烈日よ、さざ波を追って   作:夜鷹ケイ

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<前回のあらすじ>
 ヒアンシーは若木のそばに立つファイノンの姿を見つめながら、星降るドームの下で七夕の構想を胸に確かめていた。
 夜の名残を含む淡い朝の光は、終末を越えたオンパロスに静かな温度を与え、願いを結ぶという発想を現実へ引き寄せる。だがその穏やかさの中で、彼の呼吸に一瞬だけ揺らぎがあったように感じ取り、彼女は不安を胸に留めたまま、まずは企画を前へ進める決意を固める。


069 賑わい結ぶ許可印

 ヒアンシーが短冊の束を両手で持ち上げると、薄い紙片が朝の光を受けて、白亜の広間に小さな色を落とした。

 淡い青は、天蓋に残る夜の名残へ、若葉色は鉢植えの若木へ、赤はまだ誰の手にも渡っていない願いの熱へ、それぞれ呼応するように見える。紙そのものは頼りなく、指先に力を入れすぎれば折れて、風に任せればすぐに舞い上がってしまいそうなほど軽い。けれど、その軽さを皆が見つめることで、話し合いの空気はただの思いつきから、触れられる何かへと少しずつ変わってゆく。

 

「ですので、まずは皆さんに、この七夕という催しがどんなものなのか、わたしが教わった範囲でお伝えできればと思っています!」

 

 ヒアンシーはそう言って、短冊を一枚ずつ机に並べた。几帳面に端を揃えようとして、ほんの少しだけ紙がずれてしまう。隣にいたイカルンが丸い鼻先を近づけ、揃えるのを手伝うように紙の端を押したため、かえって一枚だけ斜めになった。

 広間の端でサフェルの喉から小さな笑いが漏れ、ヒアンシーは慌てて紙を押さえたが、その仕草で空気の緊張はやわらいだ。

 話を受け止めるため、最初に身じろぎしたのはキャストリスだった。彼女は少し離れた椅子に座ったまま、膝の上で重ねていた手をそっと整え、背筋を伸ばした。いつも人との距離を慎重に測る彼女の動きには、遠慮と礼儀が同じ布で縫い合わされたような静けさがある。

 視線は真っ直ぐヒアンシーへ向けられていて、逃げるでも、急かすでもなく、ただ次の言葉を待っていた。その姿は、朝の光に立つ一本の白百合のようで、広間の賑わいの中でも不思議と乱れない輪郭を持っていた。

 

「どう、されましたか……?」

 

 キャストリスの声は、静かな水面へ指先を沈めるように柔らかかった。問いかけというより、話しても大丈夫です、と場所をひらいてくれる響きだった。ヒアンシーはその声に救われたように、肩に入っていた力を少しだけ抜いた。

 

「実は、開拓者さんと一緒に考えたことがありまして」

 

 そこからヒアンシーは、昨夜から何度も頭の中で練り直していた説明を語り始めた。

 七夕という天外の祭りでは、願いを短冊へ書くものであること。そして、紙に書いた願いを、空に近い木の枝へ結ぶのだとも。

 願いは必ずしも誰かに叶えてもらうためだけのものではなく、自分がどんな未来を見たいのか、自分の言葉で確かめるものなのだと。開拓者から聞いた話と、自分なりに受け取った意味を重ねながら、一つずつ言葉へ置いていく。

 キャストリスは頷きながら聞いていた。ケリュドラは足を組み替え、アグライアは机の上の紙へ視線を落とし、トリスビアスは微笑みの深さだけで話の続きを促している。セイレンスは窓辺から流れ込む風に合わせて髪を払ったが、その横顔はヒアンシーの声から逸れていない。

 サフェルは壁にもたれたまま片足を揺らし、退屈そうな顔をしていたが、耳の向きだけは正直だった。アナイクスは本棚の前で腕を組み、問い返すための材料を整理しているように瞼を細めていた。

