間違いない。
異能でも近いことはできるが、それを科学で成すとは中々に驚異的だろう。
そしてドグラ・マグラ案件なのは俺も同意だ。
恰好が、格好の雰囲気がまさに奴らのソレだし―
『僕はドグラ・マグラ! 禍の団とかと一緒にこの事態を引き起こした組織……ドグラ・マグラを率いる者さ!!』
―って凄いことを言ったぞ。
「こいつが、ドグラ・マグラの親玉……!?」
「思わぬところから、ドグラ・マグラの中枢に近づいちゃったね……っていうか自分の名前と組織の名前を同じにするのか!?」
明石と野原が驚いているけれど、確かにな。
「なんとなく分かるわぁ。なんつーか、ファブニル・ダインスレイブさんと似た雰囲気感じるわぁ~。……自分の名前を組織の名前にするところが特に」
坂田がいうが、確かにな。
そういえば、ドグラの旦那とか親しげに呼んでいる奴がいたな。となるとコイツか。
で、問題はだ。
『そして、僕は君を……スカウトしに来た!』
きれいにタメて、ドグラ・マグラがとんでもないことを言い出してきたことだ。
『……スカウト? 俺を? お前が? 禍の団なのに?』
赤龍帝も明確に困惑している。
当然だろう。禍の団にとって赤龍帝兵藤一誠は天敵中の天敵だ。
デカい作戦には大抵関与しており、そして大派閥の大幹部が高い確率で倒されている。
そんな奴を禍の団がスカウトするとか、頭がおかしいのかといいたくなるだろう。
『厳密には同盟組織だからね。まぁ大反対されたけど、そこは技術供与と拝み倒しでなんとか一回チャンスをもらったんだ』
しかも大反対されてた。その上で大枚はたいてまでスカウトしに来たのか。
相当の苦労をして成し遂げたようだ。そこまでするほどか。
若干戦慄していると、映像のドグラ・マグラは右手を差し出す。
『いっせい。君が僕たちドグラ・マグラの一員になってくれるのなら……今後の作戦で手に入る僕の取り分になる世界、それを七割をあげよう!』
そしてとんでもない取引を持ち込んできやがった。
世界の取り分全部とか、正気か。RPGの魔王でもフィフティフィフティだぞ。
俺以外の面子も、その大胆過ぎる勧誘に集中度合が上がっている。
『何考えてんだ? そんなに俺の神滅具がすごいってか?』
『いや、そこは別に』
しかも赤龍帝の籠手は大事でないと?
神滅具だぞ? 前人未到の進化も遂げているぞ? 割と真面目に価値ありまくりだぞ?
それが別に重要でない。なかなかすごいことを言ってくるなこいつ。
『僕が欲しいのは君という個人。より厳密に言うならば……狂気ともいえる、君を前に進ませてきた想いの強さだ!!』
そう、強く力を込めた声で赤龍帝に宣言する。
『だからさらに分かりやすく勧誘しよう! 僕はすごい未来を見るために君のすごい想いが欲しい!! 君がすごい想いで僕に助力してくれるのなら……君にハーレムを約束しよう!!』
『……ぐ……ぐぐぐぐぐっぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぅ~っぐぅ、具体的にどんな感じで?』
盛大に揺らがないでくれ赤龍帝。
と、ドグラ・マグラはモニターを動かすと、SF作品とかでよく見るような培養カプセルをと、とても色っぽい恰好をしている悪の女幹部みたいなのを映し出す。
「うぉおおおおおお! 右、右側をもっと!?」
野原が煩悩に忠実すぎる歓声を上げるがもうスルー。
明石とか志村とか進次郎とか、めっちゃ顔が赤くなってすごいことになっているが青少年なら仕方ない。なんたってエロゲーとかに出てきそうな格好だしな。
『ドグラ・マグラの手にかかれば、君の望むとおりの美女を用意しよう! なんたってドグラ・マグラという組織の正規構成員、僕以外は僕や組織が開発した人工的に培養して創り出しているからね!! 旦那ぁ~、エロい恰好の女の人たくさん用意できてますでしょぉ?』
『……………………………………………いや! なまかは裏切らないはらへ!?』*1
すごい揺れ動いて噛んでいるが、とりあえず乗り切ったのでスルーしよう!!
