<UBM>【電脳雷雲 サンダービート】が討伐されました】
【MVPを選出します】
【【あいうえお】がMVPに選出されました】
【【あいうえお】にMVP特典【加電脳 サンダービート】を贈与します】
そうアナウンスが響いて一瞬頭部に激痛が走る。
なんだ!? と思い詳細ステータスを見ると、脳がまるまる特典武具?いや武具というより臓器に変わっていた。
【加電脳 サンダービート】
〈伝説級武具〉
雷鳴を纏いし溢れ出る脳細胞の概念を具現化した武具。
装備者に精密な電気操作能力を与える。
※譲渡・売却不可アイテム
※装備レベル制限なし
装備補正:MP+80%
装備スキル:《電位強化》《電荷吸収》
ふむ。雷撃能力が手に入るかと思ったが脳みその概念の方にアジャストしたか。
俺にとってはいいことだ。
スキルの《電位強化》は、脳内のニューロンの電気活動を強化するらしい。抽象的だが、つまり「脳波」を操作できるということだ。
思考加速に加えて、認知機能や記憶力も大幅に向上させるということだろうな。
もしかしたら精神に作用する状態異常耐性効果も持っているかもしれない。
しかもアクティブスキルではなくパッシブスキルだ。
「時間」を何より大切に思う俺にとって最高のスキルだ。
《電荷吸収》は周囲の電荷を吸収して魔力に変換するようだ。
解説とスキルを見るに、多分あの気持ち悪い生き物は電荷操作で雷雲を発生させて雷撃を浴びせると共に、露出した脳細胞に走る神経インパルスを供給して増幅していたのだろう。
そしてそれを魔力にも変換させていた。
だから魔力を尽きさせずに永遠と大量の雷撃を発生させられたのだ。
普通なら倒せないな。
もし空を飛べなければまともに視認不可能な山の頂上まで攻撃を届かせられることが前提で、かつその間ひとつでも当たれば消し炭になるであろう雷撃から身を守らければならないというクソ面倒臭い事を出来なければチャレンジャーにすらなれない。
これだけ見れば<古代伝説級>にも引けを取らない力を持っているが、やはり本体がクソ柔らかくて明確な弱点となっている事が<伝説級>になっている理由かな。
今のジョブは【文化人】だが、高レベルの相手に対して非戦闘職業でも充分戦闘が可能だと言うことが分かった。
アルター王国を離れてドライフ皇国に行くにあたっていい経験になったのではないか。
そしてエンブリオも進化した。
第4形態になっていよいよ上級エンブリオとなったが、スキルは増えず相変わらずの変化だ。
MP補正はAからSへ。進化前のレベル分も再計算されるため、特典武具の補正と合わせてMPが約47000になった。
まだまだ足りないと言わざるを得ないが今後に期待する。
そうしてやっとドライフ皇国へ出発する前に世話になったティアンやマスターに挨拶回りをする。
「こんにちは。」
「あらこんにちは〜。どうだったの〜?」
この妙齢のおねいさんはリリー・ポニー。ギルドの統括官、つまり現場の偉い人だ。元冒険者で、純龍級モンスターも撃破した経歴も有るらしい。
「お陰様で倒すことが出来ましたよ。」
「あらそう〜。良かったねえ〜。」
「いえいえ。貴女のおかげですよ。」
「別に特別って訳じゃないんだからね〜。たまたま。ね?」
「そうでしたね。」
相性の良さそうな賞金首になる前のUBMの情報が、
「でももう行っちゃうのね〜。残念だわ〜。」
「まあ数ヶ月か長くても1年以内には帰ってくる予定ですから。帰ってきたらまた事務仕事手伝いますよ。」
「え〜。約束だよ〜?あとお土産期待してるからねっ!」
そんなやり取りをしてギルドを出る。
人付き合いは難しく、時には煩わしい時すらあるが、しておいて損は無い。
そして楽しく接せられれるのならもっと良い。
現実での人付き合いというものは社会で活動する生物として切っても切り離せないものだが、ゲームというもうひとつの現実ではゼロベースでティアンやマスターとの交流の仕方を決めてストレスなく過ごせる。
社会に生きる全ての人にとってこれ程嬉しいことは無いだろう。
次は図書館にいる連中だ。
「久しぶりだな。」
「「「「「お久しぶりです!!」」」」」
大体図書館にいつも一緒にいるまだ20にもなっていない若いティアンとマスターだ。
2人はティアンで魔力を専門とする研究をしている学生。
3人はマスターで現実では理学系と工学部系を専攻している学生だ。
日々、この世界の魔力という概念と地球の物理学や化学、数学を融合させて応用できないか議論をしている。
俺のこの世界での目標と被ることでもあり、現実世界の後輩を見ているようで何かと世話を焼いている。
「最近どうだ?」
「相互の知識共有は進んだんですが、どう取っ掛りをつければいいのかが......。」
「そうなんです。取り敢えず魔力を効率的に電気に変換する仕組みを作ってみようかと思いまして。」
「そうか。まあいいと思うが、お前達は何をしたいんだ?この5人で集まって何を成し遂げたい?何かを作りたいとか、何かをやりたいとか、なんでもいいがな。」
「それは.....」
「うーん。」
「確かに考えてなかったな.....。」
「まず5人で共有する想いや夢を形作ってみるべきだな。それで初めてスタートラインに立つ。」
