堀北鈴音は二度目の高校生活を諦めない   作:ほりきたすずね

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第17話:拠点

 

 

 

 

 

 試験開始直後。

 

 他クラスがまだ方針を決めかねている中、堀北は真っ先に動いた。

 

 

 

「みんなついてきて。ベースキャンプの候補地を確認するわ」

 

「候補地? もう決まってんのか?」

 

 

 

 須藤が、驚いた顔をする。

 

 

 

「ええ。心当たりがあるの」

 

 

 

 堀北は、クラスメイトを引き連れて、島の奥へと向かった。

 

 浜辺を離れ、森の中へ入っていく。

 

 木々の間を縫うように進む。足元には落ち葉が積もり、時折枝が服に引っかかる。蝉の声が、頭上から降り注いでくる。

 

 前回の記憶では、この島には理想的なベースキャンプ地がある。

 

 洞窟だ。

 

 雨風をしのげる。外から見えにくい。スポットも近くにたくさんあって、水場にも近い。

 

 前回、この洞窟を最初に確保したのはAクラスだった。

 

 彼らが、試験開始直後に素早く動いて占有した。その結果、Aクラスは試験期間中、安定した動きを維持できた。

 

 今回は、Aクラスより先に動く。

 

 森の奥を進むこと約三十分。

 

 目的の場所に到着した。

 

 

 

「ここよ」

 

 

 

 岩壁に開いた洞窟。

 

 入口は狭いが、中は広い。天井も高く、クラス全員が余裕で過ごせるスペースがある。

 

 

 

「おお、すげぇ……」

 

 

 

 須藤が、感嘆の声を上げる。

 

 洞窟の中を見回し、天井を見上げ、壁を触る。

 

 

 

「雨も防げるし、最高じゃねえか」

 

「近くに川もあるわ。水の確保も容易よ」

 

 

 

 堀北は、洞窟の外を指差した。

 

 少し歩けば、清流が流れている。飲み水の確保に困ることはないだろう。

 

 

 

「ほう、なかなか良い場所だねぇ」

 

 

 

 声がして、振り返る。

 

 高円寺が、笑みを浮かべながら立っていた。

 

 金髪を風になびかせ、優雅な立ち姿。無人島にいるとは思えないほど、余裕に満ちた態度だ。

 

 

 

「ところで、君はどうしてこの場所を知っていたのかな?」

 

 

 

 高円寺の目が、堀北を見つめている。

 

 その視線には、単純な好奇心以上のものが含まれているように感じた。

 

 観察するような、分析するような目。

 

 高円寺という男は、ただの変人ではない。

 

 前回の三年間で、堀北はそれを知っている。

 

 圧倒的な身体能力。鋭い観察眼。そして、何事にも縛られない自由な精神。

 

 彼は、自分の興味の赴くままに動く。クラスの勝利も、他人の評価も、彼にとっては取るに足らないものだ。

 

 だからこそ、厄介な存在でもある。

 

 前回の無人島試験では、高円寺は早々にリタイアした。「面倒だから」という理由で。そのせいで、Dクラスはペナルティを受けた。

 

 今回は、リタイアのペナルティが−30から−40に増加している。

 

 初期ポイントも300から250なっているので、高円寺を自由にさせるわけにはいかない。

 

 

 

「船が無人島を外周してる時、地形を観察しておいたの。洞窟がありそうな場所を推測して、確認しに来ただけよ」

 

 

 

 堀北は、平静を装って答えた。

 

 半分は嘘だ。

 

 前回の記憶で、この場所を知っていた。

 

 だが、それを言うわけにはいかない。

 

 特に、この男の前では。

 

 高円寺は、鋭い。表面上は自分のことにしか興味がないように見えるが、その観察眼は確かだ。

 

 

 

「ふむ。船上から地形を分析し、洞窟の位置を推測した、と。なかなかの観察眼だね」

 

 

 

 高円寺が、意味深な笑みを浮かべる。

 

