どうか私を、終わらせて   作:めめ師

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なんか子分ができたらしい

ブラックマーケットにやってきて、私は少し調べた結果評判のいいらしいホテルを取り、そこに荷物を置いて街へと繰り出した。

私はこんなところにやってくるのは初めてだったが、治安が悪いということは聞いていた。ホテルにずっといることも考えたが、少しでもブラックマーケットの情報を集め、少しでも多くの生き残る為のすべを手に入れなければならなかった。

...私が生き残るすべを、ねぇ...

 

私がホテルの外に出ると早速、不良に絡まれてしまった。

 

「おいおいお嬢ちゃん!!こんな時間にそんなオシャレしてどうしたんだい!?学校はぁ!?」

 

ニヤニヤしながら複数の不良集団が近づいてくる。

どうやらイチカさんに買ってもらった洋服を着ていたのが絡まれた原因らしい。

まあ、一着で万を超えるような高級品だもんね、これ。

 

「別に...サボっただけですが」

「かぁーっ!お嬢ちゃんも悪いねぇ!

ま、悪いんだけどここら一帯は私たちの縄張りだから。お金を置いてってもらうぜ?

そうだなぁ...5万でいいぜ!」

 

そうだなぁって。どうやら値段は可変らしい。その辺の相場は知らないが、絶対に吹っ掛けられてるなこれ。

というか、犯罪の温床、ブラックマーケットにおいて縄張りもくそもないだろう。それに絡まれるだろうと思って、道中手榴弾やマガジンの補充は充分にしている。

 

「いやですよ、そんなの。渡すわけがないでしょう。」

 

私はそうつぶやくと一瞬にして拳銃を抜いて先頭の一人の頭を打ちぬくと同時、近くにある遮蔽物に身を潜めて手榴弾のピンを抜く。

 

「うわ、こいつやりやがった!」「みんなやるよ!」

 

不良たちが騒ぎ出して、私の隠れる遮蔽物へ向けて、銃を乱射してきた。

 

少し待って、爆発寸前になった手榴弾を相手へ向けて投げつけると私たちの真ん中で爆発。相手は全員遮蔽物に隠れることなく銃を撃っていたため、何人かは飛んで行った破片で負傷しただろう。

 

「うぎゃあ!」「いってぇ!」

 

不良たちの声を頼りに、私は飛びだす。辺りには私の起こした爆発によって砂煙が巻き上がっていた。

さっき覗いた瞬間の記憶を頼りに辺りを走り回り、1人、2人と出合い頭に銃弾を頭に叩き込み、どんどん制圧していった。だんだんと煙が晴れてくると、立っているのは残り2人。

周りが見えるようになったことで、私を視認した2人が私に銃を向ける。

 

「うわっ!こんなやられてんのかよ!」「よくもやってくれたな!」

 

叫んでいる暇があるならさっさと打てばいいものを...

私は横に飛び、銃弾を避けながら1人に拳銃を叩き込み、空いた手で手榴弾を投げつけた。

私がそのまま隣の遮蔽物に身を潜めると程なくして爆発音と不良の悲鳴が私の耳に届いた。相手の周りには遮蔽物が何もなかったため、避けられなかっただろう。

 

私が遮蔽物から身を乗り出すと、周りに立っている人は一人もいなかった。

このままこの場を離れてもいいのだが、私の目的は情報収集。加えてここはホテルから店の立ち並ぶ通りに向かうのによく通ることになるから、また絡まれてもめんどくさい。

私は最初に頭を打ちぬいた不良のもとに行き、彼女の頬を叩いて起こす。

 

「ほら、起きて。」

「...はっ!...お前は!よくもやってくれたな!」

「しーっ。お仲間は皆私がやっつけちゃったよ?一人で私に立ち向かえるの?」

「えっ...ご、ごめんなさい!許してください!で、出来心だったんです!」

 

不良はあたりを見回し、倒れた仲間を見つけると急に丸まって怯えだした。

怯えさせるつもりはなかったんだけど...まあ、これならわたしの質問にも噓なく答えてくれるだろう。

 

「ねぇ、私ブラックマーケットに来るの初めてなんだよね。色々と、教えてくれない?」

 

それから多くの情報を入手できた。どうやらブラックマーケットは居座る大量の不良集団が、日夜縄張り争いに奮闘しているらしい。加えてこの付近の不良集団の構成や、その縄張り範囲、そしてブラックマーケット内で治安を管理するマーケットガードの存在。

ブラックマーケットで治安維持って...ただのお金の無駄遣いでは?

