石流龍(石流龍じゃない)の肉体を手に入れた   作:和尚我津

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11月10日、0時0分

 夏油傑。

 九十九さん。

 そして五条先生。

 

 脳裏に過ぎるのは僕と同じ特級術師たち。

 呪力を感じないというのに、その人たちと同じ存在感がヒシヒシと伝わってくる。

 

 呪力というのは非術師(いっぱんじん)であっても僅かに垂れ流しているもの。呪術師であれば比べ物にならないほど大きくなるのが常だ。

 呪力の放出を抑えることは出来るけど、完全に0にすることは可能なのか? 五条先生ほどの呪力操作技能があればいけるのか?

 まさか、呪力ゼロのフィジカルギフテッドという例外中の例外(天与呪縛)

 

 

 内心の警戒を押し殺し、出来る限り穏やかな笑みを作った。

 

「初めまして。僕は乙骨と――」

 

(エサ)ッ! エサッ! エサァァァッ! 喰ワセロ! 私ハ」

 

「――うるせえんだよバカ野郎が。人様の会話に呪霊が割り込んでくるんじゃねえよ」

 

 屋上の片隅に居た呪霊が突然喚き始めたと思ったら、その直後に爆散した。

 

『特級呪霊の撃破を確認。5得点(ポイント)が追加されました』

 

 石流さんの憑いてるコガネが一級以上の呪霊の撃破(ルール9)に従ってアナウンスする。

 

 その一連の光景に、思わず息を飲む。

 

 石流さんが一歩も動くことなく呪霊を祓った。両者の距離はそれなりに開いていたが、それは問題ではない。遠距離からでも祓える術師はそれなりにいる。

 

 問題なのはその方法。

 生まれて初めてみた、正の呪力砲。

 僕も反転術式のアウトプットはできる。だがあれほどの出力は不可能。砲撃などもってのほかだ。

 

 この一事を見ても、石流さんが相当な使い手であることが分かる。

 そして呪力がないわけではなく、それを僅かにも漏らさない異質な使い手であることも。

 

「話を遮ちまって悪いな。まだ呪胎(アレ)にはオレの肉(エサ)やってねぇから、次は気にしなくてもいいぞ」

「いえ、それでは改めて。初めまして、乙骨と申します。今日はお話の時間を取っていただいて、ありがとうございます」

「随分と礼儀正しいじゃねえか。そういうのは嫌いじゃねぇよ。お前さんはアレだな、ガキの時分ご馳走を前に『ゆっくり落ち着いて食べなさい』と躾けられたタイプと見た」

「……ちょっと記憶にないですね」

「そうか。まあガキのころの記憶なんざ覚えてないわな」

 

 ひゅう、っと風が僕らの間を通り抜ける。心なしか、先ほどより冷たく感じた。

 

「あー、ごほん。乙骨特級。この結界(コロニー)に入らした理由を、そろそろお聞きしても?」

 

 何故か会話が止まってしまった僕らを見かねてか、宮本さんが助け舟を出す。

 確かに。こんなくだらない話をしている場合じゃなかった。

 

 経緯の説明として、まずハロウィンの日に何が起こったのかを伝えた。

「え? 五条悟が封印された? え? それは本当の話ですか? え?」

 

 宮本さんが驚くのも無理はない。

 僕も最初に聞いた時はまるで信じていなかった。

 その場に居合わせていないものには……いや、居合わせていたとしても到底信じられない話だ。あの五条先生が封印されるなんて。

 彼もどこかで思っていたのだろう。五条先生が動けば全て解決する、と。

 

「改めて聞くとなんだかなぁ。五条家の抱き合わせ(さいきょう)セットってのはアレか? あっさり殺されたり封印されたりしなきゃならん運命(さだめ)でもあるのか?」

 400年前も呆気なく相討ちしたもんなぁ。

 石流さんはどこか遠い目をしてぼやいていた。

 

 ……400年前。戦国か徳川の時代か。そんな人がどうして羂索の手を借りてまで遠い未来の時代に来たのだろうか?

