転生特典《防御完全無視》で異世界を生きる~冒険者組合の直属冒険者です。二つ名が【人狩者】になりました~   作:KNa\

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07日本育ちが武器を使えるようになるまで

 

 

 

冒険者組合(ギルド)は広い。大きな本拠の他、敷地内には解体場や治療室に休憩室。本拠裏のほうには広い空き地や、少しの林。地下闘技場という名の手合わせ場に、風呂場なんて言うものもある。これらは冒険者(ハンター)であれば、冒険者組合(ギルド)の許可さえとれば、格安で利用できる施設なのだ。

 

さて、本日の冒険者組合(ギルド)の敷地屋外にて、真上にまで持ち上げられた光の下に、どうやら誰かが出てきているらしい。空から降り注ぐ日の光は、目下の誰かを観察し始めることにしたようだ。

 

 

 

 

 

 

Q.現代日本の男子生徒が、すぐに冒険者(ハンター)の仕事をこなせるようになりますか?

 

A.んな訳ねえじゃん。

 

 

 

 

 

「……」

 

「……」

 

 

やぁどうも、俺だ。実技と実戦の講習・試験を受けようとしていた出稲(いずな)宇井(うい)だ。そろそろ人からイズナ、と呼ばれるのに慣れてきた所である。

 

イントネーションがな、ちょっと違うんだよな。「(き↑ずな→)」の方で呼ばれるんだけど、元は「横綱(よこ↓づな→)」の「よ」を抜いた感じだ。まぁ訂正する気もないが。

 

 

「いやぁ、まさか俺がここまでとは……」

 

「まさかここまで、ですねぇイズナくん……」

 

 

現在、俺とフォウさんは冒険者組合(ギルド)屋外の広場にて、二人並んで首をかしげていた。目の前にあるのは様々な武器……の模型。木や糸を使って象ったものだ。とはいえ種類は多種多様。剣に槍に、弓矢に投石紐(スリング)。斧やメリケン、グレイヴなんてものもある。手に取ってみればそれなりの重さを感じ取れる。

 

俺はそれらの武器の中から、ショートソードを模した木剣を手に取る。そして軽く振ったり、構えたり、持って走ったりしてから元の場所へと置きなおす。そしてまた、フォウさんと共に、首を傾げる作業に戻るのだ。

 

さて、簡単に言えば今は武器のお試しをしている所である。基本心得はすでに終えている。アレはほぼルール説明みたいなものだった。【普通の人に武器を向けてはいけません】とか、【街中ではこうやって武器は目立たないように持ちましょう】とかだったのですぐ終わった。部活の体験入部でボール触ってパス回し体験、みたいな感じだ、長引くわけもないな。

 

……そんな風に言ったところで、第二歩目で止まっている事実は変わらない。

 

武器選び。冒険者(ハンター)として生活するなら絶対に通る道である。基本的には見本の武器をいくつか触って、自分に合うものを探すとのことなのだが。

 

 

うん。

 

 

 

「……どれも!変わらん!!」

 

「大体どの武器も少し振れるかなぁ?くらいですもんねイズナくん……」

 

「残酷な真実は、時に人を傷つけるんだぞ?フォウさんよぅ……」

 

 

ついには付添人(フォウさん)にも悲しい現実を突きつけられてしまう。一緒に悩みすぎて距離感がクラスメイトの女子レベルになってしまった……。

 

もうかれこれ一時間程度触って試してみたのだが、しっくりくるものが見つからない。どの武器も基本の構えは取れるし、そこからある程度使えるようにはなるのだが、そこから先へと進まないのだ。

 

俺の頭にある言葉が浮かんでいる……あとたぶん口に出してないけどフォウさんも同じだろう。俺は「ンヌァー……」と、大きくため息をついてから口を開く。

 

 

「器用貧乏、極まれり」

 

「あ、あはは……えと、選択肢が多いのは良いこと……だよ?多分」

 

「仕事に出来なきゃ意味がねぇんだぁ……!」

 

 

マジで悩む。何がよくないってどれも使えなくもないって所だ。これが遠距離が苦手だ、重量武器が苦手だとかあるのならまだ良かった。マジでどれも中途半端に使えてしまうので、自分に合った武器が俺目線でも、フォウさん目線でも判断がつかない。

