生徒(黄昏接触済)に転生したけど何とか原作以上の結末を目指します。   作:冴月冴月

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ブラックマーケットの洗礼と自認平凡

 

 

 

 百鬼夜行を出た後は、拠点をブラックマーケットに置こうと考えた。理由は単純に、あらゆる面で都合が良いから。

 

 まず物資。法外の場所とだけあって銃弾などの補充も楽である。

 次に仕事。傭兵などをあちこちで募っているので、高給な仕事を見つけやすい。更に今の私は、銃が身近にない日本から転生したばかりの平和ボケ女。傭兵業をすることは、戦闘能力を鍛えるという面でも役立つので一石二鳥だ。

 

 先生が来るまでは、そこで基盤を整えておくのが安牌。

 

 という訳で、話が纏まった翌日、私は百鬼夜行を出発した。普通に自治区内を歩いて出ようかと思っていたら、親切にもコクリコ様があの謎の転移能力で自治区外まで送ってくれた。そうして無事百鬼夜行を出ることが出来た後は、電車の乗り継ぎと徒歩で、ひとまずはアビドス近郊まで移動。

 

 にしても、まさか電車の中に路線図と共に貼ってあった地図に、ブラックマーケットの名前が載っているとは思わなかった。

 仮にも法の外の場所な筈なのにああも堂々と……。まあルートを覚えるのに助かったから何とも言えないけれど。

 それも含めて色々と上手く噛み合ってくれた結果、その日の内にブラックマーケットに到着することが出来た。

 

 

 

 そこまでは良かった。

 

 問題は到着してからだった。

 ブラックマーケットとは、違法が横行する無法地帯。

 当然ながら、スケバンやヘルメット団などの不良も沢山闊歩している。

 

 私のようにそれなりに小綺麗な格好をしていて、且つこの場所に慣れていなさそうな人が狙われない訳もなく…━━━━━。

 

 

 

 

「待てやゴラァ!!」

 

「アイツ絶対めちゃくちゃ金持ってるぜ、逃がすなよお前らァ!!」

 

 

 

「君らが期待してる程は持ってないって……!」*1

 

 

 数分後には、私は絶賛鬼ごっこ中だった。

 

 経緯は説明するまでもない。店の立ち並ぶ表通りを歩いていたら目をつけられた。以上。

 

 捕まったら身ぐるみ剥がされるか、もしくは先程小さく『身代金』とかいう単語が聞こえたから、そのままどこかへ誘拐(ドナドナ)されるかもしれない。そもそも私は無所属だから、身代金をどこに要求するのかという話になるけれど。

 

 どちらにせよ、何とかして不良たちを撒かなければいけないことに変わりはない。

 銃は持ってこそいる(・・・・・・・・・)けれど、まだ不慣れで走りながらの発砲はできない。一方で後方のスケバンは遠慮も無く乱射しながら追ってきており、何とか躱しているが偶に脚などに当たっている。

 

 どこか身を隠せる場所でもあれば大助かりなんだけどなぁ…と内心ぼやきながら、角を勢いよく曲がった時だった。

 

「きゃぁっ!!?」

 

「痛っ…!?」

 

 強い衝撃を額に受けて、気付くと私は尻餅をついていた。

 

「あっ、ご、ごめんなさい! 大丈夫ですか!?」

 

「あぁうん、大丈夫だよ。こちらこそごめん、よく前見てなくて…」

 

 どうやら女子学生らしい、焦ったような声と共に差し伸べられた手を取って、よろけながらも立ち上がる。昨日も派手にすっ転んで額をぶつけていた気がする。このままではぶつけすぎて記憶でも飛ばしてしまうんじゃ……?

 

 なんて思いつつ、顔を上げて初めて、私はぶつかってきた者の正体を知った。

 

 ミルクティー色の髪を二つ結びにして、制服の上にカーディガンを羽織った少女。背中には、白い鳥のような生物━━━━━この世界で『モモフレンズ』と呼ばれるマスコットキャラクターのひとりである『ペロロ』を模したリュックサックを背負っている。

 リュック以外に、髪留めにも靴にもペロロの意匠を取り入れた格好をしていた。

 

 

「な、なら良かったです…あう、本当にごめんなさい…!」

 

 私の目の前に居たのは、

 トリニティ総合学園所属、作中では『補習授業部』の部長を務めていた自称平凡。

 

 『阿慈谷ヒフミ』だった。

 

 ヒフミは私を助け起こした後、そわそわと落ち着きなく私を見る。

 

「その、私今急いでて、お詫びはまた今度しますので失礼し━━━━━」

 

 何やら急いでいるらしい。……しかしまあ、私にはなんとなく理由の予想がついた。

 

「見つけたぜトリニティ!!」

 

「も、もう追いつかれちゃいました…!?」

 

 荒げられた声にヒフミが振り返ると、そこには数名のスケバンが立っていた。

 大方、トリニティの制服を見て身柄を狙って来たんだろう。

 

「やっと追い付いたぞ…すばしっこいヤツだなコノヤロー!!」

 

「……あーもう、上手いこといかないね」

 

 しかも同時に、私を追ってきていた不良たちにも追いつかれてしまった。

 

「あうう…挟まれちゃいました…!?」

 

「ごめん、あっち側のは私狙いのやつだ」

 

「はい!? あ、あなたも逃げて来たんですか…?」

 

「そうなんだよ。見かけで持ってるやつ認定されちゃったみたいでさ。まあ、こうなっちゃった以上仕方ないし…」

 

 片手に持っていた黒いライフル(・・・・)に弾を装填し、ボルトを引く。私でもある程度大人しい()ならばそれなりにちゃんと狙える………はず*2

 

「ここは協力して切り抜けよう。手伝ってくれるかな?」

 

「あ、は、はい! 私にできることなら!!」

 

 ヒフミはそう言って肩にかけていた銃を構えた。私と背中合わせに立ち、やる気満々のようだ。

 

「それじゃあヒ…んん"ッ、君はそっち側をお願いね」

 

「? は、はいっ!」

 

 危うくまだ名乗られていないヒフミの名前を呼びそうになりながらも、分担を決めた所で私たちは同時に動き出した。

 

 

*1
所持金:2万円(コクリコ様に貰った)

*2
かなり不安






ブラックマーケットで出会う生徒で真っ先に思いついたのがファウスト様でした()

ミハナの手持ちに突然生えてきたライフル銃についてはまた次回。
そしてこの小説では一切出てきてないけどアリス&ケイお誕生日おめでとう!!!!(大声)

ケイちゃんかわいいよ!!!!(絶叫)
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