あとやはりイラストは多少できたほうがいいと思い、まずトレスから始めています。最低でもKMFの立ち絵ぐらいは書けるようになりたい……っ!!
《富久山蒼一》
とりあえず、俺達は黒の騎士団日本支部が置かれている建物に連れられた。
ただもうどこから突っ込んだらいいのか分からない勢いで、会議室に通されていたんだが……何人か集まっているな。
「……久しいな、ルルーシュ。事情はある程度聞いているが、腹違いとは言え弟の生き恥は目も当てられんな」
「その辺にしてやれ、コーネリア。考えようによっては我々の落ち度をしりぬぐいさせている手前、こちらも気まずい」
特に代表格と思われる、妙齢の美女と壮年の男性が、複雑な表情をルルーシュに向けている。
「いや、生き恥なのは同感だ。契約不履行はするものではないと痛感しているよ、姉上」
「……えっと、なにこの空気? というかまさか……総じて茶番劇とかそういう流れなのかあれ?」
思わず口に出るが、それは彼らの世界の歴史を大雑把に語れば分かるだろう。スマホでフリック入力して、簡単に周囲にも教えている。
1:神聖ブリタニア帝国、第99代皇帝シャルルの提唱する「弱肉強食による競争原理」の元、世界制覇を目論み侵略活動開始。
2:侵略された日本、エリア11にて仮面の男「ゼロ」が登場。数多くの戦いでブリタニアを翻弄し、一躍時の人に。
3:ブリタニア皇女の一人であるユーフェミア、きわめて穏便な政策にゼロを招待した直後、日本人の虐殺を開始。ゼロがそれを討ち取った後、本格的な独立戦争「ブラックリベリオン」が起こるも、突如として行方不明になりブリタニアは死亡を発表。
4:一年後、ゼロが再登場。中華連邦に救う大宦官を一掃し、ブリタニアに対抗する新しい枠組み「超合衆国」及び、超合衆国唯一の軍隊「黒の騎士団」を結成。
5:第二次ブラックリベリオン発生後、該当世界初の核兵器である「フレイヤ」による大被害発生。その後、黒の騎士団側によって「ゼロ」の死亡発表や、シャルル皇帝の行方不明などの混乱多発。
6:突如として、日本平定時に死亡と見られていたルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが、シャルルを殺害したうえで第100代皇帝に、皇族もほぼ全員が平伏する事態が発生。
7:ルルーシュ、悪逆皇帝と呼ばれるほどの圧政を開始。貴族性の廃止などの過激な政策変換だけでなく、反対者の殺害を躊躇なく実行。
8:ルルーシュに対し、第二皇子シュナイゼル及び第三皇女コーネリア、そしてルルーシュの実妹(シャルル・ジ・ブリタニアには多数の妻がおり、同じ母親から生まれたという意味)のナナリーが空中要塞ダモクレスと大量のフレイヤを武器に宣戦布告。帝国の首都ペンドラゴンをフレイヤで消滅させる。
9:日本上空で決戦。激戦の末にルルーシュがダモクレスを制圧し、勝利。
10:関係者の公開処刑を試みたその日、仮面の男ゼロが三度登場。ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアを公衆の面前で打倒。
11:ルルーシュ討伐の大偉業もあり、ゼロが象徴となる形で超合衆国による対話重視の世界平和に方針が変わる。
……とまぁ、俺が知っていることを大雑把に伝えている。幸か不幸か重要なところで転移していた経験が多いので、まぁ何とかなったというかなんというか。
ただまぁ、俯瞰して見てゼロの不審な点がないわけでもない。
最初の大騒ぎである枢木スザクの救出においては、現場の担当が「オレンジを公表されたくなければ見逃せ」などと言われて本当に見逃したらしい。公表されて困るとはいえ、あの場で全力で見逃すような真似をするとか、色々おかしいとしか言いようがない。
それにユーフェミアの虐殺も突拍子が無さすぎる。彼女はブリタニア皇族としては穏健派であり、枢木スザクを自らの騎士に任命するような人物だったのにだ。
そこにルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの即位案件。俺の世界に戻ってから異形の世界に慣れた俺が、それを現実として認識した途端にこう思うのも無理はないだろう。
洗脳系の異能を持っていたとしたら……という奴だ。
それができる異能の存在する業界にいるからこそ、その危険性は大きいと思うのは無理ないだろう。当然の警戒心だ。
それに、ゼロとルルーシュが親しいのも気になる。
……その辺り、説明してくれるんだろうか。
そう思っていると、ドアが開いて……何故か入ってきたのはあの場にいた面子ではなかった。
そこにいたのは、紅髪の男性。
「……サーゼクス様!? 何でここに!?」
「久しぶりだねイッセー君。いや、セラフォルー達は別の形で世界的な立ち回りが必要になっているから、私が代役できたというわけだよ」
そう赤龍帝に応えながら、サーゼクス・ルシファーは席に座る。
「さて、各勢力間同士については、そちらを担当する者たちで話を進めている。……同時に、私達は対応を考慮する立ち回りをするべきだろう。……現魔王の一人、サーゼクス・ルシファーだ。そこの兵藤一誠君の義理の兄でもある」
まだリアス・グレモリーと赤龍帝の結婚は発表されてないんだが。
「え、籍入れてたんですかい?」
「してないしてない!! 俺まだ高校生だよ!?」
ですよねぇ。
「おっとすまない。ほぼ確定だから先走ってしまった。グレモリーの婿入り試験を完了しているから分かっているとも思ったんだけどね」
「すいません。あの頃はちょっと色々あって実態さっぱり分かってなかったんで。……で、そっちの人達って誰なんですか?」
赤龍帝……。
思わず天を仰いだけど、とりあえず俺は肩に手を叩いて注意する。
「赤龍帝。あちらの二人は黒の騎士団軍部の重鎮だ。女性の方はルルーシュの腹違いの姉でもあるコーネリア・リ・ブリタニア殿。男性の方は黒の騎士団軍部の幕僚長を務めている藤堂鏡志郎殿です。お偉いさんだから抑えて抑えて、異形のノリで動かないで」
それなりのフォローするんだけど、そもそも俺ってなんでこんなところに……色々と当事者よりだからか。
「事情についてはこちらも把握し切れていないのが現状だ。正直に言えば、複数の世界をパッチワークのように切り取って張り付ける……などというのが常識の埒外過ぎて理解が追いついていない。そちらはどうだろうか?」
「こちらも同様だ。異世界の実証がつい最近成されてばかりなので、比較的ではマシあるが、それにしても限度がある。……そして、それについてある程度説明ができる人がいるというのはありがたいこともね」
コーネリア殿に話を振られ、サーゼクス殿が視線をホライゾンに向ける。
ホライゾンは緊張感はあるが、委縮はしないで頷いた。
「既に報告書に書かれている通り、今回の事態は俺達の世界に存在した
ホライゾンが簡潔に伝えているが、ルルーシュも思案している。
「……確かにな。こと我々の世界は超電導技術が他の世界に比べて発達している故、壊滅的な被害を受けていてもおかしくない。となると、あまりにも手詰まりということか」
「いや、そうでもない」
と、なんかアヒルの着ぐるみが入ってきて―
「空気を読めぇええええええ!!!」
―坂田が蹴り飛ばした。
「お前マジでいい加減にしろよ? マジでいい加減にしろよヅラぁ?
「ヅラじゃない桂……じゃなかったヅラザベスだ! 何をいうかこれはもはや蓮蓬の正装だぞ……会議もみんなこれで出席している!!」
よし、とりあえず流そう。
「そういう物なのかね? ふむ、サタンレッドで来た方がよかったか……?」
「真に受けないでください。頼むから他の世界の方々のSAN値に配慮してください。あの色物コスプレアベンジャーズがいない幸福を台無しにしないでもらえませんか?」
全力でツッコミを入れるけど、胃が痛い。
勘弁してくれ。もっとこう……三割ぐらい気を抜けられるような会議をしてくれ。
なんで俺は末端のエージェントみたいな立場で国家元首級に指摘しないといけないんだよこれは。
ヤバイ。胃が痛い……っ!