 

 

「しかし、それだけでここまで迷いなく歩いてこられるものかな? まるで、以前にも来たことがあるかのような足取りだったが」

 

 

 

 心臓が、跳ねた。

 

 高円寺は、堀北の歩き方を観察していたのだ。

 

 迷いのない足取り。確信を持った方向選択。

 

 それは、「初めて来た場所」を歩く人間の動きではない。

 

 

 

「……何が言いたいの?」

 

 

 

 堀北は、声が震えないように努めた。

 

 

 

「ただの感想さ。気にしないでくれたまえ」

 

 

 

 高円寺が、肩をすくめる。

 

 

 

「私は他人の秘密を暴くことに興味はないからね。君が何を隠していようと、私には関係のないことだ」

 

「……」

 

「ただ、一つだけ言っておこう」

 

 

 

 高円寺が、堀北の目を真っ直ぐに見た。

 

 その目には、いつもの傲慢さとは違う、真剣な光があった。

 

 

 

「君は実に面白いガールだ。入学以来、ずっと観察していたが、君の動きには常に「確信」がある。まるで、結果を知っているかのようにね」

 

 

 

 堀北は、息を呑んだ。

 

 高円寺は、気づいている。

 

 完全に見破られたわけではないが、何かがおかしいと感じている。

 

 

 

「やるじゃないか。気に入ったよ」

 

 

 

 高円寺が、ふっと笑った。

 

 

 

「私は退屈が嫌いでね。君のような「謎」を持った人間は、見ていて飽きない」

 

 

 

 その言葉に、堀北は少し安堵した。

 

 高円寺は、堀北の秘密を暴こうとしているわけではない。

 

 ただ、「面白い」と思っているだけだ。

 

 それは、高円寺という人間の本質だ。彼は、自分が楽しめるかどうかでしか物事を判断しない。

 

 だからこそ、利用できる。

 

 

 

「高円寺くん。あなたにお願いがあるのだけど、聞いてもらえるかしら」

 

 

 

 堀北は、意を決して切り出した。

 

 

 

「なにかな? 聞くかどうかは私の気分次第だが、とりあえず言ってみたまえ」

 

 

 

 高円寺が、余裕たっぷりに答える。

 

 ここは、大事な場面だ。

 

 高円寺を味方につけるかどうかで、この試験の結果は大きく左右される。

 

 前回は、高円寺を放置した結果、彼は勝手にリタイアした。「サバイバル生活は私の美学に反する」とかなんとか言って。

 

 今回は、同じ轍を踏むわけにはいかない。

 

 だが、高円寺は普通の説得では動かない。

 

 クラスのため、勝利のため、そんな言葉は彼には響かない。

 

 彼を動かすには、彼自身の興味を引く必要がある。

 

 堀北は、慎重に言葉を選んだ。

 

 

 

「この試験、あなたには「自由に過ごしてもらいたい」と思っているの」

 

「ほう?」

 

 

 

 高円寺が、僅かに眉を上げた。

 

 予想外の言葉だったのだろう。

 

 

 

「ただし、一つだけ条件があるわ。リタイアだけはしないで」

 

「……ふむ」

 

 

 

 高円寺が、顎に手を当てる。

 

 

 

「理由を聞こうか」

 

「リタイアすれば、−40ポイントのペナルティが発生する。それは、クラス全体に影響するわ」

 

「クラスのことなど、私には関係のないことだが」

 

「ええ、知ってるわ。だから、別の理由を提示する」

 

 

 

 堀北は、高円寺の目を真っ直ぐに見た。

 

 

 

「この島には、あなたが楽しめるものがたくさんあるはずよ。海、山、森、川。あなたの身体能力なら、この環境を最大限に楽しめる。魚を捕り、山を駆け、海で泳ぐ。それは、あなたにとって「退屈」とは程遠い体験になるんじゃないかしら」

 

「……」

 

 

 

