おかしい、前中後編で纏めようとしていたのに書いても書いても終わらないぞ。
各省庁からの報告が終わり掛けたのは、日が傾きかけ、ラグナの大気で太陽が真っ赤に染まり始める頃だった。
「これで最後である軍政関連の報告となります。パスタル本部長、お願いします」
「陛下、その前に今回における一連の平定における所謂【敵対勢力】に関する件を解説する適任者を待たせているのですが、入室を認めては貰えませぬか?」
「パスタル君の人を見る目は確かだ、構わん」
「有り難う御座います。入ってきてくれ!」
ドアの向こう側で待機していたのであろう大量の書類・写真を抱えた青年が入室する。
「統合参謀本部、情報局技術部に属するナグアノ技術少尉*1であります」
「若いな」
上司(バミダル)の件が無ければ、今すぐにでも情報局直属に引き抜きたい程の秀才なのだがな。
「陸軍輸送船にて送られた鹵獲品の報告書及び写真から分析した敵対者達の兵器群になります」
「やはり未開人か」
ギーニ議員が嘲笑う。
「そうとも言えませんぞギーニ議員」
ハイラス様が咎める様に言う。
彼等2人は貴族院*2・衆議院*3を越えて其々強硬派と穏健派を代表する存在だ、公私共に対立している。
「どういう事か?」
「ナグアノ君、君が持ってきた資料に兵器に併せ【贈呈】の項目があったが、剣・王杖・槍、これはディールグリピル*4だな?」
「はい。服属の証として其々の王家より現地軍総司令部へ送られ、現在は外務省現地仮設局にて厳重に保管していると報告が成されています」
「どういう事か?」
「王権の象徴を有するという事は【正統なる王・君主】としての君主権をある程度確立して理解しているという事、強いだけで相手を従わせる様な野蛮なやり方を、少なくとも表立っては忌避する考えがあるという事です」
迂遠な物言いだが、皇族にして穏健派の代表というのは伊達ではないな。
「次に歩兵用兵器となります。現時点では火器の保有は確認されていない為、剣槍弓を中心に投石紐(スリング)が中心となっています、余程の事がなければ脅威にはなり得ません」
地形とあの問題を除けば…だがな。
流石に現地からの情報を基に精査している技術部の人間に確認が取れてない現地情勢を喋らせるのは酷だ。
「ふむ、連中の海軍はアウトリガーカヌーに大型のダブル・カヌー等か、船舶と言うよりボートだな」
「臨時科学団に属する造船技術者からは、数週間から数ヶ月に渡る航海に耐え得るという事です」
「この海だらけの世界で長距離航海用カヌーか、他にも大陸や島嶼があるのやもしれんな」
「其方も既に情報を得ています」
「服属国家の文官曰く、ビフレスト大陸東方2000㎞程に幾つかの島嶼を間に挟み他の大陸があるとの事です」
「遠いな、我が国最大の客船「ブラズニル号*5」ならば無補給で往復出来るが、送り込む外交団の安全を考えると軍艦の護衛は必要だろう」
「幸いと言うべきでしょうか、彼等が使っていた地図の入手に成功していますので、本部陸地測量部にて試作した物を会議直前に送られて来ています、此方を」
会議室大机に試作地図が広げられる。
「ビフレフト大陸よりも大きいか」
「現地民曰く【ムー大陸】という名を有する大陸であり、この世界において【列強】と認定されている強国が大陸内に存在するという事です」
「列強か、ユグド世界における8大国*6に相当する国力を前提で考えねば足元をすくわれるやもしれぬな」
「ナグアノ君、ムー大陸に対して個人的な見解があれば述べてくれ」
「は、ビフレフト大陸沿岸国家の1つ、パルス王国*7が言うには、レイフォル国・ムー国と呼ばれる2大列強国があり、彼等はその内の1ヵ国、レイフォル国の属国だった様です」
