新番組、TVアニメ『ファイアーエムブレムサイファ』 作:キャベツの中から出てきた青虫
「
その力はすべてを無に帰し、
すべてを夢幻とする。
他の世界への浸食を始め
広がる
そのとき…
幾多の時代、数多の世界の英雄たちが、
異界の門を通りこの空間に呼び寄せられる。
無限の混沌の暴走を止めるため…
そして、世界の真実にたどり着くため…
英雄たちの戦いが始まった。
───────────
ファイアーエムブレム。
『手ごわいシュミレーション』
『驕れる者はドツボにハマる』
そう謳われる
HPが無くなった味方は、一部作品を除き帰らぬ人となるシビアな世界観がウリのゲームで、万全を期して挑んでも、どれだけ道中で良いステータスアップを獲得しても、避けられない
やればやるほどドツボにハマるスルメゲーとして遊び尽くした人も多いことだろう。
スマブラや
────そんなファイアーエムブレムの、カードゲームがあることをご存知だろうか。
その名は
至って本気だとも。
ファイアーエムブレムTCGもあるよ、と。
サイファはサ終したんだよ、と。
転生、だなんて気でも狂ったのか、と。
言われなくても分かっている。
しかし、現実として俺は2度目の幼少期を過ごすハメになったし、この世界ではコロナなんてものは起きなかったし、サイファは未だ続いている。
それどころか─────
「『光の英雄王 マルス』で主人公へ攻撃」
俺がそう宣言すると、立体映像のマルスが剣を手に取り駆け出す。
───続くどころか覇権である。
そう、揉め事をサイファで解決するぐらいには。
揉め事の解決から学校や会社の試験、果てには政治ですらサイファで解決するのだそう。
しまいには世界がサイファに熱狂するあまり、
断言できないのは、
今世は自分の名前すらない。あるのは識別する番号だけ。
自我が芽生えた頃には親なんて居なかったし、サイファを強制させられる施設のような所で育てられた。
初めは長い夢だと思った。
なまじ前世の記憶もあった分や、その前世で死んでしまった記憶が朧気だった事もあり、現実を受け入れるまでには結構な時間を要したと思う。
しかし延々と覚めない夢の中で、俺は気がついた。
『この世界、販促アニメ版のファイアーエムブレム
アイデアロールに成功してからは存分に前世の知識もあって、所謂『強くてニューゲーム』状態だ。
もう何が起きても『販促アニメだからなぁ』と流せるようになった俺は無敵に近しい。
────所謂、悪の組織側として。だが。
「迎え撃て!『獅子盾の重装闘士 バルボ』!こいつは魔法を持たない敵に攻撃された場合、戦闘力が80となる!我がアーマーナイト達は今度こそ貴様の攻撃を通さんぞ!」
相手の呼び声に応じるように、盾を構えた重装兵──バルボが前に現れる。
膠着するであろうことを予期したマルスは一旦間合いを取り、時を待つ───。
ここまでは、普通のカードゲームでもよく見る光景。ユニットやクリーチャー同士の戦いであり、戦闘力。所謂パワー比べをして雌雄を決する訳だが...
サイファを『ファイアーエムブレム』たらしめる要素はここから始まる。
「支援フェイズ!我が重装デッキはこの防御にて真価を発揮する!こちらの支援カードは───『護りの騎士 ドーガ』!支援力は10。そして【防御の紋章】*1により合計110ッ!」
『支援フェイズ』
サイファは山札の上から1枚捲り、そのユニットの支援力と呼ばれる数値と戦闘力を合算して戦うのだ。
いくら強いユニットであっても、その捲り次第では硬いアーマーナイトだろうと貫くことが出来るのだ。
「こちらのカードは『白夜の弟王子 タクミ』支援20で、【攻撃の紋章】*2の効果も含めて戦闘力は110です」
そう宣言すればマルスの後方からバルボへ弓が飛ぶ。重装備であの弓は避けられまい。
弓は重装を貫きはしないがバルボの体制を崩し────
「行け、マルス。『ハードエッジ』」
その隙を見逃す英雄王では無かった。
後ろへ倒れ込むバルボへの追撃の一撃、ひとたまりもないバルボは光の粒子となって消えていった。
──────────
「ありがとうございました。では、約束通り貰っていきますね」
「馬鹿なッ!この、この私がッ!!!貴様ら『パイレーツ』の
─────小娘。
そう。『
悪の組織管轄の実験場的な場所で育てられてTS改造された、とかそういう話では無い。どうにも単なる転生やトリップという訳ではなく、TS転生というものらしい。
正直、厳ついオジサンにでもなっていたほうが悪の組織側としてはやりやすい。と感じているので元の性別に戻せるならば戻して欲しいというのが本音だ。
「何故アーマーナイトの防御を突破できる!貴様仕込んだな!」
「イチャモンは他所でやってください。大体、支援力上振れ警戒して回避札抱えてない方が悪いでしょう。【ライブ】使えるユニット入れるとか、色々デッキ構築から考え直した方がいいかと」
...現にこうして容姿から舐められてイチャモン付けられたりすることも少なくないからだ。
慣れた光景としてイチャモンをつける相手を適当に捌きながら
相手の敗北を告げるARウィンドウへ手を伸ばすと、一転して相手の態度が変わった。
「や、やめてくれ!
「知らないですね。後悔するなら最初からやらないことです」
相手の抵抗も虚しく、AR機器から煙が上がる。
それに連動して
勝者の正当な権利として、AR機器に付いているデータ一式を悪の組織ガジェットで抜き取り、破壊する。
ただそれだけなのだが、この世界ではデッキとAR機器が連動しているようで、どちらかが破壊されれば同じように破壊されるという仕組みになっている。
流石は販促アニメである。
「あ、あぁ...そんな...家族に、なんて言えば...」
流石に申し訳なさを感じてきたが、これも仕事だもの。諦めて餌食になってもらおう。悪の組織の餌食にね。
新番組、
と言ったところだろうか。
名前は、まだない。
気が向いたら書いていきます。
転職活動中なのに筆が乗ってしまった。エタってる作品あるのに...
【ハードエッジ】
スマブラでのマルスの技名。所謂、横強攻撃。