 高円寺が、黙って堀北を見ている。

 

 その目には、興味の色が浮かんでいた。

 

 

 

「リタイアすれば、船に戻される。船の中で一週間、一人で過ごす。それこそ、あなたの言う「退屈」そのものじゃない?」

 

「ふむ……」

 

 

 

 高円寺が、笑みを深めた。

 

 

 

「なるほど。君は私を説得しようとしているのではなく、私自身の利益を提示しているわけだ」

 

「そうよ。私はあなたに命令する気はないわ。ただ、あなた自身が楽しめる選択肢を示しただけ。最終的に決めるのは、あなた自身よ」

 

 

 

 沈黙。

 

 クラスメイトの話し声だけが、遠くから聞こえてくる。

 

 高円寺は、しばらく堀北を見つめていた。

 

 そして、声を上げて笑った。

 

 

 

「ハッハッハ! いいね、実にいい!」

 

「……?」

 

「君は、私のことをよく理解している。命令や説得ではなく、私自身の興味を引こうとした。それは正しいアプローチだ」

 

 

 

 高円寺が、満足げに頷く。

 

 

 

「いいだろう。この島で一週間、存分に楽しませてもらうとしよう。リタイアなどという退屈な選択肢は、私の辞書にはないからね」

 

「……ありがとう」

 

 

 

 堀北は、内心で安堵のため息をついた。

 

 高円寺を説得できた。

 

 これで、前回のようなリタイアは避けられるだろう。

 

 

 

「ただし、一つだけ言っておこう」

 

 

 

 高円寺が、堀北に近づいた。

 

 その目が、真剣な光を帯びている。

 

 

 

「私は君に従うつもりはない。私は私の好きなように行動する。それだけは、理解しておいてくれたまえ」

 

「分かってるわ。私も、あなたに従えとは言わない」

 

「ならばいい。せいぜい私を楽しませてくれたまえよ、堀北ガール」

 

 

 

 高円寺が、優雅に踵を返した。

 

 その背中を見送りながら、堀北は思った。

 

 高円寺六助。

 

 彼は、味方でも敵でもない。

 

 ただ、自分の興味の赴くままに動く、自由な存在。

 

 それを利用できれば、大きな力になる。

 

 だが、制御しようとすれば、反発される。

 

 難しいバランスだ。

 

 だが、とりあえず今回は上手くいった。

 

 

 

「とにかく、ここをベースキャンプにするわ。他クラスに取られる前に、占有しましょう」

 

 

 

 堀北は、次の問題に頭を切り替えた。

 

 ベースキャンプは決まった。

 

 次はリーダーを決めなければならない。

 

 スポットを占有できるのは、リーダーだけだ。キーカードを使って、正体を隠しながらスポットを占有していく。それがリーダーの役割。

 

 堀北は、周囲を見回した。

 

 クラスメイトたちが、洞窟の中を探索したり、外の様子を確認したりしている。

 

 誰をリーダーにするか。

 

 高円寺と須藤は目立ちすぎる。体格が良く、声も大きい。他クラスから真っ先にマークされるだろう。

 

 平田も同様だ。クラスの中心人物で、誰からも信頼されている。リーダーとして真っ先に疑われる。

 

 綾小路は……難しいところだ。

 

 彼自身は目立たないが、最近は堀北と一緒に行動することが増えている。「堀北と一緒にいる生徒」として、他クラスに認識されている可能性がある。

 

 堀北自身は論外だ。

 

 龍園からも坂柳からも警戒されている。リーダーとして真っ先に疑われるだろう。

 

 必要なのは、「適度に目立たない」人物。

 

 他クラスから見て、「リーダーではなさそう」と思われる人物。

 

 かといって、あまりに影が薄いと逆に疑われる。「あえて目立たない人物を選んだのでは」と。

 

 絶妙なバランスが必要だ。

 

 堀北の視線が、一人の女子生徒に止まった。

 

