TSメス堕ち俺っ娘スライムと作る宇宙最強ハーレム 作:最条真
昼食に母さんと結姫乃お手製のカレーを食べた後は、ボードゲームの時間になった。ウチの妹はあんなおちゃらけた言動をしておきながら、知的遊戯を好むインテリジェンスな側面もある。
実は、僕のチェスの実力は“格上”の妹との対局で磨かれたものであるのだ。故に、結姫乃は意気揚々とチェス盤を持ち出してきた妹に成す術もなく敗北した。僕ですら二十戦やって一回勝てるかどうかの相手だ、流石に相手が悪かった。
結姫乃を負かす度に、なずなはしてやったりという顔で笑う。
「おいおいこんなもんかよお兄ちゃんの彼女さんの実力はよォ〜? あたしに勝てないようじゃお兄ちゃんの女房役は務まらねぇぜ?」
「ふふ、その威勢がどこまで続くか見物ね……」
「こっちのセリフだっぅぅぅつーの」
勝気な性格は兄弟共通。妹が不敵な笑みを浮かべながら結姫乃を蹂躙する様子を眺めながら、僕は初めて結姫乃と会った――夏期講習の《特別自習室》での一時――対局の日々を思い出す。あの時僕は、結姫乃が初心者だと誤認し、油断して敗北を喫したわけだが――……
「――――駒の持ち方が綺麗過ぎるぜ結姫乃ちゃん♪」
我が妹の頭脳は僕の上位互換。悲しいかな、油断も慢心もない。この僕よりも賢い妹には結姫乃の常套手段である『だまし討ち』は通用しなかった。
そのまま五連敗を喫した結姫乃は、唐突にパンっと手を叩き、「負けを認めるわ」と宣言した。
「強いわね。……初くんよりも」
「当たり前っすよー。だってお兄ちゃんにチェスのルール教えたのあたしだし? ままま、ここは相手が悪かったってことで――――」
「別の勝負をしましょう」
「ん? まぁいいけど兄やん放置も可愛そうだしパーティーゲームとか――」
「はい、最初はグー」
「ちょま」
「じゃんけん、」
――ポン!
妹が出したのは、グー。
結姫乃が出したのはパーだった。
「あっははっはははははははっ!」
結姫乃は楽しそうに笑った。
「――ちょっとぉっ! 唐突過ぎるってばぁ!」
異を唱えるなずなに対し、笑いながら受け流す結姫乃。
いつかの焼き直しのような光景に、僕は思わず吹き出しそうになる。
――――僕が後ろ手で、こっそりとチョキを出していたのは秘密だ。
それからテレビゲームをしたり卒アルを見たりしながら――楽しい時間は瞬く間に過ぎ、窓の外が藍色の夜に染まり、街灯が灯り始めた。
「そろそろお暇しないとね」
そうして結姫乃は母さんからカレーの入ったタッパーを持たされ、名残惜しそうにするなずなと握手をして――当然の事ながら、結姫乃を無事に家に送り届けるのは僕の役目になった。
「そういや、送迎の車は呼ばなかったのか」
変哲もない夜道を歩きながら尋ねると、彼女は優雅に首を傾げた。
「なによ、恋人を家まで送り届けるのがそんなに不満?」
「いやいや、ご命令に預かり光栄ですよお姫様……じゃなくて。もう夜も暗いし、危険なんじゃねーかな、と。だから僕がついてきたわけだしな」
「別に迎えを呼んでもよかったけれど――」
言葉を告げる前に、彼女は僕の歩調に合わせるように、その優雅な歩みを微かに緩めた。横に並び立つようにしてから、僕に見えるように微笑みを浮かべた。
「たまには恋人と二人きりで夜に浸るのも、風情があると思わない?」
「それもそうだな」
僕が笑いかけると、彼女はこちらに向かって手を差し出してきた。繋げ、とのお達しだ。僕はお姫様の要望に従って、恋人繋ぎ。
僕の指が、彼女の細く白い指の間へとゆっくり滑り込む。
触れた瞬間の掌は、夜の空気に当てられたのか、あるいは彼女の持つ性質ゆえか、ひんやりとしている。冷たいけれど、心地よい。
指の根元まで深く絡め合わせ、ぴたりと互いの肌が密着すると、そこから雪解けのような確かな熱がじんわりと広がっていった。
「……あったかいわね」
「お前は冷たいな」
「だからって離したら許さないわよ」
「言われなくても離さないよ」
「もう、馬鹿なんだから」
そう言った彼女の白い頬はほんのりと淡い熱に染まっていた。
