【完結】司令官(プレイヤー)の顔がわからない低レアさんの苦悩   作:ソシャゲ低レアさん

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※本作は執筆過程においてAIを補助的に使用しています。
物語構成・設定・最終調整は作者によるものです。

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第八話:間に合うと思っていた

 夜。

 寮の食堂へ水を取りに行くと、扉の隙間から光が漏れているのが見えた。

 消灯時間も近い。少し怪訝に思う。

 

(まったく……誰かの消し忘れかしら?)

 

 そう思いながら中を覗くと、エルフィーが一人、席に座っていた。

 顎を手に乗せ、何かを考え込んでいる様子だ。

 目の前には湯呑みが置かれているが、湯気はとっくに消えている。

 

 ──横顔が、少し怖かった。

 

「……エ、エルフィー?」

 

 声をかけると、彼女ははっとしてこちらを向き、いつもの柔らかな笑顔を浮かべた。

 

「ラニちゃん、どうしたの?」

「水を飲みに来ただけよ。それより……こんな時間まで何してたの?」

「こんな時間? …………えっ?」

 

 エルフィーは時計を見て、心底驚いたような声を上げた。

 

「気づいてなかったの? ……大丈夫?」

 

 問いかけると、エルフィーは一度視線を落とし、小さく頷いた。

 

「ラニちゃんは最近……ううん。

 〇〇司令官さんが来てからの、ケーラちゃんについてどう思う?」

「ケーラについて……ね」

 

 正直、違和感はあちこちにあった。

 顔合わせのときの緊張。

 荷物運びの途中での離脱。

 訓練の中断と、説教の途中退席。

 

 今までのケーラを思い返し、エルフィーの言葉と重ねる。

 

「……ケーラは、〇〇司令官を意図的に避けてる?」

 

 エルフィーは神妙に頷いた。

 

「……やっぱり、ラニちゃんもそう思うよね」

 

 そう言って、彼女は頭を抱え、大きく息を吐いた。

 私はエルフィーの正面の席に腰を下ろす。

 

「……エルフィーは、どうしたい? 

 どうするべきだと思う?」

 

 真正面から見つめると、エルフィーは視線を受け止め、顔を上げた。

 

「前に司令官さんに聞いた時、司令官さんは“何もしていない”って言ってた。

 今までの行動を見てきても、隊員に不当なことをする人じゃない。

 なら……」

 

 言葉を詰まらせ、苦い表情で続ける。

 

「……なら、ケーラちゃんに聞くべきだと思う」

「……」

「でも、私は……ケーラちゃんが話してくれるのを待ちたい!」

 

 エルフィーの表情には、はっきりとした覚悟があった。

 

「エルフィー()そう思うのね」

「ラニちゃん……!」

 

 私たちは目を合わせ、静かに頷き合った。

 

「じゃあ──」

 

 そう続けようとした瞬間、消灯時間を知らせる放送が流れた。

 エルフィーは出鼻を挫かれたように、言葉を失う。

 

「明日、リリも交えて詳しく話しましょ。

 リリへの連絡は私がするわね」

 

 そう言って水を飲み、私は食堂を後にした。

 

 ──

 

 翌日。

 ポポラの特別メニュー(お仕置き)を監督するケーラを除いた第4班は、小会議室に集まっていた。

 

「集まってどうしたの〜?ケーラちゃんもいないし」

 

 リリが呟く。

 頭が痛くなりかけたが、エルフィーが代わりに事情を説明した。

 

「〇〇司令官さんが着任してから、ケーラちゃんの様子がおかしいことについて。私たちで、どうするか決めたいの」

「どうするって?」

 

 リリの頭上に疑問符が浮かぶ。

 

「ケーラちゃんが司令官さんを避けている件に、言及するかどうか」

「えっ? それ、聞く一択じゃないの?」

 

 あまりにあっさり言われ、思わず声を荒げた。

 

「おバカ! 少しは考えなさい!! 

 ケーラなら、気軽に話せる内容ならもう話してるはずでしょ! 

 それでも何も言ってこないってことは、只事じゃないのよ!!」

 

 思わず、睨みつける。

 

「じゃあ、リリは何か聞いてるの?」

「ううん。何も……

 っていうか、ケーラちゃんって司令官さん避けてるの?」

 

 私とエルフィーは同時に頭を抱えた。

 事情を説明すると、リリはぱっと顔を明るくする。

 

「あ! そういえば一回だけ、司令官さんがいたときに、いつの間にかケーラちゃんがいなくなってたことあった!」

「……やっぱり」

 

 少し考えた後、リリは言った。

 

「でもさ、それなら直接聞かないと分かんなくない?」

「「……」」

 

 確かに、その通りだ。

 だが、聞いてもどうにもならない可能性の方が高い。

 だから、踏み出せない。

 

「私は聞くのに反対。

 まだケーラ自身、理由を整理できてないと思う。

 整理できたら、きっと話してくれる」

 

 そう言うと、リリは不満げな顔をした。

 

「でも、いつになるか分かんないじゃん! 

 一緒に悩むことだってできるでしょ!!」

「それで余計に追い詰めたらどうするの!」

 

 睨み合う二人の間に、パン、と手を叩く音が響いた。

 

「はいはい。二人とも、意見は分かったわ」

 

 エルフィーが仲裁に入る。

 

「エルフィーはどう思ってるの?」

「正直、ラニちゃんの意見に賛成かな」

「なっ!?」

 

 リリが立ち上がる。

 

「……だから、期限を決めるのはどう?」

「期限?」

「二週間。

 それまでにケーラちゃんから何もなかったら、私たちから聞く」

 

 沈黙の後、私とリリは頷いた。

 

 ──そうして話がまとまった、その直後。

 

 会議室の扉が勢いよく開いた。

 息を切らしたフィアが、そこに立っていた。

 

「た、大変です……!」

「フィアちゃん、落ち着いて。何が──」

「ケ、ケーラさんが……倒れました」

 

 その瞬間、視界が暗転した。

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