 特別目立つわけではないが、極端に影が薄いわけでもない。

 

 前回の記憶では、彼女は試験中ほとんど目立たなかった。他クラスからも、ほとんど認識されていなかったはずだ。

 

 洞窟周辺のスポット占有程度なら、問題なくこなしてくれるだろう。

 

 堀北は、彼女に声をかけた。

 

 

 

「え、私?」

 

 

 

 彼女が、驚いた顔で振り返る。

 

 

 

「あなたにお願いしたいことがあるの。少し、離れた場所で話せる?」

 

「う、うん……」

 

 

 

 彼女は戸惑いながらも、堀北について洞窟の奥へと移動した。

 

 他のクラスメイトには聞こえない場所。

 

 堀北は、小声で切り出した。

 

 

 

「単刀直入に言うわ。リーダーを、あなたにお願いしたいの」

 

「リーダー? 私が?」

 

 

 

 彼女は、さらに驚いた。

 

 目を丸くし、自分を指差す。

 

 

 

「どうして私なの? 平田くんとか、須藤くんとか、もっと適任がいるでしょ」

 

「彼らは目立ちすぎるわ。リーダー指名の対象になりやすい」

 

「そうかもしれないけど……」

 

 

 

 彼女は、突然のリーダー指名に戸惑っているようだ。

 

 

 

「私、そんな大役……できるかな……」

 

「できるわ」

 

 

 

 堀北は、真剣な目で彼女を見た。

 

 

 

「あなたは、他クラスから見て「リーダーらしくない」と思われる。それが重要なの」

 

「リーダーらしくない……?」

 

「この試験、リーダーの正体を隠すことが鍵になるわ。他クラスに当てられたら、−30ポイント。当てられなければ、その分のポイントを守れる」

 

 

 

 堀北は、説明を続ける。

 

 

 

「あなたなら、他クラスから警戒されない。「まさかあの子がリーダーとは思わなかった」と言わせることができる」

 

 

 

 彼女は、しばらく考え込んでいた。

 

 視線が揺れている。不安と、期待と、責任感が入り混じっているようだ。

 

 そして、覚悟を決めたように顔を上げた。

 

 

 

「……分かった。やってみる」

 

「ありがとう」

 

 

 

 堀北は、小さく微笑んだ。

 

 

 

「ただし、このことは他のクラスメイトにも秘密にしてほしいの。知っている人が少ないほど、情報が漏れるリスクが減るから」

 

「うん、分かった。誰にも言わない」

 

「平田くんと綾小路くんには伝えるわ。彼らは信頼できるから。でも、それ以外には絶対に言わないで」

 

「了解」

 

 

 

 彼女が、真剣な顔で頷く。

 

 こうして、Dクラスのリーダーは決定した。

 

 表向きは、「リーダーは誰か分からない」という状態を維持する。クラスメイトにも、リーダーの正体は伏せておく。

 

 知っているのは、堀北と平田と彼女、そして綾小路だけ。

 

 堀北は、茶柱のもとへ向かった。

 

 リーダーの登録を行うためだ。

 

 

 

「茶柱先生。Dクラスのリーダーを登録します」

 

「ほう。誰だ?」

 

 

 

 堀北が名前を告げると、茶柱が僅かに眉を上げた。

 

 意外そうな顔だ。おそらく、堀北か平田がリーダーになると予想していたのだろう。

 

 

 

「……分かった。登録する」

 

 

 

 茶柱は、それ以上何も言わずに登録を完了させた。

 

 そして、専用のキーカードを渡してくれる。

 

 

 

「リーダー専用のキーカードだ。スポットを占有する際は、これをかざすだけでいい。絶対になくすなよ」

 

「ありがとうございます」

 

 

 

 堀北は、キーカードを受け取り、彼女に渡した。

 

 

 

「これがキーカード。スポットを占有する時に使うの。なくさないように、しっかり管理してね」

 

「うん。分かった」

 

 

 