『ててってててててっっっいうか!! なんでそんなに俺を求める!? 赤龍帝だからじゃないなら、何でだ!?』
話を逸らすことも目的だろうが、赤龍帝は切り込んだ。
それに対して、ドグラ・マグラはうんうんとうなづく。
『それは、君が僕だからだよ、イッセイ』
と、なんかすごいことを言い切った。
とてもやさしく温かい表情を浮かべていると、ものすっごく確信できる声色だった。
え、これどういう状況?
『自分が望む未来のためならば、たとえ圧倒的強大な存在が相手だろうと立ち向かう”狂気”! 僕は君のそれに……かつての僕を見た!!』
なんかつーと涙が流れている気がしますぞ?
『君の性格を当ててあげよう! 君は、己が”見たい”と思った光景を見るためならば……命すら惜しまないだろう?』
『な……んでそれを!? まさか、京都でロスヴァイセさんと相討つ覚悟を持ったところ、見てたのか!?』
「いや赤龍帝。同胞と相討つ覚悟を修学旅行で持たないでください」
さすがに突っ込んだが、映像の赤龍帝は間違いなく動揺している。
そしてドグラ・マグラは首を横に振っていた。
『ただのプロファイリングさ。そしてこの世は、ボクや君のように、理解の及ばない凡人達によって排斥されるような……己の”欲望”に命を懸けられるもの達こそが進歩した未来を作っているんだ』
自信をもって宣言するドグラ・マグラ。
その有様に赤龍帝も即座の対応はできないんだろう。
『そして、ボクの目指す”すごい未来”を迎えるためには僕一人では時間がかかりすぎる!! だが”未来”は時間ではない。僕一人では足りない……ボクやキミが持っている狂気をもって絞り出せば、いくらでも出てくる!!』
熱意をもって宣言し、その上で改めて奴は手を伸ばす。
『どうかね……共に、愚かな凡人共から世界を手に入れてみないか、ISSEI!!』
『ふざけんな! 俺が、禍の団みたいなテロリストと一緒だって!? なめんな!!』
赤龍帝は動揺しながらも、堂々と言い返す。
『そりゃ、禍の団にもかっこいいって思える奴はいる!! だけどなぁ、俺が禍の団みたいなテロリストに成り下がると思われるのは迷惑だぜ!!』
その宣言、ドグラ・マグラは一瞬だが沈黙して。
『……そうか。やはり君はわかってないんだね……自分のことが……っ』
なんかめっちゃ涙を浮かべているのが分かった。
そして同時に、後ろで足の生えたホワイトボードとモニターが運ばれてくる。
『ではまず、そこから教えるとしよう……』
と言い出して、ドグラ・マグラはモニターのスイッチを入れてからペンや資料を取り出した。
―問題は、ここからだった。
《アシュレイ・ホライゾンSIDE》
『まず、そもそも僕がどういう理由でどんな行動をしているかを教えよう』
そう言いだしたドグラ・マグラがモニターに映し出したのは、一冊の子供向けの本だった。
『幼い頃、百年後の未来を夢見て描いたすごい本に、僕は本気で感動した。君も似たような本を小さい頃に見たことはないかい? 空を自由に飛ぶ車が行き交い、新エネルギーが世界中の機会を動かし、人々はボタン一つで幸せに。そんな素敵な百年後だよ』
そ、それだけならまぁ、俺もわかるかな。
新西暦でも似たような本がないわけではない。まぁ子供向けの作品でよくある類かな。
ただ、ドグラ・マグラの雰囲気はそこで変わる。
『だが百年以上たって……君たちの次代になってみてどうなった?』
怖さを感じる鬼気迫る奮起を、ドグラ・マグラは増える。
『チューブの中を走る車は!? どこでも行けるワープドアは!? 取り替え不要の原子力電池もお手伝いロボは一体どこにあるという!?』
全身から汗を浮かべ、震えながらドグラ・マグラは声を荒げていく。
『できたと言えば片手サイズの小さいコンピューター電話やら、金持ちでも贅沢でするレベルの成層圏ちょっと出る程度のプチっと宇宙旅行だとぉ?……ふぅっざけるなよぉ!!!!』
憤りをこれでもかと込めた絶叫を、ドグラ・マグラは上げていく。
