ここ最近ずっと別班儀礼曲聞いてる……
俺(とモリア)はアヤメとコクリコを追って、山海経へと向かったのだが……
「そういえば、モリアは今は何を?」
「私か?今は風紀委員をやっているが……」
そう、敵*1を追うためとは言え、風紀委員が他校の自治区まで遠征するのは良くないのだ。というわけなので――
「玄龍門にお前の加担がバレるとマズい、別の服に着替えてマスクしろ。それとこれからの名前はルルカで」
「えっ、ルルカ……!?」
モリア改めルルカは一瞬戸惑ったような顔をしたが、すぐに理解したような表情に変わった。*2
ちなみに今、俺とモリアはさっきセナからパクっ……じゃなくて借りた救急医学部の車で移動している。*3こうしておけば、救助という名目で自由に山海経の自治区内を行き来できる。まあ、アヤメを救うという意味ではある意味間違いじゃないのだが――
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あれから何時間くらい移動しただろうか。既に辺りは暗くなり、見通しが悪くなっていた。
「ちょっと、そこの車止まって下さーい!!」
俺とモリアの乗った車は誰かに止められる。どうやら、俺達を止めたのはヴァルキューレの山海経支部らしい。
(まあ、ゲヘナの校章がついた車に乗ってたら怪しまれるよね……)
あれ?ヴァルキューレならモリアの正体明かしてもカンナさんとの繋がりあるし大丈夫なんじゃ?と思う人もいるだろう。だが、あくまでモリアはカンナの個人的な部下エージェントにすぎず、ヴァルキューレが公式に雇っているわけではない。なので、バレたら即しょっ引かれるのである。
「えっと、脹相さんと……そちらの方は?」
「ああ、コイツはゲヘナ救急医学部のルルカ。俺達は今、山海経で遭難した百鬼夜行生の救助に向かおうとしてたんだ」
「念のため、学生証を拝見しても?」
「構わん。おい、ルルカ――」
だが、ルルカ――モリアは反応しない。恐らく、今の自分がルルカだということを忘れているのだ。俺はモリアの足を軽く蹴り、お前のことだ、と促す。
(勿論、こうなることを見越して事前にヒマリにデータの改竄を行わせてるからな。バレることはないだろ)
案の定、ヴァルキューレはルルカの学生証を本物だと判断し、通行を許可した。俺とモリアはコクリコが最後に目撃されたという竹林へと向かった――
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あれから1時間後、俺とモリアはついに件の竹林に到着した。
「ここまでありがとう、モリア。ここからは俺一人で大丈夫だ」
「ああ。だが、抜かるなよ?」
モリアが宿泊先の旅館へと向かうのを見送ったあと、俺は山を登った。
「……やっぱり来るんだ」
「その言い方だとまるで事前に知ってたみたいな言い方だな」
「だって、この目で見たからね」
(この目で見た?まさか、セイアのような予知能力を……)
だが、今はそんな話をしに来たんじゃない。
「……アヤメ」
「――何?」
「かつて、ある男がこう言ったそうだ。『憧れは理解から最も遠い感情だ』と。」
「……は?」
「そうだよ、俺はお前に憧れてた。ずっと、お前のような人間になりたいと……本気でそう思っていた」
だが、俺は気づくことができなかったのだ。アヤメが本心では、誰からも頼られ、尊敬されることの重圧に耐えられなくなっていたなんて。
「だから、お前はずっと独りだった。絶対的な強者、それ故の孤独……」
「……」
「俺は気づけなかった。お前が俺を副委員長に据えようとしたのがヘルプサインだったなんて――」
俺は間を空けずに続けて言う。
「――そして、とある男はこう言った、『憧れるのをやめましょう、憧れてしまったら越えられない』と。」
「脹相、あんたは何が言いたいのっ!!」
アヤメがずっと抑えていたであろう感情を爆発させて言う。
「……俺には覚悟が足りなかった。百花繚乱に向き合う覚悟がな」
だからこそ――
「ははっ、継承戦だ、アヤメ!!俺はお前に、百花繚乱の委員長の座を懸けた継承戦を挑む!!」
「そう、なら死んで――!!」
アヤメがその言葉を言うと同時に弾丸が俺の頭を目掛けて放たれる。俺はそれを落花の情を発動することで迎撃する。
「――面倒な技だね」
「……褒め言葉として受け取っておく」
俺はアヤメが銃に銃弾を込めている隙に赫鱗躍動・載を発動し、一気に距離を詰める。だが――
「忘れたの?近接でも私の方が強いってこと」
アヤメは銃弾を込めるのを中断し、こちらへと強烈な卍蹴りを放つ。しかし、それは――
「残念だったな、血星磊・盾」
血で作られた盾により、防がれた。
血星磊・盾。血星磊を盾状に生成して攻撃を防ぐ盾にする技。だが、その真髄は――
「かつて紅白の破壊神が言っていた言葉を送ろう。『盾は鈍器、盾は殴る為にある』!!」
「……っ!!」
――その圧倒的攻撃性能にあるのだ。防御しながら殴れる、つまり一方的に攻撃できるというのが盾の圧倒的な強みなのだ。
盾で殴打されたアヤメは大きく吹っ飛び、竹藪に突っ込む。
(このまま、一気に――!!)