 

まさか動かす駒を選ぶ段階で千日手になるとは……。

 

 

「うーん……こうなりゃアレで選ぶしかないか……?」

 

「アレって何です?」 」

 

「『どれにしようかな』」

 

「?、それを今決めているんじゃ……?」

 

 

あまりにも決まらな過ぎて、本気でそんなことを考えているのだが。どうやら異世界じゃ通じないらしい。天神サマ、もといカミサマに一発ぶち込んだ気分になれそうなんだけどなぁ。

 

伝わらないなら仕方ない、とりあえずオーソドックスなのをもう一通りだけ試してみてから……と、そんなことを考えている時、俺たちの背後から聞き覚えのある声がした。

 

 

「なーにを迷ってんだイズナ?」

 

「いや、マジで武器が決まんなくて……って、何でいるんだよレイン?」

 

 

不意に問いかけられて、咄嗟に答えてしまった。振り返ってみれば、そこにいたのは昨日の夜中に出かけて行った方の片割れであった。いや、何で居るんだマジで?朝までギャンブルオールナイトじゃなかったんか?

 

 

「んだよ、いちゃ悪いか?俺だって冒険者(ハンター)だぜ?冒険者組合(ギルド)にくらい来るわ」

 

「いや、教会からの依頼が終わってしばらく金策いらないんだろ、来る理由ないってアイナさんに聞いてるぞ」

 

 

心外だとでも言わん様子のレインだが、冒険者組合(ギルド)への道すがら、そこらへんは聞いているのだ……だからこそ俺の当面の面倒を見てくれる、と言い出してくたわけだけども。

 

まぁつまり、今日冒険者組合(ギルド)へ来る理由があるのは、冒険者(ハンター)登録の付き添いで来てくれたアイナさんくらいだ。夜通し遊びに出ていたレインには無い。

 

 

「んだよ、折角宿のおっさんから伝言聞いて来てやったてのに」

 

「はん?朝帰りでその元気って事は、やっぱりレインも二日酔いは無かったらしいっすねぇ?」

 

「あ……?あ゛ーそういや、酒酔い用の薬渡して……」

 

 

おう、ようやっと思い至ったらしいな!出来れば昨日出てく前に思いついて欲しかったがなぁ!俺はそんな思いを込めてレインへと視線を投げつけてやる。

 

 

「んんん、いや!それはマジでスマン!普段他のやつとパーティなんて組まねぇから忘れた!スマン!!」

 

「うっ……いや、分かってくれればいいんだけどさぁ……」

 

 

クソっ、素直に言われててしまうと弱い。意外にもレインは謝れる大人だったらしい。そう言えば審判受ける前もそうだった。言わなくても、と言うか言ったらまずいのに助言くれるタイプの男だった。

 

 

「えと、イズナくんレインさんと仲が良いんですね?そういえばアイナさんとも……一体どういう関係なんですか?」

 

 

妙な間になって感情の肩透かしって感じの中、突然フォウさんがそう言った。めっちゃ首傾げてる。そういえばレインもアイナさんも赤銀級(シルバー)何だっけか。しかし俺は今日冒険者(ハンター)しに来た新人ド素人……関係性が意味不明だ。

 

どう説明すればよいのかと俺が悩み始めた瞬間、レインが素早く口を開いた。

 

 

「あー!いや、依頼でちょっとな?えっと、それより見た感じ何か悩んでたよな?先輩冒険者(ハンター)に言ってみろよ!な、イズナ!」

 

「依頼?……お三方の直近の依頼って教会からの禁区調―――」

 

「おん?……そ、そうだな?確かにレインに相談するのが良い気がしてきたわ!」

 

 

レインが慌てて話題転換をし始めたので、どうやら隠さなきゃいかんやつらしい。俺も流れに乗っかっておく。

 

 

「―――、聞かなかった事にしますね!」

 

 

流石フォウさん。空気が読める受付嬢である。ちらりとレインを見てみれば、結構な安堵の息を吐いていた……教会の依頼の守秘義務ってそこまでなんだ、と一応の当事者だった俺もようやく理解できた気がした。