 そして、若木のそばにはファイノンがいた。少し離れた場所で、皆の会話の輪からは外れているようにも、ちゃんと含まれているようにも見える位置だった。白い髪は枝葉の隙間に見え隠れし、彼の手は鉢の縁から離れている。先ほどの呼吸の揺れは、もう誰の目にも分からないほど静まっていた。けれど、ヒアンシーが一瞬だけ彼へ視線を向けたとき、キャストリスもまた、ほんのわずかにそちらを見た。

 アナイクスの視線も、同じ瞬間に若木の方へ滑った。三人が同時に何かを確かめたのか、あるいは偶然だったのか、外からは分からない。

 ファイノンはその視線に気づいた様子もなく、若木の葉先を眺めていた。ただ、広間の空気に一枚だけ薄い膜が張られたような間が生まれた。声にしてしまえば形を持ってしまう種類の心配が、そこにはあった。

 ヒアンシーはそれを言葉にしなかった。キャストリスも、アナイクスも、何も言わなかった。ファイノン自身に自覚させてしまえば、彼は笑って大丈夫と言い、必要ならさらに無理をして「大丈夫な姿」を見せようとするだろう。だから今は、喜びの側に立つ。願いを語る場所を、まず本当に願いを語れる場所にする。その沈黙の選択が、広間にいる数人の間だけで静かに共有されたようだった。

 

「このオンパロスで夢を語ることは、もう逃避行為ではなくなったのだと思います」

 

 ヒアンシーは、そう続けた。彼女の声は少しだけ低く、けれど曇ってはいない。終末の影を見ないようにしているのではなく、そこを越えてきたからこそ言える言葉として、広間へ置かれていく。

 

「未来を選ぶことは、決して弱さではありません。今まで、皆さまがたくさんのものを守って、繋いで、ここまで来てくださったからこそ……市民の方々にも、皆さまにも、自分の願いを紙に書いてみる時間があってもよいのではないかと思ったんです。何を書けばいいか分からなくても構いません。誰かの願いを読むだけでも、空を見上げるだけでも、もしかしたら、そこから何かが始まるかもしれませんから」

 

 言い終えたヒアンシーは、短冊を両手で抱え直した。発表を終えたというより、ようやく最初の種を土へ置けたという表情だった。すぐに拍手が起きることはない。黄金裔たちは皆、それぞれの時間を抱えたまま、その言葉を飲み込んでいるように見えた。

 最初に返事をしたのは、やはりキャストリスだった。彼女は膝の上で指先をわずかに握り、手袋の布が擦れるほど小さな音を立ててから、慎重に言葉を選んだ。

 

「私も……はい、皆さまが夢を語る場をイベントにする、ということは、とてもよいことである、と思います」

 

 キャストリスの声は、途中で一度だけ息を探すように細くなった。けれど、視線は下がらない。触れれば誰かを傷つけてしまうかもしれない手を持ち、人との距離を測り続けてきた彼女だからこそ、胸に秘めたものを外へ出すことの意味を知っているのかもしれない。そう受け取れるほど、その言葉には重さがあった。

 

「実際に口に出してみるのと、胸に秘めたままにしているのとでは、やはり違いましたから……。言葉にすると、叶うかどうかとは別に、自分が何を大切にしていたのかが、少しだけ見えることがあります。市民の方々にも、そのような場所があるなら……きっと、安心できる方もいらっしゃると思います」

 

 彼女の言葉が終わると、広間の空気がひとつ整った。まだ誰も大きな声で賛同してはいないのに、最初の一人が丁寧に頷いたことで、皆が自分の意見を置く場所を見つけたようだった。ヒアンシーは胸元の短冊をきゅっと抱き、嬉しさを声に出しすぎないよう唇を結んでから、深く頭を下げた。

 

「ありがとうございます、キャスたん。とても、心強いです」

 

 キャストリスは呼び名に少しだけ頬を緩め、返事の代わりに小さく頷いた。その慎ましい反応を見ていたトリスビアスが、ふふ、と楽しげに笑う。

 サフェルは「まず一票ってとこ?」と壁際から軽く言い、アグライアが視線だけで「雑に数えないように」と制したため、猫の尻尾が不満げに跳ねる。

 そこへ、階段の一段目に腰かけていたケリュドラが、ゆっくりと身を起こした。彼女は広間の中心ではなく、あくまで少し高い場所から全体を見渡していたが、その姿勢に横柄さはない。王座に返り咲いた者としての威厳と、仲間の話し合いに耳を傾ける者としての距離が、ちょうど石段一つ分の高さに収まっていた。