少しだけ伏せられた長い睫毛が震え、そこから覗くアイスブルーの瞳が、堪えきれない嬉しさに細められた。ふわりと、雪解けに咲く花のような照れくさそうな微笑み。
その柔らかな笑みを見るたびに、可愛いなぁと惚気てしまう僕は正しいはず。
「そういえば、手が冷たい人は心が温かいっていうよな」
「俗説ね」
「すぐに切り捨てるなって。……今日はありがとうな」
「感謝される筋合いはないわね。『彼女』として当然の役目を果たしたまでよ」
ふふん、と誇らしげに鼻を鳴らした結姫乃。そういうところが可愛いんだって、本人は気づいているのだろうか。無自覚だとしたら魔性だ。
「むしろ、私を紹介して良かったのかしら? あなたの方針に合わせるけれど……有とミヤは?」
「三人同時に紹介したらどうなると思う?」
「まぁ初くんが縛り首になるのは当然として」
「……一応先月から重婚は合法化されてないか?」
「大半の人間は、そう簡単に価値観のアップデートについていけないわよ。あのお母様はともかく……妹さんの方はどんな反応をすると思う?」
「受け入れ難いのは間違いないよ。だから、ひとまずお前から紹介した」
「まぁ私が適任でしょうね。そういえば、『星狩り』のことは家族に明かさない方針でよかったのね?」
問いかけに頷くと、結姫乃は嘆息した。
「あなたに隠し事とか向いてないと思うのだけど」
「腹芸は得意なつもりだよ。お前が見破りすぎな」
「まぁ、私に隠し事はできないと思った方がいいわね。尻に敷かれる覚悟はいいかしら」
「もちろん」
「少しは照れなさい」
「何を言っても可愛いからさ」
僕が笑ってそう告げると、結姫乃からの反論は言葉ではなく、物理的に返ってきた。
指の根元まで深く絡め合わせた恋人繋ぎのまま、彼女の白い手がギリッと強い力で僕の掌を締め付けてくる。だけどしょせん、女の子の握力と言う感じがして、逆に微笑ましくなる。照れ隠しだと知っていると、尚更。
「あまり調子のいいことばかり言ってると潰すわよ」
「気を付けるよ」
「本当に気を付けなさいね。また女を口説き落とすような真似をしたら――」
「そこまで節操なしだと思われてんのか僕は!?」
だとしたら心外だ。僕は彼女一筋――いや、その彼女が三人もいるって話なんだろうけど、僕の心だって、そんなに安いもんじゃない。好きだから付き合っている。そこは揺るぎない。
僕は人生において運命の出会いを三回も経験してしまった果報者で、“運命”と出会ってしまったからには、絶対に手放したくない。そんな強欲なワガママを寛容な彼女たちに許してもらっているというだけで、これ以上増やすつもりなんて微塵もないのだ。
「僕は心から愛した人としかこんな関係にならないし、お前は間違いなく特別なんだよ」
空いている右手で、彼女の頬に優しく触れる。柔らかく輪郭をなぞると、彼女は目尻を下げて、じっと僕の瞳を見つめた。静かな瞳の奥が、無言で訴えかけていたので、彼女の腰を抱きながら、僕は静かに口づけた。
重なり合った唇は、最初、夜の冷気に当てられてひんやりとしていたが、それはほんの数秒のことだった。吐息が混じり合うたび、唇に熱が融け出していく。
冷たい夜に温かい口づけ。
「んうっ……♡」
僕の右手が引き寄せた細い腰がびくりと跳ね、彼女の口から甘く微かな吐息が漏れた。それを合図にするように、少しだけ開いた唇の隙間から、躊躇いがちに熱く濡れた舌先が絡みついてくる。拙い舌使いは、行為に慣れていないことの裏返しだ。それでも必死に舌を入れるのが、占有欲の現れで、本当にかわいいのだけど。
「本っ当に、ヘンタイね……」
口づけが離れた時。銀色の糸が、僕たちの唇を名残惜しそうに繋いでは切れて――口元を拭う結姫乃は、自分から舌を入れてきたにも関わらず、不覚を取られたような態度で僕を睨んできた。
何が悪かったのだろうか? もしかして、結姫乃の舌使いに我慢できなくなって口内を蹂躙したことか、僕の満足がいくまで後頭部を押さえつけていたことか、どさくさに紛れて胸を揉んだことが悪いのだろうか?