「2000㎞以上も離れた場所にある属国?近代船舶や無線がある訳でもなし、そんなもの間接統治が関の山だろう」
ギーニ議員が呆れた様に言う。
「いえ、どうやらレイフォル国より属国統治の為に送られた軍人・官僚が1000名単位でいた模様で、彼らが使っていた【魔信*8】と呼ばれる装置、推進装置らしき装置が船体後部に設置された【魔導戦列艦*9】と呼ばれる木造軍艦の他、各種兵器類の鹵獲に成功しています」
「ここにある報告書には無い様だが?」
ルークス陛下が疑問を口にする。
「申し訳ありません、これ等は未だ写真はおろかサンプルすら到着していない上に伝達情報まで含まれている為、この場で断言するには…」
「伝達情報?」
「陛下、それに付いては私の方から説明いたします。ナグアノ少尉、すまないが此処からは私が説明する」
席を立ち発言する。
「先程ナグアノ技術少尉が言及した中における【魔信】は、言わば無線機であります」
「科学文明も知らない者達が文明の利器に準じた機材を?」
カイザル大将が疑問を口にする。
「ユグド世界において使用していた短波通信*10に劣らぬ程の性能を有しており、少なくとも1000㎞単位に及ぶ遠距離通信を可能にしているとの事です」
「我が軍でも使われている短波通信に匹敵するのか?俄かには信じられぬが…」
海が大半を占めていたユグド世界においては、遠隔地の殖民地征統府や総督府との通信や殖民地陸軍*11、海軍本国艦隊*12との連絡用超長距離通信用無線の開発は国家事業として進められていた、転移現象のせいで此等の通信施設群は全くの無と化してしまったが。
「パルス王国沿岸の港湾都市ギランに5階建ての高さに相当する石造りの塔頂上の更に上2階建てに相当する小屋からなる施設に加え、レイフォル本国からと思われる指令書の鹵獲に成功した報告が上がっています。現在臨時科学団に属する言語学者達の協力を得て、目下翻訳中であります」
「ふーむ。思っては居たが、何故文字は読めぬのに言葉は通じるのか⋯」
ルークス陛下が訝しむが、現状分からないものは分からないと言うしかない。
「今この場で分からぬものに執着しても拉致があかぬし、次に進む方が良いだろう。我が海軍にとっては聞きたい情報もある事であるし」
宜しいでしょうか?と陛下に振り向き、陛下が相槌を打つ。
「次に魔導戦列艦です。率直に申し上げれば、帝国西部港湾都市ヘル*13にて保存されている100門級戦列艦【ネイル号*14】に全体形状は酷似しています」
「では、何故態々【魔導】と付けているのだ?」
ギーニ議員が疑問を口にする。
「現地人達が言うには、【風神の涙】と呼ばれる推進機器によって信じられぬ程の速力で大海原を疾駆する事が出来るとの事です。」
「とは言っても手漕ぎボートを使ってる連中の言う事だろう?具体的な速力は?」
「撃沈した駆逐艦艦長の証言頼みですが、無風状態だったにも関わらず12ノット前後は出ていたと」
「戦列艦で12ノット?それも無風で?我が帝国初の外輪蒸気軍艦*15を凌駕するのか」
我がグラ・バスカス帝国が最高速で12ノットを超える軍艦を作れたのは50年以上昔だ、木造帆船でその速力を出せるとは…。
「待って頂きたい、撃沈したという事は攻撃行動を?」
ハイラス様が疑問を口にする。
「いえ、未知の大陸で海図も無い場所を航行する必要から最も小型のスコルピウス級駆逐艦1隻を各沿岸に分散し接近させていた所、帆を張った戦列艦4隻が側面砲門を開いた状態で接近して来た為、停船警告を数度に渡り発しました。それを無視して接近を続けたと」
