終末を越えた後、星の降るドームに集った黄金裔たちは、英雄ファイノンへ「休む」という選択を与えようとしていた。常に他者を優先し、自らを後回しにする彼は、見た目には変わらぬまま、静かに張り詰めた糸を抱えている。
アグライアは過去の約束を手繰り寄せ、蜂蜜の紅茶を差し出すことで、その糸をわずかに緩める。小さな一杯に込められたのは、与える側であり続けた者へ、受け取ることを思い出させるための静かな試みだった。
トリスビアスの言葉は、ほんの少しだけ場を揺らすつもりで放ったものだった。働きすぎの蜂さん。黒衣の神官様。聖女からのお説教。
どれも、卓の上に置かれた焼き菓子のように軽く、指先でつまめるほどの冗談として包んだはずだった。実際、ファイノンは紅茶を飲み込み損ね、目を丸くして咳き込んで。サフェルは肩を震わせてそっぽを向き、ヒアンシーは慌てるべきか笑うべきか迷った顔をして、アグライアは静かに茶器の位置を整えている。
星の降るドームに満ちていた空気は、その瞬間だけなら、確かに柔らかな日常の形をしていた。けれど、言葉というものは時に、話した本人が思っていたよりも深い場所へ触れてしまう。
ファイノンがカップを両手で支え直し、「驚いただけだよ」と言うように小さく笑った時、トリスビアスはその笑みの端に、ほんのわずかな引っかかりを見た。
見た目には何も変わらない。顔色が翳ったわけでも、呼吸が乱れたわけでもなく、外套の襟元も髪の流れもきちんと整っている。周囲が心配しているような疲れや弱りは、少なくともトリスビアスの目にははっきりと映らなかった。
ただ、彼の視線が一度だけ、紅茶の湯気の向こうを越えたように見えた。
今ここにいる仲間たちではなく、星の降るドームでもなく、もっと遠い、ずっと前に折り畳まれた時間へ向かったように見えたのだ。
それは、思い出そうとしている顔ではなかった。思い出してしまったものを、どう扱えばよいか迷っている顔でもない。むしろ、すでに胸の奥に置かれていた何かが、ふと同じ名で呼ばれたために、静かに表面へ浮き上がったような、そんな沈黙だった。
トリスビアスは、指先に残っていた菓子の粉を、皿の端へそっと払った。「黒衣の神官様」という呼び名は、ただのからかいではなかった。
彼女にとっては、遠い永劫回帰の布目に縫い込まれた名の一つであり、同時に、数え切れない喪失の傍らに立っていた青年の輪郭でもあったのである。
どの永劫回帰においても、ヤヌサポリスの聖女は、ひとりであり、ひとりではなかった。
千に別たれた断片たちは、それぞれの場所で預言を伝え、それぞれの祈りを抱き、それぞれの終わりへ向かって歩いた。トリビー。トリアン。トリノン。仲間たちが名を知る者たちも、その中にいた。
彼女たちは同じ顔をしていなかったかもしれない。同じ声で笑ったわけでも、同じ癖で指先を動かしたわけでもない。けれど、聖女である以上、彼女たちの見たもの、聞いたもの、感じたものは、最後には本来のトリスビアスへ戻ってくる。
その仕組みを、他者がどれほど理解できるのか、トリスビアスには分からなかった。分からなくてもよい、とさえ思っている。
痛みは説明した途端に輪郭を得るが、輪郭を得たからといって軽くなるとは限らない。むしろ、名を与えられたものほど、他者の手のひらに置かれた時、取り返しのつかない重さを帯びることがある。
だから彼女は、普段ならそれを冗談に包む。師匠らしく、聖女らしく、あるいは少し年長者ぶって。菓子をつまみ、微笑み、働きすぎよ、休みなさいね、と軽い羽で撫でるように言う。相手がその言葉を受け取れる形にして渡すことは、預言を伝えるよりも難しい時がある。特に、相手がファイノンであるなら、なおさらだ。
なぜなら彼は、強く言われれば受け止めようとする。優しく言われれば感謝する。けれど、自分自身をその言葉の中心に置くことだけは、いつも少し遅れる。――今もそうだった。
「ファイちゃん、本当に大丈夫?」
トリスビアスは、笑みを消しきらないまま尋ねた。それは、場を重くしすぎないための笑みであり、同時に、彼の逃げ道を塞がないための笑みでもあった。
真正面から心配を差し出せば、ファイノンはきっと恐縮する。だから、少し斜めから、軽く、けれど誤魔化さない温度で声をかける。
