脹相転生inキヴォトス   作:西中の虎の兄

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【祝】日間ランキング入り(38位(8月6日、午前時点))

お気に入り登録、評価、感想、アンケートへの投票ありがとうございます!!
今回、ついに念願の日間ランキング入りを果たすことができました。
これを糧にこれからも頑張っていきますので、引き続きどうぞよろしくお願いします。

今回はユメ先輩パートで試験的に今までと違う書き方をしています。
この書き方をするのは初めてなので駄文かもしれませんが大目に見てください……

―追記―
10話を見返したら脹相はユメ先輩をユメさん呼びしていたことに書き終わったあとい気付いて修正したんですけど、もしかするとユメ先輩のままになってしまっているところがあるかもしれません。もしあれば、誤字報告していただけるとありがたいです……


ウソだろユメ先輩……

あの最高に狂った日から数日後、俺はシャドウとしてブラックマーケットに来ていた。

 

(それにしても、あの時はヤバかったよなぁ……もっと鍛錬が必要かな?)

 

そんなことを考えながら歩いていると居酒屋と思わしき建物に辿り着いた。

 

『フッ、酒場か。久しく忘れていたな……この闇とアルコール、そして人間どもの気障(きざ)な虚勢が織りなす退廃的な狂宴の匂いを。」

 

(キヴォトスに来てからバーなんて見かけなかったからな……)

 

そう、キヴォトスは学園都市。ほとんどの住人が生徒、未成年であるために酒を置いている店なんてあんまりないのである。

 

取り敢えず、キヴォトスのバーがどうなってるのか気になるので入店してみることにした。

 

(シャドウで来てるとは言え、酒飲むのはあれだしノンアルコールカクテルでも頼んどくか……)

 

そう思いながら店の中に入り、辺りを見渡すと何処かであったことがある人がいた。

 

(確か……あの人ってアビドスのユメさんだっけ?なんでバーにいるの!?)

 

俺はユメさんに気付かれないように二階の席に座った。

 

(折角だし、ちょっと話してみるか……)

 

 

 

 

 

 

 

 

―ユメ先輩side―

 

……私は役に立たずだ。誰かを守ることも手助けすることもできない。あの日だって――

 

『貴方がここで死んだらアビドスはどうなるんですか!?それに貴方には貴方のことを大切に思ってくれている後輩がいるでしょう!!』 

 

『帰ったらホシノとちゃんと仲直りして下さいね……』

 

私が弱かったから、何も出来なかったから脹相くんは死んだ。

 

(そういえば、あの日からホシノちゃんもかなり変わったよね……)

 

昔のような攻撃的な言動は鳴りを潜め、かなり丸くなった。そして、今では彼女は後輩たちと一緒に学校を守ろうと頑張っている。

 

(それに比べたら私なんて……)

 

ホシノちゃんみたいに強くないもないし、賢くもない。そう、私がいるから人は死に、傷ついてしまう。だからこそ、私は彼女たちの邪魔にならないように距離を置いた……

 

もし、あの時にあの場所に居たのがホシノちゃんだったら脹相くんは死なずに済んだのだろうか。そんなことを思いながら、私はカクテルに手を伸ばす。

 

『ユメ先輩、お酒なんてやめましょうよ……』

 

もう遠いところに行ってしまって届かないけれど、かつてホシノちゃんはいつもそう言って私のことを心配してくれた。だけど、今ではもうアルコールに頼らないと、いつもの“自分”でいられない。

 

少し前までは嗜む程度だった筈なのに、気づけばどこへ行くにもスキットルを持ち歩くようになっていた。

 

そんなことを考えていると、目の前に頼んだ覚えのないカクテルが置かれた。

 

「えっと……私まだ頼んでないんだけど……」

 

「上の男の人からです、黒い外套に仮面を付けた……お手頃なものをと。」 

 

店員は言う。後ろの二階席に目をやると、金色の装飾を施された漆黒のボディスーツをまとい、その上からマントとフードをかぶった男が座っていた。

 

「あ、ありがとう……」

 

そう言って私はその男の方へと向かった……

 

 

 

 

 

 

 

 

『フッ、よく来たな……』

 

「えっと、貴方は……?」

 

『我が名はシャドウ。陰に潜み、影を狩る者……』

 

取り敢えず、ここは誰が見ているか分からないので正体を明かすのは止めておこう、そう思い俺はシャドウとして自己紹介する。

 

『貴様には何か悩みがあるように見える、私で良ければ相談に乗ろう……』

 

「……」

 

(警戒してるな……って、そりゃそうか。正体不明の人間に酒奢られてそんなこと言われたら誰でも警戒するよね……)

 

『……そう警戒するな。私はただちっぽけな戯言を交わしたいだけだ……』

 

「そうなの……?」

 

ユメさんは少しの間何かを考えているように見えたが、暫くして話始めた。

 

「……長くなるけどいいかな?――」

 

 

 

 

 

 

「――っていうことがあったの。」

 

あれから1時間くらいしてようやく、話が終わった。取り敢えず、ユメさんが話していたことを軽く要約しよう。

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

まず、ビナー戦までの経緯は当たり前だが、俺の知っていた通りだった。ちなみにあの時は余裕がなくて確認できなかったが、ユメ先輩は砂漠をさまよった末にホシノに無事保護されていたらしい。今生きている以上、十中八九そうだろうとは思っていた。問題はその後だ。

 

そう、ユメさんは俺が死んでいると思っているのである。

 

そう、ユメさんは俺が死んでいると思っているのである。*1

 

何故こうなったかって……?