「それで砲撃、撃沈か」
「は」
「また、現地軍からギラン港に動かずに停泊していた1隻を鹵獲する事に成功したと報告がなされています。比較的小型の50門級戦列艦相当であった為、本国との連絡用かもしれません」
「加えて、【魔導砲】と呼ばれる前装式艦砲も鹵獲いたしました」
「まぁ戦列艦があるのなら大砲もあるか…、だが現地人達は大砲や銃を有していないとも言っていたが?」
「技術優位を維持する事と、そのレイフォルとやらの武威を示す為でしょう【これ程我が国は強力な兵器を持っている】というな、ユグド世界でも散々行われていた砲艦外交だ」
「しかし前装式か、帝国から見れば骨董品と言える代物だが、性能は?」
「それが…現地軍で試しに試射を行った所、最大射程は凡そ2km、黒色火薬相当ではあるものの炸裂弾も撃てるという事です」
陸軍の砲兵科将校、海軍の技官が驚いた顔をしている。
陸軍の重カノン砲や海軍の艦砲からすれば玩具の様な代物だが、艦船は150年以上の開きがあるのに炸裂弾を撃てる大砲は数十年前後の開きしかない、なんなのだこのチグハグな技術体系は。
「炸裂弾を撃てるという事は、現地人のボートはおろか同時期の戦列艦でも全く刃が立たぬか⋯」
「特に殆ど装甲が無い巡洋艦以下の艦船では不意打ちを受けた場合致命傷足り得ます、陸軍も沿岸部での作戦を行う事があれば警戒しなければならないでしょう」
「まさか、陸上砲も?」
「現状では陸上砲は確認されてません、ですがあると思って行動すべきでしょう」
「また、魔導戦列艦内部にてマスケット銃に類似した携帯式銃30丁程を鹵獲しております」
「大砲に銃か、しかし我々とは異なる技術体系の筈だが外観が似るとは不思議なものよな」
「捕虜を尋問して聞き出した所、【1620年式魔導銃*16】と呼称される銃であり、銃身内に施条の無い典型的な前装銃との事です、帝都ラグナにある大帝都博物館*17内にて外観はほぼ同じ物が見れます」
「我が陸海軍が有する正式小銃*18と比べると150年以上の差はあるが、それでも銃は銃だ、鎧も着てない将兵からしたら脅威になるな」
有効射程僅か50m程とは言え、市街地等で迎え撃たれれば厄介な事になる。
言い終わるか否かで会議室の扉がノックされる。
「失礼します、情報局技術部より局員が参られました」
「ああ、間に合ったか」
ナグアノ少尉が小声で言う。
「これは大帝都博物館に展示されているマネキンではないか?」
二角帽に青コート、黄色ズボンに巻き付けられた脚部保護用ゲートルに短靴、帝都ラグナのニブルズ城警備を担当する帝都の花形的存在である帝国近衛師団より選抜された【禁衛隊*19】も軍服を引き継いでいる。
「今までの説明である程度想像は出来るが…まさかレイフォルとやらの連中が来ていた服装がこれに似ていると?」
ギーニ議員が発言する。
「はい、捕虜にしたレイフォル国の軍人と思われる者が着用していた軍服がこれに酷似していました。流石に色や帽子の形状まで全く同じではない様ですが、明らかに本大陸統一戦争期*20における【戦列歩兵】に近しい派手な色合いからなる軍服です」
「横一列でお互いに撃ち合う時代の軍服か、炸裂弾を撃てる魔導砲とやらといい、我々からすれば玩具の様な軍備だが、成る程、ビフレスト大陸の国家群では手も足も出んだろう」
「兵器類に関しては次が最後となりますが、此方は伝達情報のみとなります故、参謀本部も半信半疑の状態となっております」
「君がそれ程言うとはな、一体何なのだ?」
「その、レイフォル国が運用しているとされる翼竜*21になります」
何を言っているのだ此奴という目で見られても困る!