『すごい未来はかけらも来ない!? 核融合炉で動くロボット兵器が惑星の覇権を争わない!? 光速を越えて恒星と恒星の間を転移するポケットサイズのアイテムも出てこない!? 動物と人間を融合させた強化兵士部隊の凱旋パレードも見れない!? ユートピアどころかディストピアでもない、すごい未来がまったく……来ない!?!??!』
絶叫すら上げたドグラ・マグラは、その上でにやりと笑う。
『だから僕はドグラ・マグラを作り上げたのさ。未来は時間ではない……締め上げれば締め上げるほど絞り出せるのだから……絞り出すための組織をつくればいいとね!!』
『ふざけんな……めちゃくちゃじゃねえか!?』
兵藤はそういうけど、ドグラ・マグラはむしろ得意げだった。
『実際君たちだってそうだろう? 今は亡き聖書の神が作り上げ、人間やその血を引く者たちに宿る
兵藤を、まるで歌姫を見るように見つめるドグラ・マグラは尊敬の意思すら見せてきた。
『SOUSOUたち英雄派は! 愚かな凡人や
うれしいのか飛び跳ねつつ、さらにドグラ・マグラは続けていく。
『そして君たち二天龍は! それぞれ全く異なるアプローチから……禁手のその先や覇の進化系を編み出した!! 特に君の
ポーズまで取ったドグラ・マグラは、堂々と兵藤に手を伸ばす。
『だからこそ! その根幹をなす君のおっぱいへの狂気を!! 悪魔の駒を広めながらも神器強化用にデチューンしない……というか何百年も前に作ったチェスの駒バージョンからさらに新しいモデルを作ろうとしないような!! 愚かな現魔王政府なんかに縛らせてはいけない!!! 何より君の女体への想いは……倫理観の元では迫害されるだけだ!?』
『待って待って待って!? 男がおっぱいを求めるのは……普通だろ!?』
そこでいいのかい兵藤!?
正直指摘したかったけど、ドグラ・マグラが涙を飛び散らせる勢いで首を振るのが先だった。
そして、ドグラ・マグラは映像を流しながら資料を見せてホワイトボードに図や文字を書いて講座を開いたけど―
その一:米国大学で行われた、男女別に外見をほめてからの「一緒に食事」「家に及ばれ」「SEXの誘い」の結果による、男女間の性欲に関する考え方が正反対に近いことの証明
その二:哺乳類の主の存続対する雌雄による違いに基づく、「男女間の本能的思考ルーティン」の違い。
その三:ネットという物における男女間の違いに関する、学者が提示するツイートという物からくる、男女の考え方の違いの具体的な提示。
その四:いわゆる性犯罪などの男女差と、被害者のPTSDに伴う男女間の性的観念の違い。
その五:男性観点の話が多くなったことに伴い、女性側における男の抵抗の大きい部分……男同士の掛け算等の説明により、男女差の対比。
―みたいな展開で、兵藤が崩れ落ちるまで続いた。
『そんな、馬鹿な……!?
そして兵藤は愕然としていて、意識が怪しいレベルだった。
『その通り。君が悪魔になり、木場祐斗と仲間になってよくつるむようになった結果、わずか半年で生徒会に摘発されるまでに十六冊も敢行した「野獣兵藤×木場きゅん」と同列なんだよ』
わざわざ現物をちらつかせてくるドグラ・マグラによって、兵藤はさらに揺らぐ。
『摘発された文芸部どころか、摘発した生徒会の女子まで俺と木場の受け攻めを聞いてくるのが、俺の覗きで、日常のエロ談義……!?』
『Oh YES! そして普通に警察沙汰にするなりすればいいのに、追いかけまわして無抵抗の状態で棒で叩く、集団リンチで殺人未遂をするような民度の悪さの一つさ!』
更なる追撃が入った!?
『女子がいつもするあの黄色い妄想に苦しめられる感情が、女子が俺を毛嫌いする感情の原因と同類……!?』
『イィイイグザクトリィイイイイイッ!! 摘発にめげずに今に至る二か月足らずで続刊まででき、今度は異形社会にまで流通し始めている新シリーズ「プリンス×ビースト」のようなものだ!!』
今度は天に掲げてきた!?
