この度めでたく『推しのスーパードクター』が同人誌になりました。
C108を皮切りに、他の即売会でも頒布予定となります。
連載作品の他、新規書き下ろし5編を含めた、計172Pの本となります。
告知も兼ねまして、書き下ろし3編を順次公開いたします。
概要は下記のようになります。
判型:B6
ページ数:172P
価格:1200円(イベント)、税込1600円(同人ショップ)
表紙絵挿絵:anじぇらさん(https://x.com/jeraART)
表紙装丁:ホログラムPP
挿絵枚数:3枚
■C108頒布情報
委託先サークル:北謳寮通信社(08/15南2ホールd26b)
■メロンブックス様、フロマージュ様委託先情報
https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=3763549
小学校入学を機にアクアとルビーは富永総合病院の託児所からは退所となった。しかしながら、まだ自宅で二人でお留守番させられる年齢ではないと、放課後児童クラブの代替として病院内のプレイルームに通っていた。
「スッゲェ……こんなに堅くて長いモノが、口の中に……」
アクアは部屋に備え付けられているディスプレイで、とあるDVDに魅入っていた。
「なっ、スゲェだろ? 実家秘蔵のディスクだぜ。他の子たちにはチョイと刺激が強いから、お前だけ特別だぜ」
「うん。ありがと、高品先生!」
アクアと密かに鑑賞しているのは、一人の元より出向していた高品龍太郎であった。
「喉奥を通ってついに……ゴクリ……!」
無修正の中まで丸見えな映像はついに核心に至ろうとしており、アクアは思わず息を飲む。
「うおぉぉ……人間の胃の中って、こんななってんのか!?」
「ここまで鮮明な胃カメラの研修ビデオには滅多にお目にかかれないからな。帰省した時に持ってきた甲斐があったってモンよ!」
視聴していたのは何てことない。高品総合病院の研修ビデオであった。時折プレイルームに顔を出しては児童の患者と戯れている龍太郎とアクアが関係を深めるのは自然なことであった。
普段は指導を受ける側なこともあり師匠面出来るのが気分がいいと、龍太郎も積極的に関わっているのであった。
「もー! おにーちゃんも高品せんせーも、そんなつまんないモノいつまでも見てないで、次はコレだよコレ!!」
そんな時暇を持て余したルビーが介入し、DVDを入れ替える。
「今度はコレ! 苺プロダクションのダンスレッスンDVD!!」
ノリノリで再生ボタンを押し、映像に合わせて踊り始めるルビー。
「じゃあオレはそろそろこれで……」
「ダメだよ! 高品せんせーも踊らなきゃ! いつまでたってもお腹のぷにぷにがヘコまないよ!!」
「ヒイー!?」
ギロッと睨み付けるルビーの背中にギュッと鋭い視線を向ける不動明王の如き一人が顕現するような錯覚を覚え、龍太郎は涙目で応じるのであった。
「ったく、いつまでココ通ってるのよ!? じき中学生なんだから小児科名目で通院するの、いい加減やめなさいよ!!」
「進学したら堂々と産婦人科に通うわよ! 中学生は子供産めるのよ!!」
ある日プレイルームでいがみ合っているのは、二十代前半の女性と小学生の少女。言うまでもなくさりなとかなであった。
当初はあくまで頭の傷が完治するまでゴローの診察を受けていたかなであったが、癒えた後も懲りずにかかりつけ医名目で通院しているのであった。そして時折さりなと顔を合わせるや否や、口喧嘩に発展していた。
「マセたこと言いやがって! このメスガキ!!」
「アンタこそ童顔のクセに、とっくに閉経してるんじゃないの!? このロリババア!!」
二人は買い言葉に売り言葉とどちらも一歩も譲らず罵り合い、さながら白い悪魔と赤い彗星の如き口論であった。
「ヒイイー!? ガチ修羅場おっかねぇー。触らぬ神に祟り無しだ。くわばらくわばら」
下手に嫉妬の渦に巻き込まれたら炎症どころじゃ済まされないと、龍太郎は二人に関わらないよう他の子どもたちと戯れていた。
「ったく、子ども相手にガチ口論すんなよ。あーいうのを
その様を静観していたアクアはボソボソと苦笑する。
「えっ? オトナに毛がない!? さりなおねーちゃん、ストレスでツルッパゲになっちゃうの!? カワイソ……」
アクアの言葉を誤読しただけではなく勝手に妄想し絶句するルビー。
「ハゲんわ! アイドルのメンケア舐めんな!!」
