通販で買うのもなんだなーっと思ってた時、別件で足を運んだ野菜販売所でついに発見。ちょっと高くつきましたが、これで久しぶりにそばがきやガレットに挑戦できます! いやっほう!
それでは本編!!
《Other Side》
ネオ・ブリタニア帝国軍人を主体とする、シュネーヴァイス軍事同盟による奇襲作戦。
この作戦は基本的に、只の間引き。だが同時に、裏でいくつかのプランが進められてもいた。
「……作戦は大体終了したか。馬鹿な連中が上手く乗せられてくれて助かったな」
「まったくだ。ネオ・ブリタニアの連中には助かるというか、そんなんだからブリキ扱いされるんだというか」
そうため息をついた者達が、戦闘の音がする方向をちらりと見る。
「もっとも、意外ともっている気がするがな」
「ナイトメアフレームか。存外侮れないということだろう」
そう評価を改めたうえで、男達は後退する。
今後の戦いを乗り越える為、彼等もまた暗躍を続けていく。
『イレブンの癖に……しつけぇんだよっ!!!』
振るわれる大型のシュロッター鋼製の大剣が、周囲をまとめて薙ぎ払う。
ヴィンセントを駆るグラン・カークウェインはそれが空ぶったことを悟り舌打ちする。
今回の作戦に乗ったのは、大した理由があるわけでない。
筋金入りの差別主義者である彼にとって、イレヴンが強国となっている世界や、肯定的な協力者として異形が大きな力を持っている事実など不愉快でしかない。
それを潰す作戦を、兄であるグリードを含めた複数の同類達が提案し了承されたので、喜んで狩りを楽しむことも兼ねて参加を表明した。簡潔にその程度のことだ。
それがふたを開ければ、想像以上に抵抗が激しく思い通りにいかない。更には型落ちも型落ちである第四世代機に翻弄され、突入に成功した部隊も打撃を受け、カムデンが多数奪われる事態に。とどめに兄であるグリード及び同じく部隊を指揮しているディボック・メルテが「内側から防壁を破壊して戦力をより流し込む」という妙案も、すぐに対応されている始末だ。
ネオ・ブリタニアのホッカイドウブロック制圧において、内通者として相応の権利を手にした自分達であり、それゆえに提供された機体のカスタムや特殊武装の運用権限まで得ている。
間違いなく自分達は優秀だと、それを根拠にした自信があった。
だがしかし。
「いい加減にしろぉおおおおおっ!! 生身の人間をぶっ殺す為の武器じゃねえだろぉおおおおおお!!」
そんな風に逃げ惑う、明らかに手入れのなっていない髪の男に一回も当たらない。
業を煮やしてライフルを向けて放つも、信じられないことに割って入った傘で弾かれた。
「しみったれたこと言うんじゃないね、銀ちゃん! こいつら所詮、イキってるだけの小物ヨ!!」
「小物だからって舐めたら駄目だぞ馬鹿野郎ぉおおおおっ! だってほら、兵器乗ってるんだぞ兵器! 兵器ってのは兵士より強いから兵器なんだぞぉおおおおおっ!!!」
そして流れるように煽られ、グランの沸点はとっくの昔に限界を超えている。
自分用にある程度調整され、独自の兵器まで運用しているヴィンセントに乗っている。自分はネオ・ブリタニアの実力者であり、功績もあるのだ。
それが生身の人間二人に瞬く間に翻弄されており、冷静さも忍耐力もとうの昔に消滅している。
なので徹底的に追い回し、回り込んでは殺しにかかっているのにいまだに殺せてない。
「相手が雑魚だからって舐めたら駄目なんだよ! 兵器ってのは舐められないんだよぉ! 使ってるのが情けねえから生き残ってるだけなんだからな、俺達!!」
「どんな兵器も使いこなせなけりゃガラクタだよ銀ちゃん! 無駄な努力なんてさせずに、一思いに倒してやることこそ情けネ!!」
『本気で死にやがれぇえええええええっ!!!』
そして煽りに煽られ、ついに完璧に大爆発した。
ライフルを放り投げ、シュロッター鋼製の大剣を二本同時に構える。
そして勢いよく薙ぎ払いと叩きつけをほぼ同時に敢行。轟音と共に土煙が巻き起こり、えぐれた地面の破片と共に右腕の大剣が後ろに勢いよく振るわれ―
「……思った以上に隙だらけだなぁ、おい」
―その声に、モニターを確認したグランは目を丸くする。
薙ぎ払われたはずの銀髪の男が、振り切った大剣の腹に乗って木刀を振りかぶっている。
そして次の瞬間、大剣を掴んでいた右腕がへし折られる。
『な、な、なぁぁあああああっ!?』
信じられない光景に狼狽する。
寄りにもよって木刀で、ナイトメアが破壊された。
怒りも何もかも吹き飛び、恐慌状態のグランは開いている左腕で迎撃を試みようとして、しかし動きが鈍い。
そして視線を正面に戻せば、更に信じられない光景を目にしてしまう。
「ふんぬぅううううう……ぅらぁあああっ!!」
『……え?』
叩き潰したと思っていた少女が、大剣を掴んで強引に奪い取った。
『お、お前ら、助け―』