 

「ふん。市民たちの祭りは、その都市の賑わいを見て、感じられるものだ」

 

 ケリュドラの声は、短く、よく通った。広間の柔らかな朝の光の中でも、その声だけは硬質な金属のように輪郭を持つ。だが、響きの内側に拒絶はなかった。むしろ、彼女はヒアンシーの言葉を、民の暮らしに関わる施策として受け取ったように見えた。

 

「終末を越えたからといって、民に命じて笑わせることはできん。だが、笑う場、語る場、願う場を用意することはできる。オクヘイマの一部を借りるのであれば、当然、ボクの許可が必要だ。よかろう、カイザーの名の下に、そのタナバタとやらの宴会を開くことを許す」

 

 タナバタ、という発音は少しだけ鋭く、まだ口に馴染んでいない異邦の言葉を、王権の印で打ち据えるようだった。けれど、その言い方がかえって可笑しく、サフェルが肩を震わせた。モーディスは笑わなかったが、口元の線がほんの少しだけ緩む。セイレンスは窓辺で静かに目を伏せ、トリスビアスは嬉しそうに拍手を一つだけ打った。

 思わぬところで正式な許可まで得られたヒアンシーは、目を丸くしたあと、慌てて短冊を机へ戻した。両手が塞がっていては礼を取れない。彼女はスカートをちょんとつまみ、簡易のカーテシーでケリュドラへ礼をした。

 

「ありがとうございます、ケリュドラ様! 会場の使い方や市民の方々へのご案内についても、後ほどご相談させてください」

「当然だ。通路を塞ぐな、復興作業の妨げにするな、火気を使うなら許可を取れ。民を集めるなら誘導役も要る。微笑卿、願いを書く場だと言うなら、読み書きが不得手な者への対応も考えておけ」

「は、はい! 読み書きの補助ですね。たしかに必要です……!」

 

 許可と同時に実務の課題が降ってくるあたり、ケリュドラはやはり女皇であった。ヒアンシーは慌てて机の端に置いていた小さな記録板へ手を伸ばし、忘れないように項目を書き留める。

 夢の話をしていたはずが、通路、火気、誘導、識字補助と並んでいくことで、催しは急に地に足をつけ始めた。けれど、それは嫌な重さではなかった。願いを本当に人へ届けるなら、その願いを受け止めるための道筋が必要になる。

 

「でしたら、紙と紐については私の工房で検討しましょう」

 

 アグライアが、軽く顎に指を当てながら口を開いた。彼女の視線は短冊の束へ落ちている。色、厚み、繊維の方向、吊るしたときのしなり、雨や風への耐性。そうしたものを、彼女はおそらく一瞬で分解して見ているのだろう。

 黄金の糸を扱い、都市を守った守護者は、平和な今では生活の布を仕立てるラプティスとして返り咲いている。そんな彼女の目は、紙片一枚にも容赦なく実用を求めていた。

 

「短冊、でしたね。願いを書くための紙なら、筆記具との相性を考える必要があります。薄すぎれば破れ、厚すぎれば枝に結びにくいでしょう。市民の方々が扱うなら、手触りも大切です。冷たい紙ではなく、少し温かみのある素材の方がよいかもしれません」

「わあ……! そこまで考えてくださるんですか?」

「当然です。願いを預けるものが頼りなければ、書く方も落ち着かないでしょう」

 

 アグライアがそう言うと、ヒアンシーは胸の前で手を合わせた。彼女の瞳に、企画が少しずつ現実の形を得ていく喜びが浮かぶ。

 その隣へ、セイレンスが静かに歩み寄った。皇帝たるカイザーのそばに付き従ってきた剣姫は、今ではアグライアの工房に出入りし、裁ち鋏を手に取ることにも慣れつつある。剣と鋏では重さも役目も違うが、切るべき線を見定める目は変わらない。

