突然ですが、あなたは自分が好きですか?
私は私が、嫌いです。
...どうしてかって?さあ...何ででしょうね?
特に明確な理由がある訳でも、具体的にそうなった出来事がある訳でもないんです。
ただ漠然と、自分が嫌いなんです。
日常で何かミスをすれば、あぁ私ってダメだなと自覚し、成功した他人を眺めては自分との差に嫌悪する。
こんな私なんて死んじゃえばいいのに、と。
そう、死んじゃえばいいんです、私なんか。
...まあ、今思いついた風に言いましたが、ずっと前から思っている事なんですけどね。
とはいえこれまで死んでやろうと行動に移したことはなかったんですよね。例えば飛び降りる為に高台に登ったりだとか、溺れる為に海に向かったりだとか。
死にたいと思いつつも行動に移さない自分に嫌気が指すこともよくあります。
ですが、そんな私も今日でおしまい。
私は今日からトリニティ総合学園の1年生になったのです。
これを機に行動に移してみようと、私は部活動希望届けにとある組織の名前を書き、その門を叩きに来ました。
その名も正義実現委員会。
何だか大仰な名前ですよね。私も困惑しました。
まあ名前は私にとっては重要では無いんです。
大事なのはその役割、正義実現委員会はトリニティ総合学園の自治区における治安維持組織なのです。治安維持ということは不良行為を働くスケバン等の犯罪者たちととの戦闘行為があると言うこと。
キヴォトスの人間は銃程度で死ぬことはありませんが、しかしそれでも限度がある。撃たれ続ければいずれ死んでしまう。
私はそれを望んでここに来たのです。
「ごめんくださーい」
扉を開けるとそこには先輩と思しき方gうおでっか。
...いや違いますよ?身長です、身長。背が高いの羨ましいな〜って思っただけです。決して私の目の高さにあるたわわなo...失礼。
「あ、あの!これを提出しに来ました!」
「これは...入部希望届ですね。わざわざ朝早くからありがとう、頂きます。...やる気があるのはとても良いことですよ」
そう言って先輩がこっちnなんだそのスカート!?自慢か!?プロポーション自慢をしているのか!?その背に翼に脚におっぱい!!自慢してやがるのか!!?
「...?大丈夫ですか?」
「え、あいや!大丈夫です!」
頭の中で色々考えてるうちに先輩に心配させてしまったようで、困った顔で声をかけられてしまった。うーん失敬。
「そうですか、なにか困ったことがあれば相談に乗りますよ。私は羽川 ハスミ、正義実現委員会の2年生です。」
「わ、私は篠崎 ナナです!よろしくお願いします!!」
かなり失礼なことを考えてしまったけど、どうやらバレずに済んだらしい。
私はそのまま部屋を出て教室に向かおうとすると、1人の生徒が話しかけてきた。
「ちょっといいっすか?」
「どうしました?」
「さっきその部屋から出てきたっすよね。正義実現委員会の人、居たっすか?」
話しかけてきた彼女はそう言って1枚の紙を取り出しました。
「あ、あなたも入部希望...」
「てことはそっちもっすね。そうっす、正義実現委員会に!」
「それじゃあ同期...ってことになるんですね。篠崎 ナナです。よろしくお願いします。」
「仲正イチカっす。よろしくっすよ。」
部屋に入っていく仲正さんを見届けてそのまま教室へと戻りました。少し待っていると仲正さんも戻ってくる。
一緒のクラスなんだ...
それから入学式が始まるということで学校側からの案内によって体育館に入っていきます。
...ほんと生徒数多いな。こんな広い体育館が人でいっぱいだ。
「皆様、トリニティ総合学園へようこそ。
私たちはあなた方の入学を祝福しましょう。私は現ティーパーティーホスト、草薙 ホタルです。
ここ、トリニティ総合学園はその長い歴史の中で...」
...話長いな...校長先生じゃなくても話は長いのか。寝耳に水というやつだ。
それから入学式と学校の説明会などが終わり放課後になりました。私は正義実現委員会用の施設にやって来ました。
...ひとつの委員会のために施設が用意されているとはとんでもないな...