「成る程な、君らしく無く確証が無いと言う筈だ」
「申し訳ありません、此方はパルス王国武官からの情報しかない事を前提に申し上げる他無く」
「構わん、今後何が起こるか分からん以上、1つでも情報は必要だ」
「は」
「パルス王国武官が言うには【レイフォル国に逆らえば街が飛竜によって焦土と化す】と沿岸国からは怖れられており、その恐怖と武威が支配の根幹だったと思われます」
「だがどうやって?レイフォルとやらがあるムー大陸からは2000kmも離れている、幾ら翼竜でも所詮生物、渡り鳥でもあるまいし疲労で飛べなくなるだろう?」
「その翼竜を運用可能な、我が軍における【航空母艦*22】があると言ったらどうなさいます?」
「航空母艦ですと?」
カイザル大将隣のアンダール海軍中将*23が言葉を発する。
そう言えばこの男、海軍内では有名な航空主兵論者だったな。
「戦列艦を主力としている様な連中が航空母艦を有していると?」
「その武官が言うには、名称は【竜母】、全長は駆逐艦より小型の80m程の船体に空母と同じ水平甲板を張り巡らせた軍艦という事です」
「待って頂きたい、すると何か?連中【制空権*24】の概念を理解している事になりますぞ」
「理解している、と見た方が良いでしょう。実際、パルス王国ではないビフレスト大陸沿岸国の中に昔レイフォルに逆らった国が存在した様で、王都を始めとした主要都市・港湾を翼竜によって灰燼にされたという事です」
「その翼竜とやらが我が国の戦闘機と比べどの程度の空戦性能があるかは分らんが、万一アンタレスと互角か少し下であれば不味い事になるぞ」
アンタレス機以下の戦闘機しか有しなかったケイン神国であっても無視出来ない損害は此れ迄も出ていた、正直勘弁して貰いたいものだが。
「【都市を焼き払われた】という証言が事実であれば、焼夷弾に類する攻撃が可能である他、現地人達の使う武器では全く歯が立たない程度の皮膚強度があるものと思われます」
「また、【高空から】という証言が【どの程度】の高空であるかも分からない以上、現地人達の使う弓矢の届かない数百m以上の飛行能力があると思われますが、その、サンプルはおろか書類も無い状態ですので」
本部長として任官されたにも関わらず、こんな報告しか出来んとは。
「…戦艦なら兎も角、水上艦単艦での運用は避けるべきか」
「流石に対空機銃*25や高角砲*26であれば通じると思いたいが」
「むしろ問題は陸軍の方が大きいでしょう、基地防空や要地防空ならいざ知らず、歩兵部隊が襲われた場合、小銃や機関銃で有効に迎撃出来るかどうか分かりません」
野戦部隊の防空任務は今まで優勢な戦い続きだっただけあって熟れてるとは言い難い、高射機関砲隊と言いながら撃つのは地上ばかり、等と自虐的に日誌に書く将校もいる位だ。
その後残る議題の報告が粗方なされた。
侍従官か入室し、陛下に耳打ちする。
「ふむ、皆、漸く終わった事であるし食事としよう」
昼過ぎから始まった会議も既に日が赤く染まる時刻になっていた、腹が減っているのは確か故有難い。
帝国本土では朝食・昼食を確りと食べ、夕食は軽く食べるのが基本だ。港湾や工場等の肉体労働者は別だが。
「ほう、民間で出回っている【統一プレート*27】か」
主食・副食が載せられたアルミプレートを陛下が見るなり言うのと同時に、農商省の官僚が答える。
「はい、統一戦争前に技術確立したアルミニウム大量精錬技術*28の賜物になります」
統一戦争以前、ユグド世界において主流だった鋼管羽布張りの航空機から脱却した全金属製航空機を登場させたのは我が帝国がユグド初だ。
他の8大国で同等の精錬技術を確立していたのはケイン神王国が唯一、8大国に属しない他の中小国は言わずもがなである。
布張り鋼管構造の複葉機・三葉機がユグドにおいて発明されたのは既に50年前後昔、だがアルミニウム大量精製技術の確立は我等グラ・バルカス帝国でさえ漸くここ5年前後でものにした技術に過ぎん。
この技術確立が無ければ、転移前のユグド統一戦争なぞ望めなかっただろう。
「思いがけず民需方面の市場開拓になるとは世も思わなんだ、それ迄使っていたブリキ製食器や陶器製食器をあっと言う間に席巻してしまったからな」
本部長の立場としては言い辛いが、余りにも軍需に偏った現状の経済は健全とは言えんからな。
「所で、ここに居る全員に話は既に通してあるが、例の物はもう出来上がっておるのか?」
陛下が農商省局員へ問い質す。
「は、はい」
会議室の扉が開き、コック帽を被りエロエプロンを着た本部食堂で働く傭人(29)が数人入って来る。