 

「金のマス……じゃなかった、アグライア店長、ワタシたちは何を用意するべきだ?」

 

 言いかけた呼び名を途中で直したセイレンスに、アグライアはまばたきを一度だけした。表情は穏やかなままだが、口元には明らかにからかいを含んだ微笑(びしょう)が宿る。

 

「そうですね。でしたら(わたくし)たちは、その短冊という紙を用意しましょうか。ふふっ、ちょうど裁ち鋏の使い手と営業担当を雇用したところですので」

「営業担当?」

 

 セイレンスが首を傾げるより早く、入口付近の壁から悲鳴に近い声が飛んだ。

 

「んもー、裁縫女! さっそくあたしをこき使おうってのーっ!?」

 

 サフェルである。彼女は壁にもたれた姿勢を崩し、ぴょんと尻尾を跳ねさせた。猫の目が爛々と光り、面白がっているのか怒っているのか、見ただけでは判断しづらい表情をしている。少なくとも、本気で嫌なら既に姿を消しているはずなので、そこに残って抗議している時点で、逃げる気は半分ほどしかないように見えた。

 アグライアはけんもほろろに、けれどあくまで優雅に、口元へ手を寄せて微笑(ほほえ)んだ。

 

「あら、あなたも私の工房で働くのですから、裁縫女の一人ですよ」

「にゃにーっ!? あたしは華麗で自由な大盗賊であって、紙をちまちま切る係じゃないんだけど!」

「紙を切る係とは言っていませんよ。あなたには営業担当として、市民の方々が参加したくなるよう宣伝をしていただこうかと。愛想よく、明るく、分かりやすく。あなたなら得意でしょう?」

「うっわ、褒めてるようで逃げ道塞いできた! そういうとこだよ裁縫女!」

「工房主として、適材適所を提案しているだけです」

 

 サフェルは胸の前で腕を組み、尻尾を床すれすれに振った。嫌がっているように見えるのに、口元には挑発を受けた猫のような笑みが浮かんでいる。セイレンスは二人のやり取りを交互に見たあと、鋏を持つ手を軽く持ち上げた。

 

「では、ワタシは切る方を担当しよう。紙の大きさが決まれば、同じ形に揃えられる」

「助かります、セイレンス様! あ、でも、最初は試作なので多少ばらばらでも……」

「願いを結ぶものだろう? ならば、ばらばらでもよい部分と、揃えるべき部分を分けた方がよい。人の願いはそれぞれ違うとしても、結ぶための穴の位置まで違うと扱いづらい」

 

 その実務的な指摘に、ヒアンシーは再び記録板へ手を伸ばした。

 短冊の形、穴の位置、紐の強度、書く場所、読み書きの補助、会場動線。最初は「願いを書く」というひとつの行為だったものが、仲間たちの手を経るたびに、実際に人が参加できる催しへ変わってゆく。

 トリスビアスはその様子を楽しげに眺めながら、机の上の短冊を一枚手に取った。赤い髪が肩口で揺れ、朝の光を含んでやわらかく輝く。

 

「紙に願いを書くなら、文字を書くのが苦手な子たちのために、絵でもいいことにしたらどうかしら。小さな子は、まだ長い言葉を書けないでしょう? でも、好きなお花や食べたいもの、大切な人の顔なら描けるかもしれないわ」

「それ、とても素敵です! 絵の短冊もありにしましょう。文字だけではなく、絵でも、模様でも、色だけでも……願いを込められる形なら、きっと大丈夫ですよね」

 

 ヒアンシーがそう答えると、キャストリスがそっと手を挙げた。大きく主張するのではなく、話の流れを乱さないように指先だけを浮かせる動きだった。

 

「もし、誰かに見られるのが恥ずかしい願いがある方は……裏返して結んでもよいのでしょうか。願いは、必ず皆に見せなければならないものでは、ないと思いますので……」

 