 

「ふーん...なるほどね。色々ありがと。それじゃあもう行くから。」

「あ、ま、待って!下さい!姉さん!」

 

...姉さん?

 

「あの!聞いたところだと姉さんはこの辺のホテルにいるんですよね?お願いです!ウチらの縄張り維持に協力してくれませんか!?

もちろんタダでは言わないっす!ウチらの稼いだお金とか、姉さんのやりたいことに協力したりとか、色々するんで!お願いします!」

「「「「お願いします!!!」」」」

 

いつの間にか起きていたらしい他の不良も後ろに1列に並んで私に頭を下げていた。

 

えぇ...縄張りとか私にはどうでもいいんだけど...

でも、後半は私にも嬉しいな...

 

「...良いけど...私別に強くはないからね?強い相手が来たら普通に負けるから。」

「あ、姉さん...それマジで言ってんすか?」

 

大マジだが?剣先先輩どころかイチカさんにも勝てたことないし。

...なんか後ろの不良たちもヒソヒソと話している。...何だよ!

 

「ま、まあ姉さんが協力してくれるなら百人力っす!これからよろしくお願いします!」

「「「「よろしくお願いします!」」」」

 

どうやら私に子分?ができたらしい。

私はそのまま辺りの様子を見て回ったあと、ホテルに戻った。

ホテルに戻ると、勝手に財布からお金(5000円)が抜き取られており、『チップくらい置いておけ』という書き置きが残されていた。

 

なるほど..."比較的"評判のいいホテルだったか。

今後はチップを置いて貴重品は全部もって出かけることとしよう。

 

そう決意して私は眠りについた。

 

私がスマホの通知で目を覚ますとイチカさんから心配のモモトークが送られてきていた。いや、イチカさんだけでなく、ほかの同級生や、クラスメイト、先輩方からも届いている。私は通知のみでそれらを見ると、その全てに既読をつけることなく、通知を切るのだった。

 

 

 

私がブラックマーケットにやって来て3日目、あの時の不良からメッセージが届いた。

 

『姉さん!近くの奴らがウチらの縄張りに入り込んできた!助けてください!今ここで戦闘が始まっています!』

 

私はそれを見てめんどくさいと思いつつもホテルから出ると、聞こえてきた銃声を頼りに戦場へと向かった。

戦場に着くとあの時の不良たちと、それとは別の不良集団が戦闘をしていた。

服装が違うから分かりやすいな...そうやって区別してるのか。

私は急いで相手側の裏路地に回り、そこから奇襲の形で手榴弾を相手集団に投げ込んだ。打ち合いに夢中な彼女らは飛んできた手榴弾に気づくことなく、爆発に巻き込まれる。

それから後ろの私と前の不良たちに囲まれた相手は何も出来ずにやられていくしか無かった。

 

「ありがとうございます!ほんと助かりました!」

「まあ、これくらいなら全然良いけど。手榴弾も弾もそんなに使ってないし。」

 

なんかみんなキラキラした目で見てくる。いや、多分だけど私年下だよね...っていうか。

 

「そういえばみんなの名前を知らない...」

「あ、そうっすね!ウチは片岡 ミミっす!それから...」

 

みんなが自己紹介をしてくれた。

 

元々リーダーをしていたアサルトライフル使いの片岡 ミミ

5人の中で1番血気盛んなサブマシンガン使いの深月 サナ

制服を大胆に改造して露出の激しいサブマシンガン使いの坂田 サクラ

サクラと一緒になってよくカメラで写真を撮っているライトマシンガン使いの岡崎 トオコ

そしてどうやら1番私に懐いているらしいスナイパーライフル使いの田辺 イツキ

の5人だった。ちなみに聞いてみるとみんなどこかの学校を退学になった元2年生。全員年上だった。

 

「私は篠崎 ナナ。元トリニティ総合学園の1年。一応元正義実現委員会。

...まあ正確には退学したって訳では無いんだけど。」

「年下!?っていうかトリニティ!?姉さんすげぇっすね!!」

 

みんな目を輝かせて私の周りを囲う。姉さんってのは変わらないんだね...

