脹相転生inキヴォトス 作:西中の虎の兄
1年生編は今回を除いて残り3話です。(春休みという名の閑話も含めてですが……)
呪力と打撃との誤差が0.000001秒以内に炸裂した際に生じる自然現象、その名を黒閃。その威力は、平均で通常の2.5乗。
それでもビナーに対して有効なダメージを与えるには至らなかった。
だが、黒閃の本質は威力ではない。黒閃を発生させると、スポーツで言う『ゾーン』に入った状態になる。一時的にではあるが、普段意識的に行っている呪力の操作が呼吸するかのように自然と行われ、圧倒的な全能感を味わい、呪力出力も上昇する。
これにより、脹相は120%の潜在能力を引き出すに至る。
『……瞬間出力が跳ね上がった!?それだけではない!!呪力の質も向上して……』
「今のでもやっと装甲が凹んだ程度!!こりゃあ相当硬いな……」
それにしてもこれを当然のように出してる虎杖ってやっぱ化け物だな!?正直引くよ……
「……俺の術式、赤血操術は自身の血液や、血液の付着した物質を操作することができる。遠・中・近どの距離でも対応できて応用性が高いんだが、それなりにデメリットもあるんだよ……それは水に弱いってことだ!!だが、ここの地理的にそれを知ったところでどうこう出来るもんじゃねぇけどなぁ!!」
『クックック、能力の開示……これは前に言っていた“縛り”!!特に変わった様子は……!?いや……あれは!!』
術式の開示を行ったことで
「ビナー、とか言ったよな?お前を3枚に下ろしてやるよ!!」
俺はビナーに対して不可視の斬撃を放つ。だが、それはビナーの装甲に多少傷を付けただけだった。
(やっぱり、効いていない!!俺の技の中で一番の出力を誇るこれが?いや、効いていないんじゃない、苅祓に適応しているのか!!)
恐らく、少し前に放った苅祓に適応していたのだろう。それ故に苅祓 解も効かなくなった、と言ったところか……
「これは、八握剣異戒神将魔虚羅に近いモノだな……」
『クックック……その、“やつかのつるぎいかいしんしょうまこら”とは?』
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あれから何度も斬撃を放ってはいるがダメージが通っている感じはない。
「なら、接近して……」
その瞬間、ビナーはビームを放とうと口を大きく開け、エネルギーを溜め始める。
「さっきからそればっかりだなぁ!!」
俺は蹴りを放とうと飛び上がる。だが――
(空中にいる時に尻尾による薙ぎ払い攻撃!!これは避け切れな――)
流石に空中で攻撃を避けることは出来ず、俺の身体は地面に叩きつけられる。
「ガハッ!!グッ・・・・・ゲホッゲホッ……」
ビナーはさらにそこに溜めていたビームを放つ。流石にダメージを負い、動けない状態では回避することは出来ず、直撃してしまう。
(全力で呪力強化した腕で防いだのに皮膚が焼け焦げてるな……黒閃を決めてなきゃ確実に今ので死んでいた!!)
ちなみに、百花繚乱の羽織に関しては熱線を受けて塵になっていた。流石に布だし仕方ないか……
俺は腕を反転術式で治して立ち上がろうとするが、ビナーはその隙を逃さずミサイルを飛ばして攻撃してくる。
「あっぶな!?」
ギリギリで回避することには成功したが、爆発の影響か先ほど以上に砂嵐が強くなっている。
「いや、砂嵐が強くなってるだけじゃない!!砂がこっちに向かって来ているのか……!!」
まるで意志を持ってるかのように砂嵐が此方に襲い掛かって来る。回避不可の全体攻撃って言ったところか……
(マズいな……)
先程のビームでガラスになった砂が体を傷付ける。反転術式で治し続けることで防ごうとするが……
(回復が間に合わない!!何か他に防ぐ方法は……あった、一つだけ!!)
それは本来、御三家に伝わる領域対策の術――
「秘伝『落花の情』!!」
それは自身の周囲に呪力を漂わせ、必中術式が命中する瞬間に呪力を放出して身を守るカウンター技。
俺はそれを改良し、神秘を持つものに対してもカウンターが発動するようにした。
これにより、砂嵐によるダメージを最低限に抑えることに成功、だが……
「砂嵐が終わったらチャージが終わってますって言うオチかよ!!」
至近距離でビームを喰らったせいで、さっきよりもひどいダメージを負った。右脇腹は吹き飛び、血が止まらずに流れ続けている。少なくとも内臓には問題はなさそうだが……
「グッ……ゼェゼェ……ゲホッ……まだ見てたのか……」
『クックック……もう限界のようですね。それだけの血が流れればその内失血死しますよ?』
「生憎、俺は呪力を血液に変換できる特異体質でな……呪力が尽きない限り失血死することはないんだよ……あ゛ーまだ帰んなよ、ここからがハイライトだぜ?」
『“ここからがハイライト”とは……まだ隠し玉があったのですか?』
「まあ、出来るかどうかは賭けだ。今までに一度も成功したことないしな……」
『では、存分に観測させて頂くとしましょうか……』
そう言ってドローンは少し離れた場所へと飛んで行った。
「さて、やりますか……」
俺は脇腹から溢れ続けた大量の血液を集め、限界まで圧縮する。
「赤血操術――百斂 」
だが、ここから放たれるのは穿血でも無ければ超新星でも無い。俺が編み出したオリジナル。
百斂が使えるようになった頃に、領域展開とは別で何か大技が出来ないかと考えた。
原作で脹相や加茂憲紀が使っていた技は全て使える。だが、虎杖悠仁がやっていた分岐する穿血はどうすれば出来るのか分からない。
そこで何か他のアニメや漫画、ゲームの技で何かないかと考えている途中で行きついたのが、前世でプレイしたことがあった東方projectというゲームの技の中に候補を一つ見つけた。
東方projectに登場するキャラの一人、レミリア・スカーレットは弾幕ごっこにおいて血を想起させるような紅の弾幕を飛ばして攻撃してくる。