我に返って助けを求めるが、周りにナイトメアは一機としていない。
厳密に言えば、動いているになっているKMFは一機として存在しない。
「……これで全部ね。周囲の敵機は大体破壊できたわ」
「まったく。真っ先に逃げ遅れた子供を狙うなんてなんて奴らだ!」
そう息を吐きながら残心を取っている少年少女。
彼女達の周囲でナイトメアが制圧されている。
一部においては、コックピットの後部装甲が内側から曲がっている。あまりに意味不明な光景だった。
『なにが、なに……なにが……っ』
もはや現実を認識する能力が無くなったグラン・カークウェインに、盛大にため息をついたのは天然パーマの男。
「お前さん弱いねー。もうちょっとマジで頑張って鍛えてりゃ、まだ変わったんじゃね~の?」
そんな言葉に苛立ちを覚える余裕もない。
「人に偉そうなこと言うなら、自分自身をまず偉くしましょーね? これとっても大事」
そう言い捨てる男に気を取れたその時間は、あまりにもあまりにも致命的。
「こういう隙とかの話だオラァッ!!!!!」
勢いよく振り下ろされた自分の大剣に、ヴィンセントは綺麗に叩き切られた。
『この……カス共がぁああああああっ!!!』
ディボック・メルテは想定外の事態に苛立ちを隠せていなかった。
自分達が乗るガレスは、近代化改修を施した強化された機体だ。
踵をランドスピナーと一体化させることで陸戦能力を強化。更に腕部も機関砲とブレイズ・ルミナスを組み込むことで、戦闘性能も大幅に増強されている発展型だ。
間違いなく第七世代でも高性能。特にハドロン砲の火力は上級悪魔にも通用する以上、この戦いが優位に進むことは間違いなかった。
だがふたを開けてみれば非常に手古摺り、状況を改善するべく内側からの破壊活動を試みたにも関わらずすぐに対応される。
そして更なる問題は―
『イレヴン如きが……しつこいんだよ!!』
「そういうのはこっちのセリフよ!!」
―ガレス部隊が見事に翻弄されているからだ。
ツインテールの力で戦うなどという、訳の分からない連中を見た時は軽く捻れるとすら思えていた。
対異形用の技術を組み込んでいる以上、精神エネルギーで構成されるエレメリアンすら殺傷可能なのが、この作戦に投入されているナイトメアフレームだ。
それが、明らかに圧倒されている。
ありえない。イレブンの女子供などが、ネオ・ブリタニア帝国の軍団を相手どれるわけがない。
だが現実は非常なまでに、ディボックを圧倒して追い詰めていた。
『いい加減に……落ちろぉーっ!!』
全身のミサイルランチャーを展開し、一斉発射。
囲む形で放ったミサイルだが、目の前の青い女は一切動揺しない。
「釣れたわよ、やっちゃって!!」
「「ああ!!」」
その瞬間、上から襲い掛かる攻撃により、ガレスが攻撃されていく。
瞬く間に両腕が破壊され、更には放ったミサイルもすべて迎撃された。
その事実に、ディボックは自分が起きているのかどうかすら信じられなくなる。
「俺は正直、人間同士の国家の争いとかにとやかく言える気はしない」
そして目の前。男が変化しているなどという赤いツインテールと、機体のモニター越しに目が合った。
「だけどお前らが、エレメリアンと手を組んで属性力を奪うんなら話は別だ……あんな思いをする人達を、増やさせるつもりは……ない!」
「俺も、人間同士で戦うって言われても抵抗はあったけど……それでもこんなのは話が別だ」
そして残りの機体を翻弄した、ウルトラマンとかいう存在がそこに並ぶ。
「俺は俺の守りたいものを守る……俺は、ウルトラマンだ!!」
『ほぉ……ざけぇええええええ!!!』
もはややけっぱちだった。
破損した右腕。鋭くとがった破損部位を、せめて一矢報いんと弾き飛ばそうとし―
「いや、そうはいかないから」
その瞬間、外気をディボックは感じた。
次の瞬間、モニターが開く……否。上半身が斜めに切り裂かれ、残っていた部分が落ちたことで外が見えた。
そこには、呆気にとられたツインテールとウルトラマンを背にした、少女が一人。
「ここは主の領地。なら
その言葉が聞こえた直後、巨大な爆発が発生した。
《富久山蒼一Side》
いい加減慣れてきたな、うん。
『なんなんだ……なんなんだ、貴様達は!?』
ヒース・ロットとかいう指揮官が狼狽するが、まぁそうだろう。
戦闘は苛烈で、残っているナイトメアは奴の乗るヴィンセント一機。それ以外はもれなく爆発四散している。
つまり俺も爆発に巻き込まれた。ええもう盛大に爆風を浴びたとも。
まぁ、そんな状態で生身で残った機体を切り裂かれて部隊が壊滅なんてされれば、そりゃ普通は混乱する。
トレイン・ゴーストなんて呼ばれることになったいくつもの戦いでも、何度かこの悪夢を目にして混乱した奴はいるからな。顔は徹底的に隠していたから手配書は出回らなかったけど、まぁ末恐ろしい話だろう。
だが、なぁ?