「となると、この事態に対応することができた君達に話を聞いた方がいいのかな?」
と、そこで紅茶を一口飲んだのは曹操だった。
……もうどこから突っ込んだらいいんだろう。
「それはそうなんだろうけどさ? そもそもお前、なんで俺達を助けに来てくれたんだよ?」
と、赤龍帝が指摘する。
「帝釈天はハーデスと繋がってるって話だぞ? そのハーデスは
まぁそこはそうなんだが。
ただ、曹操は特に気にしてない風だった。
「そうでもない。俺と天帝には個人的な繋がりがないでもないが、総合的にはヴァーリとアザゼルのそれより薄いし、天帝はハーデスの動きを悟っている程度でしかないから、法的な裁きを与えられるようなことはしていない。もっとも、今はあの神が保護観察役になっているからこそ俺達は動けるわけだし……」
そこまで言って、曹操はポンと手を叩く。
その瞬間、複雑な魔法的紋様が浮かび上がった。
「念の為、現場の最上級悪魔達や一流の魔法使いの呪詛もある。ヘラクレスやジャンヌもそうだが、利敵行為を働けばその瞬間に魂ごと燃やされるだろうから、全員安心していいよ」
流石にそれぐらいの安全策はしているか。
赤龍帝も、首を傾げてはいるがそこは納得したようだ。
「掻い潜りそうなんだけど、まぁいいか。……で、お前個人や帝釈天はともかくハーデスはどうなんだよ?」
そこは気になる。
というより、とても気になったことがあるんだが。
「ファブニルとかいうのに仕掛けた時に言ってなかったかな? ……冥府はこの直前、禍の団による奇襲を受けた。死傷者多数でハーデスを含めた首脳陣の大半が生死不明となっているんだ」
……ろくでもない事態になってるな。
「そして、それがこの事態が本当に非常事態であることを物語っている。」
と、サーゼクス殿がそう切り出した。
「詳細説明を省いて概要だけ語るのなら、その立ち位置と能力上、どの勢力も積極的に排除できない者が襲撃を受けたのだ。……敵勢力、シャーデンフロイデと名乗る勢力は危険すぎる」
「……その件についてなら、私達も聞いておきたいね」
「そのようだ。今のうちに情報を可能な限り共有しておくべきだろう」
サーゼクス殿の言葉に、新たに入ってきた人達聞いてくる。
老年と壮年の男性だ。どちらも相当鍛えているのが見て分かる。
「父さん! 無事だったんだ」
「コウチョウ! 来てたんですね!?」
進次郎と明石が表情を明るくする。
どうやら二人の世界の関係者、ということか。
「……息子が世話になったようだ。私は早田進次郎の父で内閣防衛長官を務めている早田進だ」
「生徒達がお世話になったね。私は彼等エージェントを育成する国立中野高等学校の校長でありエージェントでもあるアララギだ」
相応の立場の人が来てくれたわけだ。これは彼らにとってはありがたいだろうな。
と、更に廊下の方が慌ただしくなって―
「レッドぉおおおおおおおおっぶふぉっ!?」
―なんかルパンダイブした女がテイルレッドの仲間にノールックで叩き落された。
「トゥアール? いつものノリをやめなさい? ここは私みたいな常識人の群れで、ツインテールに染まってないのよ?」
「常識人は常識人の前でこんな暴力をしななんあなななっ!? 石突が恥骨を砕こうとぉおおおおおお!?」
流れるような一撃だった。これもしかして平常運転?