何の変哲もない蒸した芋が其々のプレートに運ばれる。
「ふむ、見た目は在来品種と然程違いはないが、これが帝国1号か」
「は、元々が国内アルコール工場向けに作られた品種である為、在来品種よりも大量生産は確実に見込まれるのですが、味の方は…」
各人塩をつけて食べてみるが…。
「蒸してあるので多少は軽減されてはいるが…やはり水っぽさは否めんか」
「公官庁食堂では既に導入しておりますが、人気の方は如何ともし難く」
「人間、己の舌には嘘は付けぬ物だ。こうなるとやはりビフレフト大陸が頼みの綱か」
「は、既に西部丘陵の耕作地帯にて在来品種の試験的栽培に取り掛かっております。順調に行けば今年中の収穫も見込めるかと」
陛下が私に向け顔を向ける。
「パスタル君、君を通して陸海軍へ耕作地帯を砲弾の雨に晒さぬ様厳命した事は軍本部や現地軍に縛りを入れる事と相成った、すまぬな」
「いえ、砲撃に曝された地域が耕作地帯として使えぬ様になる事はユグド統一戦争以前から知られておりました故」
今から数年程前に発生した【運命戦争】において戦場となった地域が戦後に判明した数多の不発弾、戦場跡となった元耕作地帯土壌で発見された重度の鉛・ヒ素を始めとした重金属類による農作物汚染の危険性から立ち入り禁止区域に設定され、強制的な村・町の再建不許可を行わなくてはならなかった。
程なく会議参加者が食べ終わる。
「うむ。皆、今日の会議が滞り無く終われた事を感謝する」
「は、今後とも各省庁一丸となり帝国生存圏の確立に邁進致します」
ルークス陛下を始め主要参加者達が会議室を退出し、自身も副官達を伴い退出し様とするが⋯。
「パスタル閣下」
声を掛けられた。
確かハイラス殿下の御付きの1人だった筈。
「ハイラス殿下御付きの侍従官でしたな?私に何か御用で?」
「実は、ルークス陛下からハイラス殿下を通し、どうしても極秘で伺いたい事がある故来て欲しいと」
陛下が極秘で?
「構いませぬが参謀本部には何時も人が居ます、特ダネを掴みべく何時も参謀本部前で屯している記者連中もいますし、流石に誰も見られずにというのは難しいです」
「官舎に向かうルートの途中で乗り換えられる様手配しておりますので、それで記者連中をまける事が出来ます」
「その極秘の打ち合わせ場所は何処でしょうか?」
「高級料亭【スピニッチ*29】になります」
確か海軍将官御用達の料亭だ、海軍高官相手の会談場所として行った事は何度もある。
「分かりました、普段通り退勤すると見せ掛けて向かいましょう」
「有難う御座います。確かに陛下に伝えましょう」
少々厄介な事になったな、正門前の記者連中を上手くまけるだろうか?
後書き
書いてる途中でネタが止め処なく溢れてきてしまい全体的に話がとっ散らかってしまい、再編の為に色々手を加えて削った結果がこれである。
(1) グラ・バルカス帝国大陸間通信
地球世界における短波通信、書籍第一巻にてグラ・バルカス帝国がロデニウス大陸へ派遣した諜報員から送られた通信を2万㎞+α離れた帝国本土へ送っている為、帝国本土~ロデニウス大陸間に数か所の中間通信拠点が存在するものと思われる。
【ゆっくり土建図鑑】
「日本に存在した世界最大規模の送信所とは【超長波通信】」*1
(2) グラ・バルカス帝国の敵兵器情報
ムー大陸西方海域海戦にて戦艦グレートアトラスターの艦長ラクスタル大佐の幕僚の1人がレイフォル国が有する魔導砲の性能を伝えている為、海戦以前の何処かの段階で魔導砲の情報または実物の鹵獲・分析に成功したらしき台詞がある。
本作品内ではビフレスト大陸内にてレイフォル国戦列艦の鹵獲・分析に成功していたから知っていたという形に持ち込む形式にしている。
【Epic History】
イギリス戦列艦にして第一海軍卿旗艦「ヴィクトリー(勝利)号」
「3D Guide to an 18th century Ship-of-the-Line」
(3) アルミニウム産業小ネタ
原作ではナグアノ氏がムー国の複葉戦闘機マリンを見て「20~30年程の技術差がある」との言及があるが、地球世界における複葉戦闘機から単葉戦闘機への進化は10年前後に過ぎない。比較するとユグド世界では超々ジェラルミン(アルミニウム合金)を始めとしたアルミニウム精錬技術確立に技術的な制限又は遅れが存在していた可能性がある。
95式艦上戦闘機(1931年)⇒96式艦上戦闘機(1936年)⇒零式艦上戦闘機(1939年)
関西大学学術リポジトリ 北波道子
「戦前台湾におけるアルミニウム製錬業について」