 

とりあえずの形で、脱線しかけていた問題が一周回って帰ってきた。そう、今は俺の武器選びを優先するべきなのだ。頼れる先輩冒険者(ハンター)がいる事なんだから、相談に乗って貰おうじゃないか。俺はそうやってレインにこれまでの流れを説明することにした。

 

 

 

「……なるほどなァ?大体わかった。多分だが」

 

 

たった四、五分程度の説明を聞いたレインは、そんなことを言いだした。流石は赤銀吸(シルバー)と言ったわけなのか、ちょっとイラっとする顔で俺を見てくる……なんだろう、レインの腕を疑うわけじゃないんだけど、ちょっとだけ本当にわかったのか?って気分がわいてくるな……?

 

 

「!、本当ですか?流石ですレインさん。私じゃ各武器の基本は教えられても、イズナくんの適正の判断が……」

 

「おう、まぁ言った通り大体だけどな……てなわけでイズナ、とりあえず……そうだな、使いたい武器三つ程度でいいから取ってきて、ちょっと動いて見せてくれや」

 

「いや、まぁいいけど。マジで素人目線のそれなり、だぞ?」

 

「いいって、てかそれを見たいんだよ」

 

 

一方フォウさんは、俺と違って全幅の信頼を置いているようだ。そりゃそうか、階級で言ったら上から三番目、実質的には二番目の高位冒険者(ハンター)だしな。

 

俺も色眼鏡と言いたいことはわきに置いて、言われた通りに武器を見てみる……使う武器は迷ったけど、“使いたい”武器はあんま迷わんな?

 

 

「んじゃ、コレとコレとコレで。ちょっとで良いんだよな?」

 

「おう、頼む。変な他意はねぇし、嬢ちゃんに教わった通りでいいから、一通り見せてくれ」

 

 

レインは先ほどまでの顔を引っ込め、真剣な表情で俺を見ている。つられて俺も気が引き締まった気がした。まぁ、レインの性根が優しいのはもう知っている。俺のある程度止まりの扱いも、馬鹿にして笑ったりすることは無いだろう。すぅ、と一つ呼吸をして、俺は一つ目の武器、大型のナイフを教わった通りに構えて動き出した。

 

 

 

 

 

「……よし。もういいぞイズナ!」

 

 

レインの声掛けに合わせて、俺は動きを止め、構えていた大剣を下ろした。練習レベルとはいえ流石に三つ分の武器を扱ったので、少し疲れた。ふぅ、と一つ息を整え、俺はレインの方を向いて聞いてみる。

 

 

「……あー、で、どうだった?自分ではやっぱそれなり、程度なんだけど」

 

「あ?あぁ、まあそうだな。俺から見てもそんなもんだ。というか悩んでた辺り、受付の嬢ちゃんからも同じ評価だったろ」

 

「レインから見ても変わんないか……やっぱ俺、才能無い?」

 

 

素直に感想を聞いてみれば、やはりと言うか、予想通りの返答が返ってきた。流石に三人全員同じ意見となれば、評価は定まったと思ってよさそうだ。俺は少し吐息交じりの声をこぼす。

 

 

「なに落ち込んでんだ一丁前に」

 

「んだよ仕方ないだろ、赤銀級(シルバー)にまでそれなり扱いされんだから」

 

 

 

結局、高位冒険者(ハンター)から見てもダメだったという事なら、流石の俺だって少しくらい堪えるものだ。

見てみろ、そこのフォウさんを、レインの評価に対して俺以上に俯いてくれている。

 

 

「早とちりすんなってことだって事だアホ」

 

 

しかしレインは、俺の消沈を一笑に付すような事を言いだした。早とちりったって、向いてないのは変わらないだろう。内心で少し恨めしそうに愚痴を零しながら、俺はレインの顔を見る。その顔はいたって真剣なままだ。嘲笑や侮りの気配は微塵も無い。

 

少しくさっていた俺の目を、レインはまっすぐ見ながら口を開く。

 

 

「いいかイズナ。お前は確かに武器を扱う天才じゃあ無い。それは確かだ……が、全くの才能無しってわけでも無い」

 

