どうか私を、終わらせて   作:めめ師

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先のことですが、ナナが矢印を向ける先についてのアンケートを作りました。
答えていただけると幸いですm(_ _)m


アイスを押し込まれてる鳥を求めて

私が日々のパトロールに勤しんでいると、気付けば月日が流れていた。相も変わらず、治安は戻らず正義実現委員会は忙しい日々を送っている。

そんな中でトリニティ総合学園内ではふたつの噂が流れていた。

 

ひとつはトリニティ総合学園の生徒会、ティーパーティーの現ホスト、サン何とかっていう派閥のトップが行方不明になっているというもの。

元々虚弱体質な人らしく、入院することはこれまでもあったらしいが、今回は何やら事情が違っているらしい。詳しいことは知らないが。

何でも亡くなってしまったのではないかという噂が流れている。聞いた話によると真偽不明との事だが、火のないところに煙は立たないという。そう思わせる何かしらはあったのだろう。

 

私はこの話を聞いた時、つい羨ましい、と思ってしまった。

噂の真偽はともかく、件の人は望んで姿を消したわけではないだろうに。

 

私はやはりどこまで行っても、この自分勝手で、自己中心的な思考につきあっていかなければいけないらしい。

やっぱり私なんて、みんなが肯定するような人間ではなくて、みんなが私を信じてくれるのは否定しないけど、どうしても自分を肯定はできない。

...やっぱり私は...

 

...失礼、話題が逸れてましたね。

まあ、1つ目の噂がそれ。

 

そしてもうひとつの噂は最近キヴォトスにやってきた人間の大人「先生」の存在。

聞いたところによると羽川先輩も以前サンクトゥムタワーに治安の悪化やインフラ崩壊について話を聞きに行った際に、先生と会いその指揮下で戦闘を行ったらしい。

その時の話は詳しく聞いていないのでその指揮がどうだったのかは知らないが、正直戦闘指揮くらいなら現場の指揮官級の人がやればいいと思う。

それに先生にはヘイローが無いらしく、私たちと違って銃弾一発で致命傷になりかねないらしい。

話が逸れないようにあまり触れないが、これについても正直羨ましいと思った。

 

まあとにかく、今までキヴォトスにいなかった人間の大人だ。その人がキヴォトスにどういう影響をもたらすのか、の方が重要だろう。

 

欲を言えば完全に壊れたインフラと治安を元に戻して欲しい...

 

とは願ったが、噂が流れて少し経った今でも治安の悪い現状が変わってないので、まあ1人の大人に期待をぶつけるものでもなかったのだろう。

 

 

そんなある日、阿慈谷さんからブラックマーケットに行くのに付き合って欲しいと言われた。

 

「...またあの(キモイ)鳥ですか?」

「はい!アイス屋さんとコラボしたペロロ様の限定グッズがオークションに出品されると聞きまして!」

 

ペロロとやらのことをキモイ鳥と呼ぶと阿慈谷さんはものすごく圧の強い顔をするので普通に鳥と呼ぶことにしている。見た目のインパクトとキモさからなんだかペロロという名前を呼ぶ気にはなれないのだ。

限定グッズの見本として見せてもらった写真はいつものあの鳥がなんとも言えない表情のままにアイスを口に突っ込まれているぬいぐるみだった。

 

これアイスを頬張ってるんじゃなくて思いっきり口に押し込まれてるよね...

手でアイスを持ってるんじゃなくて両手ともフリーなままなのが余計にそう思わせてくる。

 

「まあ、良いですけど...」

 

こうして私は阿慈谷さんと一緒にブラックマーケットへと向かうことになった。

 

 

ブラックマーケットに到着し、件のオークション会場へと向かおうとした時だった。

 

「お?その制服はトリニティのお嬢様じゃねえか!こんなとこでなにやってんの〜?」

 

まあ早速絡まれた。とはいえこれは予想通り。こういう時のために私も着いてきたからね。

 

「阿慈谷さんは隠れててください。私が相手しますので」

「おっ、お願いします!」

 

この辺のやり取りは割と慣れたもんだ。

これまでも何度かやってきたことだしね。

 

「なんだァ?お嬢ちゃん一人でやる気なのかい?」

「そうだね。始めようか。」

 

私は懐から手榴弾を取り出して相手の後ろの放り投げた。

それを見た不良は驚いた顔を見せて走り出した。ピン抜いてないから爆発しないんだけどね。私はそのまま背を向けた不良の頭に弾をぶち込みながら手榴弾を拾うと阿慈谷さんに声をかけた。

 

「それじゃあ、行きましょうか。あっちの方ですよね?」

「あはは...さすがナナちゃん、慣れてますね...」

 

 

 

「くそ...トリニティの爆弾魔ってあいつのことだったのか...仲間に、連絡を...」

 

 

 

私たちはそのまま目的地へと進んでいる途中、やけに私たちに集まる視線を感じた。

 

...もしかして、カイザーにばれた?