サクラとトオコが私を巻き込んで自撮りを繰り返していた。

イツキが私の服の裾を掴んでくる。

サナが私が正義実現委員会だったと聞いて決闘の誘いを叫ぶ。

それを周りを回りながらミミがなだめようとしていた。

...ちなみに年上だけど、なんか子分的な立ち位置だしいいかってことで呼び捨てをすることにした。

 

いつの間にか私も仲間みたいな...っていうかリーダーみたいな扱いをされているけど私はあくまで協力者だぞ...

 

その後サクラとトオコの自撮りを流しつつサナの誘いを誤魔化しながらイツキをそのままに連れてお昼ご飯をみんなで食べた。

ちなみにみんなお金が無いので私の奢りだった。

 

「いやー美味かった!!ウチらあんなに食ったの1年ぶりくらいっすわ!」

「万年金欠だもんな!」「一生分食った気がするぜ!」「...美味しかった...」「また行きたいなー!」

「みんな明るいね...」

「こんな世界じゃ明るくねーとやってけねーからな!」

 

サナが欠伸を噛み殺しながら言った。

 

それから私たちは解散し、私はホテルに戻った。

 

「なんか色々絆されちゃったな...」

 

なんだかあの人たちといる時は特にマイナスな思考をすることもなくて、なんだか心地がいい。

私がふと、スマホを開くと幾つものモモトークの通知と電話の履歴が画面を覆い尽くしていた。

私はスマホの電源を切って充電器に刺すと、ベッドに寝転がり、ぼーっと天井を眺めた。

 

みんな...私を心配してくれているんだなぁ...

それでも、私はトリニティに戻る気にはなれない。

だって私は、全部捨ててきたのだから。

 

全部を裏切って、捨てて、諦めて。

その果てに...私はトリニティを去った。

今更何を、答えられようか。

 

私は、もう...

 

 

気がつけば寝ていたらしい。

私が起き上がると外は暗くなっていた。

スマホの電源を入れて時間を確認すると夜の20時半だった。ちょっとお腹がすいてきたな...

スマホのロックを外して近くのお店を探そうとするとすぐに電話がかかってきた。相手はイチカさん。

さっきまで電源を落としていて全く繋がらなかったはずなのに...履歴を見るにどうやらずっと電話を試しているらしい。さすがにずっと心配させて、ずっと電話をかけてくれて、きっと自分の時間なんて全くないだろうに...

なんだか申し訳なくなって電話を取る。

 

『あっ!繋がった!ナナ!?今どこ!?』

「何処か...は言えません。あなた達探しに来るでしょう?」

『...やっぱりトリニティに居ないんだね。』

 

...あっ。

 

『ねぇ、ナナ。私心配だよ?ねぇ、お願い。戻ってきて。また一緒に、授業受けよう?一緒に話そう?

...お願い。』

 

声色を聞くにきっとイチカさんは泣いているんだろう。

...それでも、私は。

 

「いえ、帰りません。私はもう、私に期待しないために。捨てたんですから。...それではおやすみなさい。」

『ねぇ!まっt』

 

私は電話を切る。すぐに再びかかってきたため私は電源を落として、外に夕飯を買いに出た。

 

 

 

数日後、私が外に出ていると近くで銃撃戦の音が聞こえた。

 

「うわあああ!まずいまずい!ひっ、ひええっ!!」

 

私が音のする方に向かうとそこに変な顔の着いたリュックを背負った子が飛び出してきた。あの制服は...トリニティ総合学園の?なんでこんなとこに...

まあいいや。とりあえず助けるか。目の前で同じ学校の生徒が襲われてるのを見過ごすのも寝覚めが悪いしね...

