脹相転生inキヴォトス 作:西中の虎の兄
タイトルの効果音は「感情の摩天楼 〜 Cosmic Mind」のイントロです。
ちなみにこれを選んだのは私の中で説教用BGMといえば「感情の摩天楼 〜 Cosmic Mind」だったのと臨戦ヒマリを見たときに深秘録白蓮が脳内にちらついたからですね……
ちなみに私が一番好きな東方原曲も「感情の摩天楼 〜 Cosmic Mind」だったりします。
いざ、南無三ーー!
俺は今、ミレニアムの運動場にいる。成り行きでネルと戦うことになってしまった。あと、関係ないが校舎の屋上から何者かに見られているような気がする……
(まあ、気のせいか……)
「よぉ、遅かったじゃねぇか。武器はできたのか?」
「ああ、ここのエンジニアは優秀だな。まさか3時間で仕上げるとは思わなかったよ。」
そう言いながら、新たに完成した武器、ルィ・バンとジング・バンを構える。
「それ、ショットガン付きの二節棍か?」
「いや、それだけじゃない――」
俺はルィ・バンとジング・バンを接続する。
「三節棍だ。」
「カッケェ……!?」
「ふふふ……そうだろう。さらにここから――如意棒にもなるんだ。」
「マジでカッコイイじゃねぇか!!それ、気に入ったぜ!!」
なんかネルのテンションがご馳走を前にしたガキみたいになっているが、まあスルーしておこう……
「……それじゃあ、始めるか!!」
「分かった。何処からでも掛かってこい……」
ついに火蓋が切って落とされた。俺は百斂を行おうとするが……
「させる訳ねぇだろ!!」
「……だろうな。」
高速で飛び蹴りをしてきたネルの妨害により百斂に失敗する。
(やっぱり、スピードタイプだったな。この速度…………確実にミカより速い!!)
かつて戦ったミカと比べてもネルは速すぎる。百斂を行う隙が一切ない。
「……なら、赤血操術――苅祓 」
複数の血のチャクラムがネルに当たる……が、有効なダメージとはならない。
「ハハッ、血を操れるってマジだったんだなァ!!てっきり都市伝説かなんかだと思ってたぞ!!」
まあ、普通聞いたところで信じられないよね……
「……知ってるか?トリニティには隕石を落とすゴリラがいるんだ。」
「ハァ!?……ンなモンいる訳ねぇだろ!?」
「何を言ってるんだ、ゴリラが隕石を落とすのは常識だろう?」
「アンタのそのゴリラに対する信頼感はなんなんだよ!?」
ゴリラって言ってもゴリラ(本物)じゃなくてゴリラ(比喩)だからね。流石に本物のゴリラは隕石落とさないよ……多分。
「つーかアンタ、トリニティを動物園か何かだと勘違いしてねぇか……?」
「実際そうだろ?俺が見ただけで隕石落とすゴリラと一人だけ敵味方クラフトしてるゴリラは存在してる。」
「……それなら、ゴリラ王国に改名した方がいいんじゃねぇか?」
ゴリラトークに花を咲かせているが実際はバチバチに戦っている。戦況に関しては俺がルィ・バンとジング・バンの扱いに慣れていないのと相性の悪さもあり、かなりネルが優勢だ。
「おいおい、どうしたァ?百鬼夜行の鬼神の実力はそんなもんか!?」
そう言いながらネルは銃を乱射してくる。何かと銃を二丁持っている相手と戦うのは初めてなので結構戦いにくい……
(ここまででも何回か避け切れずに被弾してるしな……使うしかないのか?アレを――)
俺は右足を前にして、両腕を突き出すようにポーズをとる。
「……何者かが見てるからできれば使いたくなかったんだけどな秘伝『落花の情』」
俺に向かって飛んできた複数の弾丸が両断され、あらぬ方向へと飛んでいく。
「今のはどういう絡繰だ?物理的におかしい飛び方してたぞ!?」
「……俺は呪力と呼ばれる特殊な力を持っていてな。今のは自身の周囲に呪力を纏って敵の攻撃が触れた瞬間に呪力を解放して迎撃して身を守る技だ。」
「へぇ、自分には損なのに正直に答えてくれるんだなァ……?」
「これは能力の開示って言ってな、自分の能力を相手に話してデメリットを作る代わりに能力を底上げすることができるんだ。」
「成程……アンタが喋り始めた時点に速攻で口を塞ぐべきだったってことだよなァ?」
「そういうことだ……」
黒閃を決めた時ほどじゃないが呪力出力が向上しているように感じる。
「それともう一つだけ。俺の術式、赤血操術は自身の血液や、血液の付着した物質を操作する能力だ。遠・中・近どの距離でも対応できて応用性が高いんだがな……水に弱い。」
「それも能力の開示か?だとすれば、まだ本気じゃなかったって訳だな……?」
ネルは喋りながらもこちらに銃を連射してくる。だが――
――キンッ
銃弾は再び両断され、あらぬ方向へと飛んで行った。
「また『落花の情』か?」
「いや、今のは『落花の情』じゃない――斬撃だ。」
そう言いながら俺は再び苅祓・解をネルに向けて放つがそれをネルは跳んで回避する。
「不可視の斬撃か……随分と面白いじゃねぇか!!」
「すぐに斬撃に対応できる奴なんて初めて見たよ……!!」
俺が技を練習するときのサンドバッグは基本的には不良たちなので、斬撃に対応できる奴がいないのは当然っちゃ当然だが……
「解」
俺が斬撃を次々と繰り出すが、ネルはそれを巧みに避け続ける。だが――
「クソッ!!切り倒された電柱のせいで足の踏み場がねぇ……!!」
ネルがかわした斬撃が命中したことで切り倒された電柱が行く手をふさぐ。いや、電柱が倒れたのは偶然ではない……