いや、ちらりと辺りを見てみればこちらを伺っているのは、不良集団ばかりだ。

カイザーが不良たちを傭兵として雇っている可能性はあるけど、たかだかマーケットガード一機壊した程度の私にそんなにお金を使うとも思えないし、何より今更すぎる。

そう考えるとカイザー関係ではなく、徒党を組んで私への復讐ってところかな?

対多戦闘はむしろ得意分野だし、相手をしてもいいけど、私の戦法的にどうしても大きな音がなり続けてしまう。それに釣られてマーケットガードやカイザーがよってきても面倒だし...

 

「阿慈谷さん、走りますよ。」「へ?そっちは目的地じゃ...」

 

私は阿慈谷さんの手を取ってそのまま走り出す、目的地とは少し離れるが、こっちの方が道が入り組んでて相手を撒くには便利だ。

 

「待てや!」「逃がさねぇぞ!」「こっちだ!」

「えっなっなんですか!?」

「ごめんなさい、多分私を狙った追ってです。何処かで別れましょう。私が奴らを引きつけるので阿慈谷さんはその間に例の会場に向かってください。」

 

私は驚く阿慈谷さんに説明しながら掴んでいた手を離し、そのまま先導しながら走る。

 

「えぇっ!?それだとナナちゃんが...」

「かといって撃退しようにも数が多すぎます。多分私に恨みを持つやつらが徒党を組んでるようで、軽く4,50人はいますよ?......うわっと」

「そっ、そんなに...ってきゃっ!」

「ん?」

 

私たちは話に夢中になって注意が疎かになっていたらしい。

曲がり角を曲がった瞬間、そこにいた人達とぶつかってしまった。

 

「ごっごめんなさい!」

「大丈夫?...なわけないか、追われてるみたいだし。」

「すみません、先を急いでて...」

「なんだお前らは?あたしらはそこのトリニティのやつに用がある。」

 

うわぁ、追いつかれちゃった。めんどくさいなぁ...

それにこの人達、ここでは見た事ないし、みんな同じ制服なのを見るに多分ブラックマーケットに拠点を置く不良じゃない。

加えて、一緒にいる人間の大人。キヴォトスでは世にも珍しい男性だ。情報を整理するに...多分今話題の先生とやらだろう。...結構イケメンだな。

彼の場合、銃弾一発で致命傷になるらしいし、あまり巻き込みたくはないのだが...

 

『思い出しました!その制服、三大マンモス校のうちの一つ、トリニティ総合学園の制服です!』

「そう、そしてキヴォトスで1番金を持っている学校でもある!だから拉致って身代金をたんまり頂こうってわけさ!」

「それにそこの黒髪は散々私らを舐めてくれたからな。復讐がてらお金も稼げるんだ。これぞ一石二鳥ってもんよ!」

 

やっぱりそれ目当てだったか...カイザー関係じゃなかった分楽だと思うべきか...まあ今気にするところではないな。

 

「はぁ...こいつらは私が相手するので皆さんお逃げ下さい。」

「うわっ!」「ちょっ!?」

 

私はこっそり足元に転がしたスモークグレネードが煙を吐くと同時に目の前の2人の頭を撃ち抜いて姿勢を低くしたまま煙に紛れる。

そのまま相手集団の集まっていたところに手榴弾を3つほど投げつけて煙の外へ出ると、先程ぶつかった人たちも阿慈谷さんもまだそこにいた。

 

「あれっ、何でまだいるんです?逃げないんですか?」

「ん、あの人数を一人で相手するのは危険。」

「私達も手伝いますよ〜☆」

「それは...ありがとうございます。」

 

 

それから不良集団の制圧は一瞬にして終わった。

私は手榴弾と拳銃、そしてスモークグレネードで接近戦を仕掛ける関係上、普段一緒に戦わない人と一緒に戦うと連携が上手くいかずフレンドリーファイアを起こしやすい。

なので今回は遠くから手榴弾を投げるだけにした。

 

「ありがとうございます。おわれていたのは私なのに...」

「そうですよ、危うく学校に迷惑をかけてしまうところでした...」

「えっとー、ナナちゃんにヒフミちゃんだっけ?