 人には人の考え方があるのは分かるけど、分かるだけだ。僕だったら友達や親しい人たちと離ればなれになるようなことは死んでもゴメンである。

 

 つまらない疑念や感傷は放っておいて、その後は現在の僕らが、呪術界が、ひいては日本が置かれている状況を、出来るだけ省略せず、されど冗長になることないよう説明した。

 

「なるほど。目先では伏黒とかいう奴の姉貴を助けるために。最終的には五条家の抱き合わせを復活させて死滅回游という儀式を終わらせるために。お前は動いているってことだな?」

「概ねその認識で間違っていません」

 

 話を聞き終えた石流さんが吸い終えた煙草を放り捨て、何本目かのそれに火を付ける。

 

「さっきから気になってたんで言いますけど、煙草のポイ捨てはやめましょうよ」

「今それ言うことか? 学級委員かお前は」

「それならまず学生(みせいねん)が吸うなって言ってますよ」

「確かにな」

 

 

 くだらないやり取り。

 空気を、話題を入れ替えるためのワンステップ。

 僕も向こうも分かっている。話はここからが本番なのだと。

 

 

「この結界(コロニー)に入ってきたのは、巻き込まれた人間の救出と得点(ポイント)獲得のためっつーのは分かった……で、どうするんだ?」

 

 僕の目的が得点(ポイント)獲得だと聞いたら、当然たどり着く疑問。

 この平和な結界(コロニー)で、どうやって稼ぐつもりなのかと。

 

「乙骨には悪いが仙台結界(ここ)はもう平定されている。宮本たちのおかげで泳者(プレイヤー)はほぼ全員保護されているし、オレに喧嘩売ってくるような血の気の多い術師はまず居ねぇ。つまりお前さんが欲しがってる得点(ポイント)を手に入れる方法はねえってわけだ」

 

 もちろん、手段を選ばなければ話は別だがな。

 石流さんが言外に示す一般人の虐殺(せんたくし)は論外。

 ゆえに、選ぶのはもう一つの選択肢。

 

「石流さん。得点(ポイント)を譲ってくれませんか?」

「断る」

 

 問いかけは即座に断られた。

 空気の冷たさの質が変わる。

 霜月の夜風が、誰ともなくひりつき始めたようだ。

 

「何のために稼いできた得点(ポイント)をお前に融通しなきゃならん。お生憎様、正義の味方っつーオトシゴロはもう卒業しててな。こう見えても昔は禄を食む身分(サラリーマン)だったんだぜ」

「助けた皆さんを結界(コロニー)から開放する気はないと? 呪霊を使った得点源のおかげで、得点(ポイント)は潤沢にあるのでは?」

「人の出入りが総則(ルール)で制限されてないってことは、制限しているのは結界(コロニー)側の条件だろ? 開放してえのは山々なんだが総則(ルール)の追加をしても意味がねえかもしれねぇじゃねえか。そんでオレの得点(ポイント)どれだけあるかって……話をすり替えんなよ。今オレが聞いているのは『お前が提示できるサラリー(メリット)はなんだ?』ってことなんだが」

 

 メリットの提示。交渉事の基本だけど、僕はこの人のことを良く知らない。

 会って一時間も経ってないんだから当然だけど、何を求めているかは分からない。

 

「欲しいものはないんですか?」

 だからここは直接聞く。

 

「先ほど言いましたよね。400年前も……って。石流さんは何か目的があって400年前に呪物になったんじゃないですか? それが何か教えていただければ僕たちからも――」

「――両面宿儺」

 

 問いかけは途中で遮られる。

 

「オレの目的は両面宿儺と戦うこと。ガチンコで。タイマンで。出来る限り万全な状態で。それを叶えてくれるっていうなら、協力するのもやぶさかじゃあないぜ?」

「無茶を言わないでくださいよ」

「無茶じゃあねえだろ。居るんだろ? 宿儺の器ってのが。虎杖悠仁っていったか」

 