「うん。アグライアの紅茶、こぼしてないし」
「そういうところではないのだけれど……」
「えっ、違うの?」
ファイノンは、少し困ったように瞬きをした。カップの縁に添えられた指は落ち着いている。声も穏やかで、体調の悪さを示すものは見えない。
けれど、その返答の選び方が、やはり彼らしかった。相手が何を案じているのか分からない時、まず自分が迷惑をかけていないかを確認する。こぼしていない。席を汚していない。誰かに手間を増やしていない。そういうところから考えているように、トリスビアスには見えた。
胸の奥で、古い記憶が小さく軋んだ。
あの頃も、彼はそうだった。フレイムスティーラーと呼ぶべき姿の彼は、聖女の傍らにいた。騎士のように。護衛のように。時には、祈りの声が群衆の罵声に呑まれないよう、ほんの半歩だけ前へ出る影のように。けれど、預言のように世界を救うことはできなかった。
トリスビアスは、その事実を責めるために覚えているのではない。むしろ、彼に非がなく、責めようがないことを知っているからこそ、記憶は静かに沈む。
民衆の熱狂は一人の青年の腕で止められるものではなく、預言を多く伝えるために遣わされた聖女たちの運命は、彼がどれだけ歯を食いしばっても、容易に縫い直せるものではなかった。
当時の彼ができたのは、目的を見失わないこと。預言を途切れさせないこと。限られた時間の中で、せめて傍にいることだけ。
傍にいるだけ。と、言葉にすれば、それはあまりにも無力に聞こえる。けれど、トリスビアスは知っていた。炎のような群衆の中で、石のような沈黙の中で、祈りが嘲笑へ変わる場で、誰かが傍にいてくれるということが、どれほど細い支えになるのかを。
トリビーの記憶には、血の匂いと、土埃と、遠くで鳴る鐘の音があった。トリアンの記憶には、濡れた石畳の冷たさと、誰かの叫びに紛れて消えた自分の呼吸があった。トリノンの記憶には、焼けた布の匂いと、伸ばしかけて届かなかった手の感覚が残っていた。
どれも一つひとつは断片であり、けれど断片だからこそ鋭い。大きな絵画のように整えられた悲劇ではなく、肌に残る針の先のような記憶だった。
そして、それらの端に、黒衣の影がいる。彼はいつも、何かを言おうとしていた。止めたいのか、謝りたいのか、励ましたいのか、今となっては断言できない。断言してしまえば、彼の沈黙に別の意味を縫い込んでしまう気がした。
けれど、その立ち尽くす姿だけは、トリスビアスの中に残っている。決して逃げず、決して目を逸らさず、救えないことを知りながら、それでもその場にいた姿が。
だから、トリスビアスは軽く笑ったのだ。あなたは昔から頑張りすぎてしまう人だったわね、と。皆の前で彼を追い詰めるためではない。眠ってしまった記憶を乱暴に起こすためでもない。ただ、彼が今もなお「自分はまだ働ける」とでも言いたげに周囲を気にしているから、ほんの少しだけ釘を刺したかった。
聖女の説教という形なら、彼も受け取りやすいかもしれないと思ったからだ。けれど、紅茶の湯気越しに彼が浮かべた困った笑みを見た時、トリスビアスは、自分の言葉が思ったより深く届いたことを悟った。
「トリスビアス先生」
ファイノンが、カップを卓へ戻しながら彼女を呼んだ。
「なあに?」
「あの頃のこと、覚えているんだね。」
その声は、責めていなかった。驚いてはいる。少し戸惑ってもいる。けれど、彼の眉尻には、問いを投げながらも答えを恐れるような強張りはない。むしろ、相手が覚えていることに対して、どう返せばよいかを探しているように見えた。
トリスビアスは、菓子へ伸ばしかけた手を止めた。卓の上では、茶器の湯気が細く立ちのぼっていて、アグライアの蜂蜜紅茶の香りが、星明かりに溶けて甘く漂っていた。あまりにも穏やかな匂いだった。その穏やかさが、古い記憶の血や煙と重なりそうになり、彼女は指先を皿の縁へ静かに戻す。
「ええ。全部ではないわ。けれど、忘れてしまえるほど、軽い時間ではなかったもの。」
声は、思ったより穏やかに出た。トリスビアスはそれでよかったと思った。あの頃の記憶を語る時、声を荒げても、誰も救われない。
断片たちの最期を嘆きとして並べれば、ファイノンはきっとまた、自分にできなかったことを数え始めるだろう。彼が何を思ったかまでは分からない。けれど、その笑い方の端に、そういう数え癖があることを、彼女は知っている。
