生徒(黄昏接触済)に転生したけど何とか原作以上の結末を目指します。   作:冴月冴月

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 デカグラ3章とデカグラ臨戦組andケイ実装が来たので初投稿です。

 初回は短めです。




目覚め〜プロローグ
目覚めた瞬間、終わったわ(心臓が)


 

 

 

 

 どうしてこうなった。

 

 古びた木製の姿見の前に立ちながら、『私』は困惑を露わにした表情を浮かべる。

 

 姿見には黒髪ショートボブのその辺によく居そうなJK………ではなく、頭頂部に犬っぽい三角ケモ耳の生えた、濃い灰色のインナーが入った藍鼠色の長い髪をして、灰色っぽいセーラー服と同系統の暗い色の羽織を羽織った美少女が映っていた。

 

 その頭には、暗めの赤色の特徴的な光輪が浮かんでいる。

 

 ……制服と、光輪(ヘイロー)

 

 これこそが困惑の原因である。

 転生したのが単なる美少女ならまだ良かった。

 そう言うってことはこの身体は単なる美少女ではないという事で。

 

 

「……ブルーアーカイブの生徒…だよなぁ、これ」

 

 ……いや、口に出して自問するまでもない。そんなの今更だ。この世界がブルアカなのは、目が覚めた時点で確信済みである。

 

 

 

 …だって、目覚めて一秒で目の前に本編キャラが居たのだから。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 説明しよう。あれは私が目覚めた時の話だ。

 

 まず、私が前世の記憶を有しているのは、今までの口ぶりから何となく察したと思うけれど。

 その実、そこまで詳しく覚えているわけではない。

 

 はっきり記憶しているのは、死んだ時の年齢が18歳で、高校三年生の年だったこと、ソシャゲの一つである『ブルーアーカイブ』にどハマりしていたこと。

 

 どハマりと言っても趣味程度で、強キャラを育ててどうとか、対抗戦で上位を狙ってーとか、そういうやり込みは行っていなかった。

 

 どちらかといえばストーリーに集中しており、自キャラ育成もストーリー内で勝てる程度で止まっているような有様だった。生徒たちの青春感溢れるやり取りにほのぼのしたり(自分がリアルに体験出来ていなかったアレコレを見せつけられてメンタルブレイクもしていたけれどそれはさておき)、シリアスな場面で泣いたり、生徒たちが起こす奇跡に歓喜したり………。

 

 そんな、ブルアカが好きなだけの平凡なJKだったはずだ、自分は。

 

 

 はずだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おやおやぁ? や〜っとお目覚めですか? 手前さぁん」

 

 

 ………。

 

「……?」

 

「………!?」

 

「…びゃぁぁぁぁぁあ!?!!?」

 

 この絶妙に苛立ちを誘う表情、『手前さん』という特徴的な二人称、原作では死ぬまで終ぞ聞けなかったお顔に大変マッチしているちびっ子VOICE。

 

 ……何故起きたら目の前に箭吹(やぶき)シュロが居るんですか???

 

 

 

 …………………………(状況把握)

 

 そっかー、これ夢だぁ(現実逃避)

 

 シュロちゃんかわいいなぁ(目逸らし)

 

 

「ひ、いやあのすみません急な至近距離にびっくりしちゃっただけ…デス……ゴメナサイ……」

 

 近い、近いですシュロさん。お顔離シテ。

 

「? …随分とまぁ愉快なお方ですねぇ……事前にコクリコ様からお聞きしていた感じだと、もっと静かでお淑やかだと思っていたのですがぁ……」

 

「そうだったんですか??」

 

 というかソイツは誰ですか???

 どう考えても私じゃないですよ…?

 

「そうだったんですか? って、手前さん自身の事でしょうに変なことをおっしゃいますねぇ………いや、まさかですが……手前さん、記憶を失われてます?」

 

 はい?

 …あ、お顔離れた。危ない心臓バクハツするかと思った。

 

 私から離れたシュロは、スススと壁際に膝立ちで向かい、そう広くはない畳の間の隅にちんまりと正座した。その目は変わらず私の方へ。

 

「コクリコ様に連れられてここに来てから、丸一ヶ月も眠ったままでしたので……薄々おかしいと思ってたんですよ。手前さん、眠っている間も微動だにしませんし、一体何度死んでないか確認しましたっけねぇ…」

 

「え……えーっと…」

 

「黄昏もまだまだ、分からないことだらけですねぇ……コクリコ様にも後でご報告を……」

 

 ………なんか、都合良く記憶喪失扱いしてくれた……

 

 ………って待て、今黄昏と言ったか??

 

「あっあの、黄昏って? 私昏睡する前何があったんですか!?」

 

 思わず飛び起きてずずいとシュロに迫ると、まあまあ嫌そうな顔で両手で肩を押し留められた。

 

「うわ、近いですよ手前さん、ソーシャルディスタンスって知ってますぅ?」

 

 さっきあんたも近かっただろうがよい。

 

 解せぬと思いつつ少し後ろに下がる。…あ、なんかつま先に当たった。さっきまで私が寝てた布団か。

 

「詳しくは手前も分かりませんよ、ざっくりとしか聞いてませんのでぇ。本当に何にも分からなくて、知りたいっていうなら手前よりも…」

 

 

「我に訊いた方が早いやろねぇ」

 

「あっ!」

 

 シュロの声に続けるように妖艶な声が響いて、部屋の襖が静かに開いた。

 その声を聞いた瞬間にシュロの顔がパッと輝いたかと思ったら、瞬きの次にその場からシュロの姿は消えていた。

 

「えっ? え??」

 

「コクリコ様〜!」

 

「看病ご苦労やったね、可愛いシュロや。……お前さんも、久々の目覚めの気分はどうだい?」

 

 慌てて見た先では部屋の出入口で和服の女性に撫でられてご満悦顔のシュロ。そんな顔するからシュロガキだなんだ言われるんだよ(かわいい)

 

 そしてシュロをなでなでしている女性は…ヘイローはあるけど正直どう見ても生徒には見えない、というか公式から30代くらいだと実質言わr*1

 …ん"ん"ッッ、花鳥風月部部長こと、コクリコ様だった。……なんか意図せず様付けしてしまったがきっと妥当、うん。

 

「…あ…えっと、気分は特に悪くはありません…、じゃなくてあの私、目覚める前の記憶が無くなっているみたいで、何があったか教えて頂きたいの、ですが……」

 

 シュロを撫でる手付きも此方を見る目も柔らかいのだが……コクリコ様には勝手に畏怖を感じてしまう風格というか、そういうものがあるのかもしれない。

 なんて事を考えつつ、私は辛うじて返事を返した。

 

 

 

 ここまでが見慣れない部屋で目覚めてから、約5分間の出来事である。

 

 説明おわり。

 

 

 

 

*1
おっとこれ以上はいけない

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