アンケートの結果を見て、多くの方に満足していただける方法を模索した結果、お気に入り登録数555・総合評価777記念で書くのはカゲマス外典的アヤメ曇らせに決定しました!!
それと、キヴォトスグルメについては別作品化はしませんが、こちらで各章終了後のタイミングに定期的に投稿しようと思います。
残念ながら、今回は落選となったユメ目線でのシャドウを書いた『シャドウ様――!!(By ユメ)』とリューやカンナ、カイザーについて深堀りする『VALKYRIA(VIVANT風カンナ過去編)』については今は書きません。ですが、もしかしたらいつか書く時が来るかもしれないし、来ないかもしれません……
アヤメが気づいた時、目の前に広がっていたのは先ほどまで展開されていたアヤメの領域ではなく――
「――何なの、これ?」
――見慣れた百鬼夜行の自治区であった。
「行くぞ、アヤメ」
「……」
俺は百鬼夜行連合学院の校門の前で呆然と立ち尽くしていたアヤメに声をかける。
「これ、あんたの領域?」
「……がむしゃらにやった結果だからな、俺にも分からん。ただ、最後に少しだけ話しておきたかったんだ」
「……そう。勝手にして」
アヤメは渋々、俺と共に領域により具現化された百鬼夜行の街を周る。
「覚えてるか?百花繚乱に入ったあの日に行った焼き鳥屋だ。あの頃は金欠だったから、本当にヤバかったよなぁ……」
「……そんなに金欠だったっけ?」
「あの頃は今と違って高額な賞金首に手が届かなかったからな、割とすぐに貯金無くなってたんだよ」
「へぇ……」
次に俺とアヤメが向かったのは――
「ここって……」
「ああ、百夜堂だ。」
今まで、あまり行った事は無かったのだが、祭りの時に何回か言った覚えがある。
「……コーヒーでも飲むか?」
「それ、飲めるの?」
「さあな。領域のオブジェクトみたいなもんだが、味くらいは感じるんじゃないか?」
「じゃあ、やめとく」
「そうか……」
ちなみに、俺はここで飲むアイスコーヒー(勿論、ブラック)が好きだった。流石は一流の喫茶店とでも言うべきだろうか。かなり豆にもこだわってそうに思う。
それからしばらく歩き、俺達は百花繚乱の部室に辿り着いたのだが――
「……いい加減にして!!」
アヤメは何がしたいのか分からない俺に痺れを切らしたのか、強い口調で言う。
「……そうだな。なんとなく見せたいものは見せれたと思うし」
「うるさい。結局、あんたは何が言いたかったの!?」
「俺は、この百鬼夜行の街が好きだ。」
「……は?」
それが予想だにしなかった答えだったのか、アヤメは困惑した様子で言う。
「俺がここで暮らした期間は2年にも満たない。それでも、この街のことが、百花繚乱紛争調停委員会のことが好きなんだ。だからこそ、お前にも知って欲しかった。」
「……」
「だから、百花繚乱を解散するって聞いた時、物凄く辛かったんだ。」
でも、ただ存在しているだけでいいと言うわけじゃない。
「……やっぱり、ナグサがいて、キキョウがいて、レンゲがいて、俺もいて……みんな揃ってこそ百花繚乱だと思うんだ。」
俺は青春を共にしてきた仲間たちのことを思い浮かべる。
「勿論、みんなの中にはアヤメ――お前もいる。だからお前がいないと寂しい……」
「……でもっ!!」
「ああ、それは十分理解してる。俺はお前に無理に帰って来い、だなんて言わねぇ。」
「……なら、なんで……っ!!」
「最後にこれだけは言っておく。――俺を頼れ、七稜アヤメ」
「――黙って!!あんたにっ、あんたに何が分かるって言うの……!!」
唇をかみしめ、憎悪に近い感情でアヤメは俺を睨みつけ――
「――領域展開!!」
・
・
・
・
・
・
七稜アヤメの領域展開、『秘史汗簡』は怪書により後付けされた“黄昏”由来の領域であり、アヤメが望めば何度でも展開することが出来る。
だが――
――その精度は本物の領域には遠く及ばない。そのため……
「……は?」
アヤメの領域は5秒も経たないうちに再び崩壊した。
領域の押し合いを制したのは脹相の――
「
――領域に付与した能力は、絶対に当たる。
領域内では、無生物を含めた生徒以外の物に対しては『苅祓・解』が――
「まだ……もう一回……!!」
そう言ってアヤメは必中を打ち消すために再び領域を展開しようとする。しかし――
「――領域展かっ……!?」
アヤメの鼻からボタボタと血が流れ出た。その直後、頭蓋を砕かれたかのような激痛がアヤメを襲い――
「おえ゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛っ……」
アヤメは吐瀉物をぶちまけ、蹲った。
「……忘れたのか?俺の血には毒性があってな、2・3日続くヤバめの風邪みたいになるんだよ」
――生徒に対しては霧状の血を散布する技――『紅霧』が必中となる。
「この領域内で呼吸をすればするほど毒を吸ってダメージを受けるって訳だ」
