「しかしなんで2人ともこの街に?言っちゃ悪いけど此処観光名所も何もないしわざわざ来るところでもないでしょ」
「まあ偶然というかなんというか……」
「探し物が多分此処にあるらしくて」
「探し物?」
「落とし物でもしました?」
「まあある意味落とし物と言えば落とし物……かな?」
「……凄い猛烈に嫌な予感がするわ」
久々に会った2人とコーヒー片手に談笑……と行きたかったのだけどさらっととんでもないこと言い出して思わずこめかみを抑える。こういう時の探し物とか落とし物って絶対碌なもんじゃないって相場が決まってるんだ勘弁してくれ。
「よかったら手伝いますよ!私達今日特にやることもないので!」
「言い方ってものがあるでしょ三葉……まあ暇なのは確かだけど私達」
「大丈夫、私達だけでどうにかしなきゃいけない奴でもあるし」
「下手に巻き込んで危険な目に遭わせたくもないしね」
「危険……?」
「もしかして危ない荷物……」
「それは絶対ないと思いますよ五葵さん」
「まあ休んどいて後輩諸君。やるにしたって私と弍乃で手伝うから」
「勝手に巻き込もうとしないでくれるかしら?」
やっぱり碌な落とし物じゃないよこれ。確実に映画一本始まりそうなくらい厄介な奴だよこれ。勘弁してくれ本当に。
「鶴城」
「どうしたの弍乃?」
「……その落とし物、カードだったりする?」
「……うん」
「やっぱり……面倒だわ、ほんと」
「こっちもなんでかわからないし……巻き込むかもしれない、ごめん」
小声で鶴城に確認を取ってみれば落とし物はやっぱり彼女達の力の源であるカード。ほぼ確で巻き込まれるじゃねえかざけんな。
「というかなんで此処って分かったの?まあある程度目星は付くけど」
「追ってきたって感じだし2人は分かるよね……というか二美、その肩に乗ってるメカは?」
『二美ノ友達ダ、気ニスルナ』
「いやめっちゃ気になるんだけど!?」
『私の事を認知している以上そこまで気にすることでもない気がするが』
「そういやテルスも居たね」
「こんなでも私の大事なデバイスよ。というか貴方達も居たはずじゃ?」
「居た、というか今もカードの中に居るよ。54枚全部私たちが持ってる筈なんだけど……」
「多……いや貴方達5人居たんだった、なら多くはないのか」
「私達4人で13枚ずつ、あの子がジョーカー2枚……確かに全部あるのになんでまた」
「何の話です?」
「落とし物の話よ、貴方達にはあまり関係ないわ」
万一そのカードから何かが実体化して戦うにしても今三葉達のデバイスはメンテ中、4人でどうにかするしかない。とはいえこの戦力なら早々手を焼くこともなさそうだが……どうにも面倒だ、全く。
「まあそれはそれこれはこれ、とりあえずコーヒーが冷める前にどーぞ。びっくりするぐらい美味しいから」
「砂糖ドカ盛りで飲んでるやつが言っても説得力ないわね」
「砂糖水飲んでるとでも言いたいの?」
「まあまあ2人とも……あ、ケーキサービスしようか?」
「大丈夫ですよ、ちゃんと払いますから……あ、美味しい」
「キリマンジャロちょっと増やしたかしらマスター?」
「当たり、後ペルーをちょっと減らしてみた。二美ちゃん砂糖山ほど入れるからね」
「お気遣いどーもマスター。ていうか弍乃なんか飲む勢い早くない?何か悩んでる?」
「……まあ、そうね」
三葉とシルウィアに「また?」って目で刺された気がするが気にしないでおく。確かにあの時私は
「相談乗るよ?今ならゆっくり話せそうだし」
「……まあ、後輩共よりは貴方達の方に話したほうがよさそうね」
「弍乃さん……」
「別に信用してないってわけじゃないの三葉。そんなしょぼくれた顔しない」
「犬?」
「犬だね」
「ポメラニアンですね……」
「割とそういうとこはむぐぅ!?」
「なんで満場一致なのみんなぁ……」
今度はエンネアちゃんから視線が刺さった気がするが何故だ。ったくもう……
「……これからどうすべきか、ね。悩んでるというか、意見が対立してるの」
「対立って誰と誰が?」
「私自身よ。心が2つあるって感じ」
「まああるよねそういうの」
実際には比喩ではなく本当に人格が2つあるのだがそれは言わないでおこう、絶対面倒な事になる。
「片方の
「部活?」
「もう引退する時期よというか分かってるでしょう二美」
「ごめんごめん」
「んで……もう片方の
「最後までやり切りたいってこと?」
「そうみたい、だけどこれ以上頑張りたくないってのも確か。5年も戦ってきたんだからいい加減休んでもいいんじゃないかなって……そう思うの」
