脹相転生inキヴォトス 作:西中の虎の兄
それと、前回の話を書く上で「Dive into OCEAN!」を全部見てきたんですが、結局ダイビング部はSRTなのかそうじゃないのか……
前話でオデュッセイア生4名も拉致された的なことを書いたのはどっちに転んでも問題ないようにって意味が強いです。
あと、前回2分割って言ったんですけど3分割になりそうです……
『……単刀直入に言います。SRTの情報を護守ナナミに売り渡したのは……
「……は?」
(どういうことだ……?なんでカンナさんが……)
『何度も言わせないでください。尾刃さんが――』
「……聞こえてんだよ、だから『は?』つったんだ」
『ですが、ヴァルキューレ内部からオデュッセイアへの発信が確認された時間帯、彼女が電話をしている様子が監視カメラに……』
確かに違和感はあった。何故、カンナさんは容疑者として監原ミスズの名前を挙げたのか。何故、監原ミスズの拘束を部下に任せず、自ら赴こうとしたのか。何故、船で移動した俺よりもヘリで移動しているはずのカンナさんの方が到着が遅く、未だに合流出来ていないのか……
(今思い返してみれば気付けたはずだ……!!なんで気づけなかった……?)
その答えはただ一つ……
「……疑いたくなかったからか」
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
―カンナside 同刻、ゴールデン・フリース号にて―
「まずはお主を祝おう……褒めて遣わす」
「……祝う?皮肉か何かか?」
「ふっ、そうではない。少し前に密井キョウコを逮捕しただろう?その祝いだ――」
そんなことを話していると、数々の料理とワインが運ばれてくる。ナナミが言うには、ここはゴールデン・フリース号内のVIP室らしく、Sランクの権利を持っていないと利用することができないらしい。
「それにしてもな、もっと早くこちらに来ればよかったものを……」
「悪いな。捜査の目を監原ミスズに向けさせる細工に手間取ってな……本当は手土産を持ってくるつもりだったんだが」
「……手土産?」
その言葉に、ナナミは気になったのかワインを口に運ぶ手を止めた。
「もう少し監原ミスズの拘束が長引けば、オデュッセイアと公安局の合同捜査になっていたはずだ。そうなればアイランドの艦長を土産にできたんだが、予想以上に早く終わってしまった。」
「……まあよい。今の余は機嫌がよいのでな」
「そうか、余程いいことがあったみたいだな」
「お蔭様で忌々しいSRTの連中を8人も捕らえられたのだからな」
そう言ってナナミは部下に指示を出し、何かを持って来させた。
「せっかくだ、褒美をやろう。これがお主の新しいスマホだ」
「……ああ。それで本命のアレは用意してあるのか?」
「勿論、用意しているとも!!有難く受け取るがいい」
カンナがネットバンキングアプリを開くと、そこには50億円が振り込まれていた。
(……それにしても、この金はどうやって手に入れたんだ?海賊行為で稼いだのか、それとも例のスポンサーが用意したのか……)
「……言い忘れていたが、お主にもSランクの権利を付与しておいた。これで余がいなくても、この船のサービスを最大限利用できるぞ」
「ははっ、至れり尽くせりだな。公安とは大違いだ」
「これだけしたのだから、そろそろ一つくらい情報を明かしてもらおうか。例えば――
・
・
・
・
・
・
・
―脹相side―
カンナさんの裏切りが発覚してから数時間後、俺はオリュンポス号に戻って来ていた。あの後、念のため監原ミスズの取り調べを行っておいたのだが……
「まさか、あの監原ミスズの行動もカンナさんの助言だったとはな」
『つまり、これは全て彼女の計画の内だったということになりますね。まさか、超天才清楚系病弱美少女ハッカーである私が騙されるとは……』
それと、これについては電話でカヤとも共有済みだ。だが――
《先程の電話中の映像データを解析してみたんだけど……これを見て欲しい》
・
・
・
「今回の事件についてですが、監原ミスズは犯人ではありませんでした」
『そうですか……では、誰が?』
「拉致を実行させたのは……尾刃カンナです」
『………………尾刃さんが!?』
・
・
・
《まず、表情についてなんだけど……表情の変化がほとんどなかったんだ。》
『普通、人間というものは想定外のことが起きれば驚くはずですからね……』
「つまり、カヤはカンナの裏切りを事前に知っていた?」
《恐らくはね。それに、2つ目に至っては変化のタイミングが不自然なほどに遅く……》
「ああ、確かにあれは演技だろうな」
取り敢えず、大根役者すぎるカヤにツッコみたくはなるが、それは置いておいて……
「……ってことは、カヤもまた協力者かもしれないってことでいいんだよな?」
『恐らくは……』
「じゃあ、予定変更だ。急遽ではあるが、一旦DUに戻る――」
・
・
・
・
