転生したらTATAだった件   作:ヒナまつり

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※今回のお話にはイヴォンヌのプロファイルやボイスのネタバレが含まれます。

ご注意ください。


タタ

 

 遠くまで広がる草原、そこに駆けていく爽やかな風…燦々と輝く太陽っ!の、筈ですが!な、なんと!僕には何一つ感じられませんっ!

 

 …ひどい、ひどいよ!僕だってねぇ!ペリカのふわふわな頭とか!チェンの尻尾とか触りたいの!えっ、趣旨が違うって!?知らねぇ、僕知能ユニットがよわよわなタタだから!

 

 でも取り敢えずアームが欲しい、アームが欲しいよ!そしたら、何だって出来るのに!

 

 「ちょっとTA-TA?少し止まっててくれないかい?まだ完全には直ってないんだ。このままだと、直す箇所が増えちゃうよ」

 

 あ、アンドレイ…うぅ、でも僕は今すぐ動きたいんだよー!早く生き残るための準備がしたいのぉー!

 

 「(>へ<。)」

 

 「そうそう、じっとしとくんだ。直ぐ終わるからね」

 

 そう、涙ながらに訴えてもカチャカチャとアンドレイは僕の体を弄くり回す。どうやらもっと好きに動くのにはもう少し待つ必要があるみたい…あっ、ちょっと、そこくすぐったい!

 

 「( >﹏<)」

 

 「わわっ、危ない!ちょっと、TA-TA?急に動いたらダメじゃないか!もし倒れたらどうするんだい!」

 

 「(*T^T)」

 

 だって、そこくすぐったいんだもん!というか!なんでロボットなのにくすぐったいのさ!風は感じれないのにぃ!

 

 「あ、もしかして知能ユニットに触ったから?ごめん、まさか感覚が共有されているなんて…いや、待って?タタ、この感触が分かるのかい!?」

 

 ちょっ、ちょっ!分かるから!あんまり触らないで!くすぐったいの!あ、アンドレイ!?やめてって!

 

 「(( `ー´))」

 

 「な、なんてことだ!こ、これは…革命じゃないか!どれだけ高価な機械でも見えないところで触れられた感触を訴えることなんてないのに!」

 

 驚きながらアンドレイは、僕を抱き締める。でももふもふな見た目のアンドレイのせいで何だか少し暑く感じる。

 

 …いや、ねぇ!匂いも感触もない筈なのに少し暑苦しく感じるのってなに!?もう、何でもいいから早く離してぇ~!

 

 「(#`皿´)」

 

 「わ、わわっ。ごめん、ごめん。少し興奮しすぎたみたいだね…。でも、TA-TA?これは、本当に凄いことなんだ!でも、どうしてだ…?感覚を感じ取れるセンサーなんて着いてないのに…」

 

 …もしかして、僕が元人間だからじゃ?だって、僕にはうっすらだけど記憶があるんだ、人間だった時の。

 

 それで、色々弄くられたから知能ユニットが変に感じ取って幻触を引き起こしたのかも…?多分、手足を失った人が有るように感じるようなものと一緒で…え?じゃあ、僕って…殴られたら、痛みを感じるんじゃ…!?

 

 「((((;゜Д゜)))」

 

 「だ、大丈夫だから!TA-TA落ち着いて、きっと…これはそう!緊急的に動かしているせいだから!多分、何処かのセンサーに異常が発生してるんだろうね。直ぐ直してあげるから、少しだけ耐えて欲しいんだ。出来るかい?」

 

 グッと、力こぶを作りアンドレイは任せてと訴えてくる。でも、でもこのくすぐったさに耐えろって!?酷いよ!というか!絶対センサーなんかのせいじゃないって!僕のせいだって!ねぇ、アンドレイ!どうにか今だけ僕の声を聞いてー!!

 

 うわぁ!ダメだ、ヤル気満々だ!管理人、ペリカ、チェン!誰でもいいから助けてー!!

 

 「!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!!」

 

 「あぁ、暴れないで!平気だから!多分!」

 

 多分って何だよ!嫌だ、俺はこんなところで死にたくなーい!

 

 


 

 「よ、よし…どうだい?」

 

 「ρ(тωт`) 」

 

 うぅ、無理矢理やられた…!酷いよ、こんなのロボットイジメだよ!あ、でも何だかマシになったかも。今さっきのが直接肌にやられた感じに対して今は服越しに触られてるみたいになってる…!凄い、アンドレイってすごーい!