正義実現委員会になったということで早速指定された部屋に来ました。かなり広い講堂で私以外にもたくさんの人が...これ全員正義実現委員会に入るのか。あ、仲正さんもいる。
向こうも気づいたようで手を振ってくれたし振り返しておこう。
なんだか早速友達ができたようで嬉しくなる。
...ただ、私がここにいる理由は皆とは全然違うんです。
私は正義なんて別にどうでもいいんです。
「私が正義実現委員会、委員長の早乙女 フタバだ。よろしく頼む。」
私が負の思考に落ちている間にどうやら説明会が始まっていたらしい。
心の中で鳴りやまない自己嫌悪を何とか意識の外に押しやって委員長の言葉に耳を傾ける。
「正義実現委員会はその名の通り、正義を成すことに意味がある。しかし諸君らの中には正義、それの意味をまだ理解しきれていないものも多いだろう。だが安心するといい、今日から各自先輩とバディを組んでもらう!
先輩から存分に正義を学ぶといい!
バディ相手は追って知らせる、では次だ。
次は...」
どうやら先輩とマンツーマンで学ぶ機会を貰えるらしい。私のバディは誰になるかな...優しい人だといいな...
そう思っていた時期が私にもありました。
あれから自分の携える銃の申請と役職決めを終えたあと、バディを組む先輩と共に訓練を開始する事になった。
私の申請した銃はショットガン。普段使いの愛銃はショットガンではありませんがまあ私の目的からしてショットガンが1番適しているだろうと選びました。それが運の尽きだったのでしょうか?
私の目の前には私のバディになった剣先ツルギ先輩がいます。剣先先輩もショットガン使いという事で選ばれたらしいです。
「剣先ツルギだ。よろしく頼む。」
「よ、よろしくお願いします...」
猫背のまま何故か凶悪な表情を向けてくる先輩。怖すぎ。
この人ほんとに秩序側?
それから訓練を行っているとなんとなくこの人のことが分かってきた気がする。
アドバイスは的確だし、ショットガン初心者の私にもかなり分かりやすく扱い方や立ち回りを教えてくれる。
この人は目つきや表情はあれだけど、きっと根は優しい人なのだろう。
そう思いつつ隣で的を射貫く先輩に目を向けた。
「ギャハハハ!死ね死ねぇ!!」
やっぱ勘違いでした。根っからのヤバい人です。
そのまま初日は武器に慣れる為にひたすら的を撃つ、リロードをする。的を撃つ、リロードをするを繰り返していました。なんか段々ショットガンを持つ手の感覚が鈍くなってきた気がする。となりの剣先先輩もなんかヒートアップしていっている...
やがて日が落ちてきて長かった1日の終わりを告げるチャイムが校内に鳴り響いた。
「...今日はここまでだ。」
うわあ!急に落ち着くな!
「あ、ありがとうございました...!」
私は剣先先輩にお礼を言って逃げるように1年生のみんなが集まる輪の中に入っていきます。
「そっちどうだった〜?」「私は愛銃そのままだからね〜余裕よ。」
「疲れた〜!」「ね、この後いつもんとこ行こ!」「そうしよかぁ」
「私んとこの先輩超優しかった!そっちは?」「私のとこは厳しい人だったよ〜。結構怖かった。」
周りの人達はもう友達同士で合流しているようで、私が入っていけるような空気がなかった。ちなみに最後の人、多分私のところがいちばん怖かったよ。
まあいいか、いつも通りひとりで...
「あ!いたいた。ナナ、こっちっすよ!」
おや?その声は仲正さん。
「お疲れ様でした、仲正さん。そっちはどうでしたか?」
「結構よゆーっすね。組んだ先輩も優しかったんで。ナナの方は?」
「私の方は...怖かったですよ...ずっと凶悪な表情向けられますし、射撃訓練中ずっとしねしね言ってるんですもん。」
「あー...あの人っすか。説明会の時も目立ってたっすもんね。そりゃ大変だ。」
「他人事だと思って...」
雑談しながら家路に着く。どうやら仲正さんも私と同じく寮住みらしい。
さっきの会話といい、一緒に帰ったり...もう完全に友達では!?
「どうしたっすか、ナナ?」
1人内心舞い上がっていると仲正さんに心配されてしまった。
「いえ...何だか友達っぽいなって...私今まで友達居なくて...」
「あはは!っぽいじゃなくて友達っすよ!
それならこれを機に名前呼びにしましょ。ほら、イチカって。」
「い、イチカ...さん...」
「...まあ、今はそれでいいっすよ。いつかちゃんと呼んでもらうっすから。」
え!目が開いた!イチカさんガッツリ目開くじゃん!
「そ、それならイチカさんもその喋り方をやめてくれたらいいんじゃ...」
「私のこれは癖みたいなもんっすから。いいんすよ。」
「えぇ〜ずるい」
ふぅ...やっと家に着いた。なんだか今日はかなり充実した1日だったな。
これはなんだか明日からも楽しみになってきたかも...