・
・
・
―カンナside―
「何を聞くかと思えば……カイザーコーポレーション?」
「そうだが、何か問題でもあるのか?」
「いや、ただ気になっただけだ。何故、海を拠点にするお前がカイザーのことを気にしているのかがな」
「それほど気になるか?」
「そうだな……それにお前、公安局の中にまでスパイを送り込んでいるんじゃないか?」
「……どうだろうな。だが、それは余のパトロンがやったことだ。だから、余は知らん」
「そうか、まあいい。なら、こちらもカイザーの目的について話そう。何故、カイザーはアビドス砂漠に多大な土地を持っているのか知っているか?」
「さあ?軍需工場でも建てるつもりなのだろう?」
「違う。まあ、部分的にはあっているのかもしれないが、それは本質じゃない。」
「……何?あのような砂漠に何があるというのだ!?」
「アビドス砂漠には……恐らく、世界を変えられる力を持つ宝が埋まっている」
「た、宝だと!?カイザーはそれを何に使うつもりなのだ!?」
「……悪いが、それ以上は答えられん。もし、全部情報を教えてしまったら、お前達は用済みになった私を殺すだろう?だから、それは保険として残しておく」
・
・
・
・
・
・
・
―脹相side―
船に乗ること約3時間。俺はDUに戻って来ていた。勿論、その目的はカヤとの接触だ。
「ヒマリ、AIチーちゃんに頼んで、オデュッセイアから電話が来ているように見せかけたフェイク動画を作って、そのまま電話をかけておいてくれ」
『つまり、陸に戻ってきたことをカヤ防衛室長には黙っておく……ということですね?』
「ああ、そういうことだ。出来れば内密に頼む」
『分かりました。後は任せてください』
俺はヒマリとの通話を終え、シャドウに変装する。
(カヤに会う前にまずは公安局内部について調べないとな……)
・
・
・
・
・
暫く歩き、俺はとある場所に到着する。
(確か、さっきヒマリがゼロツーって名乗る子を介して届けてくれたツールを使えば……)
……カチャ
(おっ、開いた。このマンションのセキュリティガバガバだな……)
できれば中にいる人物に気づかれないよう、足音を殺してそっと室内へ入っていく。ちなみに室内はゴミ屋敷かと思うぐらい汚く……
(部屋に鍵ぐらいかけろよ……侵入者の俺が言えたことじゃないけど)
「なんでっ、なんでカンナの姉御が裏切り者なんすか!!あの人に限って裏切るはずが……」
『ククク、受け入れろ。それが真実なのだから――』
「そっ、そうっすよね?誰かは分かんないっすけど……って、え?」
『……』
「……」
「……えええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?シャドウ!?なんでここにシャドウが居るんすか!?おかしいっすよ!!」
『フッ、可笑しいだと……?』
そう言いながら俺は仮面と外套を外す。
「だって、セキュリティガバガバなんだもん」
「……えええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?シャドウの正体はちょッムグッ……」
「デカい声でそんなことを叫ばないでくれ……バレると色々面倒なんだよ」
「わ、分かったっす……」
・
・
・
「……つまり、姉御が潜入なのかそうじゃないのかはまだ判断できないってことっすね?」
「ああ、そこでお前の出番ってわけだ。俺は一応まだオデュッセイアに残っていることになってるから、堂々とヴァルキューレの内部に入ることはできないんだ」
そう言って俺は一つの装置をコノカに渡す。
「……これはなんすか?」
「ヒマリの使いっ走りであるゼロツーさんによれば、これは盗聴器を探す装置らしい」
「ぜろつーさん?150番目のポケモンみたいな名前っすね」
「……それはミュウツー」
「じゃあ、ゼロワンの最終フォームっすか?」
「……それは仮面ライダーゼロツー」
取り敢えず、このままだとキリが無さそうなので一旦置いておこう……
「……任せたぞ、コノカ」
「勿論!!あたしに任せろっす!!」
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
―カンナside―
「……ところで、SRTの奴らはどんな感じだ?」
「最初に捕らえたFOX小隊、あいつは思った以上に手強かったようでな……配下の話では、つい加減を誤って痛めつけすぎてしまったらしい――」
・
・
・
―オトギside―
「ほら、さっさと歩け!!」
「……っ!!」
海賊に捕まり、連れてこられたのは薄暗い船の貨物室だった。そこにいたのは――
「はははっ、お仲間がお出迎えしてくれてるぜ?よかったなぁ……オトギちゃん?」
長い間拷問を受け続けてきた仲間たちだった。長い間、まともな食事を与えられていなかったのか、ひどく痩せこけていた。
「ほむ……これはひどい……」
(……誰か来た!?)