「分かりました。みんなで考えてみます。」
「「「「「ありがとうございました!」」」」」
やはり素直な奴は良い。人からも好かれるし、人生を遠回りしなくて済む。
俺は、素直さと根性が有れば人生は何とかなると思っている。
もちろんそれに加えて賢さと狡さも持ち合わせていればもっと人生は楽になるが、それじゃあかわいくない。
その後も様々な場所に顔を出して挨拶をする。
人間は単純な生き物だからこれ一つでもやるとやらないじゃ随分と変わるものだ。
最後にシュウと会う。
「こんばんは。」
「よお。倒したらしいな。」
「ああ。苦戦はしなかったな。相性が良かった。」
「そうだ。1回上手くいったぐらいで油断するなよ。」
「言われなくても。」
「いつまで滞在するんだ?」
「数ヶ月。遅くても1年以内には。」
「そうか。じゃあまたな。」
そうしてアルター王国を出発する。
基本は無重力で浮きながら時速50kmで移動する。
風がすごく吹くが、許容範囲だ。
移動動線上半径400mにいるモンスターは隕石や放射線、重力でことごとく経験値にしながら進んでいく。
MP回復薬は事前に大量に買っていたので、数時間常にこの状態だった。
移動式セーブポイントもない状況でMPが枯渇すれば酷い事になるのは事前にわかっていたからな。
道中なんと<UBM>に遭遇したが、浮いて逃げ回りながら遠くからペシペシ隕石を浴びせ続けて討伐した。
逸話級なので楽だった。
もうすぐドライフ皇国に着くというところでエンブリオが第5形態に進化し、MP補正がEXに。
Sは+300%の補正だが、EXは個人差があるらしい。MP値を見るにおそらく500%近い倍率だろう。
スキルLvも5になったことで半径500m以内の敵には確実に攻撃を当てられるようになった。
未だに必殺スキルが追加されないがいつになるのだろうか。
そして【文化人】のLvが100になりカンストに。
果たして超級職はあるのか。あっても条件が厳しそうだ。
そうしてドライフ皇国領内に入った。エルドーナ領と言う場所のようだ。
そこを経由して皇都へ到着した。
◾︎皇都 ヴァンデルヘイム
街並みは19世紀のヨーロッパのような街並みで現実でも古臭い郊外に同じような場所がありそうだ。
早速事前に場所を調べておいたクリスタルへ行き、【物理学者】に転職する。
ようやく下級職が埋まりスッキリした気分だ。
【物理学者】MP特化職
《物理》
物理現象を目視した際に思考加速し、自身が発生させた物理現象の威力を調整できる。
パッシブ。
《計測》
目視したあらゆるモノの速さや重さ、密度などがわかる。
《物理》はエンブリオのスキルにも活用できそうな効果だ。
《計測》は【数学者】の《測定》とは少し違うようだ。
これも同様にエンブリオのスキル発動に役立つだろう。
さて、今日からしばらくこの国の図書館で本を読みまくることになるだろう。並行して科学者や研究者と人脈を築いていきたい。
調べたんですが、レイくんはなんと現実時間の2ヶ月で第五形態にまで進化しています。
あれほどのイベントに巻き込まれれば妥当なんだと思いますが、思ったより早くてビックリしました!
web版は700話以上でまだデンドロ内で6ヶ月しか経ってないことでもあるのでやっぱり内容が滅茶苦茶濃いですね。
登場人物も沢山だし、頻繁に視点が変わるのでこの物語がより面白く感じます。
ちなみに僕が1番好きなキャラクターは、シュウさんです。
やっぱ優しくて頼りになるお兄ちゃんって感じが好きです。
道中で討伐した<UBM>
逸話級【浮幽力学 ジェットゼリー】
特典武具【操力浮靴 ジェットゼリー】
風の中の力学を思うままに操る権能を具現化した逸話の武具。
装備補正:AGI+40%
装備スキル:《力学捻柔》
スキル効果は自身が受ける力の方向を操作すること。
使い所は無重力遊泳する時とか。
戦闘には使えるんですかね?
殴られてもベクトル操作で無傷!なんてこともENDとAGIの値しだいでできるのかもですが主人公はステータスがよわよわなのであまり使えなさそう
好きなエンブリオのtypeは?
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メイデン
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ガードナー
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テリトリー
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アームズ
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チャリオッツ
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キャッスル
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アポストル
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ボディ