「?、いや、レインも評価は俺やフォウさんと同じだったろ?」

 

「基本の構えや振り方は、だ。多分お前の体の癖が、基本の型と合ってねぇだけだと俺は見たぜ」

 

 

頭の中にハテナが浮かぶ。意味がわからん。俺はいたって普通の人間だ。一応異世界育ちではあるが、格闘技の経験なんて柔道の授業程度だ。それだって年中やるわけじゃ無し、そんな癖なんて付く筈がない。

 

レインと一緒に俺の観察をしていたフォウさんも、同じく分かっていないようだ。頭を捻る俺に変わって質問をしてくれる。

 

 

「癖……?イズナくんはどの武器も同じくらいには使えてたような?」

 

「まぁそうだな、武器の振りだの、構えは基本通り出来てるが……なぁイズナ。お前、武器やら戦闘技の心得は無いんだよな?」

 

 

レインは答えを保留にしたまま、俺に質問を投げてきた。なんだ藪から棒に、何度聞かれても碌にないぞ。と、そうやって俺は返答する。と言うか既に言ってあったろうに……そんなことを思っていると、レインは「じゃあよ」と頭につけて質問を続ける。

 

 

「走ったり、跳ねたりするような……なんだ、運動習慣が無かったか?」

 

 

言われてようやく。ようやく俺にもレインの話が見えてきた。なるほど、それなら、ある。むしろ心当たりしかない。小三の頃、近所の兄ちゃんに憧れてから、高二で転生するまで続けてたわ。

 

 

「……ある。飛んだり、跳ねたり、走ったり……あとはボール投げたり、放ったりするやつ」

 

「おう、それだ。お前の体、鍬だの振ったり薪だの背負ったりする“一般人”とは全く違う肉の付き方してんだよ」

 

 

答える俺に、レインはにやりと笑ってそう返しててくれた。思わずははっ、と苦笑いをしてしまう。俺が使える武器が無いんじゃなくて、まだ俺に合った武器を探せて無かったって事らしい。駒選びなんて言いながら、ルール把握が不十分だったとは。

 

 

「ってわけだ。イズナが変だっただけで、嬢ちゃんが間違ってたわけじゃあねえさ」

 

「あ、あはは……ありがとうございますレインさん。でもやっぱり適切な振り分けが出来なかった事は、冒険者組合(ギルド)職員としては、へこんじゃいますね……」

 

 

俺の武器選びに長らく付き合ってくれたフォウさんは、そう言って申し訳なさそうにしていた。

 

それを言うならこっちの方だ。フォウさんの知識、ここにある武器種の全ての基本を教えてくれるのに甘えて、自分の動きを試そうとしなかったのだから、悪いのは俺である。だからそう落ち込まないで欲しい。武器の扱いの注意点や狙い方を教えてくれて、本当にとても助かっていた。むしろ職員のフォウさんにおんぶに抱っこで申し訳ない、と俺はフォウさんにそう伝えた。

 

 

「はん、まぁそうだな、今回に関しちゃイズナが甘えすぎだ……と言うか嬢ちゃん、ここの武器全部覚えてんの?やべぇな?」

 

「ええい、分かってるわいそんなん」

 

 

俺はレインのお小言を受け止める。というか事実だし、反論も出来ん。

 

 

「ぅ、その、一応職員なので……いえ、私がへこんでてどうするんだ!って感じですよね。一緒に手伝わせてください。今度こそ役に立って見せます……!」

 

 

一応まだ引きずってそうではあるものの、フォウさんもムン!と両手の拳を握って顔を上げた。露わな右目にはっきりとやる気を灯している。プロとしての意地、という奴だろうか。凄いなフォウさん。俺がそうやって感心していると、レインが俺の方へと歩いてきた。

 

 

「イズナとそう変わらんのに立派だねぇ……うし、てことで決めるか、イズナ。お前“に”合った武器選びをよ」

 

「おう!」

 

 

不敵に笑うレインに対し、俺も笑ってそう答えた……この時は、結構嬉しかったんだけどなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

さて、この後なのだが、結果だけ言えば、俺の動きで使える武器はきちんと見つかった。レインやフォウさんが協力してくれたおかげである。そこは感謝しかない。

 

 

……ただ、使いたい武器に「大剣」「バトルナイフ」「小弓(ショートボウ)」を選んだせいで、レインにクッッッソ揶揄われた。

 

 

仕方ないだろがよぉ!異世界で最初に出会って、しかも結構仲良くなった冒険者(ハンター)に憧れたりするのはさぁ!!間近で魔物とか賊とのバトル見てんだよこっちは、無駄なくスピーディかつ連携のとれた動きってやつが、目に焼き付いてんの!!!