 思わず視線を宮本さんに向けてしまう。そうすると彼は申し訳なさそうに頭を下げてきた。

 いや、彼を責めることは出来ない。ただ問われて答えただけだろうし、彼からすれば隠す意味もなかっただろうから。

 

五条家の抱き合わせ(現代最強)が相手でも良かったんだが、封印されたってんならその程度ってことだろ。じゃあやっぱりデザートは両面宿儺(史上最強)だ。その虎杖って奴が宿儺にちょいとばかし身体を明け渡してくれるだけでいいんだがな」

 

 どうやら、この人の望みはシンプルに、強者との闘争みたいだ。強さや戦闘そのものに意義や意味を見出しているタイプ。僕には一生分からない嗜好の持ち主。

 そんなことのために400年もの時を渡れるなんて信じられない。

 

「秘匿死刑ってのが決まっていて、いずれ死ぬ予定なんだろ? どうせ死ぬんだったらその前にオレに殺させろって」

 

 虎杖君は宿儺の指を道連れに死ぬために生かされている。そういう意味では、石流さんの言い分にも一理あるのだろう。

 

「駄目です」

 だが、虎杖君を玩具(おもちゃ)みたいに言うのは、許さない。

 

「あん?」

「駄目だって言ったんです! 虎杖君は五条先生に託された、僕の後輩だ! そんな後輩を売るようなことは認められない。高専の生徒なら、誰だって同じことを言いますよっ!」

「……本当に言うと思ってる?」

「はいっ!」

「……そっかぁ」

 

 総監部じゃあるまいし、そんなことを許す生徒がいるわけないだろっ!

 

「まあいいか。材料のタネは他にあるか? 尽きたんなら話は終わりだ。帰ってくれて構わんぜ」

「いえ、そういうわけにはいきません」

 

 誰よりも先に結界(コロニー)に入り、特級術師でありながら結局何も得ることはない。そんな結末は認められない。

 

 だけど、どうすればいい? 何を材料に話をすれば――

 

 

「ねえ、憂太ぁ、話長いぃ」

 荒ぶった感情に呼応してか、指輪からリカちゃんが現れた。

 

「ごめんねリカちゃん、まだ少し掛かるからもうちょっと待っててね」

 失敗したな、少し落ち着こう。

 威圧を掛けるような真似になってしまったが、石流さんに変わった様子は見られない。

 怒らせなくて良かった。

 

「もう面倒だからぁ、殴って言うこと聞かせようよぉ」

 と思ったら、また怒らせるようなことをリカが口走った。

「リカちゃん、そんなこと言っちゃ――」

 

 パチパチパチっ!

 

 リカちゃんの発言を咎める前に、いきなり石流さんが拍手を打った。

 

「いいっ! 実にいい提案だっ! いい式神従えてんじゃねえか乙骨!」

 

 先ほどまでとはテンションが明らかにおかしい。その豹変ぶりに反応が少し遅れる。

 

「全くもってその通りだ! 交渉なんざ面倒なだけ。全然スウィートじゃねぇ! 腹の足しにもならん。オレが求めているものとは全く違う! 呪術師が血を流さず意見を通そうっていうのがそもそもの間違い。オレたちはもっとシンプルに行くべきだった!」

 

 その内容に反して、語り口は実に清々しいものだった。

 

「交渉だの話し合いだの、そんなのは殴り合った後にやるもんなんだよ! そして大体のことは、勝った方が我を通せる。古今東西、この摂理は変わらないだろ!」

 

 文字通りの暴論。現代社会、少なくとも平時の日本ではまず通らない理屈だ。

 だがそれを否定することはできなかった。

 

 僕らが巻き込まれている死滅回游という舞台、いや呪術界そのものが石流さんの語る暴論で動いている。

 五条先生が居たから虎杖君は秘匿死刑を免れ、先生が消えたから死刑を執行された。

 強さを提示して己が願いを通していたからだ。

 