『異形の社会にまで流通してんのかよぉおおおおおおおおおおおっ!?』
天を仰いで、映像の兵藤が絶叫した。
そしてこっちの兵藤も机に突っ伏した。
「……大丈夫か!?」
「ふ、ふふふ……。ぶっちゃけ、思い出すだけでかなりきつい……っ」
進次郎君が慌てて肩をゆするけど、兵藤は相当参っているようだ。
そして映像では、ドグラ・マグラが力強く手を差し出している。
『来るんだ、一誠! 分かっただろう……君の生き方は人間社会とは相容れない! だが僕らなら、少なくともドグラ・マグラならもっと最高の環境を提供できる!!』
すごい勢いで勧誘しているドグラ・マグラは、俺から見ても切実だった。
搦め手や対価による誘導はあるだろう。だがその心にあるのは兵藤と共に歩みたいという切実な思いだ。
正真正銘、誠意をもってドグラ・マグラは兵藤をスカウトしている。
だけど。
『いや……断るっ!!』
兵藤は、その手を振りほどいた。
『な………何故だぁ!? 自分の真実を知ったのなら、何の為に戦うかだって迷いが生まれているだろう!?』
『いやそれはねえよ。そこは全くない』
と、驚愕して絶叫するドグラ・マグラに対し、兵藤は思わず素で返していた。
なんでそうなるのかが分からない。そう態度で示している。
『確かに、俺はハーレムを作るのが目的で頑張ってる。上級悪魔になって眷属全員可愛い女の子で構成したい……いや、それができることは前例があるから尚更。ただのハーレムじゃなくて最強最高のハーレムにしたいって、そう思い直してはいるけどな』
そこはブレないんだ。
何人かが「こいつ凄いな」という視線を兵藤に向けるけど、映像のドグラ・マグラは絶望すら感じるぐらい動揺している。
『なら何でだ!? 君の行動パターンや能力に合わせ、最適なハーレムを創り出すことだってできる!! なんで―』
『それだけじゃ、ないからだ!!』
血を吐くように、兵藤は言い切った。
『俺のことを愛してくれるリアス達がいる。俺を信頼してくれる仲間達がいる。そして……俺を見て笑顔になってくれている子供達がいる!! 俺はハーレム王になることを目指しているけど、それだけじゃねえんだ!!』
明らかに精神的にダメージを追っているのか、移っている映像はフラフラと揺れている。
そういえば、彼が来た時も相当消耗していた。後で
『お前の言う凄い未来に……俺の望む未来は……ないっ!!』
宣言すると共に、映し出される映像に赤い雫が飛び散る。
『この一瞬で血涙を流す君に、それができるというのかい!?』
『やるんだよ意地でも!! それに俺には……俺には……っ!!』
血涙を流している!? それほどまでに!? え、そんなに!?
正直困惑している俺の視界に移る映像で、握りしめられる右手が見えた。
『ドライグがお世話になった、ドラゴン用の心の薬を処方してくれるお医者さんの当てがある!! 散々相棒を薬漬けにしたんだ……今度は俺自身の番だぁあああああ!!』
そしてそのまま赤い光がほとばしり、映像が途切れた……これで終わり、かぁ。
「……本当に、本当に壮絶な……壮絶な決意をする羽目になったよ。ドグラ・マグラ……今までである意味一番強大な敵だった……悪魔の誘惑にもほどがある……っ!!」
そしてこっちで肩を震わせている兵藤は、血涙を流していた。
「サーゼクス様……お医者さんに言付けが必要な時、お願いします……っ!!」
壮絶な決意で凄いことを言ってる!?
「それは構わないが、大丈夫かね? 君が倒れるとリアス達や冥界の子供達、そしてもちろん私も悲しむのだが」
そしてサーゼクスさんも、凄い心配している。
そんな俺達が何も言えない中、プルプルと震えていた志村が、立ち上がる。
そして大きく息を吸い―
「大真面目に阿保過ぎるわぁあああああああああああっ!!!」
―誰も反論できない大絶叫だった。
ハイスクールD×Dをクロスさせるに対する最大のハードルは、「イッセーが覗き常習犯」なことにつきますからね。これを解決しないとまとまる者もまとまらない。
そこに君は008のドグラ・マグラですよ。イッセーのことをとても高評価するだろうし、それを指摘させるのにも都合がいいという塩梅。勧誘するもイッセーが断る流れも作りやすいので、彼の存在にはとても感謝しております。