「ようやく気付いたようだな。俺はあえてお前じゃなくてグラウンドの傍の電柱を狙って斬ってたんだよ!!」
そう、あくまでこれは百斂を行う時間を少しでも稼ぐための戦略だったのだ。
「はなからそのつもりだったのか?」
「ああ、そういうことだ。それとお前に俺の全力をぶつける。死なない程度にはするが――死ぬなよ?」
「……言われなくても死なねぇよ!!やれるもんならやってみな!!」
「赤血操術――百斂」
そこから放たれたのはビナーを葬った赤血操術最強の技。その名も――
「……ッッ!?」
ネルはギリギリで回避することに成功……
……しなかった。
「思ったより痛ぇし、吐き気もするな……」
大ダメージこそ免れたが、血彗はネルの頬を掠めている。そのため、ネルの体内には毒が入っているだろう。
「俺の血には毒性があってな、酷いと2・3日続くヤバめの風邪みたいになるかもだから気を付けろよ。」
「そういうのは早く言えや!!……つうか、校舎貫いてどうすんだよ……」
「…………あっ」
ネルのはるか後方にあるミレニアムの校舎の一室は、血彗を受けてぽっかりと風穴が空いていた。
「あそこって何の部屋……?学校のセキュリティに関わる部屋とかだったらヤバいぞ……」
「確か………あそこはヴェリタスの部室だったか?」
ネルが言うには血彗で風穴が空いた部屋はヴェリタスという部活の部室だったらしい。
「もしかして……ヤバイ?」
「ヤバイなんてもんじゃねぇ……死ぬぜアンタ。」
(ヴェリタスってそんなにヤバい人だらけなのか?)
そんなことを話していると向こうから車いすに乗った誰かが現れた……誰?
「あなた方、少し暴れすぎでは……?」
「ゲッ、ヒマリ……!!」
ネルの反応を見る限り、彼女の名前はヒマリらしい。
「えっと……何の用で?」
「……あなた方が風穴を開けた我々の部室についてなのですが……」
「言っとくけど、風穴開けたのはあたしじゃなくてコイツだからな!!」
悲報:ネルに売られた。
「いや、俺一人かよ!?最初に勝負仕掛けて来たのそっちだっただろ!?」
「うるせぇ!!風穴開けたのがあたしじゃねぇってのは事実だろ!!」
「……かの武田〇玄は甲州法度之次第でこう言っていたぞ。喧嘩両成敗だと……!!」
「都合がいい時だけ武〇信玄の言葉を持ってくんな!!」
「は?」
「あ゛?」
「あの……超天才清楚系病弱美少女ハッカーである私を無視して喧嘩しようとするのやめてもらっても……」
「おばあちゃんは一旦黙っててくれ!!」
「おっ……おばあちゃん……?」
「あっ、やべっ……」
あっ……つい口を滑らせて言ってしまった。
「ハハハッ……ヒマリの奴がおばあちゃんwwwww ……ってお前、それは流石にやめ……wwww」
ネルに至っては謎にツボっている。だが、ヒマリの顔には青筋が浮かんでいた……
「……脹相さん、でしたよね?」
「アッ、ハイ。」
「誰がおばあちゃんなんですか?」
「エット、ダレデショウネー……」
「……女の人の年齢をネタにしてはいけないと知らなかったのですか?」
いや、そこかよ!?ヒマリのことをおばあちゃんって呼んだことじゃないんかい!!
「ソノ……スミマセンデシタ……」
「それと……部室の片づけは手伝ってもらいますよ。」
後ろを振り返るとネルはバレないようにその場を去ろうとしていた。さてはアイツ、全責任を俺に押し付けて逃げるつもりだな……
「おばあ……じゃなくてヒマリ。ネルは帰ってもいいのか?」
「……そんなわけないじゃないですか。勿論、彼女にも残ってもらいますよ。」
「チッ……」
(舌打ちした……怖!?)
ネルは逃走を邪魔されたせいなのか不機嫌になっていた……
・
・
・
・
・
あれから1時間後、片付けが終わったので俺は再びエンジニア部の部室を訪れていた。これにはとある理由がある。それは――
「ウタハ……お前さ、ルィ・バン/ジング・バンに自爆機能取り付けただろ……?」
「確かに付けたが……何か問題が?」
(おい、ちょっと待て……本当に自爆機能付いてたのかよ!?片づけ中にヒマリからウタハは何にでも自爆機能を付けようとするとは聞いてたけど流石に本当だとは思ってなかったよ……)
……というか、自爆機能とかいう物騒なものが付いてたらまともに使えないんだが!?
「頼むから外してくれ、ヘイローが無い人間は爆発に巻き込まれたら普通に死ねるから!!」
「でも、自爆はロマンだろう?」
「確かに爆発がロマンだってのは認める。」
「なら、どうして……」
「『それはそれ、これはこれ』ってやつだよ。」
しばらくやり取りをした末、最終的にウタハはしぶしぶ自爆機能を外してくれた……
「ありがとう、ウタハ。」
「修理が必要になった時は遠慮なく頼ってくれ。」
「ああ、またな。」
ちなみにウタハによると、近接武器を作る良い練習になったらしく、代金は無料にしてくれた。
(このクォリティで無料は申し訳ないな……)
そう思いながらも俺はミレニアムを後にした。
別件執筆が終わったので戻ってきました!!
良かったらそちらも読んでいただけると嬉しいです!!
URL
https://syosetu.org/novel/410220/
あと、次回からついに2年生編に突入します。
アヤメの強化について
-
やってくれ、必要だろ
-
無くていいかな……