「それができる連中はたくさんいる。そういう世界に仕掛けてるって自覚が薄いな。……これってやっぱりそういうことか?」
イッセー達を襲った、末端のアホの極み共と同じケースか。
つまりは、こいつらはもう廃棄処分扱いというわけで。
「この程度の腕ならアレな方が重視されると。……シュネーヴァイスも人材が揃っているようで残念だ」
多少は腕がある程度なら、性格のアレさを重視して使い潰す。それができる程度には人材も豊富だということだろう。残念なことだ。
心底憂鬱でため息をつくしかない。これは、まだまだ余裕のない戦いを繰り広げることになりそうだ。
『何を言ってる!? この、化け物がぁ!!』
恐慌状態のヒース・ロットはこっちに向かって砲撃を放つが、俺はそれを
悪いが、防御面に限ればカムデンより俺の方が頑丈だ。異形社会で上級エージェントなんて、そうでもなければ務まらないしな。
それでも態々ナイトメアで動いたのは、その方が今後にとって都合がいいからだ。
おそらく技術交流で改良は進み、ナイトメアで異形に対抗するのは問題なくできるだろう。黒の騎士団を生かさない手もないし、シュネーヴァイスも同様のことをしているはずだし、何なら既にあのライフルとか対異形兵器を実用化してるから尚更だ。
だからこそ、ナイトメアをもって立ち向かえる余地ができていることを見せておくのに越したことはない。冥界でそれをしておけば、異形達の理解も進むだろう。
ま、そういうわけでだ。
「一応数機は送っているし、まぁそのデータ解析とかもすれば何とかなるか……」
『ま、まだだ!! 私は、まだ戦えるぞ!!』
戦意を振り絞っているヒース何たらに、俺は肩をすくめて背を向ける。
「悪いがもう終わり……というか、足元足元」
俺はそう言いながら、背を向けたまま親指で奴の足元を示す。
ちなみに親指を一本立てて下を向けるのは、死ねを意味する挑発のジェスチャー。
まぁつまりなんというかだな。
『なに……おぉおおおおおっ!?』
隙を見て爆薬を設置してトラップにしてたところに立ってたので、もう起爆済みだ。
「態々自分から
流石に手古摺ったが、まぁ何とかなったようで何より何より。
……さて、他はどうなったことやら。
《Other Side》
戦闘の趨勢がほぼ確定したことを理解し、ルルーシュは一息を入れた。
今回ばかりはイレギュラーが存在しない。というより、全体の戦場から見てもイレギュラーに対応できる余力がある。
万が一第九世代機が投入されたとしても対応できる。それだけの余力がある。
何せ、テイルレッドとブルーは上位形態を使わずに問題を解決しているのだ。アシュレイ・ホライゾンが強敵と戦闘中という話は聞いているが、追加がなければ何の問題もないレベルとなっている。
だからこそ、隣で補佐をしているサクヤの視線を無視する理由はなかった。
「どうしたサクヤ。言ってみろ」
「……敵機の通信を傍受した際、カークウェインの兄弟がいると聞きました。弟のグランは爆発に巻き込まれてMIAですが、グリードの方は追い込まれている最中です」
その言葉に、ルルーシュは少なくない頭痛を覚えた。
知っている情報から推測される、サクヤの言い出すだろう発言は大きく分けて十三パターン。そのどれもが、困難ゆえに一旦黙っていることの証明だ。
そして、ルルーシュはそれを否定しきれない。
だから、こそ。
「いいだろう。なら、仮契約を結ぼうじゃないか」
あえて、一度の試しを入れるべきなのだろう。
「お前がその道を進めるかどうか、まずは体験してみようじゃないか。……いざという時の尻ぬぐいはしてやる」
その覚悟を持てるかどうか、ルルーシュはまずそれを見ないわけにはいかなかった。
ほぼほぼ圧倒タイム。まぁ修羅場をくぐっている彼らをナイトメアでやりあうのなら、最低でも皇族筆頭騎士レベルが出張って一対一レベルなので、この程度ではどうしようもない。
あとさらりとガレスをぶった切ったのは、多分文脈でわかるだろうけど姫椿です。力量はそこそこあるのですよ……そこそこですが。