「トゥアールも無事だったのか。最初の頃を思い出すなぁ」
「アンタそれでいいの? え、これいつも通りの日常なの?」
ほんわかしているテイルレッドに、志村が戦慄している。
まぁこれでほんわかするのはあれだろうしなぁ。
「いやレッド、私はレッドといちゃいちゃえろえろ塗るん塗るんしたいだけで蛮族のマゾ奴隷なんて勘弁なんですがぁあああああ!?」
「こっちのセリフよロリコンストーカー!! 本当にいつも通りの平常運転するスイッチを命ごとオフにするわよ!!」
……とりあえず止めた方がいいんだろうか。
「すいませーん。あほなことをするの控えてくださーい。最悪の場合こっちにも考えがありますよ~」
一応釘を刺しておこう。
「何をする気ですか? 怖いんですけど」
進次郎が恐れているが、まぁ安心してくれ。
俺は異空間干渉の魔法で、持ち出していた試作武装を取り出した。
ブリーチングハンマーを思わせる筒状のユニット。これは―
「これは神の子を見張る者が、自分達を含めた神仏魔法全滅の危機を救った異能の再現兵装。女性の着用物なら戦術核でも傷一つつかない物すら粉砕する
「何つーもん作ってんだぁあああああ!!! っていうか神仏魔王全滅の危機をどうやったら救えるんだぁああああああ!!」
志村の鋭いツッコミが入るが、真実だしなぁ。
ほら、ゲオルグが俯いているし。
「……全力は出さなかったとはいえ、あの結界装置に手抜きなかった。要求以上のものを作ったと自負しているのだがな……」
「お前が原因かぁあああっい!! というか女の着用物になるんかぁああああい!!」
坂田のツッコミも鋭い。
「より厳密にいうと、組み込んだ人物の持つ回復の異能を増幅反転させる結界装置だよ。俺達がまだテロリストで下請けやっている時に、当時のトップ陣営に依頼されたものでね」
「あれは本当に大変だったぜ。アーシアを殺すことも考えないといけない非常事態だったからなぁ」
曹操と赤龍帝が遠い目になっているけど、本当にあれだった。
「俺も現場で動いてたからなぁ。似たようなこと対策とか、女相手の牽制手段として使えると思って、ノリで作っていた女性研究者に頼んで一つ譲ってもらってたんだよ」
「女の人が……全裸化兵器の作成……?」
進次郎君が困惑しているが、顔が赤い辺り十分青少年のようだな。
「そんな兵器を作ることができるなんて。……神の子を見張る者ってエロいんですか……っ!!」
野村も感心しているが、こっちはスケベが隠せてないな。
ま、それはともかくだ。
「……お偉いさんの会議もあるんだから、大マジでシリアスに対応しろ。……本当に全裸にするぞお前ら」
釘をしっかり刺しておかないと絶対にややこしいことになる。
いや、この言い方は違うな。
「訂正した方がいいな。……質問したことに答える程度にとどめておいて、それ以外の発言は控えてくれ。どうせ気を使って大真面目にやっていてなおそれと大差ないんだろうしな」
「ものすっごい酷いことを言ってきましたねこの人は! 人のことなんだと思ってるんですか!?」
トゥアールとか言われた白髪の女が反論してくるが、失礼なことを言うな。
「
「……そっちも大変なんですね」
明石が同情の視線を向けてくるけど、大変そうだなそっちも。
さて、そろそろ真剣に会議を始めよう。
……真剣にやれるのか凄く不安だけど……っ
《宮本絶花》
私、なんでこんなところにいるんだろう。
そんなことを思いながら、会議が始まって少し経っていた。
