TSメス堕ち俺っ娘スライムと作る宇宙最強ハーレム   作:最条真

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引っ越し疲れで体調不良になって遅れたの;;
ごめんね;;


50『裏切り』

 

 

 

 

 宇都宮有は、生まれついての強者である。何故、強いのかと問う行為は、虎や竜に対しその問いを投げかけるのと同義であり愚問だ。虎や竜、単語だけで連想される圧倒的な強さと同じく、“宇都宮有”はその名を冠するだけで強いのだと、世界に約束されている。

《世界》――そう、有が目の前の幼女の質疑に応答する主な主題は、その、世界の仕組みについての事だった。星見空(ほしみそら)、と名乗った白髪の少女は、同色、無彩色の瞳をこちらに向けて尋ねる。

 

「君の戸籍はどのように用意されたものなのかな?」

 

 彼女の細やかな疑問を解消するのも、この場所での仕事の一つだった。

《星座審査》に挑む異星体は、星狩りに対する全面的な協力が求められる。

 星座に相応しい“能力”を持つか、あらゆる観点から測られるのだ。

 

 事実、有はこの《星見科学研究所》で様々な能力をプロファイリングされた。

 所持スキル・極点・星戦の披露に始まり、実際の戦闘能力を把握するための試合や、頭脳を把握するための知能テストなど。その他にも様々、一日では収集しきれない情報を提供するのに数週間がかかる。検査は想像以上に綿密だ。

 問われれば答えなければいけない。今日も今日とてデータを取り終えたブレイクタイムの最中、雑談とも尋問とも取れない調子で尋ねる彼女に、有は先ほど奢られたばかりのコーヒー缶を適当に弄びながら答える。

 

「星狩りなら知ってんじゃねぇの? オレ達が誰に“支援”されてるか」

「我々が掴んでいる情報と、君の口から出る単語が一致してるかを知りたいんだ」

 

 にっこりと笑う彼女に対し、そりゃそうか、と有も肩をすくめる。

 そして、口にした。

 

「――《星守り》」

 

 そう名乗る“人間”たちがいるのは、この界隈では周知の事実だ。彼らは異性体ではない。人の身でありながら、異星体の支援を行う――いわば、星狩りの対極に存在する組織で、《五ツ星》の特記戦力すら有する対抗組織だ。

 

「まぁ、だろうね」

 

 意味があるのかないのか、眼前の白い少女は曖昧な笑みを浮かべた。それは分かっていたとも言いたげでも、『知らなかったよ』と素直な賞賛を表すようでもあって、何もかもが曖昧、空気のように透明で――不思議だ、と星見空をそう評す。

 

「“あれ”とは根本的にスタンスが違うからなぁ」

 

 彼女は缶コーヒーのプルタブを開けながら、思索にふけるように顎に手を当てた。

 

「排斥と受容。前者を頑なに強硬し続ける私たちは見方によっては悪の組織にも見えるらしいね。だけど……宇宙人(エイリアン)の侵略行為を人類がみすみす見過ごせるか、って話になるだろ」

 

 誰に聞かせるでもないのだろう。彼女は一人ごちる。研究所の休憩スペース、ありふれた椅子に腰かけながら、正面には確かに有を見据えて。

 

「……奴らの大義はこうだ。『穢れた人間から美しい星を守る』……自然活動家のような物言いで……平然と異星体と《融和》して見せる。純粋な人間であることを捨てたあれの方がよっぽど穢れていると私は思うけれど」

 

 特に嫌悪の感情を覗かせるでもなく、利口な学者のような態度で、淡々と事実を告げるように星見空は続けた。

 

 星狩りに《シルバーバレット》と言う強みがあれば、星守りには異星体との《融和》という強みがある。“あれ”は異星体との共生を本気で臨む一派であり、《融和》――人と異星体の一体化は、星狩りからすれば最も厄介な行為だ。

 

 あの状態は言うなれば、“半人半星“の――《星人》だ。

 

 異星体の特効薬であるシルバーバレットは、混ざりものに対しては十分な効果を発揮しない。通常の武装と比べれば遥かに効きがいいとは言え、効果は半減以下。

《一ツ星》相当の星人ですら三発は撃たないと殺せない。

 

 無論、異星体との《融和》に至るには、信頼関係を構築する必要があり――それが最も難しいところなのだが。

 

「……お前らの言い分は分からなくもないね」

「異星体に共感を示されるのは久しぶりだな。……まぁ、混ざりものは良くないよね。美しくない。人間の秩序を侵されるのは困るよ、本当に」

 