「まだそれ言うんですか弍乃さん」
「言うもなにも私としてはとっくに引退して貴方達に後を託したつもりだったのよ。急に残業しろなんて言われたら流石に確認をとるわ」
間違いなくティフォンはあれで諦めたわけじゃない。私に寄生してまで目的を果たそうとした以上今も本体復活のためしぶとく潜伏してる筈だ。
「残業って社会人じゃないんだから」
「将来社会人よいいじゃない。後腐れなく一線を引いたと思ったら急に因縁が何個も生えてくるってどうなってるのよもう……」
「まだ全然学生生活満喫する時期なんだからそこまで考えなくてもいいんじゃない?」
「実年齢が全然学生じゃないし今更現実から逃げたくないわ」
「……18歳、だよね?」
「肉体年齢はね。実際は」
「ストップ!弍乃さんストップです!」
「よん……分かった、分かったから落ち着きなさいシルウィア」
うっかり勢いで実年齢を喋りそうになった所をシルウィアに慌てて静止された。別にこの2人相手なら話しても……って思ったがそうだ、この子達は愛奈達が
「んーっと……つまり弍乃ちゃんは最後までやり遂げるか降りて休むかで悩んでるって事だよね」
「そうなるわ。自分で決められればそれが最善なのだけど生憎どっちも自我が強いことで……」
「まあ悩むのは分かるよ。私も昔そういうことがあった」
「あるよねぇ皆そういうの」
「深く考えすぎって目してるわね」
「実際そうでしょ。いつもの弍乃ならこっちの方が面倒じゃないってちょっと悩んでから決めてるし」
「……そうね」
結局のところ人生っていうのは避けようのない面倒からどれだけマシな物を選んでいくか。だから毎度毎度後々より面倒にならない方を選んでいるのだけど……今回ばかりはお互いの事情が主張しあってて中々決めれない、難儀なものだ。
「弍乃ちゃん、それはどっちかしか優先できないことなのかな?」
「愛奈?」
「確かに続けると降りるっていうのは真反対で矛盾してるけどさ、言い方的にどっちを優先しても蟠りが残っちゃう感じでしょ?だったら……」
「愛奈!見つけた!」
「えちょ、ラビィ!?」
『……これまた随分と懐かしい顔だな』
「喋る……」
「兎ぃ!?」
「ファウヌスも羊でしょってまさかあの人達も……」
何かアドバイスを聞けそう……って思ったらこれだ。唐突に入店したと思ったら愛奈に飛びつく白兎を見て溜め息を吐きながら席を立つ。あいつどうやってドア開けたんだこの店自動ドアじゃないぞ?
「ラビィ久しぶり!って事はチェシアも居るの?」
「二美!?確かにチェシアも居るけどってそうじゃなくて!見つけたの、55枚目!行かなきゃ!」
「わ、分かった、分かったから!」
「私達も行くわ。頭数は多い方がいいでしょ」
「流石に2人を付き合わせる訳には……」
「いーのいーの、私達友達だし?困ってたら助け合うものでしょう?」
『友達ノ友達ダ、付キ合オウ』
「さっすがエキドナ話が早い!」
『クロノデバイスはあくまで応急処置が済んだだけだ。少しでも不調を感じたらすぐ私に変えろ』
「私が1番分かってるわテルス。そういう訳よ、案内して」
どうせ放ってても巻き込まれるのは分かりきっているため最初から同行を選択。後輩たちは置いていきたい所だけど……
「弍乃さん、私たちも!」
「言っても……聞かないわね貴方達。デバイスメンテ中なんだから無茶はしない事、いい?」
「はい!」
このザマだ。勝手についてこられるよりは目を光らせておける方がいい、やっぱり
「マスターごめん後で戻ってくるから!エキドナ置いて行ってもいいよ!」
『自然ナ流レデ私ヲ売ルナ』
「君達なら心配ないよ、行っておいで」
「さっすが話がわかるぅ!」
「……ごめん、ありがとう2人とも」
「というかあの子達も一緒で大丈夫なの?」
「最悪私と二美で守るわ、行きましょう」
まあ兎にも角にもまずはその55枚目とやらをどうにかしないと先へ進めなさそうだ、さっさと終わらせてお代わりを飲もう。
「剣城!」
「チェシア、あれが?」
「そうよ55枚目!もう実体化しちゃう!」
「微妙に遅れたわね……」
「いや実体化してくれないと回収できないからナイスタイミング!」
「地味に面倒なタイプの敵!」
ピョンピョン跳ねに跳ねる兎……もといラビィを4人で追い現地合流したピンクの猫と55枚目だか56枚目だか知らないが愛奈達が追っていたカードの元へ。なるほど2人の戦っていた奴らはこうやって現実世界に現れるのか……あれそうなるとラビィとチェシアはなんでそんなデフォルメ体型に?これも世界の修正力か?