「……ホライゾン君達の話と事情は分かった。では、次はヅラザベス君の話を聞いた方がいいだろう。……それとは別の形で事情を把握しているのだろう?」
「うむ。それを語るには、我ら蓮蓬の大雑把な事情も説明するべきだろう」
魔王のルシファーさんに話を振られて、ヅラザベスさんが話し始めた。
「元を辿ると蓮蓬とは、母星を失い傭兵に身をやつした種族だ。更に移動要塞の電子頭脳が自我をもって蓮蓬達を支配してしまい、一度は地球侵略を敢行。……だが、そこにいる銀時達の協力もあってそれそのものは克服した」
そんな壮大なことがあったんだ。本当にスケールが違うかも。
「そして蓮蓬は再出発を開始。幸か不幸か地球侵攻の為に開発した技術をスピンアウトする形で特許を得て、あの小惑星を買い取って改造した「
「宇宙空間の別荘地。機会があったら私も買いたいが、そこから話が代わっていくのだろう?」
ルシファーさんが感心しながらも、鋭い言葉を言った。
ヅラザベスさんも頷いているし、大変なことになっているんだろう。
「簡潔にまとめると技術が盗まれたのだ。そしてそれに対応している時に、我々はシャーデンフロイデの存在を知ったのだ」
そう言いながら、ヅラザベスさんはモニターを操作する。
そこに映し出されたのは、いくつかの星に宇宙船の艦隊。そして「霧雨」の文字。
「宇宙海賊霧雨。我らが宇宙で今最も幅を利かせている、複数の国家を掌握した宇宙海賊だ」
ため息をついたヅラザベスさんは、更にモニターに情報を提示してくれた。
「霧雨は非常に広い範囲で活動する宇宙海賊だが、調べた結果いくつかの天人国家の支援を受けていることが発覚した。国家から資金や技術の支援を受けた彼らは、対立している天人国家の貿易船に対する略奪活動による経済的攻撃や、支援している天人国家間であえて加害行為を行うことで政治的な流れの誘導を試みている、いわゆる私掠船団の類だった……が」
そこに映し出されているのは「L」の文字。
「新参者として現れたとされるこのLのコードネームを持つ者によって、逆に天人国家間の歪みやトラブルを利用する形で全ての国家を転覆させることに成功。その支援者となることで実質的に国家全てを乗っ取ってしまったのだ。恐ろしい手腕というほかない」
「傭兵を過度に重用した結果、自分達に被害を出してしまった国家は歴史にいくつも存在する。その拡大版ということか」
ルシファーさんが首を横に振るけど、それだけの事態が起きているってことなんだ。
スケールが大きすぎて、私はちょっと追いついていないかも。
「そうなるな。そしてそれにより国家の諜報機関すら生かせるようになった奴らは、その一部と交流した我々から技術を盗み出し、ブラッシュアップして量産を開始している。……それがこれだ」
そしてヅラザベスさんが映し出したのは、さっき彼らが使っていた人型ロボットに似た何か。
「我ら蓮蓬が開発した、対侍機動兵器「
「……すいません。開発ツリーが逆転してるんですけど。あとこれ多方面に怒られません?」
志村さんがヅラザベスさんに何かを言っているけど、ヅラザベスさんは流していた。
「そしてそれらの情報戦により、奴らが地球で何かを起こそうとしていること、そしてそれを円滑に行う為の装置のデータを入手した我々は、月菜通内部で装置の複製を行いつつ地球へと急行。この事態に巻き込まれたのだ……」
そうだったんだ。
つまり、ヅラザベスさん達の世界は惑星複数分の力を持っているってことにもなる。これって怖いことじゃ?