 

「ほら、私が時間を稼ぐから。逃げて。」

「えっあっ、ありがとうございます!」

 

私はさっきの子をおってきたであろう集団の前に飛び出す。

 

「なんだテメ...うわっ!あん時のやつだ!」

 

あの子を追ってきていたのは先日私が制圧を手伝った皆の縄張りに侵略してきた集団だった。爆発に巻き込まれていたし、結構な怪我をしたと思ったんだけど...タフだな...

 

「あん時はよくもやってくれたなぁ!」「今回はお前一人だろ?それなら仕返しの絶好の機会だなぁ!覚悟しろよ?」

 

不良集団がみんな凄んでくるが、相手の実力は既に知っているから特に怖くもない。

 

「そういうのいいから。それじゃあ、やる?」

「ったりめぇだあ!おら行くぞ!」

 

私は話しながらポケットの中でピンを抜いていた手榴弾を相手の後方に投げつけた。相手が反応する暇もなく爆発しそれによって吹き飛んできた不良を蹴り、そのまま相手が逃げた先の遮蔽物に一緒に相乗りしつつ私のことに気づく前に相手の頭を撃ち抜く。そのまま隣の遮蔽物にいる不良も撃ち抜くと、ほかの不良も私のことに気づいたため、飛んできた銃弾を避けつつ相手側に手榴弾を投げ、そのまま裏に隠れた。

爆発と悲鳴を聞いた後相手側に飛び出すと全員気絶してしまっていた。なんだか拍子抜けだ。

 

私が服に着いた誇りを払っているとそこに先程の子が走ってきた。

 

「すっ凄いですね!あっと...言う...間...に...」

 

私の顔を見ると同時に興奮した様子だったのがどんどんフリーズしていった。え、何?

 

「あーっ!」

 

と思ったら急に私を指さして叫び出した。

え?本当に何?

 

「どうしたの?」

「あっいっいえ!何でもありません!!勘違いでした!!あっあはは...」

 

...絶対なんかあったじゃん。まあいいや。

 

「それならいいけど、あなたその制服を見るにトリニティの子でしょ?なんでこんな所に?」

「...私が逃したペロロ様の限定ぬいぐるみが出品されるオークションがあるって噂を聞いて来たんです!」

 

なんだか煮え切らないような表情で答えられた。

ペロロ様...?なんか聞いたことある気がするけど、分からないな...

まあしっかり目的があって来たんなら今後襲われても自己責任だ。わざわざ護衛してあげる義理も無いだろう。

 

「ふーん...そう、頑張って。」

「あっはい!ありがとうございました!」

 

そう言ってお辞儀をする子を見送ったあと私はスマホの電源を入れ、通知を無視しながらペロロ様とやらを調べた。

...うわキモ。

 


 

さっきの子...間違いなくトリニティの掲示板に貼られていた行方不明の子ですよね...

これは帰ったら正義実現委員会に報告しないと...

 

私はオークションにこっそり参加し、ペロロ様のぬいぐるみを無事にゲットすると(オークションでは競り落とせなかったので、その場で大暴れしたあと盗み出して逃げたという形で)トリニティへと帰るのだった。

 

私はその足で正義実現委員会へと向かい、受付にいた人に行方不明の子を見かけたと、事の顛末を(もちろん自分の蛮行は伏せて)話した。

 

「...つまり、ブラックマーケットにいたと?」

「はい!そうなんです!私が不良に襲われているところを助けてくれて!」

「そうですか。ご協力ありがとうございます。とても助かりました。

...ところであなたはどうしてブラックマーケットに?」

 

.........あっ。




実はナナ結構強いんです。本人に自覚は無いですが。
ただ、手榴弾とかで相手を翻弄して戦う分、戦略で上を行かれる相手とか、そもそも耐久力が高くて攻撃の通らない相手とかには絶対に勝てません。ネームド内でいうと下の上から中の下くらいの強さだと思ってます。

得意は見ての通り市街地での対多戦闘です。戦略もクソもないモブ相手限定ですが。

オリキャラ増やしすぎると大変になるってのはわかってるんだけど、ブラックマーケットでの話も描きたかったんです!

現状なんにも考えてないんだけど、ナナのメモロビいる?

  • いる。
  • いらない。
  • どっちでもいい。
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