脹相転生inキヴォトス   作:西中の虎の兄

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前に言ってた外典なんですが、アヤメをいつ起こすかの都合上で百花繚乱1章後の開始になるかもしれません……
それとキヴォトスグルメはアビドス編後に1話出します!!

それと、これからは隔日投稿を目指していこうかと思っています。


いいかニヤニヤ教授、よく覚えておけ(以下略)

シャーレに雇用されて早1週間。俺は今、カンナさんとコノカに呼ばれて矯正局本部を訪れ、会議に参加していた。

 

(まあ、大体は予想してたけど……)

 

やはり、今回の七囚人シンクロニシティ事件(仮名)はニヤニヤ教授の手引きで起こったことらしい。

 

(海の藻屑になったって思いたかったけど、やっぱ生きてるよなぁ……)

 

「すまない、私のせいだ。」

 

カンナさんが深々と頭を下げて言う。確かにあの一件でそれなりの機密情報がニヤニヤ教授に流出してしまったが、それでも護守ナナミを捕らえることが出来たのだ。あの一件が無駄だったとは俺は思わない。

 

「いや、カンナさんのせいじゃない。あの時、俺が油断したせいだ……」

 

あの時、アトミックで船を沈めてしまったせいで、ニヤニヤ教授を見つけられず、捕まえることもできないまま、生死不明という不確かな状況になってしまったのだ。

 

「まあまあ、お二人とも。あんまり自分を責めないでくださいよ……」

 

そう、ミスズが言う。まあ、この人の言うことは正しい。終わったことは終わったことだ。今はどう七囚人とニヤニヤ教授の対策をするか考えるべきだろう。

 

「それと、矯正局DU支部ではとある事件が起きたんすよ」

 

「……事件?」

 

俺はコノカの言葉に首をかしげる。

 

「実は――」

 

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七囚人シンクロニシティ事件起きたあの日、ニヤニヤ教授は七囚人以外の囚人も解放して回っていた。勿論、その中には――

 

「ほむ……お久しぶりですね、橋姫リュー」

 

「ええ、やはり貴方ならここに来ると思っていましたよ。ニヤニヤ教授……」

 

他でも無いリューもここに収監されていた。本来、ニヤニヤ教授の計画ではリューを解放してそこで終わり――

 

 

 

 

 

――のはずだった。

 

「ニヤニヤ教授……!!」

 

たまたま、矯正局DU支部に応援として派遣されたのがカンナさんだったのである。そのまま、カンナさんとニヤニヤ教授は銃撃戦にもつれ込んだ。

 

この時、ニヤニヤ教授はとある違和感に気付いた。他の囚人たちが暴れ出す気配がないことに――

 

あとから分かったことなのだが、この日に矯正局DU支部の内部から脱獄に成功したのは密井キョウコただ一人であった。

 

何故、他の囚人達は脱獄に失敗したのか。それは、施設外に出る前に何者かによって倒されたからだ。では、その“何者か”とは誰なのか――

 

 

 

 

 

「よく、ここから出られると思いましたねぇ……?」

 

「なっ、なんで邪魔をするんだッ!!橋姫リュー――ッ!!」

 

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「――ということがあったんだ。」

 

カンナさんが言うには、DU支部からの脱獄者を最小限に抑えられたのはリューのおかげなのだという。ただ――

 

「ちょっと待ってくれ……」

 

「どうしたんすか?」

 

「何故、橋姫リューがヴァルキューレ側の味方を?アイツはニヤニヤ教授と一緒に……」

 

それだけが不可解だった。今までの取り調べの感じからして、リューはニヤニヤ教授に協力する側の立場だったはずだ。それが何故……?

 

「確かに……あたしもなんか変だと思ってたっす!!」

 

どうやら、コノカも俺と同じ考えらしい。それから暫く、沈黙が続いたが、観念したようにカンナさんが口を開いた。

 

「――そうだな。もうバレたことだ、話すとしよう」

 

そして、カンナさんはあの日、救出作戦が実行される直前の話を始めた――

 

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あの日、リューはカンナさんと二人きりになれる時間を作り、そしてこう打ち明けた――私はダブルエージェントです、と。

 

その時、リューはカンナさんにある情報を伝えたという。そう、ニヤニヤ教授が囚人たちを解放しようと企んでいたことだ。

 

さらに、ニヤニヤ教授を捕えるには巧みに出し抜くしかなく、それを成し遂げられるのは教授から信頼を得た自分だけだと伝えた。

 

そして、そのためには自分が敢えて矯正局に入り、ニヤニヤ教授をおびき寄せるしかないと考え、カンナさんと協力してそれを実行に移すことにした。

 

だから、カンナさん以外のヴァルキューレはこの作戦を知らない。「敵を欺くなら、まず味方から」というのはよく言ったものだ。

 

……とは言え、この作戦を行うためには場所がかなり重要だった。もし、ワカモやアケミと同じところに入っていれば彼女たちの横槍が入っただろうし、アキラと同じところだと変装のせいで無茶苦茶に乱される可能性もあった。

 

さらに作戦を共有しているカンナさんが比較的短時間で駆け付けられる場所である必要性もあった。ただ、本部だとあからさまな罠に見える可能性もある。

 

こうして選ばれたのがDU支部だった、というわけなのである。

 

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「つまり、リューは敵じゃなかったってことでいいのか?」

 

「いや、今の所は仮釈放の予定はない」

 

「なんでっすか!?リューさんのおかげで被害を最小限にできたんすよ!?」

 

カンナさんの判断に不満を抱いたらしいコノカがそう訴える。まあ、気持ちは分からんでもない。だが、法的に考えれば――

 