 空はうんうんと大げさに頷きながら、両腕をぱたぱたと上下に振ってみせた。彼女の小柄な体躯には全く合っていない、だぼだぼの白衣の袖口がぶんぶんと弧を描く。

 

「人間の秩序と尊厳を守るのが、私たちの仕事だ。異星体のいいように、混沌に陥れられるわけにはいかない。……だから正直言って、君みたいな存在が嫌なんだよ。“星守りの指令を受けて、各都市ごとに《ボス》として君臨する”――奴の飼い犬みたいな存在はね」

 

 事実だ。有が口を挟む余地もない。数年前に交わした言いつけを守る限り、有は人間としての暮らしと権利、金銭を保証されている。

 星守りと契約を交わした異星体は、統括する地域ごとに苗字を与えられる。有の苗字は“宇都宮(うとみや)”。宇都宮市を支配する異星体であることを義務付けられている。《地名持ち(ネームド)》と呼称される異星体は、例外なく強力だ。

 流石に、“東北”や“四国”、地方を任されるようなあれらの強大さと忠誠心には及ばないとはいえ、有は最低限の義理を星守りに対し、果たしてきた。

 

「……まぁ、生きていくための仕事だったんだよ。……あんたらの庇護下に入れば、オレも好きでもない仕事をやらずに済むんだけど」

「好きでやってるわけじゃないんだ?」

 

 少し、彼女は意外そうな顔をした。どうにも畜生と思われている節があるな、と有は肩をすくめて弁解する。

 

「好きで人なんか殺してねぇよ。嗅ぎ回られたり、異星体ってバレたときは、……まぁ、……殺すしかない時もあるけど」

「でも、月野初は殺さなかった」

 

 その日、有は初めて目を逸らした。その事実を指摘されて、単純に気恥ずかしくなった。

 

「……。月野は、特別だから」

 

 唯一、特別な自分に食らいついてくる対等な存在。決して、自分に魅入られず、むしろ見入るような輝きを放つ存在。彼は理想の体現者であり、夢の果たし人であり、有の想い人。――ずっと昔から、オレはお前のことが好きだった。

 

 だから殺せなかった。星守りの側に引き込んでしまおうと一時思った。ただ彼は常に予想を超えていく。彼の光は闇には落ちない。だから、有の側から光に足を踏み込むしかなかったのだ。

 

「オレは月野がいる限り、お前らの味方になるよ。……それは、約束できる」

 

 

 ――今までの義理や立場を捨て去るほどに、月野初に惚れ込んでいるのだと、そう宣言した。

 

 

 

 

 つまり、裏切ったわけだから。黒が白に裏返ったのだから、今まで仲良くしていた黒は、敵になると言う訳で。しばらくしないうちに、次の支配者、その候補が星守りによって送られるわけだが――。

 

「――お前らの《主人》に言っておけ」

 

 闇討ちにあっても動じず、ただ淡々と蹂躙を実行する。

 ただの異星体では相手にならないのだと、誂えたシルバーバレット――特注の銀色マグナムが、有無を言わさぬ暴力で証明していた。有の右手にずっしりと収まるのは無骨な大型リボルバー。

 その太い銃口からは、同族の命を散らしたばかりの白銀の硝煙が、夜の冷たい空気の中へと細くたなびいている。

 星屑と化していく、それを眺めながら、嗤った。

 

 

「オレの代わりなんて、どこにも存在しないんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





月野がカッコいいお陰で敵の幹部級を裏切らせたぞ。やったね。ちなみに星守りを裏切った所で、並みの異星体なら成り代わられて終わり。でも有さんは強いから……。
シルバーバレットももう持ってるし。
派遣されたのは三ツ星相当だったけど、無理なもんは無理です。

終盤の返り討ちの文章は、少し先の時間軸の事を言っている。



地味に最初の方は月野をダークサイドに落とそうとしていた模様。ちなみに一章で、結姫乃を不意打ちで倒していたりしたら『星守り√』に入る。光り輝いていたので『星狩り√』へ。

星守りから与えられる苗字は、基本的にどこからの地名や地方を文字ったもの。その地名の強大さに比例して任される異星体も強いと思っていい。つまり東北とか四国の苗字を持つ奴がいたらヤバイ。デカすぎる。

名古屋とか大阪とか、三大都市圏の名を冠する異星体もやばい。名古屋は渡辺さんがぶっ殺したけど。
ちなみに東京の名を持つ異星体はいない。栃木もそこそこの修羅の国(渡辺さんがいるし)だが、東京は魔境なんで。


シルバーバレットにも特色を持たせていきたい。有はマグナムです。だってかっこいいじゃん。




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