ふたりはどうしてこんな危ないところに来たの?」

「あ、あはは...それはですね...実は探し物がありまして...

もう販売されていないので買うことも出来ないものなのですが、ブラックマーケットでは密かに取引されているらしくて...」

「私はその護衛というか、付き添いです。」

「もしかして...戦車?」

「もしくは違法な火器とか?」

「科学武器とかですか?」

 

アビドス高校、私は聞いたことない学校から来たらしい5人組から次々と羅列される物騒な兵器の数々。まあでも普通に考えたらそうなるよね。でも私たちの、というか阿慈谷さんの実際の目的は...

 

「えっ!?い、いいえ...えっとですね...ペロロ様の限定グッズなんです。」

 

まさかのこれである。アビドス高校の人たちも驚きを隠せていない。

まあ、何度襲われようとめげずに来ているし、相当に好きなんだろうが、それにしたって限度がある。

私がブラックマーケットに足を運べばしょっちゅう出会う辺り、多分私よりもブラックマーケットに通いつめてるよこの人。

そんなにそのキモイ鳥好きなのね。私にはわからん。

 

「ペロロ?」「限定グッズ?」

「はい!これです。ペロロ様とアイス屋さんがコラボした、限定のぬいぐるみ!」

 

そう言ってぬいぐるみの写真を見せる阿慈谷さん。

 

「限定生産で100体しか作られていないグッズなんですよ。

ね?可愛いでしょう?」

 

これに同意を求めるのは厳しいと思うぞ阿慈谷さん。

ほら、アビドス高校の人たちも困惑してるじゃん。

やっぱそれキモ...可愛いと思うのは無理があるよ...

 

「わあ☆モモフレンズですね!私も大好きです!ペロロちゃん可愛いですよね!

私はミスター・ニコライが好きなんです!」

 

いたよ。可愛いって思う人...私は同意しないけど、まあ...良かったね...

それからふたりはモモフレンズの話で盛り上がっていた。

 

「いやー何の話だか、おじさんにはさっぱりだなー。」

 

安心してください。私もさっp...おじさん???

 

「ホシノ先輩はこういうファンシー系に全く興味ないでしょ。」

「ふむ...最近の若いやつにはついていけん。」

 

この人何歳???

 

「歳の差、ほぼないじゃん...」

 

あ、やっぱりそうなのね...

 

「というわけで、グッズを買いに来たのですが、先程の人達に絡まれて...みなさんがいなかったら今頃どうなっていたか...」

「そうですね、改めまして、ありがとうございました。

ところで、みなさんはどうしてブラックマーケットに?見たところ、そういう事情を抱えているようには見えませんが...」

 

私はアビドス高校の人たちと、その後ろに控える先生へと目を向けた。

先生とは、聞いたところによるとこのキヴォトスにおいて絶大な力を持つ存在らしい。そんな人がついていながらブラックマーケットにまで来なければいけないような事情とは私には思いつかない。

 

「私たちも似たようなもんだよ。探し物があるんだー。」

「そう、今は生産されていなくて手に入れにくいものなんだけど、ここにあるって話を聞いて。」

「そうなんですか、似たようなものですね。」

『皆さん、大変です!四方から武装した人たちが向かってきています!』

「何!?」

 

私たちがホログラムから聞こえてきた声に反応するのと同時、周りに先程よりも多くの不良たちが顔を出した。

 

「いたぞ!」「良くも仲間をやってくれたなぁ!」

『先程撃退したチンピラの仲間のようです!』

 

さっきだけでも相当な数だったのにまだいるんだ...

ていうかやべ!カイザーのオートマタもいる!