「確かにそうだ。アイツが居なければ今以上の脱獄者が出ていたことだろう……」

 

「ならっ……!!」

 

「だが、アイツがニヤニヤ教授に加担したせいで起きた被害もあるのもまた事実だ。」

 

「……そうかもしれないっすけど!!」

 

「コノカ、お前の気持ちも分かる。確かにアイツは私にとって大切な部下だ。だが、だからといって個人的な事情で減免するわけにはいかない。」

 

確かにカンナさんの言うとおりだ。キヴォトスの法がどうなのかは全然知らないが、前世の日本では警察官や法曹を始めとした公務員は「全体の奉仕者」でなければならないと憲法15条2項に書かれている。だから、俺からも言葉を送ろう。

 

「コノカ、せっかくの機会だ。この言葉を心にとどめておけ……『すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者にあらず』。時には自分の心を押し殺して業務を成し遂げる、それが警察ってもんだ……」

 

「……かっ」

 

「か?」

 

「なんすか、その言葉……無茶苦茶かっこいいっす!!」

 

「そ、そうか……」

 

(まあ、なんであれ意味を理解してもらえたならなんでもいいか……)

 

そんなことを考えていると何か言いたげな様子でミスズがこちらを見ていた。

 

「あ、あの~」

 

「……どうしたんだ?」

 

「リューさんの処分に関してなのですが……」

 

ミスズが言うには、ダブルエージェントととしての活動のためとは言え、かつてリューのせいで出た被害も大きいが、今回の作戦で被害を最小限に抑えることが出来たことの功績も大きい。その結果、判断は保留という形に落ち着いたのだと言う。

 

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翌朝――というか深夜2時、俺はゲヘナに来ていた。それは勿論、賞金首のアジトに夜襲をかけるためだ。

 

「きっ、鬼神が出たぞ――ッ!!」

 

「……随分と多いな、賞金首」

 

やはり、沢山脱獄したせいか少し前までは絶滅寸前だった賞金首が一気に増え始めた。

 

(金欠だった高1の時はもっと治安が悪くなって賞金首が増えればいいのに、って思ってたけどさぁ……)

 

これは流石に多すぎる。別にここまで増えてくれなんて誰も頼んでいないのだ。

シャーレの業務だけなら全然いいのだが、百花繚乱が解散して魔境と化した百鬼夜行の治安維持にも今まで以上に力を入れなければならない上に、当然賞金首が増えたせいで睡眠時間が今まで以上に減っているのもあり……

 

「いいか、ニヤニヤ教授。よく覚えておけ。俺はお前のことは死ぬまで忘れない。」

 

「……ん?鬼神の様子、なんかおかしくね?」

 

「そうだな――って、ピギャッ!」

 

俺は一番近くにいた不良を血星磊・盾でぶん殴る。

 

「あっ、相棒――ッッ!?」

 

「整形して顔を変えようがどんなところに隠れようとも、例え天山の頂上に逃げ込んでも必ず俺はお前の前に現れ、顔の原型を留めないレベルでボコボコにぶん殴ってやる。」

 

「ちょっ、ちょっと待て!?私達はお前が言うニヤニヤ教授じゃない!!」

 

「それって八つ当たりじゃねぇか!?」

 

まあ、睡眠に関しては反転術式でなんとかなるので問題ない。だが、それでも疲れるのだ。

 

「ああ、確かにお前たちはニヤニヤ教授じゃないな」

 

「なら、なんで……!?」

 

「それはお前らがニヤニヤ教授の手引きで脱獄したからに決まってんだろ……!!」

 

「やっぱり八つ当たりでしたァァ――ッ!?」

 

俺は付近の不良たちを全員、片っ端から盾でぶん殴って気絶させた。

 

(今のは聞いてなかったと思うが……ニヤニヤ教授、その時が来るまで楽しみに待っていろ……!)

 

不良たちをヴァルキューレまで運んだあと、俺はシャーレの寮に帰宅した。

 

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翌朝、俺がシャーレに出勤するとそこには先生は居らず……

 

「これ、置手紙か?」

 

読んでみるとそこには、”アビドスから救援要請が来たから行ってくるね”と書かれていた。つまり――

 

「俺とユメさんで書類地獄をなんとかしろ、と……?」

 

俺は目の前に広がる大量の書類の山に頭を抱えたのであった……




次回からついにアビドス編に突入します!!
アビドス編はアニメ版で見たので、私が唯一にわかじゃない部分だったりします(笑)

―オマケ~なんか様子のおかしいテラー化蒼森ミネ?~―

ミネ?「ジェノサイドヨハネ帝国憲法第1条、ミネちゃんの言うことは絶対。」

ミネ?「ジェノサイドヨハネ帝国憲法第2条、ミネちゃんに逆らった者は死刑。」

ミネ?「ジェノサイドヨハネ帝国憲法第14条、ミネちゃんの挨拶を無視した者は死刑。」

アズサ「……何故いきなり14まで飛んでいるんだ?」

カンナ「それは独裁国家ってレベルじゃないぞ!?」

以上、駄文でした。元ネタは『新・敵を味方にするクラフト』です。
もしかしたら、いつか前に言ってた外典を書き始めた時に使うかも……?

見てみたいイベントストーリーは?(人気と時系列である程度やる順が変わります)

  • 船上のバニーチェイサー
  • 不忍ノ心
  • アビドスリゾート復旧対策委員会
  • 白亜の予告状 〜虚飾の館と美学の在り処〜
  • とある科学の超電磁砲コラボ
  • 魔法少女ヘヴィキャリバー(以下略)
  • 誰が為の芸術〜偽飾の絵画と美学の行方〜
  • パンデミック・ハザード〜奇跡の一枚〜
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