「……そう、か……。」
ファイノンは短く答え、そして、どこか戸惑いを滲ませた笑みを浮かべた。
その笑みは、本当に困っている人のものだった。悲しみを訴えるわけでもなく、慰めを求めるわけでもなく、ただ、相手が覚えている痛みに対して、自分が何を言えばよいのか分からない。そういう顔に見えた。
トリスビアスは、彼の内側を断定しない。ただ、カップの取っ手に触れた彼の指が、一瞬だけ止まり、そのあと何事もなかったように離れたことを見ていた。
周囲の音が、少し遠くなったように感じる。
サフェルはグラスを揺らす手を止め、琥珀色の果実酒の表面だけが微かに波打っている。ヒアンシーは何か言いかけたように唇を開いたが、声にはしなかった。
キャストリスは自分のカップを包んだまま、ファイノンとトリスビアスの間へ視線を置いている。アグライアは静かに背筋を伸ばし、モーディスは腕を組んだまま目を伏せた。アナイクスだけは本を閉じていないが、頁を押さえる指の形が変わっていたのに――誰も、無理に踏み込まない。
その沈黙に、トリスビアスは少しだけ救われた。断片たちの記憶は、彼女自身のものではあるけれど、それを皆の前で広げるには、慎重さが要る。休息の席で出す話題でもない。
あの頃の聖女たちは、預言を伝えるために数を増やされ、別たれ、そしてそれぞれの場所で終わりを迎えた。今ここにいる仲間たちが知っている名もあれば、知らない名もある。名すら残らなかった断片も、きっとある。
それらを一息に語ってしまえば、星の降るドームの穏やかさは簡単に壊れるだろう。けれど、壊さないように隠し続けることもまた、別の歪みを生む。だからこそ、言葉を伝えるために一歩を踏み出した
「ファイちゃんはね、あの頃も、よく傍にいてくれたわ。」
「……傍にいただけだよ。」
「ええ。傍にいてくれたの。」
「でも、」
彼の声がそこで止まった。でも、の先に何が続くのか、トリスビアスには想像がついた。けれど、想像で彼の言葉を奪ってはいけない。彼女は黙って待った。
ファイノンは視線を落とし、紅茶の表面を見た。星の光がカップの中で小さく揺れている。しばらくして、彼は無に似たものをその表情へ浮かべた。それは、普段のにこやかな彼からは、想像のつかない擦り減った一面だった。
「僕は、止められなかった。」
その一言は、とても静かだった。
責めを求める響きでも、許しを求める響きでもない。彼にとっての
彼は続けなかった。それ以上を語れば、この場の空気がどうなるかを、今度こそ少しは察したのかもしれない。あるいは、ただ言葉の置き場を見失っただけかもしれない。
どちらにせよ、彼の沈黙は周囲へ伝わった。ヒアンシーの息が、聞こえないほど小さく揺れる。キャストリスの指が、カップの丸みに沿って白くなりかけ、すぐに力を緩めた。アグライアの視線はまっすぐファイノンへ注がれたままで、サフェルは軽口を差し込まなかった。周りの心配りを受け取ったトリスビアスは、ゆっくりと首を横に振った。
「それを、今ここであなた一人の荷物にするのは、少し違うわ。」
「……でも、僕は」
「ファイちゃん」
名前を呼ぶと、彼は口を閉じた。強く叱るためではない。言い聞かせるためでもない。ただ、彼がまた自分の中の同じ場所へ戻ろうとしたのを、入口でそっと止めるためだった。
トリスビアスは微笑んだまま、しかし声の温度だけを少し落とした。聖女として預言を告げる時とも、師として子らを諭す時とも違う。あの永劫回帰の古い記憶を、共に持つ者として、今の彼へ渡す声だった。
「あのとき、あなたが傍にいたことを、私は覚えているの。それをなかったことにしないで。」
「……、……。」
ファイノンは、すぐには返事をしなかった。星明かりが、彼の白い髪を柔らかく照らしている。表情は困ったようで、どこか泣いてもいるようで、それでいて笑いきれてはいなかった。
トリスビアスは、その顔を見ながら、ふと昔の彼を思い出した。黒衣を纏い、役目に押し潰されそうな時間の中で、それでも誰かに声をかける時だけは、不器用なほど優しくなった青年。自分ができなかったことの数を胸に抱えながら、できたことを数えるのが下手な人。
