生徒(黄昏接触済)に転生したけど何とか原作以上の結末を目指します。   作:冴月冴月

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何事も過剰なのは良くない(戒め)

 

 

 

 今世での名前が決まった。

 

 苗字は、今私の前に現れてくれた雲の名前を拝借することにした。

 

 ミハナという名前は前世の私の名前そのものである。地味な私では名前負けしてしまう程にいい名前だった。漢字の読みを変えれば『ミカ』とも読めるな…なんて、特に意味も無いことを考えていたこともあった気がする。ド陰キャだった自分と正真正銘キラキラのお姫様であるミカを並べる気は、毛頭なかったが。

 

「ありがとうございますシュロさん、苗字のヒント貰っちゃって」

 

 一先ず手助けを貰ってしまったシュロに対してはお礼を言っておく。

 やはり花鳥風月部とだけあって、何かの象徴などへの知識は多く持っているのだろうか。

 

「…手前は別に、そんなつもり無かったんですけどねぇ。………まぁ、お礼くらいは受け取っておきますが」

 

 シュロはあくまで無感情の体を貫こうとしているようだが、そんなこと言って見事に頬がにやけている。隠しきれてない。

 そんな分かりやすい所が、花鳥風月部としてはあまりに未熟で、そこが可愛い。流石推し。

 

 ちなみに私の推し生徒たちは一校につき一人は必ず居るが、総数の中の大半は百鬼夜行に集中している。百花繚乱だとナグサとアヤメ、陰陽部だとチセ、お祭り運営委員会だとシズコ、修行部だとミモリ……そして花鳥風月部の中ではシュロが好きだ。

 

 最推しは誰かと聞かれればそんなもの『全員』と答える。ランク付けなんて出来るか。全員ナンバーワンだ。

 

 思い返すと、目覚めてから今までにちょくちょくシュロへの感情が漏れ出ていた気がしなくもないが…きっと気のせいだろう。

 

「さて、名前が決まったことですし私はコクリコ様に報告しに行こうと思います。シュロさんも来ます?」

 

 私は縁側から立ち上がる。縁側に来たから紫雲を見ることが出来たのだし、コクリコ様にもきっかけをくれた感謝は伝えるべきだろう。

 

 そう考えながら振り返ると、シュロは私の呼びかけに答えずに縁側に座ったままでいた。

 行かないのかな? と思って私だけで座敷へ向かおうとすると、何かとても小さい呟きが耳に入った。

 

「……ですね」

 

「えっ?」

 

 今の声は…小さいがおそらくシュロの声だろうか。

 こんな小さな声、前までは私の耳で拾えなかった気がするが…もしや狼耳が聴覚を補強しているのか。

 

 シュロは落ち着きなく足を揺らしながら、此方を向くことなく、今度はよく聞こえる声で言った。

 

「なんというか、手前さんのその喋り方、凄い違和感というか変というか…直球に言うとめちゃくちゃ気持ち悪いですねぇ」

 

「なんか急に酷くないですか??」

 

 唐突に推しに暴言吐かれた。

 けどなんか悲しいよりありがとうって感情が先に来た。知らぬ間に私も推しに対して末期になっていたらしい。南無、私。

 

「えーと、私の喋り方が気持ち悪いって、その、どういう?」

 

 動揺を隠しつつ聞き返す。

 まさか気持ち悪いとまで言われてしまうとは。どこか言葉遣いが変だったのだろうか。

 

「手前さん、素は敬語じゃないんでしょう? さっき一回だけ聞いてましたよ、手前さんの素の口調」

 

「えっ? …あー、あの時ですか」

 

 シュロに話し掛けられていると気が付かず無意識に返答した時、確かに敬語が外れてしまっていた気がする。

 

「そっちの喋り方を聞いてからなんか…手前さんの丁寧な喋り方が気になってしょうがないんですよ」

 

「…そんなに合いませんでした? 私に敬語って」

 

「はい、そりゃもう全く。もはや怖いぐらいの違和感ですねぇ」

 

「そんな即断言しなくてもいいじゃん……」

 

 綺麗な即答を頂けた。それもフルボッコである。

 どうやら私に敬語は合わないらしい。気持ち悪いレベルで。

 前世にそんなこと言われた事なんて無かったので驚いた。

 

「手前のこともさん付けですし…気を遣われてるのか知りませんが、そんな他人行儀じゃなく、もう少し砕けた口調になってくれても……そのぉ、いいんですよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ワオアアアアア!!!!(尊死)

 

 

 

 ……失礼、何でもない。ちょっと遠吠えが出てしまった。今の私は狼系の生徒だから仕方ない。

 決して突然のシュロの遠慮がちな上目遣いに殺された訳ではない。断じて。

 

 ……にしても、意外だった。初めの反応からして、シュロは私を嫌うとまでは行かなくとも、疎ましい程度には思っているとばかり。ゲーム内でも慕っているコクリコ様以外に仲良さげにしている存在は確認出来なかったのもあって、私に興味など示さないだろうと思っていた。しかし実際はそうでも無かった所か、寧ろ近づいてくれているまである。

 

 今にも感謝の遠吠え(?)出てきそう。

 

「……分かった、それなら今からはタメ口にならせてもらうね。えっと、シュロ?」

 

 それはともかくして、やめてもいいと言われたならお言葉に甘えてタメ口にならせて貰おう。

 

 何故か私は、お堅い敬語で話すと無駄に緊張状態になってしまうので、出来るものなら使いたくないのが本音なのだ。

 顔色を伺う時にばかり使っていたからだろうか。

 

「そうしてくださいな。…やっぱり手前さんはその喋り方の方が良いですねぇ。自然で」

 

 …そんなに不自然だっただろうか?