 

フォウさんも微笑ましい笑みでこっち見ないで……「尊敬しているんですね」って?いや、まぁそうですけど。そこは絶対否定したくないから、認めるしかないんだよなあ。

 

 

……はぁ、とにかく、一応。俺への羞恥ダメージが少しだけあったものの、俺の武器選びは成功した。

 

 

「バトルナイフ」と「投げナイフ」だ。二種類持つのアリなんだ?って聞いてみたら、結構当たり前の事らしい。レインもバトルナイフ以外にも、打撃、刺突などの攻撃手段を持っているとの事だった。あと魔法が少し使えるとも。見せてくれなかったけど。ケチな男である……素人があれこれ手を出すな、という言は最もなので、ここでは飲み込んでおく。

 

 

 

さて、レインによれば俺は普通に戦うよりヒット&アウェイが合っているとの事で小回りの利く近接武器を、フォウさんが言うにはどの姿勢でも動けて、軸が崩れにくいので投擲武器を勧められた。なので上記の武器を試してみたが、まぁどちらも結構いい感じだ。レインとの模擬戦では全部避けられたり、叩き落されたが。

 

一応レインからは「攻撃避けてからの入り方も、末端狙いの潜り方も、あと投擲も三分の二は悪くない。というか偶にきっしょい体勢から繰り出してくるのなんだお前。きっしょ。ヒヤっとするわ」との褒め言葉を貰っているので良しとし……褒められてるか、コレ?

 

 

 

「よし、素人紛いがこれだけ動けりゃ十分だろ」

 

「どこがだよ……結局一発も当たらんかったぞ、クソ……」

 

「い、いえ!私から見ても十分、というか十二分でしたよイズナくん。レインさんは赤銀級(シルバー)の中でも対人経験が豊富な人だし……」

 

「んー……フォウさんがそういうなら、納得しとくかぁ」

 

「おうふざけんな。俺も信用しろや」

 

 

信用はしている。模擬戦中にめちゃくちゃ煽ってきたから、ちょっとおちょくってるだけである。言わないだけで感謝も結構しているのだ。言わないだけで。

 

まぁとにかく、今は俺だって少しは動けてる実感というものを得られていた。「調子には乗るなよ、それやる新人は基本早死にすっからな」との脅迫一割本心九割の忠言は忘れずにいよう……気づけば空の光も傾いている。途中で休憩もはさんでいたとはいえ、流石に時間がかかりすぎだ。

 

さて、次は確か防御と受け身の練習、その後的への打ち込みだったか……へ?もう終わってる?レインとのがそれに当たるって?ほん、じゃあ解体演習か。

 

 

どうやらここに来て、実技と実戦は巻きに入ったらしい。聞けば普通は二時間あれば終わるとか……マジで長く付き合わせてスマン。俺はフォウさんへと頭を下げながら、残りの項目へと進む。

 

残るは解体と模擬戦の二つだけだ。それじゃ、頑張ってこなしますかね。

 

 

「……模擬戦も終わってたりしない?」

 

「えっと、一応登録試験の場合は試験官は灰石級(ストーン)以下の冒険者(ハンター)にお願いすることになってるので……」

 

 

 

 

ダメらしい。じゃあ仕方ないか。さぁ残り二つ。頑張ってこう!

 

 

 

 

 

 

 




なんかまだ長いな※次で終わらなかった


おまけ フォウさんのちょい情報

フォウ・ソーヤ

左目を前髪で隠している冒険者組合(ギルド)所属の職員。年は17。元気で大体の人にある程度距離感が近い感じの子。左目は見えないわけではない。
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