 その言葉に、広間の声が少しだけ静まった。恥ずかしい願い。誰にも見せたくない未来。口にすれば壊れてしまいそうな望み。誰もが何かしら思い当たるものを持っているのかもしれない。サフェルですら、軽口を挟まず耳だけを動かしていた。

 

「はい。見せたい方は見せて、見せたくない方は裏返して結ぶ。それも決めましょう。願いは、皆に発表するためだけのものではありませんから」

「では、外から見えないように包むための細い紙帯も用意しましょうか」

 

 アグライアが即座に続ける。サフェルが「仕事が増えてる!」と抗議し、セイレンスが「だが必要な仕様だ」と頷く。

 ケリュドラは「秘密を認めるなら、管理側が勝手に開いて読まぬ規則も必要だな」と言い、アナイクスが本棚の前から「例外規定も必要です。危険行為や他害予告に該当する場合は、見なかったことにはできません」と冷静に付け加えた。

 

「い、一気に本格的になってきました……!」

 

 ヒアンシーは記録板を抱えたまま、少しだけ目を回しそうになった。けれど、困惑の底には確かな嬉しさがあった。誰も、この催しをただの飾りとして扱っていない。願いを書くという小さな行為に、ちゃんと参加する人の安全や羞恥、自由や秘密まで考えてくれている。

 エスカトンではあんなにも剣呑だった者たちが、今は短冊の紙質と結び方を巡って言い合っている。命を削る選択ではなく、誰かが安心して願える場所を作るために、同じ空間で知恵を出し合っている。奇跡のような光景だった。

 サフェルの叫びに笑いが起こり、アグライアの澄ました返しにさらに笑いが重なり、セイレンスの真面目な補足がその笑いを実務へ引き戻す。広間の葉が風に揺れ、若木の鉢の土が朝の匂いをわずかに立ち上らせた。

 夢は、語っただけでは空に浮いたままだ。けれど、紙の厚みを考え、紐の強度を測り、文字の書けない子のために絵を認め、見られたくない願いを守る方法を決め始めた瞬間、それはもう地に足をつける。かつて遠すぎた自由は、いまや指先で触れられる重さを持ちはじめていた。

 ヒアンシーが描いた企画は、彼女一人の胸の中にある柔らかな夢ではなくなっていく。キャストリスの頷きが場を開き、ケリュドラの許可が場所を与え、アグライアとセイレンスとサフェルの実務が形を与え、トリスビアスの提案が子どもたちの手を招き、アナイクスの指摘が危うさを避ける柵になる。まだ一枚も市民の願いは書かれていないのに、祭りは既に未来へ向けて動き出していた。

 その賑わいを、少し離れた若木のそばでファイノンも聞いていた。彼はいつものように穏やかな笑みを浮かべ、誰かの言葉に口を挟むことなく、朝の光と薄い葉陰のあいだに立っている。その姿は、騒がしさの中心からわずかに外れているのに、不思議とこの場の空気を支える一本の支柱のようでもあった。

 紙の束が増え、紐の候補が挙がり、会場の導線が話題になりはじめる。願いを結ぶための祭りは、もう絵空事ではない。ヒアンシーが昨夜、震える指で伝言の石版へ打ち込んだ小さな種は、黄金裔たちの手によって、現実の側へ足を踏み出したのである。




本題:七夕×オンパロスの黄金裔、かわいくない?
 信じられないかもしれませんが、本作はこの七夕のネタから発展したんです。遠かった……

 視点がぐるぐる回りそうだから、俯瞰にしようかな……。
 ヒアンシー視点も丁寧な敬語が続くと、らしさはめちゃくちゃ出るような気がしてくるけど、心情以外のとこの細部の調整がムズカシーくて頭抱えたヨォヨォ。
 あと、実は、「~していく」よりも「~してゆく」のほうが、好きだったりして……。でもまあ行動の説明はそのまま「い」で、よさそうですね。「ゆ」は封じ手にしてたけど、もう入れちゃえ入れちゃえ。
 そして文章は、もうご存じかもしれませんが、肉厚たっぷり没入感のある緻密(ミチミチ)なのが好きです。みちィ……目指しててもそうなってるかって言われると、わか、らぁーーん!
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