今、目の前にいるファイノンも、大きく変わったようで、変わっていない。大人になり、英雄となり、名も役割も変わった。けれど、好意を受け取る時に少し遅れるところも、傍にいたことを「だけ」と言ってしまうところも、誰かの痛みに触れた瞬間、自分の不足を探そうとするところも、昔の布目のまま残っているように見えた。
「……覚えていてくれて、ありがとう。」
やがて、ファイノンはそう言った。その言葉を聞いた時、トリスビアスは、口元に浮かべていた笑みをほんの少しだけ深くした。
礼を言われることではない、と返すこともできた。だって、あのとき返しきれないものをたくさん受け取ったのはトリスビアスの方だったから。けれど、それを否定してしまえば、彼がようやく受け取ったものまで押し返してしまう気がした。
「どういたしまして。けれど、お礼を言うなら、今は紅茶をもう一杯飲んでくれるほうが嬉しいわね。」
「そこに戻るんだ。」
「ええ。今日はそのために集まっているのだもの。黒衣の神官様には、まず椅子に座って、温かいものを飲む練習が必要です。」
「れ、練習……? えーっと、まだ飲み終わってないから……」
「ええ、だから飲み終わったら次は私のおすすめを入れてあげる。」
ファイノンは少し困った顔をしたが、言われた通りカップを持ち上げた。素直に従うその仕草に、サフェルが小さく息を漏らし、ヒアンシーの顔が少しだけ明るくなる。
場の空気が、細い糸を引くように日常へ戻りかけた。菓子の甘い匂い、蜂蜜紅茶の湯気、果実酒の香り、誰かの衣擦れ。終末後の安息は、そうした小さなものに支えられている。――けれど、完全には戻らない。
トリスビアスの言葉が触れた場所には、まだ静かな重みが残っていた。断片たちの記憶。彼女たちの最期。傍にいた黒衣の青年。止められなかった、と言ったファイノンの声。それらは卓の上に置かれたわけではないのに、誰もが不用意に触れてはならないものとして、そこに在ることを察していた。
願いは預言ではない。叶うと定められたものでもない。けれど、願いを口にしないまま人を導くことはできない。だから彼女は、すぐに次の言葉を選ばず、菓子を一つ摘まんだ。
甘さが舌に触れる。紅茶の湯気が揺れる。ファイノンは、まだカップを両手で持っている。見た目には何も問題なく、いつも通り穏やかで、少し困ったように笑う青年のままだった。それでいて、場にいる誰もが、彼をもう少し椅子へ留めておきたいと考えているように見えた。
誰も彼に剣を握らせない。誰も使命を背負わせない。今だけは、ただ紅茶を飲み、椅子に腰掛け、他愛ない話を交わすだけでいい。
本来ならば誰にとっても当たり前の休息が、ファイノンという英雄にとっては、誰かが傍で見守り、声をかけ、時に冗談へ包んで渡さなければならないほど難しい――その事実を、トリスビアスは責めるつもりはなかった。
責める代わりに、見守る。からかう代わりに、ほどよく止める。痛みに触れたなら、傷口を広げないように、けれど何もなかったことにもせず、柔らかな布を一枚重ねる。聖女であった彼女が、師である彼女が、今この安息の場でできることは、きっとその程度の、けれどその程度だからこそ必要なことだった。
静かな時間が、しばし流れ、星明かりの下で、誰かが小さく息を吐く。サフェルのグラスが、今度こそ軽く鳴った。ヒアンシーがファイノンのカップの減り具合を確認して、何か言いたげに口を開きかけ、思い直して閉じる。キャストリスは伏せていた視線を少し上げ、ファイノンが紅茶を飲んでいるのを見て、ほっとしたように睫毛を揺らした。
アグライアは背筋を崩さず、けれどその目元に、長い約束を果たした者の静かな余韻を残している。トリスビアスは、そのすべてを眺めながら、これでよいのだと思った。
少なくとも、今だけは、彼は立ち上がっていない。誰かのために走り出してもいない。紅茶を飲み、仲間の声を聞き、少しだけ困ったように笑っている。その姿は神話の中心に置かれる英雄ではなく、皆と同じ卓を囲む一人の青年だった。
トリビー、トリノン、トリアンのトリプルティーチャーも大好きなんですが、個人的には大人のトリスビアスも推しで、「スキンで来ないかなあ」とずっと願っているタイプの開拓者です。
そして出来上がったのがこちら!(デン!)