 

 「( ★ - ★)」

 

 「おおっ!もしかして、成功したのかい!?よ、良かったぁー!これでイヴォンヌに怒られる事が少し減ったよぉ。そうだ、他にも何か違和感はあるかい?」

 

 違和感…か。実際、僕にとっては全部が違和感なんだよね。体は自由に動かせないし、記憶は虫に食べられたみたいに穴だらけ。唯一しっかり覚えているのはエンドフィールドのことだけ。感覚はないし、今考えてるのが…僕だってことも信じられない。

 

 もしかしたら、僕の考えも感情だってプログラムされたもので動かされているだけなのかもしれない。

 

 まぁ、でも1つだけ確かなのは僕がタタとして転生したってこと。これにきっと、偽りはない。だって未来を知っているから。

 

 ははっ、なんだか…少し悲しくなっちゃった。何でだか分からないけれど。

 

 まぁ、違和感はないよ。この体には…ね。

 

 「(^-^)d」

 

 「そうかい!それは、良かったよぉ!よし、TA-TA?今直せるのはここまで。後は部品とか諸々揃ったら直せるから、今は少しゆっくりしてて。おれは、他に仕事があるから一人でここで待機してて」

 

 「(>Д<)ゝ”」

 

 ゆっくりと離れていくアンドレイを眺めながら、僕はじっと考え込んだ。

 

 まず、今の僕…タタに出来ることを考えていこう。

 

 「!Σ( ̄□ ̄;)」

 

 えっ…無くない?待って、待って?冷静に考えると結局今の僕に出来ることなんてスキャン以外無くない!?誰かいないと動けないし、手を使うことも出来ないよ!?ど、どうしよう!?

 

 改造なんてもってのほかじゃん!ねぇ、一体何をすればいいんだよぉー!うわーん!

 

 「。゚(゚´Д`゚)゚。」

 

 そうやって、泣きわめいていると視界の隅に花に覆われた白い耳が現れた。

 

 ピクピクと、僕の声?を聴きながら興味深そうに僕を見てゆっくりとそれは近づいてくる。

 

 「( ?_?)」

 

 「きゅっ?」

 

 僕の困惑する顔をみてそのウサギみたいなものも困惑したように首をかしげる。

 

 いや、可愛いっ!なにその仕草っ!うわぁー!抱き締めたーいよー!

 

 「( 〃▽〃)」

 

 「きゅっ、きゅう?(可愛い、抱き締めたい?)きゅう(変な人)」

 

 …えっ?う、ウサギの声が聞こえてまんがな!?

 

 


 

 源石パークの地下にあるアタシだけの作業室で、アタシは古い、古い大切な過去を思い出す。

 

 それは、大好きな友達との過去だ。もう、会えることのない…友達の。

 

 「タタ…会いたいよ。…ねぇ、タタもこの曲好きだったよね…。アタシも、タタのせいでこの曲好きになっちゃった」

 

 流れる歌詞に対しての彼の解釈を聞くのが好きだったから。この曲を聞いていれば君がまだ側にいてくれるって思えるから、アタシは何時も酷く寂しい時にこれを掛けていた。

 

 きっと、それのせい。アタシの趣味に合わないこの曲を好きになったのは。そして、ずっと胸が痛いのもこの曲のせいなの。

 

 でも、これを聞かないことはできない。君を、過去に変えたくないから。

 

 「…はぁ、早く切り替えないといけないって分かってるよ。でもね、やっぱりアタシにはタタが必要なの。…そうだ、侵食に対して使える子を作ったの。名前はね…TA-TA。まだ、試作モデルだけど…きっと、きっと人をいっぱい助けてくれるよ。ふふっ、名前はね、君と一緒なの…あの子に君の夢を託したんだよ」

 

 「何時だってタタは、侵食から人を守るために研究してたもん。だから、アタシが代わりに叶えてあげる。だから、だからね…アタシがそっちに行ったとき…褒めて?アタシ、本当はタタに褒められるの好きだったの。あの時は恥ずかしくて、やめてって言っちゃったけどね…」

 

 何も、映らない天井を見上げながらアタシは言葉を綴る。後悔と愛を込めながら。

 

 そんな過去に耽っていたら…彼との一番の思い出を思い出した。

 

 それは、すっごくうるさくて暴れん坊なアタシの大切な羽獣とタタがアーツを使って喋って私のことを褒めあったこと。

 

 あぁ、あの時はアタシが何度やめてって言ってもタタは面白そうに、会話をやめなかったっけ。

 

 やっぱり、アタシにとってタタは特別だよ。

 

 「…あーあ、こんなんじゃダメ。アタシは超天才のイヴォンヌだよ?こんなしんみりは合ってないって。アタシだって、タタみたいに皆の役に立つんだから、ゼッタイ!よーく、見ててよ?」

 

 遠い遠い過去に少しの別れを言いながら、曲の終わりを聞き遂げて立ち上がる。

 

 彼と作り上げた道はまだまだ広がっているんだ。だから、アタシはこの道が終わる終着点に着くその日まで、止まり続けることはしちゃいけない。

 

 …あーあ、でも何だか気分が乗らないなぁ。きっと、タタが居たらこんな気持ちにもならないのに…。

 

 「あー!ダメダメ!…ふぅ、よし!続き、やろ!」

 

 空回る歯車を無理矢理回して、今日も働く。何時の日か君に会えるその日まで。

 

 




重い過去…それって、最高じゃないですか!?特に明るい子にあればあるほど最高です!あ、ということでイヴォンヌ!よろしくねぇ!
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