「というか実体化って……」
「今のあれは魔力を取り込んでる最中の物凄く不安定な状態……そのまま確保しちゃうと何が起きるかわからないの」
「だからわざと吸収させて実体化した所を倒して確保する。私たちのいつものやり方だね」
「わーおストロングスタイル。専門外だからノーコメントで」
『二美ハソモソモデバイスノ事スラヨク分カラナイガナ』
「だまらっしゃい!自称プロのエンジニアにどうにかしてもらったからいいんですー!」
「それの大元作ったの私だから自称でもなんでもないわ」
「え」
まあ要するに爆薬をいつ起爆するかわからない状態で確保するよりもある程度制御できる時に確保しておいた方がいいってことらしい。都合よく異空間も展開されないらしいしそりゃあそうなるか。
「なんか物凄いことになってない?」
「
「というかやっぱりあの人たちって」
「こうしてるより避難誘導とかした方がよくない?」
「デバイスのメンテが間に合っていれば……」
尚しっかり後輩共も息を切らしながらついて来てる。テトラとエンネア以外全員居るじゃねえかどうなってんだ普通来て2人3人だろ。
「来るよ愛奈!」
「久々にやろう剣城!」
「うん!行こうラビィ!」
「2年ぶりくらいかなチェシア。2人もいいね?」
「もっちろん!それと2人じゃなくて……2人と1羽と1機?」
『私ハ鳥デハナイ』
「2人と2機でいいでしょう……テルス、一応同期よろしく」
『クィリヌスは使うなよ?』
「分かってる、修理不可能にしたくはない」
カードを中心に黒い球のような何かが広がる中4人並んでそれぞれ構えを取る。私はクロノデバイスを巻いた右手で顔を覆い、二美はティタノデバイスをエキドナが乗った左肩に添えるように置く。
「コントラクト!」
「A to K !」
「てんこ盛り!」
「全員集合!」
「えっ」
「カードになった……!?」
愛奈と剣城はAのカードに変化したラビィとチェシアを握り、何処からともなく現れた12枚のカードがそれぞれ周囲を舞う……いや待ってどっから出て来たのそれ?
「弍乃、早速だけどあれ試すね!」
「誕生日プレゼントを貰った幼児じゃないんだから……碌な試験もしてないのよ?」
「そっちの方が燃えるからいーの!ちょっとした冒険、行ってみよう!」
『万ガ一ハ私ガドウニカスル、心配スルナ』
「ったく……」
どうも二美は私が手伝ったばかりの新形態を試運転すらしてないのに試す気らしい、何が起きても責任取れんぞマジで。
「行くよ!
「ええ、
まあ私が手掛けたのだから余程変な事は起きないだろうと確信し2人で詠唱。
「ショーダウン!」
「オールイン!」
「やっぱりあの人達も……」
「
愛奈達も1枚に融合したカードをデッキケースと小物入れが融合したようなアイテムにスラッシュしバリアフィールドを作成。融合した空間の中で一瞬の変身が終わる。
「!!!!!!」
「実体化確認……見た目的に……」
「ジョーカー……やっぱり何かある」
「確認もいいけどまずはあれだよあれ!締まらないって!」
「あんたねぇ……」
「いいよ、やろっ!」
「ノリ軽いわね……」
私はサトゥルヌスに。愛奈と剣城は姫のようなドレスにスートの意匠が施された鎧を纏った如何にも最終フォームですと言いたげな姿。そして二美は……先のティフォンの如くエキドナが各部位に合体した新たな姿。んでもって目の前には如何にも強そうな大鎌持った道化師と……そりゃあ名乗りたくもなるかあいつなら。だったら付き合わないのも面倒だろう。んー……決めた。
「清く掲げるハートのサイン!
「誇り掲げるスペードのサイン!
2人の名乗りに合わせ……
「刻むは輪廻、示すは真意!
正直らしくないが先にこちらも名乗りをあげる。無論大トリは……
「刻むは博愛!」
『示スハ友情!』
新形態を手に入れて物凄くはしゃいでる……
『「三位一体!
最高の相棒だ。
貴方の変身ヒロインは何処から?
-
セーラームーン
-
リリなの
-
プリキュア
-
まどマギ
-
シンフォギア
-
その他