【完結】司令官(プレイヤー)の顔がわからない低レアさんの苦悩   作:ソシャゲ低レアさん

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※本作は執筆過程においてAIを補助的に使用しています。
物語構成・設定・最終調整は作者によるものです。

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第2章:気づかないふり
第六話:胸が軽くなるまで


 

 

 第6班との合同訓練から、数日が経っていた。

 

 あの日以降、〇〇司令官さんとはほとんど顔を合わせていない。

 翌日から長期の遠征任務に出ていて、基地にいる時間自体が少なかったのも、都合がよかった。

 

 遠征の報告は、リーダーだったリリが一人で向かってしまった。

 正直、少しだけほっとしている自分がいた。

 そのせいもあって、司令官さんと顔を合わせる機会は、自然となくなっていた。

 

 補給物資の整理を終え、他の遠征メンバーと解散した後。

 一人で通路を歩いていると、前方から二つの人影が近づいてくるのが見えた。

 

 そのうちの一人は、防衛基地の制服を着ている。

 私は反射的に通路脇へ移動し、敬礼の姿勢で待機した。

 

「ケーラちゃん、お疲れ様」

 

 聞き覚えのある声に顔を上げると、ナータさんが立っていた。

 

「お疲れ様です。ナータさん」

 

 挨拶をして、隣に目を向ける。

 ナータさんの顔の横に、司令官の襟章が見えた。

 

 さらに視線を上げると──()()()()()()

 

 思わず、きょとんとしてしまった。

 

 その様子に気づいたナータさんが、納得したように説明する。

 

「彼は、別の防衛基地に所属するフレンド司令官よ。今日は、うちの基地と情報共有の打ち合わせで来ていたの」

「初めまして、フレンド司令官さん。

 ホーラ防衛基地所属、第4班のケーラと申します。よろしくお願いいたします」

「ああ、よろしく頼む。……あと、もう楽にしていいぞ」

 

 そう言って、フレンド司令官さんは軽く手を挙げた。

 私も敬礼を解く。

 すると、ナータさんは私の両肩に手を置いて、

 まるで改めて紹介するみたいに、フレンド司令官さんの方へ向き直らせた。

 

「ケーラちゃんは遠征に出ることが多いから、フレンド司令官さんと顔を合わせる機会も増えるかもしれないわね」

「そうなのか。なら、うちの基地に来たときはよろしく頼む」

 

 朗らかな笑顔だった。

 

「分かりました。その時は、よろしくお願いします」

 

 私も、つられて微笑む。

 

 少し考え込んでいた様子のナータさんが、話の区切りに気づいたように言った。

 

「今、フレンド司令官さんの見送りをしているところなんだけど……

 ケーラちゃんも一緒に来る?」

 

(今は特に予定もないし、見送りくらいなら……)

 

「分かりました。ご一緒します」

 

 そうして私たちは、防衛基地の出入り口へ向かった。

 

 ⸻

 

 今日の秘書であるエルフィーと、物資倉庫の在庫管理を終えた帰り道。

 ふと基地の出入り口に目を向けると、三つの人影が見えた。

 

 一人は防衛基地の制服。

 残りの二人は、服装だけでは判断がつかない。

 私の視線に気づいたのか、エルフィーも同じ方向を見る。

 

「あれは、ナータとケーラちゃんですね。

 今日の来客である、他基地の司令官の見送りだと思います」

「ナータと……ケーラだったのか」

 

 少し気になって、エルフィーに聞いてみた。

 

「ケーラは、他の司令官に対して緊張していないようだな」

「……そう見えますね」

 

 短く答えたエルフィーは、それ以上何も付け加えなかった。

 

 ケーラの件については、踏み込まないと約束している。

 それ以上は追及しないことにする。

 

「そうか。それより、次の仕事は?」

「次の仕事はですね──」

 

 私は歩き出し、エルフィーは端末を操作しながら後をついてくる。

 

(……無理に知る必要はないか)

 

 そう思い直し、足を止めることなく歩き続けた。

 

 ⸻

 フレンド司令官さんを見送ったあと、ナータさんが話しかけてきた。

 

「ケーラ、何か悩み事とかない?」

「えっ?」

「同じ基地の隊員なんだもの。

 普段と違う様子をしていたら、気にもなるわ」

 

 軽い口調とは裏腹に、向けられる視線は真剣だった。

 私はその目から逃げるように、足元を見る。

 

(やっぱり……()()()は、まだ……)

 

 ナータさんは、そんな私の頭にぽんと手を置いた。

 

 思わず顔を上げる。

 

「無理に言わなくていいわ。

 でも、これだけは聞かせて?」

 

 そう言って、肩に手を置き、目を覗き込んでくる。

 

「そのことについて、相談できる人はいる?」

「……一応、ドクターが」

「ドクターだけ?」

 

 私は、黙って頷いた。

 ナータさんは、安心したように何度も頷く。

 

「一人で抱え込んでいないって分かって安心したわ。

 でも、ドクターも忙しいでしょう? 

 いつでも相談できる、ってわけじゃないと思うの」

「……そう、ですよね」

 

 合同訓練のあと、一度ドクターのもとを訪ねた。

 けれど、出た結論は「できるだけ接触しない」というものだった。

 この数日、司令官さんと顔を合わせていないのは幸いだったが、

 この先ずっと避け続けることはできない。

 思考に沈んでいると、また頭の上が温かくなる。

 

「ケーラが『話してもいい』と思える人がいたら、話してみなさい。

 ドクターの意見も大事だけど、案外、他の誰かに話したら簡単に解決することもあるものよ?」

 

 そう言って、ナータさんはウィンクした。

 少し、胸が軽くなる。

 

「ナータさん……カッコいいですね」

 

 思わず、そんな言葉がこぼれた。

 

「そりゃ、このナータさんですからね!!」

 

 胸を張るナータさんに、噴き出してしまう。

 

「あ~~笑ったな! 

 そんなケーラちゃんには──お仕置きだ~~!!」

「ちょ、それは反則ですって!!」

 

 私は笑いながら、ナータさんから逃げ出した。

 

(こんなふうに、何も考えずに笑ったのは、久しぶりかもしれない)

 

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