夕食やお風呂を終え、あとは寝るまでの暇な時間をつぶすだけになった。
そんな中、ふとした時に思い出してしまった。
私はみんなとは違うんだ...正義なんて...べつに...どうでも、良くて...
訓練での疲れが溜まっていたらしく、気がつけばそのまま眠ってしまっていた。
次の日、寮の食堂で朝食を食べているとそこにイチカさんがやってくる。
「ナナ、おはようっす。そのトースト、美味しいっすか?」
「
「飲み込んでからでいいっすよ...それじゃあ私も同じの頼みますかね。」
そう言ってテーブルから離れていくイチカさん。私としては嬉しい限りですが、イチカさんはどうして私に構ってくれてるんでしょう?
私なんか何も返せるものなんて無いのに...
「お待たせっす〜...はぐっ、ほんと美味しいっすね!毎日食べたくなっちゃうっす。」
おっと、戻ってきてた。暗い思考を無理やり戻して、何でもないように返さなきゃ。
「そうですよね。毎日、朝食これでいいくらいです。」
「そうっすねぇ。でも他にもおいしそうなものいっぱいあったっすね。サンドイッチとか。謎にロールケーキの種類が大量にあったのは気になるっすけど。」
「言われてみれば...」
エッグトーストに目を奪われてあんまり気にしてなかったけど、そういえばチョコとか抹茶とか色々あった気がする。なんかラインナップの3分の1はロールケーキだったな...
朝食にロールケーキってどうなんだ?
「まあ他にも美味しそうなのいっぱいありましたしね、毎日朝が楽しみになります。」
「そうっすねぇ...おっと、ぼちぼち準備始めた方が良さそうっすね。それじゃ、あとで」
「あ、はい。」
イチカさん食べるの早~。もうちょっとゆっくり食べればいいのに...あ、でも正義実現委員会はやっぱりご飯早く食べるようになった方がいいのかな。ご飯食べてる途中に事件が起きるとかありそうだもんね。
それから私も部屋に戻って学校の準備を終えて外に出る。
そういえばイチカさん、さっきあとでって言ってたけどイチカさんと一緒に登校したほうがいいのかな...でも、もしあとでっていうのが教室でって意味だったら私だけ待ってたら気まずいよね...ていうか、先に戻ってたし、もしかしたらイチカさんもうすでに行っちゃってるかも...?
うーんどうしよう...
「おまたせっす!」
「きゃあ!」
私が色々考えこんでいると後ろから急にイチカさんが肩を叩いて身を乗り出してきた。
「...もう、急にびっくりさせないでください!」
「ごめんっす、なんか悩んでるみたいだったから。悩みがあるなら聞くっすよ?」
「そんな大層な悩みでもないのでいいですよ。それじゃあ行きましょうか。」
どうやらイチカさんを待つのが正解であっていたらしい。
それから私たちは二人で教室へ向かい、退屈な授業を終えた後の放課後、昨日と同じように剣先先輩と一緒に訓練をしていた時の事、途中で訓練場に警報が鳴り響いた。
「えっ何!?」
「周辺地域からの通報だ。訓練途中だが向かうぞ。私についてこい...きひゃあ!!」
「はっはい!!」
きひゃあって...
ていうか剣先先輩、めっちゃはやい!私も全速力で走ってるのにどんどん離されt...えっなんで今壁ぶち抜いたの!?隣に扉あるんですけど!?
それから私が剣先先輩がぶち抜いた壁を頼りに、走っているとやがて銃を撃つ音が大量に聞こえてきた。多分近い!
「うわぁぁ!なんだこいつ倒れねぇ!」
「ひぃっ!こっちくんな!」
「ギャハハァ!死ねぇ!!」
わたしが壁を抜けると、そこには不良集団に肉薄する剣先先輩と逃げ惑う不良集団が目に映った。
「剣先先輩!私も手伝います!」
そう言って近くを通った不良に向けてショットガンをぶっ放す。
胴体に命中はしたけど、当たったのが背中だったのであんまりダメージはなかったみたいで相手は私の方を向いて手に持ったサブマシンガンを撃ってくる。
そこで剣先先輩に教えてもらった知識の出番!すぐそこにあった壁の裏に隠れて弾丸をやり過ごす!
...今思ったけど、剣先先輩遮蔽物とか関係なしに敵に突っ込んでいっていなかった?普通に相手の弾受けてたし...ノーリアクションだったけど。
よし!相手の弾止んだ!