「……分かっていることは、あいつらは地球を基点とする形で八つの世界線と繋がっているということ。そしてそれぞれの世界でのいくつもの組織と繋がっているということ。……いくつかの死者の蘇生などという、眉唾物の情報まであるということだ」
「いや、死者の蘇生については間違いありません」
と、ヅラザベスさんの話を富久山さんが遮った。
もの凄く嫌な顔をしている富久山さんは、げんなりとしながらモニターを操作するとファブニルの写真に、あとドラゴンっぽい生命体の姿を見せている……あ、フェルニゲシュもいる。
「実はこちらの世界では、それこそ数百年レベルの昔に滅びたはずのドラゴンが復活している……というケースが幾度かあります。またそちらとの合流前、ホライゾンが言うには既に死んでいるはずのファブニル・ダインスレイブとかいう奴がこちらにちょっかいをかけてますね」
「なんだ? その中二病まっしぐらな自称の異名みたいな名前は。DQNネームにしても限度があるだろ」
ヅラザベスさんはそう言うけど、アシュレイさんは首を横に振った。
「多分そういうことなんでしょう。これはあいつに気に入られている星辰人奏者に聞いた話もある伝聞なんですが、昔所属していた麻薬密売組織を、文字通り生身一つで壊滅させた軍人―クリストファー・ヴァルゼライドに本気の殺し合いをする為だけに本気で生きている光の亡者ですから」
アシュレイさんはとっても疲れているような雰囲気だ。
というより、麻薬密売組織なんですか。
「……そういえばあいつ自身、もの凄くボロッカスに言っていた奴が凄くなった的のこと言ってたな。もしかして本人?」
「多分な。元々閣下がかつて打ち倒した麻薬販売組織の一員という噂は流れていた。あとその為に本当に手段を選んでないからな」
富久山さんにそう答えるアシュレイさんは、少し考えこんでから何かを思いついたらしい。
「例えるなら、ナイトメアフレームを用いるブリタニア帝国の進軍を、ナイトメアフレーム系統を持たないワンマンチームの傭兵が徹底的に足止めをしているようなものですね。散歩感覚で戦車に肉薄して破壊とかしていたし」
「……戦術を戦略でひっくり返す手合いはこれだから……!」
ルルーシュさんが額に手を当てているけれど、その時富久山さんの視線があの人に向いていた。
「それはそれとして、アンタはアンタで公衆の面前で刺殺されていたよな? なんで生きてるんだ……まさか奴らの?」
そういえばそんなことを言ってましたね。
確かにそうかもと思う時はあるのかも。
ただ、それはコーネリアさんが首を横に振っていた。
「そちらについては別件だ。私も詳しく理解していないが、どうも不死の体質という者が我らの世界には存在しているようでな」
「コードとギアスについては、後で資料をまとめておこう。あまり明かしたくはないがそうもいかないだろう」
ルルーシュさんがそう言うと、坂田さん達は凄く同情してそうだった。
「お前さん不死身になっちまったのか。大変だよな、俺も身内がなぁ……?」
「え? 割と便利な力だと思うけど?」
と、イッセー先輩が困惑してた。
「俺も不死のフェニックスと戦ったけど、あいつ本当に強かったからなぁ。頭吹っ飛ばしてもすぐ直るし、レーティングゲームでも勝率高いからなぁ、フェニックスゲェッ!?」
「なんだその便利不死身はぁああああああ!」
相当色々と苦労していたところを見ていたのか、坂田さんがイッセー先輩に掴みかかった!?
「ちなみに、神祖も似たような再生速度らしい。俺は直接戦ったことはないけど、神祖を殺せる手段を食らう直前に、首を自分で飛ばして復活して逃走とか普通にしてたしな。遠隔操作の兵器と戦った時、致命傷を受けること前提の動きに慣れている感覚はあった」
「だから便利すぎるわぁあああああああっ!!! なんですかその便利不死!? 再生速度早すぎでしょ!?
