【完結】司令官(プレイヤー)の顔がわからない低レアさんの苦悩   作:ソシャゲ低レアさん

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※本作は執筆過程においてAIを補助的に使用しています。
物語構成・設定・最終調整は作者によるものです。

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第九話:見過ごされた異変

 

 私は連日、ポポラの特別メニュ──お仕置きの見学に来ていた。

 

 どんな内容を課しているのか、純粋に気になったからだ。

 それに、監督役のケーラも同じ訓練をこなしているはずなのに、彼女は訓練後も普段と変わらず動けている。

 

 ある日の訓練中、いつも通り一人だけついている介護役のシエルに、そのことを聞いてみた。

 

「ケーラちゃんは、自分ができないことを人に強要する娘じゃないんです」

 

 シエルはそう言っていた。

 

 ⸻

 

 訓練の合間の休憩中、私はケーラに声をかけた。

 少し離れたベンチでは、訓練で完全にダウンしたポポラを、フィアが甲斐甲斐しく世話している。

 

「ケーラ」

 

 声をかけると、彼女の肩がびくりと跳ねた。

 だが、()()()()()()だと気にも留めずに、私は続ける。

 

「連日の訓練でも、だいぶ動けているようだな」

「あ、ありがとう……ございます」

「……今の動きなら、討伐任務に出ても問題ないな。このまま頑張ってくれ」

「は、はい……わ、わか、りまし……た」

 

 私はそう言って、ケーラの肩を軽く叩くと、

 そのまま視線を向けることなく、訓練場を後にした。

 

 ──そして、その日。

 ケーラのログ(活動履歴)が更新されることは、ついになかった。

 

 ⸻

 

 わたしは、訓練で倒れているポポラさんに飲み物とタオルを渡していた。

 ポポラさんはベンチに横たわり、声を出す余裕すらなさそうだ。

 

「……」

 

 その様子を横目に、わたしはケーラさんの姿を探した。

 

 いつの間にか司令官さんは退出していて、

 ケーラさんは、出口の方へ、どこか覚束ない足取りで歩いていくところだった。

 

「ケーラさん?」

 

 少し気になって、わたしは後を追った。

 出口に差し掛かったその時──

 

 ドサッ。

 

 鈍い音がして、思わず足を速める。

 暗い廊下の先で、ケーラさんが倒れていた。

 

「ケ、ケーラさん!!」

 

 慌てて駆け寄り、抱き起こす。

 目は固く閉じられ、かすかな呻き声だけが漏れていた。

 

「ケーラさん、しっかりしてください!!」

 

 こうしてはいられない。

 わたしはケーラさんを抱え、医務室へと走った。

 

 ⸻

 

「ド、ドクターさん!! た、大変です!!」

 

 医務室に飛び込むと、ドクターさんが振り返った。

 

「っ!? 急いで、ここに寝かせて!!」

 

 指示に従い、ベッドに横たえる。

 急いだせいで体が大きく揺れてしまったはずなのに、それでもケーラさんは、目を覚まさなかった。

 

 診察を始めたドクターさんの白衣の袖を、思わず掴んでいた。

 

「ド、ドクターさん……ケーラさんは、大丈夫……なんですか?」

「……一先ず、様子を見ましょう。フィア、悪いけど第4班の人たちを呼んできてくれる?」

 

 その言葉に、わたしは頷く。

 

「そ、その後、司令官さんも呼びますか?」

 

 わたしの問いに、ドクターさんは即答した。

 

「司令官には、私から伝える。だから、貴女は第4班を連れてきて」

「……分かりました」

 

 そう言って、わたしは医務室を飛び出した。

 その直前に見えたドクターさんの表情が、

 ひどく険しかった気がしたけれど──

 きっと、気の所為だ。

 

 ──

 

 医務室を出て、廊下を走る。

 靴音がやけに大きく響いて、胸の奥がざわついた。

 すれ違った隊員たちが、何事かという顔でこちらを見るのが分かる。

 

 さっきまで、普通に訓練をしていたはずなのに。

 ほんの少し前まで、歩いていたはずなのに。

 

 ——わたしが、ちゃんと見ていれば。

 

 そんな考えが浮かんで、慌てて首を振る。

 今は、第4班を呼ばなきゃ。

 それだけを考えなきゃいけない。

 

 ──

 

「ケーラ!!」

 

 フィアに呼ばれ、私たちは一斉に医務室へ駆け込んだ。

 扉を開けると、カーテンで仕切られたベッドの向こうから、ドクターが顔を出す。

 

 私は思わず詰め寄った。

 

「ドクター!! ケーラの容態は!? 大丈夫なの??」

「ラニちゃん、落ち着いて。そんな勢いだと、ドクターさんが何も言えないわ」

 

 エルフィーに制され、はっとして一歩下がる。

 

「ご、ごめん……」

 

 ドクターはカーテンの外へ出てくると、手にしていたバインダーで軽く私の頭を叩いた。

 

「心配なのは分かる。でも、ここは医務室よ。静かにお願いね?」

 

 そう言って、出口へと歩き出す。

 

「……隣の部屋で話しましょう。大丈夫、ケーラの容態は安定しているから」

 

 私たちは顔を見合わせ、ドクターの後について行った。

 

「安定している」

 その言葉に、胸を撫で下ろした──はずなのに。

 どうしてか、不安は消えてくれなかった。

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