 

「もう!めんどくさいわね!」「ん、さっさとやろう。」

「あー...みなさんそっちをお願いします。私はこっちの方向をやるので...」

 

私はしれっとカイザーのオートマタがいない方向の戦闘を担当する、もとい逃げた。

 

「ちょっと!?一人でやる気!?」

「大丈夫ですよ、私はむしろ、1人の方が戦いやすいので。」

「"ナナ、無理はしないでね。"」

「普段からあのくらいの人数は一人で相手しているのでお構いなく。」

 

そう言って私はスモークグレネードと手榴弾を不良に投げつけた。

手榴弾の爆発の後に煙が広がり、瞬く間に辺りを白が支配した。私はそれに紛れて辺りを走り回る。そのまま手当たり次第に目の前に現れた不良の頭を次々に撃ち抜いていく。

やがて煙が晴れて来た瞬間、最後のひと押しとして辺りにある遮蔽物に向けて、戦闘開始前の記憶を頼りに手榴弾を複数投げつけた。

 

そのまま煙が晴れると同時に爆発音が鳴り響き、辺りに立ち上がっている不良の姿は無くなっていた。

 

「おー...君、強いねぇ」

「ん、私も戦ってみたい。」

 

私の方よりも先に終わっていたらしいアビドス高校の人たちが私に話しかけてくる。

 

「私なんてまだまだですよ。正義実現委員会の先輩方の方がお強いですし。」

『正義実現委員会、トリニティ総合学園の治安維持組織ですね。ナナさんは、そこの所属なんですか?』

「いえ、元々そうだったんですけど、今は違います。...っていうか!そろそろ移動しましょう!」

「どうして?」

「ブラックマーケットの治安機関に見つかるかもしれないからです!さっきの中に治安機関のロボットもいましたので、既に嗅ぎつけられてると思った方がよろしいかと!」

「ふむ...わかった。ここのことはナナちゃん達の方が詳しいだろうから、従おう。」

「ちぇっ、運のいい奴らめ!」

 

アビドス高校の猫耳の人...黒見 セリカさんが乱暴に舌打ちをこぼした。

結構乱暴な子なんだな...うちのサナみたいだ。

 

そのまま私たちは阿慈谷さんと私の案内によって移動を開始した。

 

 

「ここまで来れば大丈夫でしょう。」

「ここをかなり危険な場所だって認識してるんだね。」

 

アビドス高校の犬耳の人、砂狼 シロコさんが私たちを見て言った。

まあ、こんな無法地帯ですからね?

 

「えっ?と、当然です。連邦生徒会の手が及ばない場所のひとつですから。ブラックマーケットだけでも学園数個分の規模に匹敵しますし、決して無視はできないかと...」

「それがわかってるなら鳥のグッズ集めのためだけにここに来るのを控えてもらいたいんですけどね...」

「ぺっペロロ様です!それにここにしかないんですから仕方ないじゃないですか...っていうかナナちゃんだってよくここに来てるじゃないですか!」

「私は友達に会いに来てるだけですので。」

 

私たちが話していると、少し考え込んでいた様子のアビドス高校のひとり、ピンク髪の小鳥遊 ホシノさんが私たちに言う。

 

「ふ〜ん...2人とも、ここのこと意外に詳しいんだねー。」

「えっ?そうですか?危険な場所なので、事前調査をしっかりしたせいでしょうか...?」

 

その時、小鳥遊さんの目がきらりと光る。

 

...なんか嫌な予感。

 

「よし、決めたー。

助けてあげたお礼に、私たちの捜し物が手に入るまで一緒に行動してもらうねー♪」

「えっ...」

 

うわぁ、的中した...

困惑する私と阿慈谷さんを他所にアビドス高校の人たちはナイスアイデア!と盛り上がっている。

 

「まあもちろん、ヒフミさんとナナさんが良ければ、だけど...」

「あ、あうう...私なんかでお役に立てるか分かりませんが、アビドスのみなさんにはお世話になりましたし、喜んで引き受けます。」

「私もいいですよ。阿慈谷さんと違って私の方は特に用事がある訳でもないですので。」

「よーし、それじゃあちょっとだけ同行頼むねー。」

「"ありがとう2人とも。よろしくね。"」

 

こうして私たちはブラックマーケットを散策することなったのだった。




ようやく先生の登場です!

元々本編にそこまで絡ませるつもりはありませんでしたが、せっかく書いてるんだしどうせなら絡ませちゃえと。
まあ、入れ込めそうなとこに入ってくるだけで、何でいるんだよ的な展開にはしないつもりです。

先の展開考えてたら救われたナナが先生ラブ勢に片足突っ込む未来が見えたんだけど、どう思う?

  • いいわけないだろ。イチカとくっつけ。
  • そういうゲームだしいいじゃんね
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