ルビーの声が聞こえていて思わずツッコむさりな。
「でもさー。ロリフェイスにピッタリなパイパンなんじゃないの?」
「はあっ!? は、生えてるわよ!! 証拠見せてあげるわ!!」
かなの挑発に乗り、スカートごとパンツを脱ぎ出そうとするさりな。
「ガキのケンカ買って公然わいせつ罪犯そうとするのやめてくれない?」
流石に仲裁入った方が良さそうだと、さりなのスカートを押さえ付けるアクア。
「ふー! ふー!」
アクアに制止されなんとか踏み止まったさりなだったが、怒りは収まってないようだ。
「はぁ。こんな子供相手にガチ嫉妬するアマが将来のママになるかもしれないだなんて、可哀想でちゅねーあーくん」
アクアとルビーがゴローの子供だという設定に数年の交流があっても一片の疑問も抱かないかなは、自分の方こそゴローの妻に相応しいと言わんばかりにアクアの頭を撫でる。
「馴れ馴れしくすんなよ、そこまでガキじゃねーよ俺は!」
頬を赤らめながらも拒絶の意を表すアクア。
「あら? 私にとってはいつまで経っても弟みたいなモンよ。近所の幼馴染みな関係よね私たち」
「まあ、否定はしねーけど」
「それにしても、せんせってばホント女見る目ないわよねー。あんなにステキな人なのに、愛久愛海なんて壊滅的クソダサネーミングセンスのクソアマと結婚してしまったんだから」
かなの脳内設定では、前妻がメンヘラ癇癪持ちで実子へのDVが常態化していた末離婚し、ゴローが二人を引き取ったということになっていたのだ。
「うん。その件に関しては全く持って同意だわ」
流石に中学年にもなれば自分の名前が大変残念なキラキラネームだという自覚は持っており、激しく頷くアクアであった。
「ママをディスるなー!!」
一方のルビーはアイが非難されたと感じ、かなにビンタを食らわせよう急接近する。
「よせルビー!!」
必死に制止しようとするアクアだったが、あまりに無駄がなく素早い動きのルビーに付け入る隙はなく、かなの右頬にクリーンヒットしてしまう。
「ペぷしっ!?」
するとかなは勢いよく吹っ飛び、プレイルームの壁にコツンと頭をぶつけてしまう。
「あわわ……。ルビーってなんであんなバカ力なの……」
ひょっとして口論を過熱化させた自分のせいと顔面蒼白になるさりな。
「アイツ、体力二人分のクセにアホだから加減ってのを知らねーんだよ……」
体育の授業でドッジボールを行った際は、最後の一人となってもダンスで鍛えたバツグンの身体能力でニュータイプ張りの回避能力を発揮し全くヒットせず。いざボールを取れば大谷翔平の如き剛速球で次々と相手を沈める一騎当千のワンサイドゲームとなり、以後ドッジボールは全面禁止となったほどだと回想するアクアであった。
「わーん! 頬骨折れたぁ~~! 頭陥没したぁ~~!! いたいよぉ~~! せんせ呼んでぇ~~!!」
実際は頬が腫れてたんこぶが出来た程度の怪我だったのだが、これ見よがしにゴローの診察を受けられるぞと、さながら不幸にも疲れたサッカー部員の運転するワゴン車に追突された反社の如く、十秒で泣ける天才子役振りをいかんなく発揮し、大袈裟に泣き出すかな。
「大丈夫!? 今すぐオレが応急処置するから!!」
他の子供たちと遊んでいた龍太郎が急いで駆け付ける。
「あーん! ヤダヤダー! せんせーじゃなきゃヤダー! ロリコンに犯される~~!! せんせ、助けて~~!!」
「ヒイイッ!? 助けてェー! 雨宮せんせぇー!!」
かなのあまりの迫真の演技振りに強姦罪で訴えられるのではと恐怖した龍太郎もまた、悲痛な声でゴローに助けを乞うのだった。
「ふーん。今日病院でそんなことあったんだぁ。ミヤえもーーん! かなちゃん出演のドラマで、クソ生意気な
「ないわよ」
社長宅で事の一部始終を聞いたアイは、笑顔で指をポキリポキリと鳴らすのであった。
書き下ろし3編のうち1本目です。時系列的にはドームライブと入学式の間の出来事となります。
龍太郎出したかったので、富永総合病院での一幕というエピソードです。
連載時はルビーは頭脳をアクアに吸い取られたという描写でしたが。逆にアクアは体力面をルビーに吸い取られたという感じにしました。
かなはメスガキと言うよりはクソガキの域に達してるのですが、原作でも口が悪い面があるので、そのままの描写と言いますか。
さりなは原作乳幼児時のルビーのイメージで書いております。