 彼女が、大切そうにキーカードを胸に抱く。

 

 同時に、洞窟のスポット占有も行った。

 

 これで、とりあえず一段落だ。

 

 続いて、備品の購入。

 

 マニュアルに記載された購入リストから、生活に必要なものを揃えていく。

 

 洞窟が広いので、テントはいらない。

 

 その代わりに、寝袋、トイレ、シャワー設備等、クラスメイトと相談しながら決めていく。

 

 ポイントは節約するが、欲しいものはどんどん購入する。

 

 前回は、あまりに節約しすぎて、クラス内で揉め事が起きてしまった。

 

 今回は、同じような失敗を繰り返さない。

 

 備品の購入と設営を進めていると、森の中から足音が聞こえた。

 

 振り返ると、数人の生徒が近づいてくる。

 

 Aクラスの生徒たちだ。

 

 先頭を歩いているのは、葛城康平。

 

 Aクラスのリーダー格。坂柳有栖と派閥を二分する、実力者だ。

 

 今回の試験、坂柳は不参加。葛城が実質的にクラスを率いている。

 

 

 

「……お前は確か、堀北鈴音だったな」

 

 

 

 葛城が、堀北の前で立ち止まった。

 

 鋭い目。威圧感のある体格。だが、その態度には礼儀正しさがある。

 

 

 

「そうよ。初めまして、葛城くん。よろしくね」

 

「ああ、よろしく頼む」

 

 

 

 葛城は、洞窟を見回した。

 

 その目が、少し険しくなる。

 

 

 

「まさかDクラスもここを狙っていたとはな。一足遅かったか」

 

「ええ。洞窟は私たちのベースキャンプに決まったわ」

 

 

 

 堀北は、毅然とした態度で答えた。

 

 譲る気はない。先に来たのはこちらだ。

 

 

 

「そうか。ならば仕方ないな。我々は別の場所を探すとしよう」

 

 

 

 葛城は、あっさりと引き下がった。

 

 堀北は、少し驚いた。

 

 もっと粘るかと思っていた。あるいは、交渉を持ちかけてくるか。

 

 だが、葛城はそのまま踵を返し、Aクラスの生徒たちと共に去っていった。

 

 これは意外だったが、半ば分かっていた事でもある。

 

 堀北は、葛城が誠実な人間であることを知っている。

 

 前回の三年間で、何度か彼と関わる機会があった。ルールにも忠実で、人のものを横取りするような人物ではない。

 

 だからこそ、先に取ってしまえば問題ないと踏んでいた。

 

 ここまであっさり引き下がるのは、少し予想外ではあったが。

 

 

 

「よし、これでとりあえずの拠点は確保できたな」

 

 

 

 須藤が、満足そうに言う。

 

 腕を組み、洞窟を見上げる。

 

 

 

「雨が降っても安心だし、他クラスに邪魔されることもねぇ。最高の場所じゃねぇか」

 

「でも、油断はできないわ。まだ試験は始まったばかりよ」

 

 

 

 堀北は、警戒を緩めなかった。

 

 拠点は確保した。リーダーも決まった。備品も揃えた。問題の高円寺も説得した。

 

 初日としては、上々の滑り出しだ。

 

 だが、試験はこれからだ。

 

 まだ六日間も残っている。

 

 何が起きるか、分からない。

 

 

 

「約120ポイント消費ね。残りは130ポイント」

 

 

 

 堀北は、計算しながら呟いた。

 

 

 

「悪くないな。これなら、一週間は持つだろう」

 

 

 

 綾小路が、横から声をかける。

 

 

 

「ええ。でも、油断はできないわ。何が起きるか分からない」

 

 

 

 夕日が、島を赤く染め始めている。

 

 クラスメイトたちが、洞窟の外で夕食の準備をしている。焚き火の匂いが漂ってくる。

 

 穏やかな光景だ。

 

 初日は、無事に終わろうとしていた。

 

 

 

 

 

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