「俺もC.C.も、そんな便利な速度で回復なんてできないんだがな。……いや反則だろう」
志村さんとルルーシュさんも、アシュレイさんの説明する神祖に叫んだり俯いたりしている。
「そのアヴィ部長。本当なんですか?」
「そうだよ? ほら、以前私の試験に参加してくれた人いたでしょ? あの人みたいな回復力なの」
ああ、そういえば。
「……となると警戒するべきは、新たな神祖といった不死存在がいるかどうかだね。……神祖の脅威度はどれほどかね?」
ルシファーさんが警戒心をしっかり見せながら、アシュレイさんに確認する。
確かにそうだ。不死身でしかも一瞬に再生する存在なんて、脅威でしかない。
ただ、アシュレイさんは少し考え込んでいた。
「神祖の特徴は、維持性の天元突破による長期戦における圧倒的な持久力や、星辰体を結晶化させた
アシュレイさんは、意外なことを言った。
アヴィ部長の試験に関わったあの人のような強さがないということなんだろうか。
「殺害だけを考えるのなら、神祖はおろか使徒に対してもその手段がなければ不可能に近いです。ただ抑え込んでの封殺だけなら、超一流の星辰奏者ならただそれだけの相手にやりようはあります。神祖が最も恐ろしいのは、不死を与えるに値するだけの価値ある者を見出す選球眼や安定性という点において新西暦でも随一の国家運営を攻め込まれないようにしながら行える政治力などを、文字通り千年間の歩みによって会得した積み重ねです。……瞬間的な火力に欠けながらも、長い間灯り続ける小さな灯だからこそできることがある……その証明です」
あれ、イッセー先輩達がちょっと困惑していた。
「四人の神祖はその誰もが非常に優れた研究者ですが、軍人でも政治家でもなかった。だけど千年間の間失敗を繰り返しながらも成長し続けたことで、彼らは人間の完全上位互換に到達しています。一度だけヴァルゼライド閣下と共に神祖の一人が操る戦闘兵器と戦いましたが、本当に強かったですしね。……最も、歩み続けてしまったからこその破綻した性質も見え隠れしてましたが」
あれ? イッセー先輩がもっと困惑していた。
「えっと……千年間生き続けるってそんなに? いや、俺はまだ十七だけど……え?」
イッセー先輩が、もの凄く困惑してた。
「赤龍帝の言いたいことは分かります。……アザゼル前総督とかベネムネ様とか見てたら、絶対今の説明に困惑しますよね」
富久山さんがうんうんと頷いていたけど、何となく分かるかもしれない。
「そういえば、ベネムネ先生を見ていると破綻者って印象はわかないですね」
「そうそう! 絶花の言った感じ!! アザゼル先生もサーゼクス様も、ミカエルさんだって別にそういった感じしないし! オーディンの爺さんなんてノリノリでおっぱいパブ行くんだぜ?」
イッセー先輩がうんうん頷いているけど、富久山さんも同じ感じだった。
「比較的異形に長い付き合いがある俺から言わせるとあれです。……老害にならないコツは、適度に阿保になることなんだろうなって思ってます」
「「……ああ~」」
イッセー先輩も私も、凄く納得してしまった。
言い方はあれだけど、ベネムネ先生ってそういうタイプだし。
「……なるほど。積み重ね続けず無駄な時間をノリノリで過ごすのが大切ということか。ミレイ会長を真似するぐらいでいいのかもな」
「確かに、神祖達はそういう方向にはいかなかったみたいだしな。……君達のような人達と接してたら、何か変わったのかもしれないな」
ルルーシュさんとアシュレイさんは、思うところがあるのか複雑な表情だった。
ただその上で、ルルーシュさんは咳払いをしている。
「だが、それだけで完結させるわけにもいくまい。……天人についてはともかく、他の特に規模の大きい世界に対して警戒するべきだろう」
「そのようだな。実際、我々はその面での警戒を強めないといけない」
と、進次郎さんのお父さんが頷いてモニターを操作する。
そこに映し出されいているのは、異形のような雰囲気の人達だった。
「私達は今、彼等ゼットンコアという組織と敵対状態に陥っている。はっきり言って、彼らがこれだけの事態を無視するとは思えない」
「それならこっちも気にした方がいいことがあります」
テイルレッドが真剣な表情で同じように意見を言った。
「アルティメギルの残党が何かをするかもしれない。あいつらは、幾つもの世界を襲っている組織だからな」
……地球、大丈夫なんだろうか?
神祖とか虚ろとかコード保有者とかを見るとマジで思うけど、D×Dの長命種のようにハッチャけられたらまた違ったんだろうかとはちょっと思う。