魔法少女はニチアサ展開に付き合いたくないって話。   作:暁真

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怒髪天のチームワークって話。

 

「しかし奇妙な物だなぁ!貴様の隣で刃を携える機会が訪れるとは!」

「全くね、私の隣に立つのはあいつだけだと思ってたんだけど!」

「なんだ奴との記憶も思い出していたか!であれば本当に全力だろうな!」

「記憶を封じていた魔力がそのまま戻って来たから当然よっ!」

 

 呪文(アーツ)の相殺をエンネアちゃんに任せマルスと2人がかりでティフォンに格闘戦を仕掛ける。相変わらずこいつの強さは常軌を逸している、何がどうなったら装神(マキアライズ)もなしにティフォンと渡り合えるんだっての。

 

「こうなるんだったらネプトゥーンを連れてくるべきだったすねぇ……ほんっと、何処までも忌々しい女……!」

「あんたの日頃の行いが自分の首を絞めただけよ!」

「勝てば官軍って理解できますぅ!?」

「誉れ無き勝利に何の価値がある!それを理解できぬ者に武器を取る資格はない!」

「敵を利用し仲間を利用し、挙げ句の果てには死者の尊厳まで弄ぶ……誰が貴様に従おうと思うものか、ティフォンッ!」

 

 別にマルスが反逆したのは唐突な事ではない。理解していたのは私だけかもしれないがこいつは強い相手との正々堂々たる決闘を望んでいる、お眼鏡に敵わない相手にはかなり雑になるが結構素直な奴なんだ。それを何度も何度も邪魔すればこうもなろう、なんなら私が記憶封じてた時たまに「なんか違うな」って表情してたし。

 

「所詮この世は弱肉強食!弱者は強者に喰われ散るのみなんすよ!」

「本能のみで動いている奴が言うと説得力が違うわね!」

 

 マルスが大剣を人間とは思えない速度で振っている隙をこちらが格闘戦で埋め反撃の隙を無くす。雑に撃ってくる雷霆(ケラウノス)はエンネアちゃんが相殺してくれるので問題なし、こっちは加速(アクセル)でペースを乱された時だけ考えればいい。後幾つ残機を残しているかは分からないが少なくともこの個体は此処で仕留める、絶対にだ。

 

「さっきまでの威勢はどうした!そんな温い身体捌きで我が剣を受けきれるとでも思ったか!?」

「ハッ、言わせておけば……なら、その余裕を崩してあげましょうか!」

『ユノ!』

「呪文詠唱(アーツコール)、加速(アクセル)ッ!」

 

 とか言ってたら早速加速(アクセル)を使ってきやがったので合わせてこちらも起動、二人の合間に割り込んで杖に蹴りを入れて突き飛ばす。マルスは今デバイスを操作しないと呪文(アーツ)を使えないしそうしてくるだろうとは思っていたがあまりにも短絡的で愚直すぎるぞお前。

 

「これで二人きりっすねぇセンパイ!」

「その姿でこれ以上喋るなと言った筈よ、少し下がっていなさいマルス!」

 

 とはいえそうなることはあっちも想定済みだったようだ。してやったりと言わんばかりのにやけた面でこっちを見てきたのですかさず右ストレート、と行きたかったが流石に杖で阻まれる。その姿で好き放題やることが一番こっちを揺さぶるって分かってるんだろうが……なんでわざわざマルスから引き離したと思ってる。

 

「誰に向かって物を言っている!その程度の意図理解できぬはずがないだろう!呪文詠唱(アーツコード)267、加速(アクセル)!」

「あんたに理解者面は正直されたくないんだけどね!そういうわけでタイマンはキャンセルよティフォン!」

「一人で勝てないからって群れることを選んだだけでしょうがっ!」

 

 速攻で加速(アクセル)してきたマルスと合流。ムーンサルトで杖を弾くついでに距離を取ってまた歩幅を合わせる。あわよくば武器を落としてくれないかなぁと思ってしまったが流石にそんな甘くはないし落としたとしてもまた作り出すだけ、期待するだけ無駄だ無駄。

 