申し訳ないが堪能させてもらった。まだ有とミヤに比べて抑えたつもりが、彼女にとってみれば刺激が強すぎたようで――また、可愛いなという感想以外出てこない。夜の経験値はこちらの方が上だ、別に誇れることではないけれど。
「僕の彼女が可愛すぎるのが悪い。そもそも舌を入れてきたのはどっちだっけ?」
「……ッ。だからって、胸まで揉むなんて……」
「嫌だったか?」
「嫌じゃないって言わせたいんでしょう、変態! っ、胸の方は心の準備がいるのよっ!!」
子猫が毛を逆立てたような態度。だというのに、腰に手を添えられている姿勢なのが滑稽だ。頬の紅潮は羞恥と興奮の現れで、拒絶ではないと僕は知っている。
「触らない方が良かったか?」
「――――。べ、つ、に。……そういうわけでも、ないのだけれど」
結姫乃は気まずそうにスッと視線を逸らし、僕の胸元あたりに逃げ場を求めた。
思い出すのは、つい先ほど手のひらで味わったばかりの、柔らかな膨らみの感触だ。衣服越しに軽く揉みしだいただけだというのに、ツンと硬く立ち上がった芯の感触。
身体は正直、とはこんな時に使う言葉なんだろうか。口先は立派でも、身体は本当に正直で、いじらしい。どれだけお前が可愛いか、どれだけ愛おしいかという事を教え込むために二回目のキスを要求したいところだけど、そこまですると僕の方が昂って止まらなくなりそうだ。
「……送り狼になるつもりかしら?」
「いいや。今日は普通に送っていくよ」
「はぁ。……もう、……まったく。……信用してるわよ」
そう言って、彼女は再び僕の掌に自身の手を絡めてきた。
恋人繋ぎ、継続。
僕の彼女はめちゃくちゃに可愛い。
――――――――――――☆――――――――――――
それから、しばらく歩いたところで。
僕は何かを感じ取った。銃声が聞こえたわけではないが、銃が使われた気がする。そんな気配を感じる――“第六感”の登場。
三ツ星になるにつれ、より露骨に聞こえるようになった星の囁き、その作用で、僕はイベントを逃さない。――というより、星空が僕が登場することを望んでいた。
「そういや、今日は星も綺麗だったな」
「――? 月ではなくて?」
「愛の告白はしょっちゅうしてるだろ」
「ええ。月が綺麗ね」
「死んでもいいわ、じゃなくてだな。……なんか起こった気がする」
結姫乃は、半目になってじーっと僕を見つめた。
「本当に、どうなってるのかしらね、あなたって」
「僕が知りたいくらいだよ」
「場所は分かるの?」
「あそこの路地裏」
「はぁ。……いくのよね?」
そう言って、彼女は僕から手を離した。
名残惜しい温もりが離れて言った。恋人の時間は終わりと言わんばかりだ。オンオフがしっかりしているところも、ウチの結姫乃の魅力である。
「言わなくても分かるわよ。いきたいんでしょ?」
彼女は僕の性分を理解している、とでも言わんばかりに微笑んだ。
「――――私、あなたの“妻”だもの」
それは気が早くないか。僕が言うより先に、彼女は勘が指し示した方向に歩いて行った。逸らないでほしい。僕より前だと守れないから。
当然、僕が彼女の前を歩くのであった。
――――――――――――☆――――――――――――
路地裏の先の光景は――まぁ、『星狩り』にとってはありふれた光景だ。一般人が見たら腰を抜かすかもしれないが、僕たちにしてみれば日常茶飯事、その匂い。
銀の硝煙が漂う路地裏。独特の火薬の匂いは、『シルバーバレット』――異星体への特効薬――その弾丸が使われた証だ。同業者だろうな、と辺りは付けていたし、別に危険だという感覚もなかった。ただ、旧知の間柄の友人と再開するような感覚。
「あっ、月野!?」
異星体が“星屑”と化していくのを見守る青髪の少女――ウルフカットの美少女ときたら、当然、ミヤである。銀の銃を片手に、星狩りの制服姿で。僕の姿を認めるなり、全力で抱き着いてくる。抱きとめると同時、僕はもう一人の存在を視界に捉える。
そりゃいるよな、と思った。
《星座審査》――通常、異星体を《星座》へと格上げする審査には、審査役兼執行人として、四ツ星の人員が寄越されることが常だと言う。
僕の審査(『星飼い』である特殊事例=異星体と同等に扱われる)には、『智慧の醜態』より聖真白が。そして、『宇都宮有』の審査には、別の人員が付いていた。
通常、《四ツ星》一人が並行審査を行うのが常だと言うが、本件の特異性を鑑みて、四ツ星がもう一人派遣されているのである。
「――――よっ、月野クン」
僕の目線の先にいたのは、虚木響介。
交流戦を経て、正式に《四ツ星》と昇格した――二十五人目の四ツ星だった。
月野くんは彼女たちに対しては変態だし性分がサドなのですぐにいじめたくなっちゃう。すぐ『可愛いな♡』って口説く上に骨抜きにしてくるから注意。有たちのおかげで、夜のスキルもすごい。秀才は教えれば何でもできる。結姫乃は夜の月野に太刀打ちできない。ドンマイ。
ちなみに、『月野初&宇都宮有』の審査は、独立していない。同時に審査されてる。一蓮托生。どっちかがダメだったらどっちも殺すスタンス。厳しいね。
虚木先輩に情など期待してはいけない。いざとなったらガチバトルするのも有りだし役得だな~くらいにしか思ってない。人の心はない。
仕事は真面目なんですよ、彼。遊べるところで遊ぶだけで……。
敵対が決まったらガチ虚木+真白が最低でも襲ってくる模様。絶対に勝てないから耐えろ。
好きなヒロインは?
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宇都宮有(有)
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ミヤ
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白雪結姫乃
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その他(詳細は感想欄にお願いします)