大人版トリスビアスにいつでもなれるトリビー先生たちなのでした。……なんだか、某国民的RPGのぷるぷるした子を思い出しますが……むふんげふん。ぼく、わるい開拓者じゃないよ!
■補足:トリスビアス→他黄金裔の呼び方
本作では、ひとまず以下の呼び方で統一しています。印象付けるために、今回は全部トリスビアス先生たちが呼んでそうなあだ名で地の文を統一……統一でき、出来たんだろうか……? したつもりです。
・ファイノン(ファイちゃん、ライナちゃん、あの子、黒衣の神官様)
・サフェル(フェルちゃん、あの子)
・アナイクス(アナちゃん、あの子)
・ヒアンシー(ヒアちゃん、あの子)
・アグライア(ライアちゃん、あの子)
・キャストリス(キャスちゃん、あの子)
・モーディス(モスちゃん、あの子)
・ケリュドラ(カイザー、あの子)
・セイレンス(セイちゃん、あの子)??? 公式では、セイレンス様とセイレンスお姉ちゃんだったような気がするんですが、大人版なので「こう来るかもしれない」でこうなりました。
Q.「民衆の熱狂は一人の青年の腕で止められるものではなく、預言を多く伝えるために遣わされた聖女たちの運命は、彼がどれだけ歯を食いしばっても、容易に縫い直せるものではなかった。」って何があったんですか……?
A.本作のビッグな捏造要素です。黄金裔それぞれに対し、ファイノンが経験した中の永劫回帰におけるエラーがあります。激しくマイルドに申し上げますと……↓
小説のあらすじにある➀➁の所在に関して質問があったので少しだけ載せます。あってもなくても読める文章にはなってるけど、確かにあった方がより没入感はあるかも? という感覚ではあります。まぁでもなくても読んでいただけるんじゃないかなと!
こちら、小説情報にある➁の「オンパロスのひつぎ」の殴り書きの一部です。本当はもうちょっとこう、オイラの感情がドヴァドヴァに滝流れしてます。
トリスビアスの場合は、千に分かたれながらも大人姿の本体が残ったこと。また、オンパロスの人々が預言を恐れて聖女を見つけ次第、私刑するバグが発生。彼女にとって、その回帰は、子ども姿をした自分の断片たちが悪戯に無残に惨殺されゆくことだった。
フレイムスティーラーの目的は、かつての恩師にいつかの回帰で教わった「変数を探しながら、世界が救われるまでオンパロスの人々を次の輪廻に連れて行き、限界まで救世の道を歩み、時間を稼ぐこと」にある。そのため、彼は歳月の剣で人々を回収することはあっても、トリスビアスの許可なく私刑として剣を振うことはなかった。
世界に預言を伝えなければと意識を保ち尽力したが、とうとう最後の断片も砕け散る。経験のすべてが共有され、本体にはフィードバックが行われる。本体である彼女は力なく頽れそうになるが、その回帰において「預言の聖女に寄り添うことを選択した」フレイムスティーラーが、ずっとそばで彼女(本体)を守り続け、断片を悼んでくれた(遺体を回収)。
その回帰において、トリスビアスはフレイムスティーラーとともに、預言を伝えながら火種を奪取する「預言の魔女」として名を刻む。
という、記憶が、今の永遠の1ページにて強烈な記憶の一つとして残ってる。とはいえ、彼らが記憶するベースは、あくまでもゲーム本編における記憶ですと言い張ります。