「勝てば官軍って言ったのは誰だったかしらね!」

「正々堂々たる決闘は真の強者同士でのみ成立する!貴様が舞台に上がる資格などない!」

「弱い犬程良く吠えるんすよ!」

「そっくりそのまま返すわ!」

 

 加速(アクセル)下でも特にやることは変わらない、変わったことと言えば拳と武器のぶつかり合いで発生する衝撃波がクレーターを生み出すレベルになったことくらいだ。全部終わったら纏めて修復(リカバー)するから許してほしい、今はこいつをどうにかしなきゃならないから。

 

「その割には二人とも決定打に欠けるようですけどぉ?」

 

 ただ最悪なことに反撃を許さない攻勢は維持できてるけど奴の言う通り仕留めきれるほどの火力を現状私たちは持っていない。マルスが装神(マキアライズ)すればある程度は押し切れるだろうがあいつは私との決闘用に温存する算段だろう、それは理解できるし強要するものではないとも分かってる。だから今はロムルスを信じよう。

 

「私に一撃与えてから物を言うことだな!」

「ああ言えばこう言うっすねぇ!だったらこれはどうっすかぁ!」

 

 やり口を変える気か?手数を増やすにしても上空からの攻撃はエンネアちゃんが……となれば。

 

「マルス、下っ!」

「はっ、安直が過ぎるぞバッカス!」

 

 やっぱりだ、自動詠唱なのをいいことに断崖(クリフ)で奇襲する算段だったのだろう。避けれはするが左右に分断されて一時的に連携が取れなくなる、その隙を付くのならどちらに?

 

『右だユノ!』

「執拗にこっちなのいい加減しつこいのよ!」

「ちょっと本気を出したって言って欲しいっすねぇ!」

 

 本当こいつはどこまで私に執着するんだ。転移(ワープ)を使わなかったのが舐めプって?攻撃を捌くのに必死で使うことを考えてなかっただけなのを余裕ができたからって偉そうに……ああ面倒臭い!

 

「だったら最初のは遊びとでも言うのかしら!」

「遊びに全力を出す奴が何処に居るって話っすよぉ!」

「戦術までパクって、こ、のぉ!?」

 

 さらに面倒なことにこいつ前に私が使った戦術をそのままパクりやがった、マルスが合流するまでに仕留めきればいいだろって雑に転移(ワープ)しては打撃を負わせてくる。後十何秒くらいで合流してくるとは思うがそれまでにこっちが耐えれる保証は……結構マズいな、これ。

 

「レムスさんっ!?」

「ほーら鬼さんこちらっ!」

「こ、の……!」

「打ち上げ花火と行きましょうかっ!」

「なあっ!?」

 

 やっぱり自動詠唱なしで転移ラッシュを捌ききるのは無理があった。ガードする前に繰り出される連撃で姿勢を崩され、腹部を蹴り上げられて上空へと吹っ飛ばされる。呪文(アーツ)だとエンネアちゃんに相殺されるのは前提として何を……ああ来るか?だがこの姿勢じゃ……!

 

「小癪な真似をしてくれる!」

「あら早かったすねぇ、けど時既に遅し!」

 

 ようやくマルスも合流してきたけど此処までは絶対に届かない。万事休す?いや、諦める訳には……

 

「先にあの世で待ってますよ、先輩っ!」

 

 頭上に転移してからの一撃、避け……

 

 「呪文詠唱(アーツコール)、転送(トランスポート)!」

『この反応は……!』

「間に合ったみたい、ね!」

「……は?」

 

 ……最悪中の最善、いや、最高のタイミングだ。腕に現れたクロノデバイスを即座に起動、ティフォンのトドメの一撃を咄嗟に貼った防壁(シールド)で受け止め衝撃で地面へと帰還。

 

「無我夢中で送ったんでしょうね……ありがとうロムルス、確実に使いやすくなってる」

「……それは」

「チッ、舐めプしてたのはそっちも同じってワケっすか……」

「ええ、本当は使う気もなかったけど……気が変わったわ」

 

