追走祭前日。
ゴールドシップ
「おい、お前があのゼロバンゲートか!?
そうなんだろ!?
なぁ、そうだって言えよ!」
突然の直撃に、通りすがりのウマ娘が飛び上がる。
ウマ娘
「え、ぇぇぇ!?
ち、違いますってば!!」
ダイワスカーレット
「ちょっとアンタ!!
やめなさいよ、恥ずかしいわね!」
ゴールドシップ
「なんだよ、お前だって気になってんだろ?
こうやって尋ねて回れば、いつか当たりを引くってもんだ!
ゴルシ様の目は誤魔化せねぇぞ〜?」
ダイワスカーレット
「お前がそうかって聞かれて、
“はいそうです”なんて答えるヤツいないわよ……!」
ゴルシという女は腕を組み、ふんぞり返る。
ゴールドシップ
「いや、いるね。
この学園には“変なの”が多いからな!」
ダイワスカーレット
「それを言うなら、あんたが筆頭よ!」
周囲のウマ娘たちがクスクス笑い、
“ゼロバンゲート探し”はちょっとしたお祭り騒ぎになっていた。
その喧騒の中――
俺は帽子を深くかぶり、
榊原の後ろをそっと歩いていた。
榊原
「……騒がしいな。
お前、絶対に声出すなよ」
ゼロ
「は、はい……!」
尻尾がベルトの下でピクピク震える。
ゴルシがこちらを振り向く。
ゴールドシップ
「ん? 今なんか尻尾動かなかったか?」
ゼロ
(や、ヤバ……!)
ゴルシは一瞬だけ真剣な顔になり、
次の瞬間にはニヤァッと笑った。
ゴールドシップ
「気のせいか……いや、今ちょっとホッとしたな!
やっぱり、お前かぁ!!」
ウマ娘
「だーかーら! 私じゃありませんってば!!」
ゴルシはそのウマ娘の肩をガシッと掴み、
まるで犯人を確保した警官のように顔を近づける。
ゴールドシップ
「尻尾がピクッとしたら怪しいって相場が決まってんだよ!
さぁ白状しろ、ゼロバンゲート!!」
ウマ娘
「尻尾なんて誰でも動きますぅぅ!!」
ダイワスカーレット
「ちょっと! 離しなさいってば!
アンタのせいで学園中が混乱してるのよ!」
ゴールドシップ
「混乱こそ祭りの華だろ?
こういうのはな、ノリと勢いで押し切るのが正解なんだよ!」
スカーレット
「正解じゃないわよ!!
そもそも模擬レースに出てたんだから、受付の子が目撃してるはずでしょ?
ちょっとくらい頭使いなさいよね!」
ゴールドシップ
「そうか! お前、頭だけはいいな!」
ダイワスカーレット
「頭“だけ”ですって!?
どういう意味よ!!」
ゴルシは赤い髪の気の強そうな女の怒りなど
気にも留めず、次のターゲットの元へ向けて走り出して行った。
ゼロ(なんだったんだ、アイツは?)
ゴールドシップ
「よし、早速いくぞ。
おい、お前が当日受付してたやつか!?」
突然声をかけられた受付担当のウマ娘が、
ビクッと肩を跳ねさせる。
ウマ娘
「も、もう……いい加減にしてください!!
さっきから何人目なんですか!!」
ゴールドシップ
「ゼロバンゲートを探してんだよ!
お前、見ただろ!?
なぁ、見たって言えよ!」
ウマ娘
「見てません!!
ていうか、変装してたから、誰かなんてわかりません!!」
ダイワスカーレット
「ほら見なさいよ。
受付の子だって困ってるじゃない」
ゴールドシップ
「困ってるってことは怪しいってことだろ?」
ダイワスカーレット
「違うわよ!!」
周囲のウマ娘たちがまたクスクス笑い、
“ゼロバンゲート探し”はますますヒートアップしていく。
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ゴールドシップの登場回です。
彼女は
「100回のレギュラーよりも、1回の伝説」
を地で行くウマ娘ですね。