誰かがやって来た方へ振り向くと、そこには黒い服を着た、ブロンドのふわふわした長い髪の少女が立っていた。
「……誰?」
「私ですか……?そうですね……残念ですが、あなたのような狐に教えるつもりなんて全くありませんよ――」
・
・
・
・
・
・
・
・
・
―脹相side―
『コノカさんに公安局内部の盗聴器発見器を用いて調査していただいたところ、公安局内部に50を超える盗聴器及び盗撮カメラが見つかりました』
「……多すぎじゃないか?」
『ええ、私もそう思って調べてみたのですが……』
《ヒマリの言う通り、驚くべき事実が判明したんだ》
「どういうことだ……?」
《盗聴器と盗撮カメラが見つかったのは、公安局内の監視カメラと同じ場所だったんだ》
『……だから、きっと監視カメラの中に盗聴器が仕掛けられているんでしょうね』
《私もそう仮説を立てて調べてみたら、やっぱり監視カメラにはどこか違和感があったんだよ》
『……カメラを固定している留め具のネジが少し大きい、ですよね?』
《うん、その通りだ。そこでコノカさんに頼んでメンテナンスという口実でカメラを外してもらったんだ》
AIチーちゃんは続けて言う。
《そのネジをエージェントに調べてもらったところ、ネジの内部に盗撮カメラが仕込まれていたことが判明した》
「成程な……つまり、公安局は常に護守ナナミの監視下にあったと?」
《そういうこと》
だが、妙に引っ掛かる。何故、一海賊でしかない護守ナナミが公安局にカメラを設置できたのか。
(考えられるとすれば、奴にスポンサーがついていて、そいつがやったという可能性か……)
どちらにせよ、カヤ本人に事情を聞いた方が早いだろう。だが、今の俺はカヤに会えるような状態にない。……であれば――
・
・
・
・
・
「カヤ防衛室長、申し訳ないんすけど……相談に乗ってもらえないっすかね?」
そう、これまたコノカを利用するのだ。
「別に構いませんが……ここで話すのは少し……」
「それなら、ウチに来て欲しいっす!!」
「分かりました。では――」
『フッ、よく来てくれたな……不知火カヤ』
「あなたは……シャドウ!!まさか……」
『ああ――』
警戒するカヤを横目に、俺はそっと仮面を外した。
「久しぶりですね、カヤ防衛室長」
「貴方はっ……脹っ――」
「こんな形で接触することになってすみません。できれば、敵に俺の動きを悟られたくなく……」
「それは構わないのですが……用件は?」
「……場所を変えましょう。相手は想像以上のやり手ですから、何処で聞いているか分かりません。」
そう言って、俺はカヤを黒塗りの車に案内する。そこには念のため、黒衣を着てもらったゼロツーさんが立っていた。ヒマリの指示で、もしカヤが内通者だった場合に備えて麻酔を打つことになっており、今まさにゼロツーさんがカヤに麻酔を投与して眠らせているようだ。
「もしかしてっすけど、あの人がゼロツーさんっすか?」
「ああ、そうだ……」
「あの人の本名とか知らないんすか……?」
「ああ、知らん。分かるのはミレニアムのエージェントだってこととコールサインゼロツーなのと凄腕のスナイパーだってことぐらいだな……」
「そうなんすか……」
少し前にネルがC&Cというエージェント部隊が作られたと言っていたのだが、それと関係しているのだろうか……?
