一人はつらいよ   作:ハラシキア

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プロローグ

充実した毎日を過ごしていた。

 

激務で仕事を辞めた過去と違う。

目標の為に努力しつつ、確実に一歩ずつ前へ進む。

 

素晴らしい日々だ。

元社畜として、これ以上の報酬は無いだろう。

 

 

 

 

そうだったら良かった。

それで心の渇きが満たされれば良かった。

 

 

現在の俺。

彼女無し。

貯金無し。

職業不定。

 

 

 

そして何より……仲間が居ない!!

 

 

まさしく絶望的だ。

ファンタジー世界に転移して早三年。

若い身体と恵まれた素養でブイブイ言わせてた時期もあった。

それは否定しない。でも、共に戦う仲間が出来ないとは思わなかった。

 

……心当たりはある。心当たりしかない。

流石に自覚もしてる。

 

……うん。なんというか、俺って脳筋バーサーカーなんだよね。

 

一応、俺が唯の考え無しで動いてる訳では無い。

それを先に訂正しておく。

 

それに俺は戦士ではない。

魔法戦士だ。

 

ゲームにありがちなバフとデバフを積みつつ、近距離から遠距離までの様々な状況に応じて剣や魔法で戦う。

豊富な手段に加えて回復魔法まで扱える。

まさに某国民的ゲームの勇者と魔法戦士を合体させた様な存在。

普通に他パーティーとしては痒い所に手が届くなら、使い勝手も良いし放って置かれる理由は無い。

 

はい。まあ、俺の持病のせいなんですが。

別に珍しくもない病気だ。

疾患するリスクは魔力の量が多い人が高いとされる。

魔力中毒。別名は狂戦士病。

 

この病気は体内魔力の抵抗力が低下している状態。その条件下で自分に魔法が掛けられていると発症してしまう。

マイナス面として、酒酔いに似た高揚感と感覚が鈍くなる。

その反面、魔力の回復量が増大し、明らかに戦闘力の向上が見られる。

 

そう聞けば悪くない話だと感じるかもしれないが、実際の影響はそれだけに留まらない。

デメリットはまだある。

魔力が一時的に増大した反動で暫くは魔法の制御が難しくなる。

加えて魔力の回復量も遅くなる。

最低でも通常の半分以下。俺ぐらい重度の場合は更にその半分。

 

そうなれば、一週間近くは弱体化は避けられない。

リスキーすぎる上にパーティーであれば足手纏いになることは避けられない。

そんな地雷を好き好んで仲間にしようとはならないだろう。

自業自得だけど泣きたくなる……。

 

とはいえ、ソロでも充分過ぎるほどの活躍は出来る。

自画自賛にはなるが、ギルドでも上位の実力があるし、結構実績もしっかりある。

単独で龍殺し(ドラゴンスレイ)を行える人間なんて世界でも片指で数えられる人間しかやってない偉業だ!

 

……なんで一人でドラゴンを相手に戦わないといけないんだ!!

おかしいだろ!!絶対におかしい!!

俺だって、俺だってなぁ!仲間が欲しいんだよ!!

 

くそぅ、俺だって仲間達と酒を飲んだり、下らん雑談してぇよ……。

共に背中預けあって戦いてぇ……。

 

結構な回数お呼ばれするパーティーもあるけど、戦友であって仲間じゃねーんだよなぁ。

 

嗚呼、仲間が欲しい……。




導入回ですので短めです
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