俺はアヤメが吹っ飛んで行った方向に無数の斬撃――苅祓・解を放つ。それが当たれば、アヤメと言えども無事ではいられない。
――はずだった。
「……は?」
土煙が晴れると、そこには……一対の角を生やし、髪と服が緑に染まり、額には第三の眼が開いたアヤメの姿があった。
「……まるでワ―ハクタク、だな」
合点がいった。アヤメが未来を知っていたかのような反応をした理由、それは“白沢”という怪異が持つ未来視の力をアヤメが手に入れていたからだろう。
「気付いた?これが怪異の力。私は一夜にしてクズノハをも上回る力を手に入れたの――!!」
「紅華棘!!」
広範囲に張り巡らされた血の棘がアヤメを貫く――ことは無く、回避される。
(やっぱり駄目だな、結構簡単に避けられる。こりゃあ、雑魚専用だな……)
直後、振るわれたアヤメの拳が盾を貫通し、俺の顔面に突き刺さる……のと同時に俺の拳がアヤメの顔面に突き刺さる。その打撃は――
――黒い火花となり、炸裂した。
「……っ!!」
俺もアヤメも互いに負ったダメージは決して軽くはない。だが、ダメージの差は想定以上に大きかった。
怪異という一時的な力に頼ったこと、そして未来視の反動。そのすべてが、アヤメの目や鼻から流れる血によって物語られていた。
だが、それにより生まれた焦り。自身が負けるかもしれないという焦りが――
(この神秘の起こりは……!!まさかっ!!)
突如、空間が空間が変化し――
「落花の……」
――俺が落花の情を発動するよりも速く、全方位の触手攻撃が俺を襲った。
(クソっ!!領域展開か!?)
これに必中必殺が付与されているのかは分からないが……
「――紅華棘!!」
俺は内部から血の棘を生成し、触手を貫き破壊する。
「……へぇ、これのこと領域展開って言うんだ」
「流石は全知全能の瑞獣。そんなことも知ってるのか」
恐らく、この領域の本来の効果は白沢の能力を最大限解放するというものだろう。領域展開の直前、アヤメは掌印を結んでいなかった。そして多分、これは怪書を用いた外付けの領域展開なのだろう――
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―数週間前、セイア宅にて―
「これはね、あくまで私が見た予知夢の一部にしかすぎないのだが――領域展開について知っているかい?」
「ああ、領域展開は滅茶苦茶呪力を消費するが、利点もある。一つは環境要因によるステータスの上昇、所謂ゲームの「バフ」みたいなものだ。そして、もう一つは領域内で発動した術式、技が必中になることだ。」
「成程……だが、もしそんな技を敵に使われたらどうするんだい?」
「領域展開に対する対処法は大きく分けて3つ。一つは呪力で受ける。もう一つは簡易領域の展開だ。そして、最後の一つは――」
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「――領域展開!」
自身も領域を展開し、領域の押し合いに持ち込む、というものである。
ルルカの流れの元ネタはVIVANTのチョッキーのドンキーのやつです(何故、ルルカになったかは察して下さい……)
そして、次回は本編開始前最終回!!お楽しみに!!
※この下の後書きに31話のバッドエンドルート(閲覧注意)書いたので苦手な方は無視してください(念の為モザイク)
オトギは脹相達が救出作戦を実行する前に、ニヤニヤ教授側から過酷な拷問を受け、右手の指を少しずつすべて切断されてしまう。そして最期には、他のFOX小隊メンバーを脅すため、切腹に見立てて腹部と頸部を切り裂かれ殺されてしまう。そして、残りメンバー救助後、クルミが自分たちを拷問した上に、仲間であるオトギを殺した怒りから我を忘れてナナミを殺そうとする。それをユキノが止めて「いいか護守ナナミ。よく覚えておけ。私たち3人はお前のことは死ぬまで忘れない。整形して顔を変えようがどんなところに隠れようとも、例え天山の頂上に逃げ込んでも必ずSRTはお前の前に現れ、手と足すべての指を切り落とし、オトギの何倍も残忍なやり方で殺してやる。それまで楽しみに待ってろ!」って言うという最悪の展開を思いついてしまった……(先週のVIVANTを見て思いついた)
流石にこんな胸糞ルートIFはやりませんが……
【お気に入り登録数555・総合評価777直前記念】見たい外伝は?(本編がある程度進み次第始めます)
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脹相のキヴォトスグルメ(別シリーズ化)
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VALKYRIA(VIVANT風スト)
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カゲマス外典的な奴でアヤメ曇らせようぜ
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シャドウ様――!!(By ユメ)