()ろうぜ乙骨! お前が勝ったらオレが持ってる全てをくれてやる!」

 

 脳裏に過ぎった特級術師たち。それと並びうる強さを持つであろう男。

 敗北するかもしれない難敵

 生命を落としかねない強敵。

 

 それらと戦い強さを示す意義が見つからない。

 戦いそのものにも意味を見出せない。

 勝利することにすら、価値を見出せない。

 だが強さを示すことが友の助けになるのなら、戦うことが仲間の力になるのなら、勝利することが大事な人たちを救うことになるのなら。

 

 戦いを厭うことは、闘いを避けることは、しない。

 

 

「分かりました、石流さん。()りましょう」

 

 

 闘って、勝つ。

 それが僕の結論。

 

 一瞬の静寂。

 次の瞬間、石流さんは心底楽しそうに笑った。

 

「いいな、乙骨。激甘だぜ」

 

******

 

 避難民の密集地から少し離れたところにある、運動公園内の陸上競技場。

 ナイターの照明を付けて照らされた芝生の上で、僕と石流さんが相対する。

 時計はいつの間にか、日付変更まで間もなくという所まで進んでいた。

 

『運動公園から避難してください! 繰り返します。運動公園から距離を取って絶対に入らないでください! 今からここ一帯は、戦場になりますっ!』

 

 宮本さんのアナウンスが観客席を超えて公園内全体にまで響き渡る。集団に馴染めず離れて暮らしていたのか、ほんの僅かにいた非術師(一般人)が蜘蛛の子を散らすかのように離れていくのを感じる。

 

 移動中にも散々中止を呼びかけられたが、止まらない僕たちを見て諦めて避難誘導に動いてくれた。

 人を巻き込むことだけは避けないと。

 

「実をいうと、お前さんとは会った時から闘いたくてウズウズしてたんだ」

 

 避難誘導が行われている最中、石流さんが声を掛けてきた。

 一体何本吸うのだろうか? 薄く弧を描く口には新たな煙草が加えられている。

 

「思ってたんだよ。宿儺と()る前にお前さんというケーキ屋にはちゃんと寄っておかなきゃってな」

「言っている意味がちょっと分からないですね」

「安心しろ。伝わると思って言ってねえから」

 

 ライターを使うことなく、先端に人差し指を付けたら着火した。呪力を使っているのだろうが、無駄に器用な真似をしているな。

 

「分かりやすく言えば、石流龍(オレ)にとって乙骨憂太は避けては通れない相手ってだけだ。お前さんにとってのオレはどうなんだい?」

「やっぱり何が言いたいか分からないですね。僕はただ必要があるから闘おうとしているだけで、貴方自身に何か思うところがあるわけじゃないです」

「冷てぇなぁ。今からひりつく様な殺し合いをする仲だってのに」

「殺し合いではなくて、あくまで模擬戦ですよ」

「そんなヌリィことを言うなよ。デザートってのは熱いか冷たいか。ヌルいデザートなんてこの世にないんだぜ?」

「探せばあるんじゃないですか? あと冷たいのかヌルいのかハッキリしてください」

 

 そう。これはあくまで模擬戦。命を奪い合う必要はない。そもそも石流さんを殺したら彼の得点(ポイント)が無駄になる。

 適切な物を選ぶのは大変だけど、やれることはやらないと。

 

「はぁい、出来たよぉ憂太ぁ」

「ありがとうリカちゃん」

 

 リカちゃんに着けてもらった手甲の調子を確かめる。どこにも違和感はなさそうだ。

 

「ははっ! 闘いに赴く男の身繕いしてくれるたぁ、見かけによらず佳い女じゃねぇか」

 

 この様子を見ていた石流さんがリカちゃんを褒めてくれる。それを聞いたリカちゃんは擽ったそうに身をよじり――。

 