(これに関しても、ブルアカやってなかったからマジで分からん……)
「それと関係ないんすけど……兄貴とカンナの姉御の馴れ初めが気になってたんすよね!!教えてもらえたり……?」
「馴れ初めって……全然そんなんじゃないからな!?」
「それはもちろん分かってるっすよ!!」
「そ、そうか……あれは確か、半年前のこと――」
・
・
・
ある日、俺はとある焼き鳥屋に足を運んだ。もちろん、その理由は初めてトリニティに行った時と同じく、ナグサにカツアゲされたからだが……
「ご注文は?」
「焼き鳥5本。テイクアウトで」
俺はこのまま焼き鳥を買って帰るつもりだったのだが――
「すみません、ちょうど今終わってしまって……本当に申し訳ありません!!」
俺の前に並んでいた人で焼き鳥が売り切れてしまったらしく、結局買えずに帰る――
「……悪いな、私が全部食べてしまった。だが、まだ1本残っているから、よかったらどうだ?」
そう、これが俺とカンナさんの出会いだった。
「えっ、いや、大丈夫ですよ……」
「そうか……すまない」
俺は足早に店を去ろうとした。だが――
「……待て。お前、確か……百鬼夜行の鬼神、脹相だろう?」
「……っ!!」
「待て待て、そんなに警戒するな。私はヴァルキューレ公安局2年、尾刃カンナだ。」
「公安局……って言ったら、コノカが居る所か?」
「ああ、そうだ。……まるで木から落ちた林檎が地面と惹かれ逢うが如く、あらゆる事件に居合わせ、命をかけて戦ってくれたと聞いた。そのお礼と言うのも変だが、一杯おごらせてくれ」
「あっ、ありがとうございます……」
・
・
・
「――って感じだ」
「そうだったんすね……」
そんなことを話している間に準備が完了したのか、出発のサインが出たので俺達も車に乗り、ミレニアムのとある部屋へと向かった。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
「お疲れ様です、カリン。もう貴方は下がって構いません」
「……了解。」
そう言うと、ゼロツーさん改めカリンは部屋を出て行った。そうこうしているうちに、ミレニアムのとある部屋へとたどり着いた。
「ここは……?」
『お目覚めのようですね、カヤ防衛室長。』
「あなたは、明星ヒマリ……一体なんのようですか……?」
『私がお聞きしたいことは二つ。一つ目は公安局内に仕掛けられた盗聴器についてです。』
「……っ!!」
(図星って感じの表情……これが、連邦生徒会長に次ぐ超人を名乗る女の表情なのか……?)
一件、有能の皮を被ったポンコツに見えた気がするのだが、まあそれはスルーしよう。
《今の表情からして、不知火カヤは盗聴器について知っていたと見て間違いないよ》
「……!?」
《驚くのも無理はないよね。私はAIチーちゃん、スーパーコンピューター級の性能を持つスーパーAIだよ》
『……チーちゃん、今は勝手な発言は認めていません』
《ご、ごめん……》
ちょっとチーちゃんが可哀想に感じるが、これも一旦スルーしよう。
『……話を戻します。もう一つは、貴方が尾刃カンナの裏切りを事前に知っていたのではないか?ということです』
「……」
『答えて下さい。これにはキヴォトスの命運がかかっています』
ヒマリの言葉を聞いたカヤは暫くの間黙り込んだ。そして、少ししてカヤは口を開き――
「……ここでの会話が外に漏れることはないのですね?」
『ええ、ここにはチーちゃんを除いてあらゆる電子機器は存在しません。勿論、この部屋は外部からの電波も遮断します』
(うわぁ、なんかすごい部屋だな。なんか拷問部屋にできそう……*1 )
「……分かりました。では、話しましょう……」
カヤはそう言うと、ひと呼吸おいて話し始めた。
「……カンナさんも私も裏切ったわけではありません」
『……というと?』
「現在、彼女は潜入捜査の任についています」
……というわけで、サブタイの「衒いなくtell a lie」というのはカンナさんに対してでした。裏切者のカンナさんなんていなかったんだ……!!
―オマケ~なんか様子のおかしい陸八魔アル?~―
アル?「お前ら全員地獄に落ちやがれぇぇぇぇ!!WRYYYYYYYYYYーーーーッ!!」
ムツキ「あははっ、アルちゃんがおかしくなっちゃった♪」
アル?「私の名を言ってみろ!!!!大暗黒異端アウトローアル様だろうがあああ!!!!」
ハルカ「ア、アル様ァァァァァァ!?」
カヨコ「次回、開海『海が割れる日』……」
アル?「WRYYYYYYYYYYーーーーッ!!」
カヨコ「……もう、わけがわからないよ」
以上、駄文でした。元ネタはカゲマスの魔人化イータです(中の人が一緒)
またかと思われる方もいるかもしれませんが、本当に申し訳ありません……ここ数日、寝不足のせいか体調を崩してしまい、2週間ほどお休みをいただきます。特に問題がなければ、10月初めには戻れる予定です。恐らく、その時には週一投稿から通常投稿に戻れると思われます。
2週間休みってところまでVIVANTリスペクトかよ、という自虐はさておき、胸糞悪い展開の続く終わり方になってしまいましたが、最終的にはハッピーエンドになります。なので、安心して待っていてもらえると嬉しいです。
本当は前回を紅魔郷Newclassicの発売記念回にしたかったのですが、執筆が間に合わず、やむなくその後に出す予定だった書き溜めを公開しました。そのため、現在のシリーズが終わるまでは出せず、結果として紅魔郷記念回は1ヶ月遅れでの登場となります……
またしてもこのような事態となり申し訳ありませんが、これからも頑張ってまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
通常投稿復帰後の投稿時間はいつがいいですか?
-
17:30(少し早めに)
-
18:00(今までどおりに)
-
18:30(大体真ん中ぐらいで)
-
19:00(週一投稿と同じ)
-
19:30(少し遅めに)