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
アヤメが気が付くとそこは1年の時の教室だった。
「――ここは……?」
「目覚めたか……って、安心しろ。もう、『紅霧』の必中はオフにしてる。」
「なんで、なんで……私はずっと独りだった!!誰からも理解されず……なのに、なんで今更っ!!」
「お前が誰にも本当の意味で理解されず、どれだけ苦しみ、追い詰められてきたかは、俺には全部は分からねぇ。だが、これだけは言わせてくれ――」
俺は間を空けずに続けて言う。
「――何が一人だ馬鹿野郎、俺が居ただろ」
「……」
「だから、アヤメ。俺を頼れ、俺はお前を絶対1人になんてしない。」
「……」
「前に橋姫リューっていう奴に会ってな、ソイツが言ってたんだよ。『絶対的な強者、それ故の孤独。』ってな。」
「……は?」
「お前がそう言うのも無理ねぇよ。アイツは強者ゆえに孤独なカンナさんに愛を教えたいって言うような奴だから……」
アヤメは意味が分からないと言うような表情でこちらを見る。
「他の人間がお前という人間を理解してくれなかろうが、俺だけは絶対にお前を1人になんてしない」
「……っ!!」
口ごもり、気持ちを絡ませてアヤメは悩み――
「どうして、そこまで……」
「……だって、友達だろ?」
その時、アヤメの眦から涙が零れ落ちた。
「あははっ、馬鹿だなぁ……」
その笑顔には先ほどまであった憎悪は見られなかった。
「……ん?」
「いや、立会人いないのに継承戦なんて言っちゃって……」
「あっ」
俺はすっかり忘れていた。継承戦には立会人が必要なことを……
「あー、その勢いでつい……」
「まあ、そうだろうって……っ!!」
次の瞬間、突然アヤメが倒れこむ。
「……アヤメ!!」
「……大丈夫、ちょっと疲れただけだから。」
「ああ、ゆっくり休め」
・
・
・
・
・
・
・
・
・
―数日後―
「車を勝手に借りるのはやめて欲しかったんですが……」
「悪いな、セナ。あの時は焦っていたから――」
俺はあの時借りた救急医学部の車を返却しに、セナの元を訪れていた。
「それで……頼みとは?」
「それがなぁ……」
あの日以降、アヤメは眠り続けたまま起きることが無かった。
「適切な医療が必要だと思ったからな、それに……」
「……それに?」
「暫く、百鬼夜行から遠ざけてやりたい」
もし、アヤメが百鬼夜行に戻ってきたと知ったら、沢山の人間がアヤメの元を訪れ、きっと彼女を頼ってしまうだろう。だから――
*****
―2日前―
「よぉ、ニヤ」*1
「にゃはは、なんの用ですかぁ♪」
俺はとあることを頼みにニヤの元を訪れていた。
「成程……アヤメさんのことは行方不明のままとして扱え、と?」
「そういうことだ、任せたぞ」
*****
――ということがあったのだ。
「あの……私の仕事を――」
「俺も定期的に様子を見にくるつもりだが……」
「……あの」
「百花繚乱の解散だったり、連邦生徒会長の失踪で犯罪率が急上昇したりでやらなきゃいけないことが多すぎる」
「あ――」
「だから、任せたぞ。セナ」
俺はセナの抗議を聞かなかった振りをして、その場を立ち去った。
これから2か月後、俺はとある大人と出会うことになるのだが、これはまた別のお話……
■『血と菖蒲の狂想曲』編、完!!
次から本編開始……?←私に嘘はつかないで~!
―後書き―
どうも、作者です。
実はこの作品を連載するに当たって、この展開は最初から決めていた――というより、連載前から温めてきた展開なんですよね。
ただ、当初は少し違い、脹相が委員長代理になる展開は想定していませんでしたし、なんなら全然違う人物が委員長になる予定でした。
しかし、それだとありきたりすぎてつまらない。それどころか、アヤメと脹相が戦った理由がなんなのかはっきりしないということで当初の予定を変更し、二人の戦いを『継承戦』にすることにしました。
とは言え、この時の自分――というか今もなんですがブルアカはアニメしか見ておらず、細かい設定を知らなかったために、立会人が必要なことをすっかり忘れてしまっていたんですよね(笑)
そして出来上がったのが今回の展開というわけです。
ちなみに今回のタイトルは「Darling in the Night」という曲の一節です。いい曲なので是非聞いてみてください!!
本編開始前はあと、前々から言っていたpixiv風と掲示板を投稿して完結となります。
pixivの方は既に完成しているのですが、掲示板はID作ったりが大変そうなのでちょっと時間がかかりそうです……
最後に――皆さん、本当にありがとうございました!!
【お気に入り登録数555・総合評価777直前記念】見たい外伝は?(本編がある程度進み次第始めます)
-
脹相のキヴォトスグルメ(別シリーズ化)
-
VALKYRIA(VIVANT風スト)
-
カゲマス外典的な奴でアヤメ曇らせようぜ
-
シャドウ様――!!(By ユメ)