 まあいいか。シュロとも一歩距離が近づいた様で嬉しい所だし、気にしないでおこう。

 

「…じゃあ、改めて。これから少しお世話になるね、シュロ」

 

「…歓迎くらいなら、して差し上げますよ、ミハナ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おや、二人で入ってくるとは驚いたわぁ。それに晴れやかな顔をしているやないの。いい名が見つかったようだね」

 

 報告の為に座敷に入って早々、コクリコ様はそう言った。

 

「…そんなに分かりやすい顔してたかな?」

 

「うーん、手前にはよく分かりませんでしたが…流石コクリコ様です、よく見てらっしゃるんですね!」

 

 顔を見合わせる私たちを微笑ましげに見た彼女は、「それで」と話を戻す。

 

「お前さんが決めた名前は? 我にも聞かせておくれ」

 

 心なしか楽しそうなコクリコ様にも、今世での名前を伝えた。

 

「紫雲ミハナ…いい名前やないの。由来とかはあるのかえ?」

 

「えーっと、下の名前は割とすぐ決まったけど、苗字が難産で…その時良いヒントをくれたのがシュロなんですよね。紫雲は吉兆の象徴だ、って」

 

「手前はぜーんぜんそんな気で言ったんじゃありませんよぉ? 空に紫雲が浮かんでたから、その意味を教えてあげただけです」

 

「でもそれがきっかけで良い名前が決まったのも事実だからね〜、流石だよシュロ」

 

「……別に褒めても出てくるものなんて、ってちょ! 頭撫でんのやめやがれください!! はなっ、離せぇ!!!」

 

 またもやかわいらしい表情をしたシュロには頭わしゃわしゃを見舞っておいた。

 まさか推しを目の前で見るとここまでの破壊力とは。どうやって死んだのかは思い出せないが、これだけでとにかく転生できて良かったと思える。

 もしかしたらこの世界でなら、誰かが私を…

 

「あらあら、もう仲良くなったんやね。ええ事やわぁ。これからもシュロの事を頼んだよ、ミハナ」

 

「んな、何故ですコクリコ様!? そこは手前にミハナが託される所ではないのですかぁ!? 手前の方が先輩なんですよぉ!?」

 

「うんうんそうだね、これからお世話になります、シュロ先輩〜?」

 

「ぶっ飛ばしますよぉ!?」

 

 

 

 

 結局この後はコクリコ様と二人してシュロを弄り回す時間になってしまい、落ち着いた頃には日が沈んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…散々な目に遭いました……」

 

「ごめんて。許してシュロ」

 

「嫌ですぅ。先輩を敬えない生意気な後輩にかける言葉なんてありませぇん」

 

「からかい半分に先輩呼びしたのはいくらでも謝るからぁ……」

 

 そして現在、私は一向に此方を向いてくれなくなったシュロに謝り倒していた。

 つい楽しくてつつきまくってしまったのは大反省している。キュートアグレッション的な何かでも作用してやり過ぎてしまったのだ、多分。

 

「しばらく口利いてあげませんよぉだ」

 

「ひぃん……」

 

 それはそれとして、口を利いてくれなくなってしまったので一旦シュロとの仲直りは諦めて、横でニコニコしながら一部始終を見ていたコクリコ様に向き直った。

 というかこの人、ノリノリでシュロで遊んでいた癖にシュロの怒りを買っていない。ずるい。

 

 そんな気持ちも込めて少しジト目で睨んでみたら微笑みで返された。くそ、余裕があり過ぎる。これが大人か……。

 

「……はぁ、ちょっとやり過ぎてシュロがご機嫌ななめなので、先にコクリコ様に伝えたいことだけ伝えときますね」

 

「誰がご機嫌ななめですか誰が…」

 

「あっ反応した」

 

「……してないですぅ」

 

 駄目だ完全に拗ねてる。

 仕方ないので話を始めることにした。

 

「私、これからやりたい事を模索したいなって思ってて」

 

「ほう、ええ事やわ。それで、その為にどうしたいのかえ?」

 

 

 

 

 

 

「………まずは、百鬼夜行を出てみようと思うんです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







三姉妹たちがぁぁぁあ!(メンブレ絶叫)
デカグラ強くね?(冷静)

どうも冴月です。段々投稿ペースが掴めてきました。
とりあえずデカグラにはワカモ、水着ハナコ、ドヒナ、シュン、アコ、水着アツコで二回時間切れしながら倒してます。これで合ってるかは分かりません。

最近ブルアカをPCに移行してみたらカクつかないし画面大きいしスキルのカードにキーボードの番号対応してるしで快適過ぎて駄目でした()
多分もうスマホでは出先くらいでしか開かないと思います。一回デカグラ戦で耐えきれずにゲーム落ちたんで……


あっそうだ(唐突)
前回掲載したオリ主のイメージ絵のヘイローの形が気に入らなかったので修正して貼り直しておきました(あまり変化は無い)

よければもっかい見に行ってみて下さい(※行かなくても問題はありません)

書き溜めなんてものは無い無計画執筆でお送りしておりますので気長に次話をお待ち下さい……m(_ _)m

冴月でした。


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