 

恐らく、携帯がぶっ壊れて電話番号などが変わったことで連絡先が全リセットされてしまっていたが故にすぐに生存報告できなかったからである。

 

(SIMカードが無事なら大丈夫と思っただろ?それがね――)

 

あのクソ蛇の熱戦で携帯溶けた時にSIMも一緒に溶けてたからどうしようもなかったんだよ……

 

ちなみに、そういうことがあったので2代目スマホには黒服に頼んで超耐熱機能を付けて貰っている。やはり黒服……!!黒服は全てを解決する……!!

 

一応、春休みにアビドスに顔を出しに行ったことのだが、その時はユメ先輩は不在でホシノ(と十六夜ノノミというアビドスの新入生)しかいなかった。彼女のほうから連絡してくれるとは言っていたが上手くいかなったのだろうか……?

 

(できれば今すぐにでも正体を明かしたいところなんだけど……)

 

ここはブラックマーケット、誰が見ているか分からないこの状況で迂闊に正体を明かすなんてことは出来ないのだ。

 

それともう一つ、重要なことがある。それは――

 

俺が知らない間にユメさんがアル中になっていたことだ。

 

俺が知らない間にユメさんがアル中になっていたことだ。*2

 

明らかに放たれるオーラがお人好しからぶっきらぼうへと変貌を遂げている。

 

(これは酒のせいなのか報連相を怠った俺のせいなのか……)

 

なんか、ユメさんが完全にどこぞのカラスに変身できる大鎌使いの叔父さんみたいになってしまっている気がするんだが、絶対気のせいじゃないだろう。

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

――というのが俺の感想を含めたうえでのユメさんの話だ。

 

『フッ……貴様の言いたいことは大体わかった。』

 

今は正体を明かすわけにはいかないので、取り敢えず生存していることだけを示唆する作戦に出ることにした。

 

『……それが貴様の選択か?』

 

「……え?」

 

『ククク、浅はかだな。貴様が見ているその世界は、誰かが描いた薄っぺらな絵空事にすぎん。自らの足で闇を踏みしめ、深淵の底を覗いた者でなければ真実の欠片すら掴むことはできぬ!!』

 

「もしかして、脹相くんは生きてるの……?」

 

『……ククク、愚問だな。知りたいか?だが、それを知るということは――貴様がまだ踏み込んではならない「深淵の領域」に足を踏み入れることを意味する。……私には、お前をその底なしの闇へ誘う義務も、慈悲も持ち合わせてはいない。』

 

『それに言ったはずだ。その眼で直接確かめろ、とな……』

 

「自分の……目で……?」

 

ユメ先輩が何かに気付きそうなので俺はここらで離脱するとしよう。これ以上ここにいると何時ボロが出るか分からないし……

 

『……夜明けの時は近い。また会おう……』

 

「ありがとう、シャドウ……ううん、シャドウ様……」

 

俺は別れの言葉を告げてその場を離れた。最後に何か聞こえた気がするが、まあ気のせいだろう……

 

 

 

 

 

 

 

 

―ユメ先輩side―

 

私は音信不通だからという理由でずっと脹相くんは死んだと思っていた。

 

(でも、きっと脹相くんは何か理由があって連絡できなかっただけで生きてるんだよね……?)

 

シャドウ様は何もかも諦めた私を導き、希望を与えてくれた。だから、私は避け続けてきた全てに向き合わなければならないと実感した……

 

(……行かなきゃ、アビドスに。謝るんだ、ホシノちゃんに……!!何も言わず、卒業後すぐに去ってしまったことを、差し伸べてくれた手を拒絶したことを謝らなきゃ……!!)

 

そう思い、アビドスに向けて歩み出した私の後ろに誰かが立っていた。私が後ろを振り返るとそこに居たのは――

 

「すみません、携帯が溶けちゃってずっと連絡できなくて……」

 

――脹相くんだった。

 

気付けば、涙が溢れ出していた。涙なんてもう枯れて出ないと思っていたのに……

 

「……心配かけてすみませんでした」

 

この時、私の中で止まっていた大切な何かが再び動き始めた。

 

「……生きててくれて……ありがとう」

 

*1
大事なことなので2回言いました

*2
大事なことなので2回言いました(本日二度目)





―補足―
ユメ先輩にホシノの連絡が上手く行かなかったのは心が折れて何もかも諦めたユメ先輩がアビドスを拒絶して着拒していたからです。ちなみにシロコに関しては回想という形で何処かで挟もうと考えているので今回は触れないでおきました。


――というわけで「ここのユメ先輩はヤバい(当社比)」というのは何処ぞのカラスに変身する叔父さん並のアル中になってしまっていたこと、そして脹相(シャドウの姿)に脳を焼かれて何処ぞの元聖女の狂信者みたいになってしまったことについてでした。

そして、次回のアキラ回が終わったらついにアヤメ曇らせを開始します……
お楽しみに!!

0.5周年記念どうする?(2年生編完結後になります)

  • ピクシブ百科事典風「脹相」
  • 呪術廻戦原作に転移した脹相(桜島結界)
  • 呪術廻戦≡原作に転移した脹相(武田戦)
  • 脹相in敵味方クラフト
  • ナグサの出番もっと増やして……
  • 本編優先ッッ!!
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