中でも、彼女のスペルカードの一つ『神槍「スピア・ザ・グングニル」』は槍そのものを投げているのではなく、弾を超高速で投げつけることで槍のように変化させている。
――であれば百斂を用いれば再現できるのではないか、という訳で練習を続けた。
しかし、そうそう上手くはいかず、百斂が摩擦熱に耐えられずに自壊してしまい、全て失敗に終わっていた。
だが、黒閃を経て呪力操作の精度が向上したことでついに完成、再現に至る。
さらに、多対一での使用禁止、移動方向を直線に限定する縛りを加えたにより速度は穿血の2倍、貫通力に至っては穿血の4倍を誇る。
これが真の赤血操術の奥義。その名を――
マッハ2を超える血の槍がビナーの頭部を貫通し、大量のオイルのような液体と血が混ざったものが、開いた穴から勢いよく噴き出した。ビナーは悶え苦しむように頭を振り回し、最後の足掻きとして口からビームを放とうとエネルギーを溜め始める。だが――
「解」
ビナーの頭部に侵入した血は苅祓 解へと変じ、頭の内部にあるAIを完全に切り刻んで破壊した。
ビナーは倒れて全く動かなくなっているので無事に死んでいるのだろう。もし、これでまだ生きてたりしたら嫌なので、ビナーの頭の内部に超新星をぶち込んで念入りにAIを潰しておく。
「あ゛ー終わったぁ……しんど……」
もう、呪力も尽きて反転術式も使えなくなっている。その上、止血するほどの余裕もない。恐らく、もう死ぬのだろう。
(ユメさんは無事だろうか……ホシノとは仲直りできたのかな……百花繚乱は……俺が死んだ後、アヤメが一人で頑張ることになったりはしないよな?ゲヘナは……心配はいらないか……ただ、セナが過労で倒れたりしないかだけが気掛かりだが……)
未練は色々あるが、きっと大丈夫だろう……俺の意識はそこで途切れた。
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──ホシノside──
数分前、ユメ先輩から連絡が来た。その声は何処か枯れていた。
「ユメ先輩!!今まで何処に居たんですか、心配したんですよ!!」
『ごめんね、ホシノちゃん……電波が……』
「謝らないで下さい、悪いのは私なんです!!」
『…………砂漠に居たら砂嵐にあって……でも、脹相くんが助けに来てくれたんだ……だけど……』
「脹相さんがどうかしたんですか……?」
『突然、大きな機械の蛇が現れて……脹相くんは私を逃がすためにっ……自分を囮に……』
電波が悪かったのか、電話はそこで途切れてしまった。でも、少し離れた場所に倒れている人らしきものが見えた。それを見た私は居ても立っても居られず、急いで駆け寄った。
「ユメ先輩!!」
「ホ……シ……ノちゃ……」
「大丈夫ですか!?この水を飲んでください!!」
私は持ってきていた水をユメ先輩に飲ませ、病院に連れて行こうと背負う。
「……ダメ……脹相くんが……助けに……行かないと」
ユメ先輩がかすれた声で言う。私だって脹相さんを助けに行きたい。あの人をこの一件に巻き込んでしまったのは私なのだから……
(でも……ここで脹相さんを助けに行けばユメ先輩が死んでしまうかもしれない。私はどうしたら……)
私は迷った末、ユメ先輩を選んだ。私にとってたった一人の先輩であるユメ先輩以上に大切なものはないのだから――
(ごめんなさい……脹相さん。本当にごめんなさい……私は貴方を巻き込んだ挙句、助けられたかもしれないのに見捨ててしまった。ごめんなさい……本当にごめんなさい……)
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あれから数日後、砂嵐が止み、私は急いでアビドス砂漠へと向かった。
せめて、遺体だけでも回収して弔おうと――
でも、どこを探しても遺体は無かった。あったのは血とオイルが混ざったような液体と幾つかの金属片だけ……
(私が殺したんだ。私のせいで脹相さんは死んだ。私があの人に助けを求めなければ……そのせいであの人は……だから……私が――殺した。)
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―???side―
「クックック……まさかあれだけの出血量で生きていられるとは思いませんでしたが……あの後、すぐに貴方を回収しておいて良かったですよ。まだまだ聞きたいことが多く残っていますからね……脹相さん。」
ここ最近は調子がすごくいいので毎日投稿を途切れさせないよう頑張ります!!
(この後も文章が続きます)
―予告―
キキョウ「なんでアヤメ委員長がここに?遠方での任務があったんじゃなかったの……?」
アヤメ?「思ったよりも任務が速く片付いてさ……こっちの手伝いに来ちゃった」
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脹相 「百鬼夜行とレッドウィンターの境界に建つ屋敷に、慈愛の怪盗から予告状が届いた。」
脹相 「彼女の狙いは、100年以上前に名匠の手で鍛えられた名刀『赫耀』だった。」
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脹相 「護衛任務に向かうことになったのは俺とナグサと1年生全員。」
???「おいらはレッドウィンター事務局書記長、連河チェリノ。慈愛の怪盗を粛清する為に来たのだ!!はーはっはっは!!」
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???「まさか……私の正体が見破られるとは思いもしませんでしたよ。子猫ちゃん……?」
以上、駄文でした。
掲示板回見たいですか?
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やってくれ、必要だろ
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???「興味ないね」