 下手に攻撃するだけ無駄と分かっているのだろう、ティフォンの奴どこから来てもいいように防御を固めてきた。だったら……遠慮なしで、ぶち抜こう。

 

「見てなさいマルス。これが私の……本気!」

『補助は……必要ないな、全力で行け』

「無論よ、 起動認証(イグニスコード)、レムス・ウヌス!」

 

 設定が変わってしまっているので変神のため再度認証、周囲に展開されるモニターをチェックしバリアフィールドへと切り替え。サトゥルヌスに留めて温存しておくつもりだったがパテルを此処まで侮辱した以上そんな悠長な事はしない。

 

「変神機構(ディセントファンクション)ッ!」

「そうか、それがお前の……!」

「クィリヌス!」

 

 ユノの衣装を上書きするようにクィリヌスの衣装を生成し纏う。テルスの補助を使っていればまた新たな姿……ユノ・クィリヌスとかにでもなっていたのだろうが今回はそのまま。不意を突かれて危うい所だったが奴も奴で消耗はしている筈、リミッター付けて継戦能力上げるよりは最大火力の一撃で仕留め切ろう。

 

「必殺機構(フィニッシュファンクション)、即時始動(ノーセコンド)!」

「不意打ちで仕留める気ですか?舐められたもので」

「生憎今回はタイマンじゃないからね、エンネアちゃん!」

「はい!」

「私を忘れてもらっては困るな!」

「君は呼ばなくても来るでしょ」

 

 前回戦って分かったことは十二審判(トゥエルヴカウント)では威力がかなり過剰だという事実。だったらある程度削りさえすればチャージを少なくするどころかほぼ無しでも貫通できるだろうと判断して今回新たに組み込んだのがこの即時始動(ノーセコンド)。必殺技起動に1分も待ってられないという当然の判断で実装されたこれはまだまともな試験もしてない、つまるところ……ぶっつけ本番だ。

 

「術式構築(アーツセット)!ゴーッ!」

「何をする気か知りませんが、逃げればっ!?」

「此処まで荒らしておいて逃走とはいいご身分だなえぇ!?」

「なっ、転移、できていない……!?」

 

 ちなみにぶっつけ本番なのはこれだけではない、実は先ほどクロノデバイスの改修ついでにエンネアちゃんのデバイスに術式構築(アーツセット)の機能を移植しておいた。ティフォンが来るかもしれないと転移封じ程度にやったのだが……目論見大成功、と言った所か。

 

「我儘に味方を振り回し、戦場を荒らし、都合が悪くなれば逃げようとする……貴様は戦士の風上にもおけん!」

「私は戦士じゃなくて軍師タイプなんでね!」

「その知識も母さんの……お前が喰らってきた人間たちの物だ!何一つお前の物ではない!」

「その通り、まずはいい加減……」

 

 転移が失敗したティフォンをマルスの剣戟とエンネアちゃんの雷霆(ケラウノス)で抑えている間にチャージを秒で終わらせ、姿勢を低く取り必殺準備。これでもかなり威力があるので極力2人を巻き込みたくないが……

 

「その腐った魂で後輩(パテル)を騙らないでもらおう……!2人とも!」

「はい!」

「決めてみせろユノ!」

「はっ、また勝った気に……」

「実際勝ちだ!」

「んなっ、いつの間───」

 

 2人がティフォンの周囲から離れた一瞬の間に強化(マキシム)した加速(アクセル)と雷霆(ケラウノス)を付与した身体で急接近、当然勢いはそのまま乗る。

 

「光の速さで吹っ飛べ! 神風脚(アウロステル)、暴風螺旋(ハリケーン)ッ!」

 

 そのままただ蹴るだけ、他に何一つ余計な動作も行動もいらない。

 

「に───」

「これで、4勝……0敗っ!」

 

 文字通り光速で穿った風を纏った一撃は……

 

「こ、の───」

 

 ティフォンを彼方へと吹っ飛ばし、時間結界の壁に激突する程の威力だった。ま、これなら問題ないだろう。

貴方の変身ヒロインは何処から?

  • セーラームーン
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  • プリキュア
  • まどマギ
  • シンフォギア
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