「憂太ぁ、田舎のヤンキーが横恋慕してきてるぅ」

「流石にそれは心外」

「フフッ」

 

 着けるのを終えたリカちゃんは隠れるように指輪の中に戻っていく。

 思わぬリカちゃんの返しに、この時ばかりは流石の石流さんも真顔だった。その顔に思わず笑ってしまった。

 

 これから闘うというのに、今ばかりは不思議なほど穏やかだ。

 きっと嵐の前の静けさとは、この瞬間のことを指すのだろう。

 

『運動公園内部および周辺からは人払いは完了しました。私もこの後すぐに立ち去りますので、お二方に関しては気兼ねなく、いややっぱり色々と気を遣った上で手合わせしてください』

「つまらん事を言うなよ。誰かが言ったんだろ。毒を喰らわば皿まで喰えって」

「それよく聞きますけど、どういう意味なんですか?」

「知らん。オレに聞くな」

 

 先に謝っておきます。ごめんなさい宮本さん。

 この人を相手に多分それは無理です。

 

 

 僕も、本気で行くので。

 

 

「――にしても随分とおめかししてもらったようで。嬉しいぜ色男」

「そうですね。一応使えそうな分だけ出してもらったつもりですが」

 

 右手には手甲。

 左手には刀。

 腰には巻き付けたのは鎖鎌。

 周りの芝生には刺さっているのは予備の刀や柳葉刀、槍、斧、種々様々な武器。

 全てリカちゃんの中から取り出した呪具である。

 不足感があるのは否めないが、今できる適切な武装だ。

 

「随分と物々しくねぇか? 模擬戦なんだろ?」

「模擬戦ですよ――殺すつもりで戦うだけで。結果として殺してしまっても構わないと思っているだけで」

「おいおいおい。欲しいのはオレの得点(ポイント)なんだろ? やれ殺し合いじゃあねぇ、やれ模擬戦だとか宣っておいて。なんだよその殺る気マンマンって感じの目は……いいねぇ。熱いデザートは大好きだ」

 

 失礼だな。得点(ポイント)を諦めたわけじゃあない。別に殺したいわけじゃあない。

 殺す気(ほんき)で行かないと勝てない。

 ただそれだけだ。

 

 それに、得点(ポイント)に関しては当てがないわけでもない。

 

「確認ですけど、僕が勝ったら石流さんが持っている“全て”を譲ってくれるんですよね?」

「――ああ。あの得点(ポイント)生産呪霊セットもお前さんのもんだ。宮本が使い方を知っているから、オレが死んだときにはあいつに聞け」

「ありがとうございます」

 

 9日間。その間に石流さんは最低でも300点獲得している。一日平均30点以上。

 初日に多数の泳者(プレイヤー)を倒したとしても、大半はあの呪霊から搾り取ったもののはず。

 追加された総則(ルール)で時間制限は廃止された。

 最悪呪霊(アレ)さえあればどれだけ時間が掛かろうが問題ない。

 

 羂索相手に時間を掛けるのは得策じゃないから、石流さんの援助が貰えるならそれに越したことはない。

 だけど、それを気にして負けるようでは意味がない。

 

 勝つために最善を尽くす。誰もがやってる当たり前。

 今の僕にとっての最善が、これなだけだ。

 

 芝生から湿気を拭い去るような乾いた風が吹き荒ぶ。

 

 僕らの間にはいつの間にか沈黙が舞い降りていた。

 

 煙草はすでに根本まで灰と化し、されど次を取る気配はなく。

 

 両手足に力み無し。耳目の感覚は極めて良好。心拍は嫌になるほど平静。

 

 煙草の灰が、風によって舞い上がる。

 

 

 

『0時0分を迎えました! 参加(ログイン)――』

「――グラニテブラストぉッ!」

 11月10日、0時0分。開戦を告げたのはコガネではなく、石流さんの呪力砲だった。

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