遮蔽物から飛びだして急いで相手に狙いを合わせて引き金を引く。
咄嗟の事だったから目の前にいる相手に大雑把に銃を向けただけだったけど、運よく頭に当たったようで相手が気絶した。やったー!!
...とはいえここは戦場ですので、こうやって油断してるとただの的でしかないんだなあ!
私目がけて周囲から大量の弾が飛んできた。
「うわったっ!痛っ、痛い!」
急いで遮蔽物に隠れるけど、結構当たっちゃった...痛い...血出てる...
痛む腕やお腹をさすったあと、リロードをしていると遮蔽物の向こうのほうで剣崎先輩の奇声と共に不良の悲鳴と、次いで銃声。
「ひゃっはああぁ!!」「いやああ!!」「くるなあああ!」
やがて戦場は静かになった。
私がそろりと顔を出すとそこには返り血に染まって佇む剣先先輩がいた。
その姿にびっくりして体を跳ねさせると足元にあった薬莢を蹴ってしまい、静かな戦場にカラーンと音が鳴る。
その音に反応し、こちらを向いた剣先先輩と目が合った。
「ひっ、ひゃあああ!!」
私は怖くなってその場を駆け出した。
...あれ?剣先先輩味方じゃん。なんで逃げてるんだ私?
それから戻ると現場に到着した早乙女委員長と剣先先輩が話していた。
「...それで、目が合った途端に逃げてしまったと...」
「はい...怖がらせてしまったようで。」
「まあお前のそれは強烈だからな。押さえろとは言わんが、後輩にくらい柔らかい表情を見せてやれ。」
「...善処します。」
逃げてしまった...多分私の話かな?
「あの...すみません、戻りました。」
「あぁ、戻ってきたか。一人倒したらしいな。初の戦場でお手柄じゃないか。よくやったな。」
そういって早乙女委員長が私の頭をなでる。それほどでも~
「私は...剣先先輩のおこぼれを貰っただけで...大したことは...」
「それがお手柄だと言っているんだ。初めての出撃で功績を残すことなんて珍しいことだ。誇っていいさ」
「そうだ。ちゃんと私の教えを守っていたしな。咄嗟にできることではない。」
先輩二人から褒められて思わず頬が緩む。気分も舞い上がってきた。
それから車に乗って校舎に向かっている途中、私はだんだん冷静になってきた。
何を浮かれているんだ私は。私は本当に剣先先輩のおこぼれにあやかっただけじゃないか。それに剣先先輩のあの勢い、多分私の加勢なんて一切必要なく、あの戦場を一人で収めていただろう。
私なんて別に、いらなかったんじゃないか...わたしはただ、無意味に戦場に立ち入って勝手に無駄なケガをしただけなんじゃないか...
そもそも私は、治安維持のために正義実現委員会に入ったんじゃない。
けがをするためだ、けがをして、けがをし続けて、その果てに...死ぬために。
やっぱり私なんて...私なんて、生きる価値もないゴミなんだ...
校舎に戻った委員長と私、ナナは車を降りてナナを訓練場に送った後、私は委員長と話していた。
「お前の教育がよかったのかもな。相当数の弾丸を受けたようだったが、それでも初陣で一人捕まえるとは...2日目にしてその壁を乗り越える子が現れるとはな。あの子は立派に育つだろう。」
「えぇ、ですがフタバ委員長、気が付きましたか?車内でのナナ、とても暗い顔をしていました。
まるで自分を責め立てるかのような、苦しそうな顔を。」
「...何?大抵初めて功績を上げた子はむしろ興奮するものなのだが...何故だろうな...?」
篠崎 ナナ...ハスミからは初日の朝から入部希望届を持ってくるくらいにはやる気のあるやつだと聞いていたが...自己肯定感が低いタイプなのか...?
委員長が褒めていた時も謙遜していたし...いや、それにしてはやけに...
希死念慮って曇らせで良いんだろうか...?
曇らせのある作品を初めて書く上に私は曇らせ好きではないので曇らせ好きな人には刺さらないかもしれない。
ナナは初っ端死にたいとか急に言い出したと思えば友達ができたなんて些細なことで喜ぶといった、一見一貫性のないキャラクター性に見えますが、実は一貫したとある思いを持っています。大分先ですが、ゆくゆくは描写していきたいと思います。
現状なんにも考えてないんだけど、ナナのメモロビいる?
-
いる。
-
いらない。
-
どっちでもいい。